(完)私の恋人を奪う人妻の姉

青空一夏

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ハチャメチャ裁判その4 やばいかも(シャーロット・マイロ男爵夫人視点)

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 メーガン・ワトソン前伯爵夫人は、私をまっすぐに見据えた。やめてよ、なにを暴露するつもりよ?

「私はね、夫からこのイザベラさんとアーシャの婚約がこの子達が幼い頃から決まっていたことに疑問を感じていたんですよ? だって、そうでしょう? 家格が違いすぎます」

「くだらない! そんな昔のことなんてどうでもいいでしょう?」

 私は、心底、もう帰りたい。ここに、来たこと自体がきっと間違いだったかもしれない。

「私の夫が、今まで領地に出向いたり視察だと言って家を空けていた日がここに記されています。それと、シャーロット・マイロ男爵夫人が外泊していた日です」

「私が外泊していた日を、なぜ貴女が知っているのよ?」

「あぁ、婚約が決まった日に顔合わせしたのを覚えていますか? あの時にシャーロットさんが侍女を新しく入れたいとおっしゃって紹介してさしあげたナオミが全部、教えてくれました」

「なっ!なんですって! スパイをさせていたわけね? 最低だわ! そんな陰険な性格だから、ワトソン伯爵に疎まれたのよ!」

「うっふふ、なんで、シャーロットさんがそんなことを知っていらっしゃるのかしら?」

 メーガン・ワトソン前伯爵夫人は、余裕の笑みを浮かべていた。ナオミは、ワトソン伯爵が亡くなるあたりで、そう言えば辞めていった。ということは、それまでの私に動向はすべてこの女に報告されていたことになる。なんて恥知らずな! プライバシーの侵害だわ。


 メーガン・ワトソン前伯爵夫人が、裁判官に分厚いノートを渡すと、念入りに目を通した裁判官が『9割がた一致していますね』と言った。

「はん! 9割方? ただの偶然だわ。ばかばかしい!」

「あぁ、まだあります。その目撃者にその女の特徴も教えてもらいました。シャーロットさんの特徴にそっくりなんです」

 あぁ、その程度のことなら私を追い詰めることはできない!

「あっははは。この世には3人は似ている人がいるそうですよ? おおかた、その似ている人だったのでしょう?」

「そうだとも! なんなら、シャーロットの親友に問い合わせればいい。シャーロットはベルン伯爵夫人とよく旅行に行っていた。なぁ、シャーロット!」

 私は余計なことを言った夫の向こう脛を蹴飛ばした。

「おい、なんで蹴るのだ? ベルン伯爵夫人を呼べ。ここから屋敷もすぐ近くだろう? この前もお前は一緒に旅行に行っただろう? なんだか、知らんがその偶然の一致は、早く覆せ! もう、私は疲れた。早く帰りたいんだ」

「私も同感ですよ! ぜひ、呼んでください。シャーロットさん」

 メーガン・ワトソン前伯爵夫人が、ニンマリと微笑んだのだった。
   

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