12 / 55
12
しおりを挟む
「まずは女子寮を案内しよう。そうだ、まだ君の名前を聞いていなかったね?」
「マリア・ピナです」
「私はキース・サンテリオ。この領地の領主だ。君も知っての通り、ここサンテリオは街全体がファッションの中心地になっている。サンテリオ服飾工房は、侯爵家の名誉にかけて運営している事業だ。だから、ただ部下に任せるだけではなく、私自身がここで統括して目を配っている。で、工房のすぐ隣、ここが君が住むことになる女子寮だ」
サンテリオ侯爵様は、白い石造りの三階建ての建物を指差した。大きなアーチ型の窓が規則正しく並び、窓枠には小さな装飾が施されている。ちょうど花の鉢を置けるような小さな台座も作られていて、ピンクや白、赤の花々が色鮮やかに並んでいた。風にそよぐたび、建物全体に柔らかく華やかな印象が広がる。
「すごく立派な寮ですね……とても綺麗です。こんなところに住めるなんて、夢みたいです」
「そうかい? 気に入ってもらえて嬉しいよ。いい環境を用意して、優秀な人材を育て上げることが私の務めだと思っているからね」
正面の門扉には、魔導施錠装置が埋め込まれていた。サンテリオ侯爵様によると『登録された者以外は、中に入れない仕組み』だという。
「ちょっと失礼。君の手を貸してもらえるかな」
そっと私の手を取り、施錠装置に触れさせると、カチャカチャと何やらボタンを操作した。
「よし、これで君の指紋が登録されたよ」
(すごい……日本で言うところの指紋認証だわね)
門をくぐり寮の中に入る。建物の内部は明るく、開放感にあふれていた。談話室や図書室、作業室など、共用施設が充実しており、どの部屋も清潔で整っている。
「この寮では、毎日の食事を作ってくれる人がいる。今、寮母さんに紹介するよ」
サンテリオ侯爵様が大きな食堂を案内しながら、厨房の方角に向かって「フランさん!」と声を張った。
すると、そこから柔らかな笑みを浮かべた年配の女性が出てきた。優しい目元と落ち着いた佇まいから、初めて会う私でも安心感が伝わってくる。
「こちらは新しく寮に入る マリアさんだ。 隣の領地からこちらにやってきたばかりらしい。優しくしてやってくれ」
「かしこまりました、侯爵様」
フランさんは サンテリオ侯爵様に深く頭を下げて、次は私に向き直り、穏やかな笑みを浮かべた。
「マリアさん。初めまして、寮母のフランです。食事は朝と夜、ちゃんと栄養たっぷりのものを出しますよ。 好き嫌いがないといいんですがね。 おかわりも自由ですから、たくさん召し上がってくださいね」
「はい、 よろしくお願いします。 好き嫌いはないですし、 食事の時間が楽しみです」
「寮の生活で、なにかわからないことがあったら、フランさんに聞くといい。さて、案内を続けよう。二階と三階は従業員たちのプライベートルームだ。プライバシーが守れるよう、すべて個室になっている。安心して、くつろいでほしい」
サンテリオ侯爵様に促されて奥の階段を上がると、個室がずらりと並んでいた。ブロック服飾工房の部屋とは違い、扉と扉の間隔がゆったりとしている。その分、部屋も広々としているに違いない。
案内された私の部屋の扉を開けると、大きな窓から柔らかな陽光が差し込み、部屋全体を温かく包んでいた。室内には清潔な寝具が揃ったベッド、書き物用の洒落たデスク、座り心地が良さそうな椅子、整然と並ぶ収納棚があり、どこを見ても清潔で整った印象だ。
部屋の広さは想像以上で、一人用の小さなソファーまで置かれており、隣には小さなローテーブルもある。従業員の寮としては十分すぎる贅沢さだった。
さらに、サンテリオ侯爵様によると、廊下や階段に設置された魔導防犯ランプは、異常を感知すると瞬時に、侯爵家お抱えの騎士たちに知らせが届く仕組みになっているという。夜間であっても、どんな小さな異変も見逃さないとのことだ。
「初めて来た土地で不安だと思うが、食事と安全な住居はきちんと保証するよ。安心して、仕事に励んでほしい」
サンテリオ侯爵様は微笑み、私の頭を子供のように軽く撫でた。そのさりげない仕草に、なぜか心の奥まで温かさが広がる。
(道理でここが、ファッションの中心地として栄えるわけだわ。これだけ従業員が大切にされ、いい上司にも恵まれるのだから、多くの人がサンテリオ服飾工房で働きたいと思うのも当然よね)
