1 / 19
ゲームの悪役令嬢エリーゼとロベルトの出会い。
しおりを挟む
トリスタン王国、フェルナンド公爵家は黒豹とドラゴンが並び立つ紋章の由緒ある家柄だ。
この紋章は大昔の予言者によってフェルナンド家に与えられたものらしい。
そして、俺はこの公爵家に次期当主として引き取られたロベルト、15歳だ。
風をこじらせ、高熱がでて、ここが前世の姪が夢中だったゲームの世界と知ったのが三日前。
前世の俺は小さな町の薬局の薬剤師だった。
漢方も扱うかたわら、お茶や薬草にも詳しく、近所のお年寄りが集うような憩いの場所でもあった。
それが、どうして、ゲームの世界にいるのかは不明ではある。
コンビニでビールを買って横断歩道を渡るとき、大型バイクが突っ込んできたのは覚えている。
死んでゲームの中に転生したということなのか?
◆
この世界では貴族の後継者は男性しかなれない。
いなければ、親戚筋で一番優秀な男子を養子に迎えるか娘に婿をとって継がせる。
俺は、過去見の魔法と移動魔法と風魔法が使える。
過去見は、相手の体を触ることによって見ることが出来る。
相手の記憶が手を通して俺に伝わってくるという表現でほぼあってると思う。
移動魔法は物体を手を使わずに移動させること。
ただ、自分がテレポートすることはできない。
風魔法は山ひとつを吹き飛ばすくらいはできる。
俺はそんな能力をかわれて分家から5歳の頃に引き取られた。
俺と2歳年上のマリーベルは婚約者同士だ。
しかし、マリーベルはゲームの設定だと、今まさに妊娠中のはずだ。
相手はハインリッヒ・レトロ男爵、銀髪に神秘的なマリンブルーの瞳の色男だった気がする。
男爵には別に愛し合う婚約者がいて、そっちも妊娠してて、そっちの子がヒロインだったか。
この男爵っていうのも、優柔不断な気がするなぁ。
ヒロインを殺そうとするのがマリーベルの娘のエリーゼ。
絶世の美女だが、父親を毒殺し、継母とヒロインを水魔法で溺れ死にさせようとして、処刑されたんだったよなぁー
エリーゼは、上級水魔法が使えるチートな存在でラスボスなのだ。
争いの発端は貴公子たちを巡る女同士の戦いみたいなやつだった気がするけど細かな設定は忘れたわ。
昔で言うところの大奥っぽいどろっつとした話は女子の好きな定番だろうが、おっさんの俺には生理的に無理な設定だ。
◆
あぁ、ついにはじまった。悪役令嬢の母親の妊娠騒動&勘当事件が!!
ゲームのエピローグは、ここからだった。
「なんたる恥知らずな!妊娠だと!しかも相手はレトロ男爵だと!あんな顔だけが取り柄の男と!!
ロベルトの婚約者のお前が‥‥お、お前は勘当だ!もう私の娘ではない。持参金は持たすが、以後一切、当家とは無縁のものと思うがいい。」
フェルナンド公爵の怒声が執務室に響きわたる。
同席していた俺は無表情でマリーベルを見つめた。
5歳からの婚約者に裏切られたショックと
ゲームの設定を思い出してからの、この世界に対するどこか冷めた感情が入り交じった複雑な気持ちだった。
マリーベルは泣くこともなく、ひっそりとフェルナンド家を出ていった。
◆◆
「公爵家は譲った。譲ったからには、何をしようとお前の自由だ。全権限をお前に与える。私は田舎にこもり絵を描きたい。」
フェルナンド公爵は、公爵家の当主の印鑑類を全部俺に渡すと、さっさと田舎に引きこもってしまった。
代を譲っても権力を保持しようとする貴族が多い中で珍しいが、若い頃から画家になりたかったらしいから、なんの未練も無いらしい。
ここでは貴族は10歳までは自分の屋敷に家庭教師を呼んで学ぶ。
11歳から16歳まで寄宿学校で、友人を作り、社交界に向けて人脈と結婚相手を見つける。
俺にも家庭教師はいたが、みな3日も経たずにやめてしまっていた。
教えることはありません、だそうだ。
寄宿舎にも、はいっていなかった。
この世界の勉強は元いた世界よりだいぶレベルが低いから行かなくとも困ることはなかった。
それでも、俺は週に二回ほど学校に行き、高位貴族の息子達とは交流を深めていた。
やっぱ、人脈は大事だからな。
◆
