【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

どっちが魔物かの話

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途中から視点が変わります。

ーーーーーーーーーー

夕方、ロドリーが帰ってきたので早めの夕食にした。
今夜は肉じゃが。出汁は野菜出汁だが、まぁ肉からも旨味が出るからそれなりに美味い。でも鰹節欲しい。ついでにこんにゃくも欲しい。
フレンチの料理人だったのに、今は日本食ばかり作っているな。おかしい。
いや、時間がないんだよ。すぐに出来て食べられる料理って日本食しか思いつかないんだよ。特に丼物は有難い。



「ジーク、じゃがいもも食べなさい。」

「肉が俺を呼んでいる。」

「呼んでないから。じゃがいもは肉の旨みが滲みて美味いよ?」

「……。」

この肉信奉者め!
リリーが手を止めたので聞いてみた。

「リリー、もうお腹いっぱい?」

「うん。でも、美味しいからまだ食べたいけど、入らない。」

「昨日よりは食べれたから、明日また食べようか。」

「うん!」

リリーは食べ終わった皿を持って台所に持って行った。

「リリーが寝たら、出掛けるから。ユーリ、あとは頼んだよ。」

「うん。みんな気をつけてね。」

「一応この家に結界を張るから、外に出ないでね。」

「了解です。」

俺は留守番に徹する。荒事は3人にお任せだ!






リリーが寝た後、俺達は裂け目のある岩に向かった。
今日は満月で明るく、夜道も歩きやすい。
エルが岩の方向を見ながら、

「やっぱり、人の気配がする。…昨日より多いね。」

「ロドリー、首尾は?」

「おう、バッチリ!あっちの方にいる。」

と、ロドリーは岩の辺りをよく見渡せる丘を指す。

「なら、やりますか。」

エルは立ち止まり、人がいる方向に向かって地面を凍らせていく。
人が驚き、その場から離れようとした時にはもう遅い。地面と一緒に脚も凍らせて動かせなくした。

「あれ、今日は村長もいるね。」

エルがクスクス笑いながら話しかけた。
ロドリーはスンとした表情。
俺なら今のこの2人を相手にしたくない。
2人の漏れ出す怒りのオーラで、村人達は怯えている。

「そうそう、村長にお礼を言わなきゃだった。リリーを紹介してくれてありがとう。探す手間が省けたよ。」

「リリーは、ちゃんと仕事したのか。」

「仕事?仕事って娼婦紛いのこと?」

「お前らリリーを抱いたんなら、金を払え!」

エルの顔から笑みが消えた。
ああ、マズい。殺さなきゃいいが。

「ふざけんな!!10歳の子になにやらせてんだ!テメェらの方が魔物だよ!悪魔だよ!金が欲しけりゃ、テメェらの汚ねぇケツでも差し出せや!!」

エルの怒りの言葉と共に、更に村人の身体を凍らせていく。
俺とロドリーはエルの肩をぽんぽん叩く。

「エル落ち着け。同意はするが殺すな。」

「…ふーっ、ん、危なかった。ありがと。」

「じゃあ、交代な。」

と、エルとロドリーは交代した。

「なぁ、知っているか?冒険者ってな、死んだら自動的にわかるんだよ。何処で死んだか、がな。その意味わかるか?」

ロドリーは淡々と村長達に聞く。村長達はまだ理解できてないらしい。

「街のギルドに行って聞いてきた。そしたら、この村で死ぬ冒険者の多いこと。ギルドも騎士団も動いていたよ。この村周辺に余程強い魔物がいるんじゃないかって。討伐隊が結成されていたよ。」

にんまり笑いながらロドリーは言う。

「だから、俺が連れて来てやったよ。」

村長達は漸く理解できたのか、顔を青くさせる。理解ができたところで逃げ場はない。
ロドリーは怒りの表情になり、村長達に言う。

「エルの言う通り。お前らは人間じゃねぇ、魔物だよ。」

ロドリーが片手を挙げたのを合図に討伐隊が駆け寄ってきた。
あとは、討伐隊に任せるだけだ。
エルは地面の氷を溶かし、ついでとばかり岩を魔法で砕く。

もう、この村で魔物のような哭き声も聞くことはないだろう。
亡くなった冒険者達の悲痛な叫び声だったかも知れない。



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