4 / 9
4 肌の色なんて関係ないわ!
しおりを挟む
だって、フェルゼン様は肌の色が均一でないだけだもの。肌の色をそれほど気にするなんてナンセンスだ、そう思う私は前世の記憶があるからなのかしら?
リッチ候爵家の侍女達は、あからさまに怯えた顔をフェルゼン様に見せていた。
フェルゼン様にお茶を出す侍女の手は震え、おまけにその手には分厚い手袋をしている。
「なぜ、そのような手袋をしているのです?」
私はそう言いながらもリッチ公爵夫妻も同じように手袋をしていることに気がついた。そして私にも手袋をするようにとフェルゼン様は勧めたのだった。
「僕の皮膚病が移らないためだよ。君もしてくれ。僕達は結婚しても形だけの夫婦になるだろう。夜会や舞踏会には一人で出席させてしまうかもしれない・・・・・・」
悲しそうな表情で言ったフェルゼン様。この世界ではこのような肌は認められないのかしら? でも、少なくとも私は認めるわ!
「私には手袋は必要ありませんわ!」
私は肩をすくめてその手袋を近くのゴミ箱に放り投げた。
フェルゼン様のお顔も手も均一な肌の色ではない。普通の肌色のところどころが雪のように白く輝いていた。白斑と呼ばれるものだと思う。
それは病気の一種かもしれないけれど尋常性のものは命に関わることもなかったはずだし色素異常は感染するものではない。それよりもフェルゼン様の白斑は綺麗な模様のようで美しくさえあった。
――そうよ! 前世でも色素異常症のモデルさんが驚くほど素敵だったのを覚えている。人と違うことを嘆くことなく自信を持って生きているその姿勢に心を打たれたことがあったわ。
「フェルゼン様、お庭がとても綺麗ですのね? 案内していただいてもよろしいですか?」
私は手を差し出してにっこりと微笑んだ。
フェルゼン様は慌てて手袋をしようとなさるけれど、私はその手袋もヒョイと取り上げてゴミ箱に放り投げた。
「こんなもの、もう必要ありませんわ!」
私はしっかりとフェルゼン様と手を繋いで庭園へとお散歩に出かけるのだった。
「あらあら、新しい婚約者のお嬢さんにもう尻に敷かれているわ。でも、とてもいいことね!」
リッチ侯爵夫人は嬉しそうに笑っておっしゃった。
私達が庭園をお散歩している間中、フェルゼン様はお顔が真っ赤だった。
「このような肌だから僕は女性と話したことも手を繋いだこともないんだ。ごめんよ。どうしたらいいかわからない」
それでも、一輪の薔薇を手折って私の髪にさしてくれた。震える手で・・・・・・
「全く大丈夫ですわ。それにしてもリッチ候爵家の薔薇はポピンズ候爵家よりも種類が多くて大輪ですわね。それにとてもいい匂い! あぁ、今日はなんて良い日かしら!」
「うん。今日は最高に良い日だ」
フェルゼン様はとても嬉しそうに微笑んだのだった。美青年の微笑みって半端ない威力なのよ。私は心の中で『眼福、眼福』といいながら拝んだのだった。
リッチ候爵家の侍女達は、あからさまに怯えた顔をフェルゼン様に見せていた。
フェルゼン様にお茶を出す侍女の手は震え、おまけにその手には分厚い手袋をしている。
「なぜ、そのような手袋をしているのです?」
私はそう言いながらもリッチ公爵夫妻も同じように手袋をしていることに気がついた。そして私にも手袋をするようにとフェルゼン様は勧めたのだった。
「僕の皮膚病が移らないためだよ。君もしてくれ。僕達は結婚しても形だけの夫婦になるだろう。夜会や舞踏会には一人で出席させてしまうかもしれない・・・・・・」
悲しそうな表情で言ったフェルゼン様。この世界ではこのような肌は認められないのかしら? でも、少なくとも私は認めるわ!
「私には手袋は必要ありませんわ!」
私は肩をすくめてその手袋を近くのゴミ箱に放り投げた。
フェルゼン様のお顔も手も均一な肌の色ではない。普通の肌色のところどころが雪のように白く輝いていた。白斑と呼ばれるものだと思う。
それは病気の一種かもしれないけれど尋常性のものは命に関わることもなかったはずだし色素異常は感染するものではない。それよりもフェルゼン様の白斑は綺麗な模様のようで美しくさえあった。
――そうよ! 前世でも色素異常症のモデルさんが驚くほど素敵だったのを覚えている。人と違うことを嘆くことなく自信を持って生きているその姿勢に心を打たれたことがあったわ。
「フェルゼン様、お庭がとても綺麗ですのね? 案内していただいてもよろしいですか?」
私は手を差し出してにっこりと微笑んだ。
フェルゼン様は慌てて手袋をしようとなさるけれど、私はその手袋もヒョイと取り上げてゴミ箱に放り投げた。
「こんなもの、もう必要ありませんわ!」
私はしっかりとフェルゼン様と手を繋いで庭園へとお散歩に出かけるのだった。
「あらあら、新しい婚約者のお嬢さんにもう尻に敷かれているわ。でも、とてもいいことね!」
リッチ侯爵夫人は嬉しそうに笑っておっしゃった。
私達が庭園をお散歩している間中、フェルゼン様はお顔が真っ赤だった。
「このような肌だから僕は女性と話したことも手を繋いだこともないんだ。ごめんよ。どうしたらいいかわからない」
それでも、一輪の薔薇を手折って私の髪にさしてくれた。震える手で・・・・・・
「全く大丈夫ですわ。それにしてもリッチ候爵家の薔薇はポピンズ候爵家よりも種類が多くて大輪ですわね。それにとてもいい匂い! あぁ、今日はなんて良い日かしら!」
「うん。今日は最高に良い日だ」
フェルゼン様はとても嬉しそうに微笑んだのだった。美青年の微笑みって半端ない威力なのよ。私は心の中で『眼福、眼福』といいながら拝んだのだった。
59
あなたにおすすめの小説
【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
妹の方がかわいいからと婚約破棄されましたが、あとで後悔しても知りませんよ?