それから10年の月日が経った。
俺は25歳になり、当主として気ままに暮らしている。
公爵家の庭は広大で、その半分に薬草やら季節の花を植えさせた。
薬草は俺の前世からの趣味だ。この世界の花や薬草は元の世界と変わらない。
所詮、ゲームの世界だから作者もそのあたりの設定は考えるのが面倒だったのだろう。
でも、これは俺には都合がいいことだった。
庭にはこの時期、ボタン、シャクヤク、カミツレ、シラン、フジが咲き誇っている。
どれも、薬草代わりになるし花が綺麗だ。
そろそろ水をまこうかと思っていたら執事が困ったようにこちらに歩いてくる。
「マリーベルお嬢様を覚えておいでですか?」
「ああ、覚えているとも。何年か前に亡くなっただろう?」
「マリーベル様のお嬢様がおじいさまに会いたいと来ているのですが、どうされますか?」
祖父はここにはいないし、第一、いても会うことはないだろうな、と俺は思う。
勘当されたら、その子供も普通は縁を切られるのがこの世界の貴族だ。
一族の恥さらしとよばれることをした元婚約者もその子供も、この家の敷居はまたげない。
ゲームの設定どおり「追い返しますか?」と、執事は当然のように言ってくる。
ゲームだと、ここで俺は追い返せと指示するのだが、前世の記憶がある今ではそれもどうかと思う。
幼い子を追い返すなんて、ちょっとできないな。お茶とケーキでもだしてやろう。せっかく、来たのだから。
「ボタンが咲いている場所にテーブルと椅子を用意してくれ。
ケーキもあればだすように。紅茶にはミルクと砂糖もたっぷり添えろ」
俺と血はつながっていないとはいえ、公爵家の血筋の姫だし元婚約者の娘だ。
そのぐらいは甘やかせてやりたかった。
この紋章は大昔の予言者によってフェルナンド家に与えられたものらしい。
そして、俺はこの公爵家に次期当主として引き取られたロベルト、15歳だ。
風をこじらせ、高熱がでて、ここが前世の姪が夢中だったゲームの世界と知ったのが三日前。
前世の俺は小さな町の薬局の薬剤師だった。
漢方も扱うかたわら、お茶や薬草にも詳しく、近所のお年寄りが集うような憩いの場所でもあった。
それが、どうして、ゲームの世界にいるのかは不明ではある。
コンビニでビールを買って横断歩道を渡るとき、大型バイクが突っ込んできたのは覚えている。
死んでゲームの中に転生したということなのか?
◆
この世界では貴族の後継者は男性しかなれない。
いなければ、親戚筋で一番優秀な男子を養子に迎えるか娘に婿をとって継がせる。
俺は、過去見の魔法と移動魔法と風魔法が使える。
過去見は、相手の体を触ることによって見ることが出来る。
相手の記憶が手を通して俺に伝わってくるという表現でほぼあってると思う。
移動魔法は物体を手を使わずに移動させること。
ただ、自分がテレポートすることはできない。
風魔法は山ひとつを吹き飛ばすくらいはできる。
俺はそんな能力をかわれて分家から5歳の頃に引き取られた。
俺と2歳年上のマリーベルは婚約者同士だ。
しかし、マリーベルはゲームの設定だと、今まさに妊娠中のはずだ。
相手はハインリッヒ・レトロ男爵、銀髪に神秘的なマリンブルーの瞳の色男だった気がする。
男爵には別に愛し合う婚約者がいて、そっちも妊娠してて、そっちの子がヒロインだったか。
この男爵っていうのも、優柔不断な気がするなぁ。
ヒロインを殺そうとするのがマリーベルの娘のエリーゼ。
絶世の美女だが、父親を毒殺し、継母とヒロインを水魔法で溺れ死にさせようとして、処刑されたんだったよなぁー
エリーゼは、上級水魔法が使えるチートな存在でラスボスなのだ。
争いの発端は貴公子たちを巡る女同士の戦いみたいなやつだった気がするけど細かな設定は忘れたわ。
昔で言うところの大奥っぽいどろっつとした話は女子の好きな定番だろうが、おっさんの俺には生理的に無理な設定だ。
◆
あぁ、ついにはじまった。悪役令嬢の母親の妊娠騒動&勘当事件が!!
ゲームのエピローグは、ここからだった。
「なんたる恥知らずな!妊娠だと!しかも相手はレトロ男爵だと!あんな顔だけが取り柄の男と!!