私は深呼吸をして、目の前に広がる新しい生活に胸を高鳴らせた。ここでの暮らしは、ただ安全であるというだけでなく、自分の才能を存分に発揮できる環境でもある。
「今日のところは、ここでゆっくり過ごすといい。明日から出勤してくれ。ではまた明日会おう」
サンテリオ侯爵様はにこやかに微笑みながら、颯爽と去っていった。
自分の部屋で荷物をほどき、窓辺に近寄る。大きな窓からは、向かいの街並みが一望できた。石畳の通りに並ぶ香水やバッグの高級店に、行き交う着飾った人々の姿が見える。
。゚☆: *.☽ .* :☆゚
日が沈むころ、他の女性従業員たちが、ちらほらと帰宅してきた。夕食の時間になり、簡素なワンピースに着替えてから大食堂に行くと、大きなテーブルには見た目も豪華で美味しそうな料理が並んでいた。
「皆さん、今日から新しく入ったマリアさんですよ」
フランさんから紹介されると、一斉に視線が私に集まる。私は少し緊張しながら頭を下げて自己紹介した。
「オッキーニ男爵領から来ました、マリアと言います。どうぞ、よろしくお願いします」
みんなはにこやかな笑顔で、拍手をして歓迎してくれた。
(よかった。いい人たちそうだわ。仲良くなれたらいいな)
そう思っていると、一人の従業員が好奇心たっぷりに声をかけてきた。
「私はカエリン・メリージよ。よろしくね! ところで、オッキーニ男爵領の学園って、どんな感じなの? 私が通っていたデザイン科は、マールカ伯爵領のマールカ学園よ。生徒は60人以上もいたけど、ここに採用されたのは私だけ。みんなから羨ましがられちゃったの」
一番最初に答えにくい質問が出てきてしまった。でも、正直に答えるしかない。
「私、学園には通っていません」
一瞬、周囲が静まり返る。
「え?」と、驚いた表情が次々と浮かんだ。
「嘘でしょ? だって、それって必須条件だって聞いたけど?」
「そうよね。私も学歴証明書を出したもの。そうしないと採用テストすら受けられないはずよ」
さっきまで温かい眼差しを向けてくれていた彼女たちは、途端に嘲るような目つきや怪訝そうな表情に変わった。その後の会話は弾まず、私に話しかけてくる人は一人もいなかった。
(気にすることなんてないわ。私は自分の道を進むだけよ!)
「マリア・ピナです」
「私はキース・サンテリオ。この領地の領主だ。君も知っての通り、ここサンテリオは街全体がファッションの中心地になっている。サンテリオ服飾工房は、侯爵家の名誉にかけて運営している事業だ。だから、ただ部下に任せるだけではなく、私自身がここで統括して目を配っている。で、工房のすぐ隣、ここが君が住むことになる女子寮だ」
サンテリオ侯爵様は、白い石造りの三階建ての建物を指差した。大きなアーチ型の窓が規則正しく並び、窓枠には小さな装飾が施されている。ちょうど花の鉢を置けるような小さな台座も作られていて、ピンクや白、赤の花々が色鮮やかに並んでいた。風にそよぐたび、建物全体に柔らかく華やかな印象が広がる。
「すごく立派な寮ですね……とても綺麗です。こんなところに住めるなんて、夢みたいです」
「そうかい? 気に入ってもらえて嬉しいよ。いい環境を用意して、優秀な人材を育て上げることが私の務めだと思っているからね」
正面の門扉には、魔導施錠装置が埋め込まれていた。サンテリオ侯爵様によると『登録された者以外は、中に入れない仕組み』だという。
「ちょっと失礼。君の手を貸してもらえるかな」
そっと私の手を取り、施錠装置に触れさせると、カチャカチャと何やらボタンを操作した。
「よし、これで君の指紋が登録されたよ」
(すごい……日本で言うところの指紋認証だわね)
門をくぐり寮の中に入る。建物の内部は明るく、開放感にあふれていた。談話室や図書室、作業室など、共用施設が充実しており、どの部屋も清潔で整っている。
「この寮では、毎日の食事を作ってくれる人がいる。今、寮母さんに紹介するよ」
サンテリオ侯爵様が大きな食堂を案内しながら、厨房の方角に向かって「フランさん!」と声を張った。
すると、そこから柔らかな笑みを浮かべた年配の女性が出てきた。優しい目元と落ち着いた佇まいから、初めて会う私でも安心感が伝わってくる。
「こちらは新しく寮に入る マリアさんだ。 隣の領地からこちらにやってきたばかりらしい。優しくしてやってくれ」
「かしこまりました、侯爵様」
