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閑話ー1
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ここは王都中央広場。
今日は雲ひとつない青空が広がり、日差しも柔らかで心地よく、鞭打ちの刑執行日にふさわしい、ちょっとしたピクニック日和である。この日集まってきた民衆の目的は「見世物としての鞭打ち刑」であり、娯楽の少ない庶民にとっては残酷な刑というよりは、 日頃の鬱憤を晴らす楽しいショーになっていた。そのため、昼頃に行われる予定の鞭打ち刑を一目見ようと、朝のうちから次々と見物人が集まり、広場はすでにちょっとした人だかりとなっていた。
中央には木製の晒し台が据えられ、すでに三人の罪人が首と両手を固定されている。 マリアの両親であるカストリオとソレーヌ、そして妹のソフィアだ。この拘束具は『ピロリー』とも呼ばれ、罪人が逃げ出せないよう首と手首を挟み込む構造になっていた。もちろん、動ける余地はほとんどない。
さらし台の脇には立て札が立てられ、それぞれの罪状が記されていた。見物人が立て札を覗き込み、「へぇ……」と呆れたような声を漏らすたび、周囲で「どんな罪なんだ?」と興味津々に覗き込む者が増えていく。刑の執行前のこの時間、王都中央広場にはお祭りが始まる前のようなざわついた空気が漂っていた。
罪人を見るために集まった見物人たちは、小声で噂を交わしながらも、どこか浮き足立っている。その中のひとりが、晒し台に首を固定されているソレーヌを見つけると、遠慮もなく叫んだ。
「おお、こいつが噂の鬼母か!」
すぐさま、周囲からも言葉が飛んでくる。
「娘の成功を邪魔して脅すなんて、よくそんなこと思いつくねぇ」
「へぇ……あんた、有名なデザイナーのマリアさんの母親なのかい? こりゃ鳶が鷹を生んだどころじゃねぇな! あの方はサンテリオ服飾工房のトップデザイナーなんだろ? こんな家族の中でまともに育つって逆にすげぇや」
そんな声を耳にした瞬間、ソレーヌの顔に血が上ったのが誰にでも分かった。
「う、うるさいわよッ! マリアはひどい子なんだッ! 素晴らしい才能に恵まれた子に産んでやった恩も忘れて、私たちをこんな目に合わせて! 母親を敬わない親不孝者だよ」
(そうよ! マリアが才能を持って生まれたのは、この私の手柄なのよ。本来なら感謝されるべきなのに……サンテリオ服飾工房に行ったとき、ちゃんと助けてくれれば脅したり、鞄を盗むこともなかったのよ!)
そう“確信”するほどに、ソレーヌの中では全てがマリアのせいになっていき、怒りはさらに加速していくのだった。
カストリオもまた、周囲から容赦なく責め立てられていた。
「自分の娘にたかるとか恥ずかしくないのかよ! クズ親め!」
「父親の皮を被った寄生虫か?」
そんな言葉が飛び交う中、カストリオはむしろ胸を張って怒鳴り返す。
「俺がいなければ、あの優秀な娘だって生まれなかったんだぞ!? だからマリアは俺に感謝して、当然俺を養うべきだったんだ!」
……この期に及んで、反省の色は一切見られず、むしろ自分の理屈に自信満々なあたりが非常にタチが悪い。
一方、ソフィアの周りには、かつてのルクレール女学園の同級生たちが集まり、クスクスと笑いながらからかっていた。
「わざわざオッキーニ男爵領から来てあげたのよ? うちの学園の卒業生が晒されるなんて、完全に黒歴史確定じゃない」
ファッションショーで模造ドレスを着てステージに立っていた女性が、鼻に皺を寄せて見下すように言い放った。
ソフィアはそれに対して噛みつくように声を荒げる。
「あなた、私を売ったわよね? あのファッションショーで断罪の手伝いするとか、裏切りにもほどがあるでしょ!」
「だって、サンテリオ侯爵様から頼まれたら断れないでしょ。それに協力すれば、マリアさんがデザインしたドレスを、優先的に仕立ててもらえるって条件だったんだから。普通なら半年以上待たないと作ってもらえないのよ? これから私たちは、マリアさんと仲良くしてしていただきたいと思っているのよ」