ロベルトの婚約者のお前が‥‥お、お前は勘当だ!もう私の娘ではない。持参金は持たすが、以後一切、当家とは無縁のものと思うがいい。」
フェルナンド公爵の怒声が執務室に響きわたる。
同席していた俺は無表情でマリーベルを見つめた。
5歳からの婚約者に裏切られたショックと
ゲームの設定を思い出してからの、この世界に対するどこか冷めた感情が入り交じった複雑な気持ちだった。
マリーベルは泣くこともなく、ひっそりとフェルナンド家を出ていった。
◆◆
「公爵家は譲った。譲ったからには、何をしようとお前の自由だ。全権限をお前に与える。私は田舎にこもり絵を描きたい。」
フェルナンド公爵は、公爵家の当主の印鑑類を全部俺に渡すと、さっさと田舎に引きこもってしまった。
代を譲っても権力を保持しようとする貴族が多い中で珍しいが、若い頃から画家になりたかったらしいから、なんの未練も無いらしい。
ここでは貴族は10歳までは自分の屋敷に家庭教師を呼んで学ぶ。
11歳から16歳まで寄宿学校で、友人を作り、社交界に向けて人脈と結婚相手を見つける。
俺にも家庭教師はいたが、みな3日も経たずにやめてしまっていた。
教えることはありません、だそうだ。
寄宿舎にも、はいっていなかった。
この世界の勉強は元いた世界よりだいぶレベルが低いから行かなくとも困ることはなかった。
それでも、俺は週に二回ほど学校に行き、高位貴族の息子達とは交流を深めていた。
やっぱ、人脈は大事だからな。
◆
それから10年の月日が経った。
俺は25歳になり、当主として気ままに暮らしている。
公爵家の庭は広大で、その半分に薬草やら季節の花を植えさせた。
薬草は俺の前世からの趣味だ。この世界の花や薬草は元の世界と変わらない。
所詮、ゲームの世界だから作者もそのあたりの設定は考えるのが面倒だったのだろう。
でも、これは俺には都合がいいことだった。
庭にはこの時期、ボタン、シャクヤク、カミツレ、シラン、フジが咲き誇っている。
どれも、薬草代わりになるし花が綺麗だ。
そろそろ水をまこうかと思っていたら執事が困ったようにこちらに歩いてくる。
「マリーベルお嬢様を覚えておいでですか?」
「ああ、覚えているとも。何年か前に亡くなっただろう?」
「マリーベル様のお嬢様がおじいさまに会いたいと来ているのですが、どうされますか?」
祖父はここにはいないし、第一、いても会うことはないだろうな、と俺は思う。
勘当されたら、その子供も普通は縁を切られるのがこの世界の貴族だ。
一族の恥さらしとよばれることをした元婚約者もその子供も、この家の敷居はまたげない。
ゲームの設定どおり「追い返しますか?」と、執事は当然のように言ってくる。
ゲームだと、ここで俺は追い返せと指示するのだが、前世の記憶がある今ではそれもどうかと思う。
幼い子を追い返すなんて、ちょっとできないな。お茶とケーキでもだしてやろう。せっかく、来たのだから。
「ボタンが咲いている場所にテーブルと椅子を用意してくれ。
ケーキもあればだすように。紅茶にはミルクと砂糖もたっぷり添えろ」
俺と血はつながっていないとはいえ、公爵家の血筋の姫だし元婚約者の娘だ。
そのぐらいは甘やかせてやりたかった。
36
あなたにおすすめの小説
寵愛の花嫁は毒を愛でる~いじわる義母の陰謀を華麗にスルーして、最愛の公爵様と幸せになります~
紅葉山参
恋愛
アエナは貧しい子爵家から、国の英雄と名高いルーカス公爵の元へと嫁いだ。彼との政略結婚は、彼の底なしの優しさと、情熱的な寵愛によって、アエナにとってかけがえのない幸福となった。しかし、その幸福を妬み、毎日のように粘着質ないじめを繰り返す者が一人、それは夫の継母であるユーカ夫人である。
「たかが子爵の娘が、公爵家の奥様面など」 ユーカ様はそう言って、私に次から次へと理不尽な嫌がらせを仕掛けてくる。大切な食器を隠したり、ルーカス様に嘘の告げ口をしたり、社交界で恥をかかせようとしたり。
だが、私は決して挫けない。愛する公爵様との穏やかな日々を守るため、そして何より、彼が大切な家族と信じているユーカ様を悲しませないためにも、私はこの毒を静かに受け流すことに決めたのだ。
誰も気づかないほど巧妙に、いじめを優雅にスルーするアエナ。公爵であるあなたに心配をかけまいと、彼女は今日も微笑みを絶やさない。しかし、毒は徐々に、確実に、その濃度を増していく。ついに義母は、アエナの命に関わるような、取り返しのつかない大罪に手を染めてしまう。
愛と策略、そして運命の結末。この溺愛系ヒロインが、華麗なるスルー術で、最愛の公爵様との未来を掴み取る、痛快でロマンティックな物語の幕開けです。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
叶えられた前世の願い
レクフル
ファンタジー
「私が貴女を愛することはない」初めて会った日にリュシアンにそう告げられたシオン。生まれる前からの婚約者であるリュシアンは、前世で支え合うようにして共に生きた人だった。しかしシオンは悪女と名高く、しかもリュシアンが憎む相手の娘として生まれ変わってしまったのだ。想う人を守る為に強くなったリュシアン。想う人を守る為に自らが代わりとなる事を望んだシオン。前世の願いは叶ったのに、思うようにいかない二人の想いはーーー
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。
このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる!
それは、悪役教授ネクロセフ。
顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。
「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」
……のはずが。
「夢小説とは何だ?」
「殿下、私の夢小説を読まないでください!」
完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。
破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ!
小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる