71 / 120
本編
どっちが魔物かの話
しおりを挟む
途中から視点が変わります。
ーーーーーーーーーー
夕方、ロドリーが帰ってきたので早めの夕食にした。
今夜は肉じゃが。出汁は野菜出汁だが、まぁ肉からも旨味が出るからそれなりに美味い。でも鰹節欲しい。ついでにこんにゃくも欲しい。
フレンチの料理人だったのに、今は日本食ばかり作っているな。おかしい。
いや、時間がないんだよ。すぐに出来て食べられる料理って日本食しか思いつかないんだよ。特に丼物は有難い。
「ジーク、じゃがいもも食べなさい。」
「肉が俺を呼んでいる。」
「呼んでないから。じゃがいもは肉の旨みが滲みて美味いよ?」
「……。」
この肉信奉者め!
リリーが手を止めたので聞いてみた。
「リリー、もうお腹いっぱい?」
「うん。でも、美味しいからまだ食べたいけど、入らない。」
「昨日よりは食べれたから、明日また食べようか。」
「うん!」
リリーは食べ終わった皿を持って台所に持って行った。
「リリーが寝たら、出掛けるから。ユーリ、あとは頼んだよ。」
「うん。みんな気をつけてね。」
「一応この家に結界を張るから、外に出ないでね。」
「了解です。」
俺は留守番に徹する。荒事は3人にお任せだ!
リリーが寝た後、俺達は裂け目のある岩に向かった。
今日は満月で明るく、夜道も歩きやすい。
エルが岩の方向を見ながら、
「やっぱり、人の気配がする。…昨日より多いね。」
「ロドリー、首尾は?」
「おう、バッチリ!あっちの方にいる。」
と、ロドリーは岩の辺りをよく見渡せる丘を指す。
「なら、やりますか。」
エルは立ち止まり、人がいる方向に向かって地面を凍らせていく。
人が驚き、その場から離れようとした時にはもう遅い。地面と一緒に脚も凍らせて動かせなくした。
「あれ、今日は村長もいるね。」
エルがクスクス笑いながら話しかけた。
ロドリーはスンとした表情。
俺なら今のこの2人を相手にしたくない。
2人の漏れ出す怒りのオーラで、村人達は怯えている。
「そうそう、村長にお礼を言わなきゃだった。リリーを紹介してくれてありがとう。探す手間が省けたよ。」
「リリーは、ちゃんと仕事したのか。」
「仕事?仕事って娼婦紛いのこと?」
「お前らリリーを抱いたんなら、金を払え!」
エルの顔から笑みが消えた。
ああ、マズい。殺さなきゃいいが。
「ふざけんな!!10歳の子になにやらせてんだ!テメェらの方が魔物だよ!悪魔だよ!金が欲しけりゃ、テメェらの汚ねぇケツでも差し出せや!!」
エルの怒りの言葉と共に、更に村人の身体を凍らせていく。
俺とロドリーはエルの肩をぽんぽん叩く。
「エル落ち着け。同意はするが殺すな。」
「…ふーっ、ん、危なかった。ありがと。」
「じゃあ、交代な。」
と、エルとロドリーは交代した。
「なぁ、知っているか?冒険者ってな、死んだら自動的にわかるんだよ。何処で死んだか、がな。その意味わかるか?」
ロドリーは淡々と村長達に聞く。村長達はまだ理解できてないらしい。
「街のギルドに行って聞いてきた。そしたら、この村で死ぬ冒険者の多いこと。ギルドも騎士団も動いていたよ。この村周辺に余程強い魔物がいるんじゃないかって。討伐隊が結成されていたよ。」
にんまり笑いながらロドリーは言う。
「だから、俺が連れて来てやったよ。」
村長達は漸く理解できたのか、顔を青くさせる。理解ができたところで逃げ場はない。
ロドリーは怒りの表情になり、村長達に言う。
「エルの言う通り。お前らは人間じゃねぇ、魔物だよ。」
ロドリーが片手を挙げたのを合図に討伐隊が駆け寄ってきた。
あとは、討伐隊に任せるだけだ。
エルは地面の氷を溶かし、ついでとばかり岩を魔法で砕く。
もう、この村で魔物のような哭き声も聞くことはないだろう。
亡くなった冒険者達の悲痛な叫び声だったかも知れない。
ーーーーーーーーーー
夕方、ロドリーが帰ってきたので早めの夕食にした。
今夜は肉じゃが。出汁は野菜出汁だが、まぁ肉からも旨味が出るからそれなりに美味い。でも鰹節欲しい。ついでにこんにゃくも欲しい。
フレンチの料理人だったのに、今は日本食ばかり作っているな。おかしい。
いや、時間がないんだよ。すぐに出来て食べられる料理って日本食しか思いつかないんだよ。特に丼物は有難い。
「ジーク、じゃがいもも食べなさい。」
「肉が俺を呼んでいる。」
「呼んでないから。じゃがいもは肉の旨みが滲みて美味いよ?」
「……。」
この肉信奉者め!
リリーが手を止めたので聞いてみた。
「リリー、もうお腹いっぱい?」
「うん。でも、美味しいからまだ食べたいけど、入らない。」
「昨日よりは食べれたから、明日また食べようか。」
「うん!」
リリーは食べ終わった皿を持って台所に持って行った。
「リリーが寝たら、出掛けるから。ユーリ、あとは頼んだよ。」
「うん。みんな気をつけてね。」
「一応この家に結界を張るから、外に出ないでね。」
「了解です。」
俺は留守番に徹する。荒事は3人にお任せだ!
リリーが寝た後、俺達は裂け目のある岩に向かった。
今日は満月で明るく、夜道も歩きやすい。
エルが岩の方向を見ながら、
「やっぱり、人の気配がする。…昨日より多いね。」
「ロドリー、首尾は?」
「おう、バッチリ!あっちの方にいる。」
と、ロドリーは岩の辺りをよく見渡せる丘を指す。
「なら、やりますか。」
エルは立ち止まり、人がいる方向に向かって地面を凍らせていく。
人が驚き、その場から離れようとした時にはもう遅い。地面と一緒に脚も凍らせて動かせなくした。
「あれ、今日は村長もいるね。」
エルがクスクス笑いながら話しかけた。
ロドリーはスンとした表情。
俺なら今のこの2人を相手にしたくない。
2人の漏れ出す怒りのオーラで、村人達は怯えている。
「そうそう、村長にお礼を言わなきゃだった。リリーを紹介してくれてありがとう。探す手間が省けたよ。」
「リリーは、ちゃんと仕事したのか。」
「仕事?仕事って娼婦紛いのこと?」
「お前らリリーを抱いたんなら、金を払え!」
エルの顔から笑みが消えた。
ああ、マズい。殺さなきゃいいが。
「ふざけんな!!10歳の子になにやらせてんだ!テメェらの方が魔物だよ!悪魔だよ!金が欲しけりゃ、テメェらの汚ねぇケツでも差し出せや!!」
エルの怒りの言葉と共に、更に村人の身体を凍らせていく。
俺とロドリーはエルの肩をぽんぽん叩く。
「エル落ち着け。同意はするが殺すな。」
「…ふーっ、ん、危なかった。ありがと。」
「じゃあ、交代な。」
と、エルとロドリーは交代した。
「なぁ、知っているか?冒険者ってな、死んだら自動的にわかるんだよ。何処で死んだか、がな。その意味わかるか?」
ロドリーは淡々と村長達に聞く。村長達はまだ理解できてないらしい。
「街のギルドに行って聞いてきた。そしたら、この村で死ぬ冒険者の多いこと。ギルドも騎士団も動いていたよ。この村周辺に余程強い魔物がいるんじゃないかって。討伐隊が結成されていたよ。」
にんまり笑いながらロドリーは言う。
「だから、俺が連れて来てやったよ。」
村長達は漸く理解できたのか、顔を青くさせる。理解ができたところで逃げ場はない。
ロドリーは怒りの表情になり、村長達に言う。
「エルの言う通り。お前らは人間じゃねぇ、魔物だよ。」
ロドリーが片手を挙げたのを合図に討伐隊が駆け寄ってきた。
あとは、討伐隊に任せるだけだ。
エルは地面の氷を溶かし、ついでとばかり岩を魔法で砕く。
もう、この村で魔物のような哭き声も聞くことはないだろう。
亡くなった冒険者達の悲痛な叫び声だったかも知れない。
242
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました
未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。
皆さまありがとうございます。
「ねえ、私だけを見て」
これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。
エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。
「この恋、早く諦めなくちゃ……」
本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。
この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。
番外編。
リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。
――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる