【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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番外編

俺の家族の話4

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ああ、緊張する。
結婚式は前世、今世合わせて初めてだ。
今世はそうじゃないと変だが。
公爵家の使用人達に磨かれて、白いタキシードを着る。いつもの2倍はカッコよく見える。やっぱりプロの仕事は違うね!
でも、多分それ以上にエル達はカッコよくなっているだろう。俺が隣に立っても大丈夫かな?

昨日ジークパパ達に姉家族を紹介した。
ジークママと姉はすっかり仲良くなっていた。
ジーク弟とは昨日初めて会った。パパよりママ似で美人だった。物腰は柔らかく、でも芯はしっかりしているように見えた。平民の僕とリリーを見下すこともなかった。それどころか『義兄上』と嬉しそうに呼んでくれる。
リリーは最初ジーク弟に怯えたが、自然に仲良くなっていった。リリーがすぐに仲良くなれる男の人に出会えたのは初めてだった。
まぁ、確かにこんなところがジークより公爵向きだと思うよ。ジークはリーダータイプでなく、一匹狼タイプだからね。

昨日2人は朝早く出て、夕方には帰って来た。
あんまり早いからドラゴンは見つからなかったと思ったら、あっさり倒したって。
解体に時間がかかったとかで、夕方の戻りだったらしい。それって午前中に倒したってこと?魔王の次に強いんだよな?あっれぇ?
異世界あるあるのドラゴンステーキを作ってみました。
肉は牛のような赤身で、でも所々にサシが入っている。この部位ってもしかして。
塊肉から一枚分を切り、焼いてみる。
途中火から離して、蓋をして余熱で火を通す。ジジジっと焼ける音がもう美味しそう。
あとは焼き目を入れたら完成!
一口食べてみる。ん~~、うんまぁ。
シャトーブリアンだ。いやそれ以上だ。
旨味が凝縮されていて、しっかり肉の噛み応えなのに、口の中で蕩けていく。でも決して脂っこくなく、飲み込みたくなくても勝手に身体が飲み込んでしまう。

「うわぁ、ユーリのあの蕩けた顔初めて見た。」

「俺もだ。」

「えっ?ジーク下手になったの?」

「うるさい!」

ジークはエルの頭を叩く。
俺が肉を堪能しているのに2人が煩い。
だから、一口分ずつ口に入れてあげた。
そしたら、2人も蕩けた顔をした。ってか、ジークがムダにエロい顔になった。
ドラゴンステーキヤバいな!

「ユーリ、これはまずい。いやめっちゃ美味しいんだけど、まずい。」

「だよね。ジークの勘違いホイホイが発動するよね。」

エルはまだ大丈夫だけど、ジークの色気がヤバかった。厨房にいた若手料理人達の眼がジークに向けてハートになっている。
頼むからそこで踏み止まってくれ!有望な若手を無くしたくはないんだから!

「よし、ジークパパに相談しよう!」

と、ジークの顔を人に見せないようにエルが上着で被せてくれた。
急いでエルがジークを担いで、ジークパパの執務室に行く。

「パパいる?ユーリだよ。」

俺はノックをしながら、扉の向こうにいるだろう人物に話しかける。

「入ってもいいぞ。」

との返事でドアを開ける。パパとママと弟が揃っていた。

「どうした?慌てて。」

「あのね、ジーク達がドラゴン狩ってきてくれたんだけど、食べたらジークが大変なことになったの。」

「その包まれているのがジークか?」

「うん。顔がヤバいからエルが包んでくれたよ。」

「ヤバいって。」

3人は呆れたような顔をしたので、実際に見てもらうことにした。
エルが上着を取り、3人にジークの顔を見てもらう。

「「「……。」」」

口をぽかんと開けたまま、2分が経過した頃ジークパパが、

「ヤバいな。」

と一言。親から見ても色気ヤバいよね?
弟は『あれは兄上、あれは兄上』と呪文を唱え始めた。
ママに至っては、

「流石私の息子だけあるわね。」

と言ってのけた。

「披露宴の肉料理にドラゴンは使えないよね。」

「いや使おう。ユーリの料理で無表情じゃなくなったていでいこう。」

「なるほど。で、今日の夕食に食べてみる?」

「「「「食べる!」」」」

ダンドウェル家の皆さんは、肉に目がないようで、同じ返事には笑えたよ。
夕食の際みんなで食べたけど、やっぱりジークが一番ヤバかった。
弟まで惑わすってかなりヤバい。
でもパパ達や姉達は美味しいって顔が蕩けても、色気は出なかった。この差はなんだろうね。多分知っちゃいけないヤツだよな。知ったら、ベッドから出れなくなるよな。
明日は結婚式だから、今夜は平穏に過ごしたいから黙っていることにしたよ。



昨日のドラゴンステーキを思い出していたら使用人に呼ばれて、玄関ホールに行く。姉もリリーもきちんとドレスを着ていた。
いつも以上に女性達は華やかで綺麗だ。
エルは俺と同じ白いタキシード、ジークは騎士の正装姿だ。
エルは綺麗すぎるし、ジークはカッコよすぎる。本当に鼻血出そう。思わず鼻を押さえてしまった。

「ユーリ?鼻痛いの?」

「いや、大丈夫。エルもジークも素敵過ぎて鼻血出そうだった。」

「白いタキシードだから、大惨事になるね。」

「騎士団出動だな。」

「やめてぇ。鼻血で騎士団出動させないでぇ。」

みんなが笑い出す。俺が鼻血出したら、ジークが一番慌てそうだけどね。

「ほら行くぞ。」

とジークが手を差し出してくる。エルも差し出しくる。
俺はもちろんといった表情で2人の手を取る。


母ちゃんの言っていた『結婚はゴールであり、スタートでもある』の意味をがようやくわかった。
俺たちの新たな人生の始まりだ。






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