その言葉にソフィアは余計に苛立ち、姉への憎しみを口にした。
「同じ姉妹なのに、なんでお姉ちゃんばっかり賞賛されるのよ! おかしいじゃない! ……そうだ! 母さんのお腹の中で、本当は私に来るはずだった才能を、全部お姉ちゃんが持っていってしまったのね……泥棒はお姉ちゃんのほうよ!」
自分の行いは見事なまでに棚上げしながら、被害者の立場だけは絶対に手放そうとしないあたり、ソフィアもやはり例外ではなかった。
突拍子もない理屈を堂々と言い放つソフィアに、同級生の女性たちは言葉を失い、一瞬だけ互いの顔を見合わせる。
「……ここまでとは思わなかったわね」
「そうね、逆にお気の毒というか……」
口元に手を当てたまま苦笑をにじませると、彼女たちはそれ以上関わるのを避けるように、そそくさと立ち去っていった。
三人の主張を聞いていた周囲の見物人たちも、次第に顔を引きつらせながら距離を置きはじめた。話の筋が通っておらず、そろいもそろって現実から大きくズレた理屈を叫び続けるその様子に、もはや突っ込む気力すら萎えていく。
「……だめだな、こりゃ」
「親子そろって思考が異次元すぎる」
「鞭で打たれたところで、反省するタイプじゃなさそうだな……」
ため息まじりの声だけを残して、何人かは肩をすくめながら人混みへと戻っていった。
やがて正午の鐘が、王都の空気を震わせるように鳴り響いた。その瞬間、広場はざわりと揺れ、見物人たちの視線が一斉に晒し台へ集まる。
「いよいよ始まるな」「反省ゼロのあの親子が、どうなることやら……」
期待と好奇心が入り混じった空気の中、刑執行人の補助役が革製の鞭を恭しく持ってくる。まるで「これからが本番だ」と告げるかのように、鞭がゆっくりと屈強な刑執行人へと手渡されると――宣言が厳かに下された。
「これより、鞭打ちの刑を執行する!」
次の瞬間を待つ広場には、不思議な高揚感すら漂っていた。
今日は雲ひとつない青空が広がり、日差しも柔らかで心地よく、鞭打ちの刑執行日にふさわしい、ちょっとしたピクニック日和である。この日集まってきた民衆の目的は「見世物としての鞭打ち刑」であり、娯楽の少ない庶民にとっては残酷な刑というよりは、 日頃の鬱憤を晴らす楽しいショーになっていた。そのため、昼頃に行われる予定の鞭打ち刑を一目見ようと、朝のうちから次々と見物人が集まり、広場はすでにちょっとした人だかりとなっていた。
中央には木製の晒し台が据えられ、すでに三人の罪人が首と両手を固定されている。 マリアの両親であるカストリオとソレーヌ、そして妹のソフィアだ。この拘束具は『ピロリー』とも呼ばれ、罪人が逃げ出せないよう首と手首を挟み込む構造になっていた。もちろん、動ける余地はほとんどない。
さらし台の脇には立て札が立てられ、それぞれの罪状が記されていた。見物人が立て札を覗き込み、「へぇ……」と呆れたような声を漏らすたび、周囲で「どんな罪なんだ?」と興味津々に覗き込む者が増えていく。刑の執行前のこの時間、王都中央広場にはお祭りが始まる前のようなざわついた空気が漂っていた。
罪人を見るために集まった見物人たちは、小声で噂を交わしながらも、どこか浮き足立っている。その中のひとりが、晒し台に首を固定されているソレーヌを見つけると、遠慮もなく叫んだ。
「おお、こいつが噂の鬼母か!」
すぐさま、周囲からも言葉が飛んでくる。
「娘の成功を邪魔して脅すなんて、よくそんなこと思いつくねぇ」
「へぇ……あんた、有名なデザイナーのマリアさんの母親なのかい? こりゃ鳶が鷹を生んだどころじゃねぇな! あの方はサンテリオ服飾工房のトップデザイナーなんだろ? こんな家族の中でまともに育つって逆にすげぇや」
そんな声を耳にした瞬間、ソレーヌの顔に血が上ったのが誰にでも分かった。
「う、うるさいわよッ! マリアはひどい子なんだッ! 素晴らしい才能に恵まれた子に産んでやった恩も忘れて、私たちをこんな目に合わせて! 母親を敬わない親不孝者だよ」
(そうよ! マリアが才能を持って生まれたのは、この私の手柄なのよ。本来なら感謝されるべきなのに……サンテリオ服飾工房に行ったとき、ちゃんと助けてくれれば脅したり、鞄を盗むこともなかったのよ!)
