天使(仮)の少年と、人間の俺で異世界戦争に参加することに

天使のような

現れた敵

「そいつにちかよるな。しぬぞ」

死ぬ？
俺がその黒い物体に寄ろうとしていた時、釘を指すように言われた。
冗談を言っているような気はしなくて、俺は遠回りで白い方へ向かう。

「……この黒いの、何なんだ？」
「それは、てき。こくしょくってよばれている」
「こくしょく？」
「くろく、むしばむ」
「黒蝕…」

そんな黒蝕を見ると、俺はある異変に気がついた。

「……あいつの踏んでるコンクリート、焦げ……てる…？」

その黒いのが触れている箇所だけではない。
そいつがいるだけで周辺が全て焦げたように黒くなっている。
しかも、広がっている。

「あいつのそばによるとこげる。ちからがつよいこくしょくにふれると、とける」

だからさっき死ぬって…。
あのまま忠告を聞かずに近寄っていたらと思うと、俺はゾッとした。

「何でこんなのがいるんだ…」
「おれをおってきた…んだとおもう」
「お前を！？」
「いっただろ。せんそうだって。おれにけんぞくをつくられたらこまるんだ」
「じゃあ、戦争の相手はあいつ？」
「あいつらだ。もっと、たくさんいる」
 
尚更参加したくない。
というか、今はどうしたらいいんだ。
黒蝕を放っておけないし、こいつの事もまだ終わってない。
あー、明日も学校なのに…

「くるぞ！」

現実逃避しかけていたところ、突然信じられない力でそいつに腕を引っ張られた。
脱臼するんじゃないかと思うぐらい痛い。

「いっ…！！」