【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺が悔しい思いをする話

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結局丸一日俺は寝ていた。揺すっても起きなかった。昨日の午前から寝出して、翌日の今日夕方近くまで爆睡だった。
ジークとした疲れもあったと思うけど、寝過ぎである。
しかも魔力量が満タンで目が覚めたんでなく、盛大に鳴る腹の音で目が覚めた。
エルは大爆笑しているし、ジークは肩を震わせながら、顔を俯いている。
ジークよ、笑う時は思いっきり声をあげて笑え!変な気遣いは、俺が更に恥ずかしい思いをするだけだわ!

俺は、魔力量がなくなると危険ということは、身を持って知ることになった。
外なら誰かに何かされても気付かないし、魔物がいたら寝ているうちに食べられちゃうからね。

ジークの話だと、明日か明後日にはロドリーが戻ってくるって言っていた。
ロドリー?…エル達の仲間のロドリーをすっかり忘れていたよ。
ロドリーが来たら、騎士団長とで今後の方針を決めるんだそうだ。
だから、騎士団長も来ていたのかと今更ながら納得した。

エルとジークは中々起きない俺に付き添って、昨夜から食べないでいてくれた。本当に申し訳ない。アイテムボックスに入れてもらっているビーフ?サンドとか、食べてよかったのに。
3人でごはんを食堂へと食べに行く。
相変わらず食堂は混んでいた。
高級宿だけど、貴族だけではなく、他国の商人とか、他の街の文官とかも平民も利用する。
だから、貴族用と平民用とで食堂は仕切りで別れてはいるんだが、どちらも混んでいる。
俺たちは支配人の好意で、特別に奥に席を作ってもらっている。
なんせ、皇族、貴族、平民の3人だから。
貴族用の席になると、俺に対して周りの目が厳しい。
平民用の席になると、エルやジークへ気軽に声をかけてくる奴らもいる。
2人は、食べるのを邪魔されると容赦ないから、俺の心の平穏のためにやめてもらいたい。

「ユーリさん、お加減はいかがですか?みんな心配してましたよ。それと、料理長が今日はアレが作れるって言ってましたよ。」

給仕係が席に着いたところで、話しかけてきてくれた。
基本前世のレストランと同じシステム。でもメニューなんてないから、人数確認をして、その日の料理を運んでくる。

「ありがとう。もう大丈夫だよ。ただお腹が空いて。料理長のアレお願い。あと、こっちの2人は量多めで。」

「かしこまりました。」

楽しみだなぁ、料理長のアレ。

スープ、サラダ、パン、ステーキと運ばれてくる。アレが楽しみだから、ステーキはジークに渡す。
そしてメインのアレがきた。
そうオムライス!しかもデミグラスソースでなく、ハヤシライスのルーだ。
オムハヤシライスとなってきた。
やりおるな、料理長!

まずは卵とライスを掬い食べる。
ふわとろの卵、ライスもチキンライスで、ブイヨンの旨味とトマトの酸味が丁度いい。卵の甘さが引き立つ。
今度はルーも合わせて食べる。
赤ワインがきちんと仕事をして、デミグラスソースより深い味わいだけど、牛乳でまろやかになっている。オムライスとの相性もいい。
流石料理長。1回見ただけなのに完璧に作りやがる。

「ユーリ、変な顔している。」

と、エルから指摘された。

「いや、悔しいなって。料理長は1回見ただけなのに完璧に作ってくるって。俺が何年も修行してやっとできた味なのに。」

「でも、それだけ料理長も修行してきたんでしょ?」

「…そうだね。努力したからこそだよね。でも、悔しいな。」

悔しいと連発する俺を、エルとジークは微笑ましい表情で見ていたことには、俺は食事が終わるまで気が付かなかった。


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