そう“確信”するほどに、ソレーヌの中では全てがマリアのせいになっていき、怒りはさらに加速していくのだった。
カストリオもまた、周囲から容赦なく責め立てられていた。
「自分の娘にたかるとか恥ずかしくないのかよ! クズ親め!」
「父親の皮を被った寄生虫か?」
そんな言葉が飛び交う中、カストリオはむしろ胸を張って怒鳴り返す。
「俺がいなければ、あの優秀な娘だって生まれなかったんだぞ!? だからマリアは俺に感謝して、当然俺を養うべきだったんだ!」
……この期に及んで、反省の色は一切見られず、むしろ自分の理屈に自信満々なあたりが非常にタチが悪い。
一方、ソフィアの周りには、かつてのルクレール女学園の同級生たちが集まり、クスクスと笑いながらからかっていた。
「わざわざオッキーニ男爵領から来てあげたのよ? うちの学園の卒業生が晒されるなんて、完全に黒歴史確定じゃない」
ファッションショーで模造ドレスを着てステージに立っていた女性が、鼻に皺を寄せて見下すように言い放った。
ソフィアはそれに対して噛みつくように声を荒げる。
「あなた、私を売ったわよね? あのファッションショーで断罪の手伝いするとか、裏切りにもほどがあるでしょ!」
「だって、サンテリオ侯爵様から頼まれたら断れないでしょ。それに協力すれば、マリアさんがデザインしたドレスを、優先的に仕立ててもらえるって条件だったんだから。普通なら半年以上待たないと作ってもらえないのよ? これから私たちは、マリアさんと仲良くしてしていただきたいと思っているのよ」
その言葉にソフィアは余計に苛立ち、姉への憎しみを口にした。
「同じ姉妹なのに、なんでお姉ちゃんばっかり賞賛されるのよ! おかしいじゃない! ……そうだ! 母さんのお腹の中で、本当は私に来るはずだった才能を、全部お姉ちゃんが持っていってしまったのね……泥棒はお姉ちゃんのほうよ!」
自分の行いは見事なまでに棚上げしながら、被害者の立場だけは絶対に手放そうとしないあたり、ソフィアもやはり例外ではなかった。
突拍子もない理屈を堂々と言い放つソフィアに、同級生の女性たちは言葉を失い、一瞬だけ互いの顔を見合わせる。
「……ここまでとは思わなかったわね」
「そうね、逆にお気の毒というか……」
口元に手を当てたまま苦笑をにじませると、彼女たちはそれ以上関わるのを避けるように、そそくさと立ち去っていった。
三人の主張を聞いていた周囲の見物人たちも、次第に顔を引きつらせながら距離を置きはじめた。話の筋が通っておらず、そろいもそろって現実から大きくズレた理屈を叫び続けるその様子に、もはや突っ込む気力すら萎えていく。
「……だめだな、こりゃ」
「親子そろって思考が異次元すぎる」
「鞭で打たれたところで、反省するタイプじゃなさそうだな……」
ため息まじりの声だけを残して、何人かは肩をすくめながら人混みへと戻っていった。
やがて正午の鐘が、王都の空気を震わせるように鳴り響いた。その瞬間、広場はざわりと揺れ、見物人たちの視線が一斉に晒し台へ集まる。
「いよいよ始まるな」「反省ゼロのあの親子が、どうなることやら……」
期待と好奇心が入り混じった空気の中、刑執行人の補助役が革製の鞭を恭しく持ってくる。まるで「これからが本番だ」と告げるかのように、鞭がゆっくりと屈強な刑執行人へと手渡されると――宣言が厳かに下された。
「これより、鞭打ちの刑を執行する!」
次の瞬間を待つ広場には、不思議な高揚感すら漂っていた。
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