(完)子供も産めない役立たずと言われて・・・・・・

青空一夏

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まさか・・・・・・?(マイロ女公爵視点)

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黄金の髪の美女が、その日はいきなり尋ねてきた。この娘はリリィ侍女長だ。全く、先触れをもせずにどこにでも出かけるのだから、王族の間では『神と災難は突然やってくる』などと、噂されて恐れられている。
まぁ、いい抑止力で大変けっこう。アレクサンダーとグレイスは人望があるうえに、この龍神様たちがいらっしゃるお陰で、思い切った政策が打ち出せる。

ただ、セリーヌ王女のことだけは、放って置いてほしかった。これは、セリーヌ王女の希望なのだから。しかし、このリリィ侍女長には隠し立てはできまい。

しかし、どう言っていいものか・・・・・・
考えあぐねていたら、リリィ侍女長は思いがけないことを言ってきた。

「もしや・・・・・・女ですか? あぁーー! なんてことでしょう。グレイス様のお兄様なのに、これでは,グレイス様にご報告できませんよ・・・・・・マイケル様を口にくわえて、夜空をひとっ飛びしてもよろしいでしょうか? ここは、少し脅して・・・・・・」

ん? なぜ、そちらの方向になるのだろうか? この問題が、女にうつつを抜かした程度のものなら、どんなに良かったか・・・・・・

「これ。リリィ侍女長よ。早合点はいけません。マイケルはそのようなことはしない。もっと、深刻なことよ。命の話だ・・・・・・マイケルは、少し前から体調を崩しておってな・・・・・・余命3ヶ月だ」

その言葉を聞いた時のリリィ侍女長の顔色は蒼白になっていた。ところが、リリィ侍女長は少し考えた後ににっこりとして言った。

「それなら、簡単な話ではありませんか? ミカエル様の血を飲めば、そんな病などたちどころに・・・・・・」

やはり、リリィ侍女長は、そう言うと思っていた。しかし、これはそんなことでは解決しない問題だった。

「リリィ侍女長よ。よく、聞きなさい。人間というものには、寿命がある。それは、簡単に覆してはいけないものだ。リリィ侍女長の場合と、マイケルの場合は違う」

私は、どう説明したらわかってもらえるかと考えながら、ゆっくりと話した。

「どこも違いません! グレイス様の大事なお兄様ですよ? みすみす死なせるわけにはまいりません」

もちろん、そうだ。私だとて、死なせたくはない。けれど、これは自然の摂理よ・・・・・・マイケルだけの話ではおさまらない事態になっては・・・・・・

「マイケルを助けたとしよう。では、グレイスが病気になったら? また助けるか? そうして、私達王族だけが、永遠に近い命を得る。ベッツィが怪我したら? フェルゼールが病気になったら? 次々と命を与えたら、神ばかりが増えてしまう。・・・・・・神は龍神様とリリィ侍女長だけで充分なのだよ・・・・・・」

私は、そう諭しながらも、とても辛い気持ちであった。誰も、マイケルの死は受け入れられない。それと同時に龍化することも、また、違うと思うのだった。
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