志鷹 志紀
恋愛
「すまない、キミのことを愛することができなくなった」
第二王子は私を謁見の間に連れてきて、そう告げた。
「つまり、婚約破棄ということですね。一応、理由を聞いてもよろしいですか?」
「キミの妹こそが、僕の運命の相手だったんだよ」
「そうですわ、お姉様」
王子は私の妹を抱き、嫌な笑みを浮かべている。
「ええ、私は構いませんけれど……あとで後悔しても知りませんよ?」
私だけが知っている妹の秘密。
それを知らずに、妹に恋をするなんて……愚かな人ですね。
お姉さまは最愛の人と結ばれない。
りつ
恋愛
――なぜならわたしが奪うから。
正妻を追い出して伯爵家の後妻になったのがクロエの母である。愛人の娘という立場で生まれてきた自分。伯爵家の他の兄弟たちに疎まれ、毎日泣いていたクロエに手を差し伸べたのが姉のエリーヌである。彼女だけは他の人間と違ってクロエに優しくしてくれる。だからクロエは姉のために必死にいい子になろうと努力した。姉に婚約者ができた時も、心から上手くいくよう願った。けれど彼はクロエのことが好きだと言い出して――
どうぞお好きになさってください
はなまる
恋愛
ミュリアンナ・ベネットは20歳。母は隣国のフューデン辺境伯の娘でミュリアンナは私生児。母は再婚してシガレス国のベネット辺境伯に嫁いだ。
兄がふたりいてとてもかわいがってくれた。そのベネット辺境伯の窮地を救うための婚約、結婚だった。相手はアッシュ・レーヴェン。女遊びの激しい男だった。レーヴェン公爵は結婚相手のいない息子の相手にミュリアンナを選んだのだ。
結婚生活は2年目で最悪。でも、白い結婚の約束は取り付けたし、まだ令息なので大した仕事もない。1年目は社交もしたが2年目からは年の半分はベネット辺境伯領に帰っていた。
だが王女リベラが国に帰って来て夫アッシュの状況は変わって行くことに。
そんな時ミュリアンナはルカが好きだと再認識するが過去に取り返しのつかない失態をしている事を思い出して。
なのにやたらに兄の友人であるルカ・マクファーレン公爵令息が自分に構って来て。
どうして?
個人の勝手な創作の世界です。誤字脱字あると思います、お見苦しい点もありますがどうぞご理解お願いします。必ず最終話まで書きますので最期までよろしくお願いします。
婚約破棄されたので、その場から逃げたら時間が巻き戻ったので聖女はもう間違えない
aihara
恋愛
私は聖女だった…聖女だったはずだった。
「偽聖女マリア!
貴様との婚約を破棄する!!」
目の前の婚約者である第二王子からそう宣言される
あまりの急な出来事にその場から逃げた私、マリア・フリージアだったが…
なぜかいつの間にか懐かしい実家の子爵家にいた…。
婚約破棄された、聖女の力を持つ子爵令嬢はもう間違えない…
婚約者を取り替えて欲しいと妹に言われました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ポーレット伯爵家の一人娘レティシア。レティシアの母が亡くなってすぐに父は後妻と娘ヘザーを屋敷に迎え入れた。
将来伯爵家を継ぐことになっているレティシアに、縁談が持ち上がる。相手は伯爵家の次男ジョナス。美しい青年ジョナスは顔合わせの日にヘザーを見て顔を赤くする。
レティシアとジョナスの縁談は一旦まとまったが、男爵との縁談を嫌がったヘザーのため義母が婚約者の交換を提案する……。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です
涙乃(るの)
恋愛
男爵家の双子の姉妹のフィオーリとクリスティナは、髪色以外はよく似ている。
姉のフィオーリ宛にとある伯爵家から結婚の申し込みが。
結婚式の1ヶ月前に伯爵家へと住まいを移すように提案されると、フィオーリはクリスティナへ式までの代役を依頼する。
「クリスティナ、大丈夫。絶対にバレないから!
結婚式に入れ替われば問題ないから。お願い」
いえいえいえ、問題しかないと思いますよ。
ゆるい設定世界観です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる