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アレクサンダーとマイケルの我慢は続く?(アレクサンダーside)
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「おい、ちょっと・・・・・・なんのつもりだ?」
マイケルのパンチが、いきなり私に向かって伸びてきた。そのパンチを避けようとしたら、グレイスが穏やかに微笑みながら首を横に振った。
やれ、やれ、気がついたということか? この渾身のパンチを腹にくらうのはきつそうだ。
私は、わざと避けもせずに、大人しくその怒りの鉄拳を受け入れた。腹に重い衝撃が伝わり、身体が斜めに揺れる。倒れそうになるのを、グレイスが支え、マイケルに顔を向けてにっこりした。
「お兄様! お久しぶりです。アレクサンダー様をこれ以上、殴ってはいけません。私の恩人ですから」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
「なんで、わかったんだい?」
私は、腹を押さえながらマイケルに聞いた。
「ホクロさ。グレイスの右手の手のひらの真ん中にあるんだ。それから姿形が母上にそっくりだ」
マイケルは嬉しそうにグレイスの顔を見つめている。目には、うっすら涙さえ浮かべていた。もっと、はやく言うべきだったのかな?
「すまんな。あのレイラ男爵達に、偽物を信じているように思いこませたかったのさ。有頂天になっているところからの地獄はきついだろ? マイケルは演技が下手だと思ったから、黙っていたのさ。だって、あの偽物を信じていたんだろ?」
「あの偽物は、最初の日に見破っていたさ。もう、グレイスは殺されたと思っていたよ」
マイケルは、なんと、最初から知っていたのか! あぁ、それなら、早く言えば良かった。
「二人とも仲直りしてくださいね? 大事なお兄様と命の恩人ですからね? レイラ男爵家に、あのままいたら私は本当に殺されていたかもしれません」
それから、3人で泣いたり笑ったり、怒ったり。グレイスが虐げられていた話は何度聞いても、腹が立つし、髪に染料をかけられた話には、マイケルは泣きそうになっていた。
「アレクサンダーの計画通りに、王様の誕生日に、全てを暴露しよう! それまでは、子供っぽい嫌がらせは、もうやめておこう。有頂天にしておかなければ面白くないからな」
マイケルが、私にそんなことを言ってきたが、少なからずあの偽物だけは今でも有頂天のはずだ。
「しかし、マイケルもたいしたものだ! 偽物とわかっていて,お小遣いをあげていたとは・・・・・・」
「え? お兄様、あのリリィにお小遣いをあげたのですか?」
グレイスは呆れた声を出して笑い出した。
そんな和やかな空気を壊したのが、侍女の来客を告げる声だった。
「レイラ男爵家のご一家がいらっしゃいました」
私達は目を丸くして驚いた。さきほど、あの偽物が帰ったばかりなのに、なぜ一家で来るのだ?
グレイスにベールをかけるように言い、男爵達を迎え入れたところ、アイザックが開口一番にこう言ったのだった
「マイケル様! グレイスに聞いたところ、『私が甘えている』とおっしゃったそうですね!この私のどこが甘えているというのですか? よくも、妹の恩人にそんなことが言えたものだ! 貴方の妹は、私が結婚してやらなかったら娼婦になっていたかもしれないんだぞ!」
マイケルの顔が一瞬、激しい怒りで赤くなった。まずいな。マイケルを怒らせると王様の誕生日まで待てなくなるな。ここは、私が助け船を出さなければいけなさそうだ。
「あ、アレクサンダー様! 私も、貴方様に言いたいことがあります。アレクサンダー様の従者達は、躾のなっていない礼儀しらずの若者ばかりです! クビにしてください!」
アイザックの母親のレイラ前男爵夫人がわめきだしたのだった。あぁ、私も我慢の限界かもしれない・・・・・・
マイケルのパンチが、いきなり私に向かって伸びてきた。そのパンチを避けようとしたら、グレイスが穏やかに微笑みながら首を横に振った。
やれ、やれ、気がついたということか? この渾身のパンチを腹にくらうのはきつそうだ。
私は、わざと避けもせずに、大人しくその怒りの鉄拳を受け入れた。腹に重い衝撃が伝わり、身体が斜めに揺れる。倒れそうになるのを、グレイスが支え、マイケルに顔を向けてにっこりした。
「お兄様! お久しぶりです。アレクサンダー様をこれ以上、殴ってはいけません。私の恩人ですから」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
「なんで、わかったんだい?」
私は、腹を押さえながらマイケルに聞いた。
「ホクロさ。グレイスの右手の手のひらの真ん中にあるんだ。それから姿形が母上にそっくりだ」
マイケルは嬉しそうにグレイスの顔を見つめている。目には、うっすら涙さえ浮かべていた。もっと、はやく言うべきだったのかな?
「すまんな。あのレイラ男爵達に、偽物を信じているように思いこませたかったのさ。有頂天になっているところからの地獄はきついだろ? マイケルは演技が下手だと思ったから、黙っていたのさ。だって、あの偽物を信じていたんだろ?」
「あの偽物は、最初の日に見破っていたさ。もう、グレイスは殺されたと思っていたよ」
マイケルは、なんと、最初から知っていたのか! あぁ、それなら、早く言えば良かった。
「二人とも仲直りしてくださいね? 大事なお兄様と命の恩人ですからね? レイラ男爵家に、あのままいたら私は本当に殺されていたかもしれません」
それから、3人で泣いたり笑ったり、怒ったり。グレイスが虐げられていた話は何度聞いても、腹が立つし、髪に染料をかけられた話には、マイケルは泣きそうになっていた。
「アレクサンダーの計画通りに、王様の誕生日に、全てを暴露しよう! それまでは、子供っぽい嫌がらせは、もうやめておこう。有頂天にしておかなければ面白くないからな」
マイケルが、私にそんなことを言ってきたが、少なからずあの偽物だけは今でも有頂天のはずだ。
「しかし、マイケルもたいしたものだ! 偽物とわかっていて,お小遣いをあげていたとは・・・・・・」
「え? お兄様、あのリリィにお小遣いをあげたのですか?」
グレイスは呆れた声を出して笑い出した。
そんな和やかな空気を壊したのが、侍女の来客を告げる声だった。
「レイラ男爵家のご一家がいらっしゃいました」
私達は目を丸くして驚いた。さきほど、あの偽物が帰ったばかりなのに、なぜ一家で来るのだ?
グレイスにベールをかけるように言い、男爵達を迎え入れたところ、アイザックが開口一番にこう言ったのだった
「マイケル様! グレイスに聞いたところ、『私が甘えている』とおっしゃったそうですね!この私のどこが甘えているというのですか? よくも、妹の恩人にそんなことが言えたものだ! 貴方の妹は、私が結婚してやらなかったら娼婦になっていたかもしれないんだぞ!」
マイケルの顔が一瞬、激しい怒りで赤くなった。まずいな。マイケルを怒らせると王様の誕生日まで待てなくなるな。ここは、私が助け船を出さなければいけなさそうだ。
「あ、アレクサンダー様! 私も、貴方様に言いたいことがあります。アレクサンダー様の従者達は、躾のなっていない礼儀しらずの若者ばかりです! クビにしてください!」
アイザックの母親のレイラ前男爵夫人がわめきだしたのだった。あぁ、私も我慢の限界かもしれない・・・・・・
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