フランさんは サンテリオ侯爵様に深く頭を下げて、次は私に向き直り、穏やかな笑みを浮かべた。
「マリアさん。初めまして、寮母のフランです。食事は朝と夜、ちゃんと栄養たっぷりのものを出しますよ。 好き嫌いがないといいんですがね。 おかわりも自由ですから、たくさん召し上がってくださいね」
「はい、 よろしくお願いします。 好き嫌いはないですし、 食事の時間が楽しみです」
「寮の生活で、なにかわからないことがあったら、フランさんに聞くといい。さて、案内を続けよう。二階と三階は従業員たちのプライベートルームだ。プライバシーが守れるよう、すべて個室になっている。安心して、くつろいでほしい」
サンテリオ侯爵様に促されて奥の階段を上がると、個室がずらりと並んでいた。ブロック服飾工房の部屋とは違い、扉と扉の間隔がゆったりとしている。その分、部屋も広々としているに違いない。
案内された私の部屋の扉を開けると、大きな窓から柔らかな陽光が差し込み、部屋全体を温かく包んでいた。室内には清潔な寝具が揃ったベッド、書き物用の洒落たデスク、座り心地が良さそうな椅子、整然と並ぶ収納棚があり、どこを見ても清潔で整った印象だ。
部屋の広さは想像以上で、一人用の小さなソファーまで置かれており、隣には小さなローテーブルもある。従業員の寮としては十分すぎる贅沢さだった。
さらに、サンテリオ侯爵様によると、廊下や階段に設置された魔導防犯ランプは、異常を感知すると瞬時に、侯爵家お抱えの騎士たちに知らせが届く仕組みになっているという。夜間であっても、どんな小さな異変も見逃さないとのことだ。
「初めて来た土地で不安だと思うが、食事と安全な住居はきちんと保証するよ。安心して、仕事に励んでほしい」
サンテリオ侯爵様は微笑み、私の頭を子供のように軽く撫でた。そのさりげない仕草に、なぜか心の奥まで温かさが広がる。
(道理でここが、ファッションの中心地として栄えるわけだわ。これだけ従業員が大切にされ、いい上司にも恵まれるのだから、多くの人がサンテリオ服飾工房で働きたいと思うのも当然よね)
私は深呼吸をして、目の前に広がる新しい生活に胸を高鳴らせた。ここでの暮らしは、ただ安全であるというだけでなく、自分の才能を存分に発揮できる環境でもある。
「今日のところは、ここでゆっくり過ごすといい。明日から出勤してくれ。ではまた明日会おう」
サンテリオ侯爵様はにこやかに微笑みながら、颯爽と去っていった。
自分の部屋で荷物をほどき、窓辺に近寄る。大きな窓からは、向かいの街並みが一望できた。石畳の通りに並ぶ香水やバッグの高級店に、行き交う着飾った人々の姿が見える。
。゚☆: *.☽ .* :☆゚
日が沈むころ、他の女性従業員たちが、ちらほらと帰宅してきた。夕食の時間になり、簡素なワンピースに着替えてから大食堂に行くと、大きなテーブルには見た目も豪華で美味しそうな料理が並んでいた。
「皆さん、今日から新しく入ったマリアさんですよ」
フランさんから紹介されると、一斉に視線が私に集まる。私は少し緊張しながら頭を下げて自己紹介した。
「オッキーニ男爵領から来ました、マリアと言います。どうぞ、よろしくお願いします」
みんなはにこやかな笑顔で、拍手をして歓迎してくれた。
(よかった。いい人たちそうだわ。仲良くなれたらいいな)
そう思っていると、一人の従業員が好奇心たっぷりに声をかけてきた。
「私はカエリン・メリージよ。よろしくね! ところで、オッキーニ男爵領の学園って、どんな感じなの? 私が通っていたデザイン科は、マールカ伯爵領のマールカ学園よ。生徒は60人以上もいたけど、ここに採用されたのは私だけ。みんなから羨ましがられちゃったの」
一番最初に答えにくい質問が出てきてしまった。でも、正直に答えるしかない。
「私、学園には通っていません」
一瞬、周囲が静まり返る。
「え?」と、驚いた表情が次々と浮かんだ。
「嘘でしょ? だって、それって必須条件だって聞いたけど?」
「そうよね。私も学歴証明書を出したもの。そうしないと採用テストすら受けられないはずよ」
さっきまで温かい眼差しを向けてくれていた彼女たちは、途端に嘲るような目つきや怪訝そうな表情に変わった。その後の会話は弾まず、私に話しかけてくる人は一人もいなかった。
(気にすることなんてないわ。私は自分の道を進むだけよ!)
