【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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番外編

俺の家族の話5

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ああ緊張する。心臓がバクバクする。
教会の内陣のドアの前で俺は胸を押さえて、深呼吸を繰り返す。

「ユーリ、大丈夫か?」

「口から心臓が出そう。」

「出さんでくれよ。」

ラインハルトが呆れたように言う。

「忙しいのに来てくれてありがとう。ハル、…悪かったね。急に頼んで。」

「なんの。ユーリの父親代わりとは光栄な限りだ。」

ラインハルトがバージンロードを歩く父親役をしてくれることになった。
エルパパとジークパパがやってくれると言ってくれたが、ラインハルトがいるならラインハルトが良かった。

「さあ、時間だ。」

俺はベールを被り、ラインハルトの腕に手を添える。
扉が開き、バージンロードを静々と歩く。
みんなから温かい拍手で胸が熱くなる。
祭壇の前には、エルとジークが待ってくれている。
ようやくこの日を迎えられて本当に嬉しい。
ラインハルトからエル、ジークへと俺が渡される。
俺を真ん中に3人横一列に並ぶ。
神父から祝いの言葉をいただき、誓いの言葉に変わる。

「新郎エルンスト・サン・リストウィーク あなたはここにいるユーリを病める時も健やかなる時も富める時も貧しき時も妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?
新婦ユーリ あなたはここにいるエルンスト・サン・リストウィークを病める時も健やかなる時も富める時も 貧しき時も夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか? 
新郎ジークハロルド・ダンドウェルあなたはここにいるユーリを病める時も 健やかなる時も富める時も 貧しき時も妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?
新婦ユーリ あなたはここにいるジークハロルド・ダンドウェルを病める時も 健やかなる時も富める時も 貧しき時も夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」

「「「誓います。」」」

宣誓書に名前を順番に書き入れていく。
書き終わり、神父が確認したあとにっこりと笑い、

「では、誓いのキスを。」

と言われた。
ジークがそっとベールをあげてくれる。
エルがそっと唇を合わせようとした時に、バアアンと扉が開いた。

「ちょっと待ったぁ!!」

誰か乱入して来たようだ。
しかも1人かと思ったら、3人の闖入者。
昨日のジークの色気に当てられた奴かと思ったら、よく見ると俺の父さん達だった。
3人は祭壇の方に向かって走って来る。
今更反対とかするなよ?一応この国の皇帝と他国の王様がいる場所だから、あとで不敬罪で捕まっても知らんぞ。

「ユーリ!『電話』出来たぞ!」

「お父さん頑張ったのよ!もちろんお母さんも頑張ったわ!」

「俺が魔石を落札したんだぞ!」

「「「……。」」」

一同唖然となった。
こんな時に言う話か?
でも、電話出来たんだ。すげぇ!

「父さん、母さん、兄さん、すげぇ!やるじゃん!…でもね、今結婚式の真っ最中なの!終わったら話を聞くから、空いてる席に座りやがれ!」

俺は姉さんのいる方向を指し示す。
姉さんは笑顔だけど後ろに般若がいる。
姉さんは、般若のスタンド遣いだったみたい。

「ロ、ロザリー、いた、のか?」

恐る恐る聞く父さん。さっさと座らんと、姉のスタンドが動くぞ。
姉の笑顔が更に深くなり、3人はすごすごと席に座る。

「んっ、では、誓いのキスを。」

神父さん、本当に申し訳ないです。
気を取り直して、エルをみつめる。
エルがいつも雰囲気になり、優しく唇を合わせてくれた。
……長い。まだ離さないの?
なんて思っていたら、ジークが俺をエルから引き剥がして、俺と唇を合わせてくる。
……こっちも長いよ。

「ちょっとジークだけ狡いよ!」

エルからの文句でジークがやっと離れたと思ったら、ジークはニヤッとエルを笑い、再度俺の唇を奪う。

「ああ~!!」

と、エルが頭に来たのか、ジークの背中をポカポカ殴るが、ジークはお構いなしに俺にキスをし続ける。
もう、誰か止めて。
みんな微笑ましいと見ているだけ。
神父さん、困っているからいい加減にやめれ!
父さん達は、ここで電話の話で盛り上がっているんじゃない。
カオスな結婚式は、神父さんの一喝で閉幕した。
神父さんには、あとで迷惑料として料理届けるから!


場所は公爵邸に移り、中庭で立食パーティーの披露宴となった。
式に参列はできなかったエル達の職場の上司や同僚、エルの兄弟も来てくれた。
他にも来たい人は大勢いたが、ジークパパの采配にて人選された。
しかし、貴族って話が長い。『おめでとう』で終わらずあれこれと話し込んでくる。

「ユーリ、おめでとう。」

と、やっと父さん達と話ができた。

「結婚祝いになったけど、電話だよ。」

と、長四角のものを渡された。
これは、スマホか?
画面らしきところをタップすると、画面が明るくなる。そして、すぐに名前が表示される。
父さんの名前を押すと、父さんの胸元がブルった。

「おお!これ、会話できるの?」

「出来るぞ!」

「出来るんだけどね、遠いとダメなんだ。」

「そうなの?距離は?」

「精々、ここから、皇都の門までくらいかな?」

半径3~5キロくらいかな?

「やっぱり基地局がないと、難しいのかな?」

「「「基地局?」」」

「中継地点になるもの。例えば、こっちとあっちにものを飛ばすと距離が長いほど正確には飛ばせないでしょ?間に誰か入れば、正確に飛ばせるじゃない。」

「「「なるほど!」」」

「でも、魔石が必要だよね。」

「そこでうちの旦那様の出番です。なんと、2人で簡単にドラゴンを仕留められます!」

「「ユーリ?!」」

「「「おお!」」」

「交渉権をあげるから、うちの旦那様を口説き落としてね?」

と、父さん達3人に囲まれたエルとジーク。俺の家族だからって、無碍にはできないが、魔石の交渉の圧が凄い。流石の2人もタジタジである。
あの3人相手は早々に誰かに託すのが正解だ。
姉には『自分の旦那様を生贄にして』と困った笑いをされた。






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