1,984
あなたにおすすめの小説
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
婚約破棄ですか?結構ですわ。ですが違約金は国家予算になります
しおしお
恋愛
王太子エドガルドの婚約者である公爵令嬢アルシェラ・ヴァルディア。
だがある日、王太子は彼女を遠ざけ、代わりに義妹ノエリアを伴うようになる。
やがて社交界ではこう囁かれ始めた。
「王太子はアルシェラとの婚約を破棄するつもりらしい」と。
しかし――
アルシェラは慌てることも、泣くこともなかった。
「婚約破棄?どうぞご自由に」
そう微笑む彼女の手には、王家とヴァルディア家が結んだ正式な婚約契約書があった。
その契約には一つの条項がある。
王家が婚約を破棄する場合、違約金は“王国北方防衛費十年分”。
つまり、国家財政すら揺るがす巨額の賠償金。
そして春の王宮舞踏会――
王太子は満場の貴族の前で婚約破棄を宣言する。
だがその瞬間、アルシェラは契約書を掲げた。
「婚約破棄はご自由に。ただし契約は守ってくださいませ」
王太子、義妹、そして王家を巻き込んだ
社交界最大の公開逆転劇が幕を開ける。
これは、静かな公爵令嬢が
契約一枚で王太子の“真実の愛”を叩き潰す物語。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
婚約破棄ですか?構いませんわ。ですがその契約、すべて我が家のものです
ふわふわ
恋愛
王太子ユリウスは、王立学園の卒業舞踏会で突然宣言した。
「カリスタ・ヴァレリオンとの婚約を破棄する!」
隣には涙を流す義妹ルミレア。
彼女は「姉に虐げられてきた可哀想な令嬢」を演じ、王太子はそれを信じてしまう。
だが――王太子は知らなかった。
ヴァレリオン公爵家が
王国銀行の資金、港湾会社の株式、商人組合の信用保証――
王国経済の中枢を支える契約のほとんどを握っていたことを。
婚約破棄と同時に、カリスタは静かに言った。
「では契約を終了いたします」
その瞬間、王国の歯車は止まり始める。
港は停止。
銀行は資金不足。
商人は取引停止。
そしてついに――
王宮大広間で王太子の公開断罪が始まる。
「私は悪くない!」
「騙されたんだ!」
見苦しく喚き暴れる王太子は、衛兵に取り押さえられ、床を引きずられるようにして連行されていく。
王太子、義妹、義父母。
すべてが破滅したとき、カリスタはただ静かに告げる。
「契約は終わりました」
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
※他サイト様にも載せています。
嫌いなところが多すぎるなら婚約を破棄しましょう
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私ミリスは、婚約者ジノザに蔑まれていた。
侯爵令息のジノザは学園で「嫌いなところが多すぎる」と私を見下してくる。
そして「婚約を破棄したい」と言ったから、私は賛同することにした。
どうやらジノザは公爵令嬢と婚約して、貶めた私を愛人にするつもりでいたらしい。
そのために学園での評判を下げてきたようだけど、私はマルク王子と婚約が決まる。
楽しい日々を過ごしていると、ジノザは「婚約破棄を後悔している」と言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる