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番外編2
レオナルドの話
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番外編2は単話です。
登場人物は毎回変わります。
本編、番外編で、きちんと名前を出していない方々の話です。
ーーーーーーーーーー
兄上が魔王を倒したという話を聞いたのは、兄上が北の国を後にして、3週間が経つ頃だった。
偶々、学園の寮から家に帰省していた時に父から報告を聞いた。
父も皇帝陛下より連絡を受けて知ったらしい。
母とその話を聞き、母は泣いて喜んだ。
兄上が無事がわかり、私も安堵した。
幼い頃より優秀といわれる子息達の中でも、兄上は別格だった。
剣術も魔法も知識も段違いだった。
兄上と同じくらいに別格だったのが、第二皇子エルンスト様だ。
兄上は嫌そうながら、エルンスト様と一緒にいた。エルンスト様は兄上しかいらないって態度を取っていた。弟の俺が兄上に近づくことさえ嫌がって見えた。
いつの頃より兄上が諦めたように、エルンスト様に付いて行くようになった。
家では普通に接してくれるが、エルンスト様と一緒にいる時は『絶対に俺に近づくな』と言われた。
一回だけ母から伝言で、エルンスト様と一緒にいる兄上に近づいた時があった。
その時の2人の瞳は冷気が出ているんじゃないかと思うくらいに冷たかった。
そして冷たいと同時に瞳に光がなかった。
生きているのにまるで死人のような瞳だった。
その時の恐怖は、今でも覚えている。
兄上とエルンスト様が旅に出て、私が学園を入学する頃に父から色々と話を聞いた。
エルンスト様が勇者で、兄は剣士として付いて行ったと。
エルンスト様が兄上を構う理由は、幼い頃皇后を魔物から守ったが、その際の魔法が強力すぎ、皇后がエルンスト様をバケモノ扱いをしてしまったらしい。
それからはエルンスト様は家族と距離を置くようになって、仲間の兄上しか一緒にいたくなかったみたいだと聞いた。
他にも兄上に関して重要なことは諸々あるが、それは私が成長したら追々と話してくれると父は約束してくれた。
兄上からは時々手紙が届いた。今はどこの国にいるとか、それくらいだった。
それから、私が学園の最上級生になった頃に来た手紙に、今代最高の料理人に会えた、と書かれてあった。
次に来た手紙には、料理人と恋人になったと書かれてあった。
両親も俺も困惑した。あの兄上に恋人?!
エルンスト様がよく許してくれたな?
手紙の続きには、なんと、エルンスト様もその料理人の恋人になったらしい。
あの2人が騙されているのか?と一瞬思ったが、まずそれはあり得ない話だった。
でも今代最高の料理人って、父上より年上じゃないか?と、家族で違う心配をした。
最後に来た手紙に、仲間を娘として養女にしたいと書かれてあった。
その子は、叔父家族から酷い搾取をされていて、料理人をママ、兄上をパパと懐いてくれていると書かれてあった。
あの兄上がパパ?
詳しい話は戻ってからするけど、その子の家族になりたいと書かれてあった。
父も母も私も、兄上が例え仲間だろうとそんなことを思える日が来るとは信じられなかった。
兄は、父であろうと母であろうと、どこか線引きをしている。この線から絶対に入るなと。
父と母は何やら事情を知っているから、それ以上は踏み込まない。
そんな中、歳の離れた弟の私が生まれた。
兄上は、赤子の時から私だけはその線に入ることを許していたみたいで、そんな兄上の姿を見て、父と母は安堵したと言う。
私も兄上に懐き、兄上が学園の寮に入る時は泣いて引き止めた。
兄上は困った顔をしたのは、後にも先にもこれが初めてだった。
兄上がこの国に戻って来たと聞いても、生徒会の役員で忙しく、中々家に戻れず、兄上に会えないままだった。
母から手紙をもらい、嫁と娘をきちんと連れて来た、嫁となる料理人はなんと俺より1歳上!2人とも可愛らしいと書かれてあった。
そして料理の美味しさが手紙の半分を占めていた。
母上、こっちは育ち盛りなんですから、食べれないモノを想像させないでください!
結局兄上達に会えたのは、学園を卒業して1ヶ月後の結婚式前日。
嫁となる料理人ユーリは男性の平均身長で、顔立ちは可愛らしかった。見た目で判断したくないけど、本当に今代最高の料理人?
兄上の娘のリリーは、11歳でとても可愛らしかった。ただ、今までの環境が悪かったせいか、喋り方が幼い。
父が言っていたが、自分の心を守る為にそうなってしまったと聞いた。
父は義兄上からそう説明を受けていたらしい。
「やっと会えました。ジークハロルドの弟のレオナルドです。よろしくお願いします。」
「ユーリです。平民なので家名はありません。この子が娘のリリーです。リリー、ちゃんとご挨拶をしよ?」
義兄上の後ろに隠れていたリリーは、おずおずといった感じで出て来た。
「リリーです。」
ペコリと頭を下げてまた隠れた。
義兄上はよく頑張ったねと、リリーの頭を撫でていた。
その後は義兄上の姉家族を紹介された。
母が、
「ジーク達は?」
と義兄上に聞いて来た。義兄上は目線を彷徨わせながら、
「ごめんなさい。朝早くドラゴンを狩りに行くって出て行ったの。」
「「は?」」
父と母が驚きの声を上げる。
「披露宴に出す最高の肉料理の為に狩って来るって。」
「ママ、パパはお肉で、エル兄は魔石をママにプレゼントしたいって言っていたよ。」
「…俺が原因みたいです。すみません。」
義兄上の為にドラゴンを狩りにいくなんて、本当に兄上か?
父も母も呆れるだけで、母なんか『お腹が空いたら、こっちに来るでしょ』と軽く言う。
なんか私が寮に入っている間に仲良くなり過ぎていない?
私、はっちゃけた兄上なんて知りませんよ?
しかも父と母がパパ、ママ呼びを許しているなんてもっと知りませんでしたよ。
昼食に義兄上特製ハンバーガーが出てきた。カトラリーを使ってもいいけど、ガブっと齧り付くとまた美味しいって言っていた。
父や義兄が齧り付くので、マネをして食べる。肉が食べやすく、かかっているソースが、パンや野菜、肉を纏めてくれている。
「美味しい。」
その後は夢中になって食べた。
家に戻ってから、料理が格段に美味しくなっていたが、義兄上の作るものは更にその上をいく。
予約の取れない料理店として王都で噂になっていたが、ただパンに挟んだだけでも、こんなに違うモノになるとは思わなかった。
確かに今代最高の料理人だ。
バァンと食堂の扉が開き入って来たのは皇帝陛下だった。
慌てて頭を下げようとしたら、父に止められる。なんで?
「ユーリ、メシ!」
「陛下、先触れくらいしてください。」
と、父が強気に言う。
「また煩いのが来たわ。」
と、義兄上の姉が言う。
不敬罪にならないかハラハラする。
義兄上の姉の子供アランとミランが、皇帝に向かって駆け出す。
「顔のうるさいおじちゃんだ。」
「こえもうるさいおじちゃんだ。」
私はもちろん、父と母は疎か使用人達も吹き出し、肩を震わせた。
「其方達は辛辣だのぉ。」
「ママが親戚の家でも礼儀正しくしないとダメって言っていたよ?」
「おじちゃん、なってないよ?」
「そうか、其方達のママの言う通りだのぉ。」
皇帝はアランとミランを抱き上げて、反省の言葉をした。
本当に皇帝陛下?
追加のハンバーガーを作って来た義兄上が陛下の顔を見て、溜息をついた。
「エルパパ、また来たの?ここはジークパパの家なの。先触れした?皇帝だから、なんでも許されるって思っちゃだめだよ。ほら、空いている席に座って。ハーマンさんもお疲れ様です。一緒に食べましょう。さ、座ってください。」
陛下はアランとミランを下ろして、空いている席に着く。そこだと末席だけどいいの?父を見ると頷くので、いいらしい。
「はい、ユーリ様、ありがとうございます。」
「『様』はやめてほしいんだけどな。」
「いえ、ユーリ様はユーリ様ですので。」
「そっか。」
ははっと笑いながら、テーブルにハンバーガーを並べて行く。付け合わせのポテトもある。
侍従は陛下の隣に座る。
2人は嬉しそうに食べ始める。
私は驚いた。威厳ある皇帝陛下の顔しか知らなかった。陛下の侍従は無表情しか見たことがなかったし。
母がこっそり教えてくれた。
「ユーリが来てから、これが当たり前になったのよ。」
ふふっと笑いながら言った。
みんなが各々楽しそうにごはんを食べる。
食事の際はあまり喋らない父と母も笑いながら食べている。
これが家族の在り方だと思った。
兄上は素敵な人と出会えて良かったと、本当にそう思えた。
夕方兄上達が帰って来たと報告を聞いたのが、明日の披露宴の最終確認で、父の執務室に母と私で確認しあっていた時だった。その後に、義兄上が慌てて執務室に飛び込んできた。
目の前の兄上は兄上じゃなかった。
誰?この色気ダダ漏れの人が兄上?
ドラゴンの肉ってそんな魅惑要素が含まれているの?
兄上の別の一面を知ってしまったけど、元に戻ればいつもの無表情な兄上だった。
でも、兄上は義兄上やリリーに優しい眼をしていた。少し目元が緩んでいる。
私に接してくれていた頃の眼だ。いや、それ以上に慈愛に満ちていた。
エルンスト様とも普通に親友のように喋っているし。
あの頃の兄上にはもうならないだろう。
そう思うと自然に嬉しくなる。
はちゃめちゃな結婚式、披露宴が終わり、兄上達は、郊外の家に帰って行った。
新婚だからとリリーが公爵邸に残り、母と楽しそうに過ごす。
義兄上の姉家族も翌日には帰って行った。
アランとミランが『おにいちゃん』と慕ってくれたので、別れは淋しかった。
結婚式から10日が過ぎた頃、やっと兄上達がリリーを迎えに来た。
肌の色艶が良い兄上とエルンスト様。
反対にお疲れ気味の義兄上。
リリーが3人を見た時に、
「……娼婦潰しは健在か。」
ぼそっと言った。父にも母にも聞こえてなかったが、私はしっかりと聞いてしまった。
『娼婦潰し』って兄上のこと?エルンスト様のこと?
リリーを見ると、いたずらっ子の顔で、口に人差し指をあてて、『ないしょ』と口パクで言う。
多分前世の兄上達の話なんだろう。
私はそう思いたい。
父が兄上に話があると2人がいなくなり、
義兄上は厨房に行くと立ち去り、母とリリーは帰る支度をするといなくなった。
エルンスト様と2人きりの空間になる。
私は未だにエルンスト様が苦手なままだ。
お茶を一杯飲んだら部屋に戻ろうと、思っていたら、エルンスト様から話かけられた。
「幼い頃はすまなかったね。」
と、謝られた。
私の緊張がエルンスト様にも伝わっていたのか、エルンスト様も少し緊張をしている。
『言い訳にしかならないけど』と前置きをして、色々話をしてくれた。
大体父から話を聞いた通りで、でもエルンスト様の感情も入っていた。
「ジークはあれで小さくて可愛いものが好きだから、レオナルドにジークを取られるんじゃないかと焦ってしまったんだよ。」
と語るエルンスト様。
兄上が可愛いもの好きは初耳です。
私が大人になったから知ることができ、相手のことも考えられる。
でも幼い頃に聞いていたら、多分何一つ理解してあげれなかったと思う。
こうして話をしてもらえば、ストンと理解ができた。
「私は兄上だけなら怖くなかったです。エルンスト様と一緒にいる時が怖かったです。エルンスト様がどこか遠くに連れて行ってしまうように見えて。…父から大体の話を聞いています。だから無事に戻ってきてくれて良かったです。」
「……ユーリといい、レオナルドといい、僕達より年下の子達の方が物分かりが良くて、……歳上の立場がないな。」
なんて困ったように言っていた。
父達が、私が理解できるようになるまで待ってくれたことに感謝した。
一回だけ義兄にお願いをして、婚約者の為に予約を入れてもらった。
私の婚約者は侯爵令嬢で、優しく思いやりのある、雰囲気が柔らかい女性だった。
貴族の令嬢にしては、傲慢さはないところに好感が持てた。将来的公爵夫人になるために努力もしてくれている。
そんな彼女を労いたくて、予約を無理に入れてもらったのだ。
義兄上のお店は、本当に予約が取れない店として有名で、婚約者とのデートの後に私は初めて店内に入った。
今日は予め晩餐を共にしようと話はしておいたが、婚約者もまさかのお店で大変驚いていた。
静かな空間だけど、家具などから温かみを感じる。
まるで家にいるような、いや、それ以上に心地が良かった。
料理の出るタイミングもよく、自然と婚約者と話が盛り上がる。
デセールにパフェが出てきた。フルーツが可愛くカットされて、中にはアイスクリームやフルーツソース、生クリームなど色々入っていた。
デセールが終わると、義兄上が挨拶に来た。
「お食事は如何でしたか?」
「どれも美味しかったです、義兄上。」
「?レオナルド様のお義兄様なのですか?」
「はい。兄上の伴侶です。」
「まあ、申し遅れましたわ。レオナルド様の婚約者のマリアンヌと申します。」
「ジークハロルドの伴侶ユーリです。お会いできて光栄です。マリアンヌ様、お味はいかがでしたか?」
「はい、私もどれも綺麗でナイフを入れるの躊躇ってしまいましたが、食べるとあまりの美味しさで天国に行ってしまいそうな夢心地でしたわ。」
「マリー、天国はまだ早いよ。」
「それだけ美味しかったってことですわ。」
「ふふっ、ありがとうございます。この後お茶を出しますので、ゆっくりとお寛ぎくださいませ。」
と、義兄上は厨房へと戻って行った。
「素敵な方ですわね。」
「おやマリー、浮気かい?」
「あらいやですわ。そんなんではありませんわ。」
「うん、わかっているよ。私も義兄上を尊敬しているからね。ただ、うちの怖い兄上に知られたら大変だからね。」
「何が大変なんだ?」
「いや兄上の嫉妬深さに、……兄上!」
「お茶だ。マリアンヌ嬢、久しぶりだな。」
「はい、ジークハロルド様もご健勝のようで何よりでございます。」
「あ、兄上?」
「俺は今給仕係をしているだけだ。休みの日はたまにユーリの店を手伝うぞ。それより嫉妬深いとか言っていたな。あとで覚えておけよ。」
と、ティーカップを置いて立ち去った。
「マリーごめん。結婚式挙げられないかも。」
「うふふ、ジークハロルド様なら手加減をしてくださいますわ。」
「…今度兄上の娘のリリーも紹介するね。」
「はい。楽しみにしていますわ。」
その後、マリアンヌとの結婚式披露宴で義兄上の料理がお披露目された。
義兄上は家族か店のお客様以外には料理を作らない。
今回は私とマリアンヌの為に作りたいと言ってくれた。
兄上やエルンスト様から冷たい視線をもらったが、義兄上が、
「俺、末っ子だから、下の兄弟の為に何かやってみたかったんだ。レオがいて嬉しいな。パパとママに感謝だね。」
と、みんなほっこりしてしまい、兄上達もそれ以上は何にも言って来なかった。
公爵家の料理人達も義兄上の指示の元に動く。義兄上は弟子を取っていないから、公爵邸でしか義兄上の料理は学べない。
募集なんてしていないのに、料理人志願者の後が絶たないから断るので一苦労すると、父は零していた。
侯爵達も娘の披露宴で義兄上の料理を食せることに喜んでいた。
マリアンヌは、お店でいただいた料理をどのくらい美味しかったか、随分と語っていたらしい。
披露宴で義兄上の料理は本当に好評だった。家族席に義兄上の席に座っていた見知らぬ男性については言及をしてはいけない。マリアンヌは気付いて、誰かと聞いてきたが、私は答えることはなかった。
結婚生活に入ってからのサプライズにしておこう。
リリーを挟んで、兄上とエルンスト様が笑い合っている。
私は、幼い頃の兄上とエルンスト様に言いたい。
『貴方達の未来は、笑顔に満ちているんだよ』って。
登場人物は毎回変わります。
本編、番外編で、きちんと名前を出していない方々の話です。
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兄上が魔王を倒したという話を聞いたのは、兄上が北の国を後にして、3週間が経つ頃だった。
偶々、学園の寮から家に帰省していた時に父から報告を聞いた。
父も皇帝陛下より連絡を受けて知ったらしい。
母とその話を聞き、母は泣いて喜んだ。
兄上が無事がわかり、私も安堵した。
幼い頃より優秀といわれる子息達の中でも、兄上は別格だった。
剣術も魔法も知識も段違いだった。
兄上と同じくらいに別格だったのが、第二皇子エルンスト様だ。
兄上は嫌そうながら、エルンスト様と一緒にいた。エルンスト様は兄上しかいらないって態度を取っていた。弟の俺が兄上に近づくことさえ嫌がって見えた。
いつの頃より兄上が諦めたように、エルンスト様に付いて行くようになった。
家では普通に接してくれるが、エルンスト様と一緒にいる時は『絶対に俺に近づくな』と言われた。
一回だけ母から伝言で、エルンスト様と一緒にいる兄上に近づいた時があった。
その時の2人の瞳は冷気が出ているんじゃないかと思うくらいに冷たかった。
そして冷たいと同時に瞳に光がなかった。
生きているのにまるで死人のような瞳だった。
その時の恐怖は、今でも覚えている。
兄上とエルンスト様が旅に出て、私が学園を入学する頃に父から色々と話を聞いた。
エルンスト様が勇者で、兄は剣士として付いて行ったと。
エルンスト様が兄上を構う理由は、幼い頃皇后を魔物から守ったが、その際の魔法が強力すぎ、皇后がエルンスト様をバケモノ扱いをしてしまったらしい。
それからはエルンスト様は家族と距離を置くようになって、仲間の兄上しか一緒にいたくなかったみたいだと聞いた。
他にも兄上に関して重要なことは諸々あるが、それは私が成長したら追々と話してくれると父は約束してくれた。
兄上からは時々手紙が届いた。今はどこの国にいるとか、それくらいだった。
それから、私が学園の最上級生になった頃に来た手紙に、今代最高の料理人に会えた、と書かれてあった。
次に来た手紙には、料理人と恋人になったと書かれてあった。
両親も俺も困惑した。あの兄上に恋人?!
エルンスト様がよく許してくれたな?
手紙の続きには、なんと、エルンスト様もその料理人の恋人になったらしい。
あの2人が騙されているのか?と一瞬思ったが、まずそれはあり得ない話だった。
でも今代最高の料理人って、父上より年上じゃないか?と、家族で違う心配をした。
最後に来た手紙に、仲間を娘として養女にしたいと書かれてあった。
その子は、叔父家族から酷い搾取をされていて、料理人をママ、兄上をパパと懐いてくれていると書かれてあった。
あの兄上がパパ?
詳しい話は戻ってからするけど、その子の家族になりたいと書かれてあった。
父も母も私も、兄上が例え仲間だろうとそんなことを思える日が来るとは信じられなかった。
兄は、父であろうと母であろうと、どこか線引きをしている。この線から絶対に入るなと。
父と母は何やら事情を知っているから、それ以上は踏み込まない。
そんな中、歳の離れた弟の私が生まれた。
兄上は、赤子の時から私だけはその線に入ることを許していたみたいで、そんな兄上の姿を見て、父と母は安堵したと言う。
私も兄上に懐き、兄上が学園の寮に入る時は泣いて引き止めた。
兄上は困った顔をしたのは、後にも先にもこれが初めてだった。
兄上がこの国に戻って来たと聞いても、生徒会の役員で忙しく、中々家に戻れず、兄上に会えないままだった。
母から手紙をもらい、嫁と娘をきちんと連れて来た、嫁となる料理人はなんと俺より1歳上!2人とも可愛らしいと書かれてあった。
そして料理の美味しさが手紙の半分を占めていた。
母上、こっちは育ち盛りなんですから、食べれないモノを想像させないでください!
結局兄上達に会えたのは、学園を卒業して1ヶ月後の結婚式前日。
嫁となる料理人ユーリは男性の平均身長で、顔立ちは可愛らしかった。見た目で判断したくないけど、本当に今代最高の料理人?
兄上の娘のリリーは、11歳でとても可愛らしかった。ただ、今までの環境が悪かったせいか、喋り方が幼い。
父が言っていたが、自分の心を守る為にそうなってしまったと聞いた。
父は義兄上からそう説明を受けていたらしい。
「やっと会えました。ジークハロルドの弟のレオナルドです。よろしくお願いします。」
「ユーリです。平民なので家名はありません。この子が娘のリリーです。リリー、ちゃんとご挨拶をしよ?」
義兄上の後ろに隠れていたリリーは、おずおずといった感じで出て来た。
「リリーです。」
ペコリと頭を下げてまた隠れた。
義兄上はよく頑張ったねと、リリーの頭を撫でていた。
その後は義兄上の姉家族を紹介された。
母が、
「ジーク達は?」
と義兄上に聞いて来た。義兄上は目線を彷徨わせながら、
「ごめんなさい。朝早くドラゴンを狩りに行くって出て行ったの。」
「「は?」」
父と母が驚きの声を上げる。
「披露宴に出す最高の肉料理の為に狩って来るって。」
「ママ、パパはお肉で、エル兄は魔石をママにプレゼントしたいって言っていたよ。」
「…俺が原因みたいです。すみません。」
義兄上の為にドラゴンを狩りにいくなんて、本当に兄上か?
父も母も呆れるだけで、母なんか『お腹が空いたら、こっちに来るでしょ』と軽く言う。
なんか私が寮に入っている間に仲良くなり過ぎていない?
私、はっちゃけた兄上なんて知りませんよ?
しかも父と母がパパ、ママ呼びを許しているなんてもっと知りませんでしたよ。
昼食に義兄上特製ハンバーガーが出てきた。カトラリーを使ってもいいけど、ガブっと齧り付くとまた美味しいって言っていた。
父や義兄が齧り付くので、マネをして食べる。肉が食べやすく、かかっているソースが、パンや野菜、肉を纏めてくれている。
「美味しい。」
その後は夢中になって食べた。
家に戻ってから、料理が格段に美味しくなっていたが、義兄上の作るものは更にその上をいく。
予約の取れない料理店として王都で噂になっていたが、ただパンに挟んだだけでも、こんなに違うモノになるとは思わなかった。
確かに今代最高の料理人だ。
バァンと食堂の扉が開き入って来たのは皇帝陛下だった。
慌てて頭を下げようとしたら、父に止められる。なんで?
「ユーリ、メシ!」
「陛下、先触れくらいしてください。」
と、父が強気に言う。
「また煩いのが来たわ。」
と、義兄上の姉が言う。
不敬罪にならないかハラハラする。
義兄上の姉の子供アランとミランが、皇帝に向かって駆け出す。
「顔のうるさいおじちゃんだ。」
「こえもうるさいおじちゃんだ。」
私はもちろん、父と母は疎か使用人達も吹き出し、肩を震わせた。
「其方達は辛辣だのぉ。」
「ママが親戚の家でも礼儀正しくしないとダメって言っていたよ?」
「おじちゃん、なってないよ?」
「そうか、其方達のママの言う通りだのぉ。」
皇帝はアランとミランを抱き上げて、反省の言葉をした。
本当に皇帝陛下?
追加のハンバーガーを作って来た義兄上が陛下の顔を見て、溜息をついた。
「エルパパ、また来たの?ここはジークパパの家なの。先触れした?皇帝だから、なんでも許されるって思っちゃだめだよ。ほら、空いている席に座って。ハーマンさんもお疲れ様です。一緒に食べましょう。さ、座ってください。」
陛下はアランとミランを下ろして、空いている席に着く。そこだと末席だけどいいの?父を見ると頷くので、いいらしい。
「はい、ユーリ様、ありがとうございます。」
「『様』はやめてほしいんだけどな。」
「いえ、ユーリ様はユーリ様ですので。」
「そっか。」
ははっと笑いながら、テーブルにハンバーガーを並べて行く。付け合わせのポテトもある。
侍従は陛下の隣に座る。
2人は嬉しそうに食べ始める。
私は驚いた。威厳ある皇帝陛下の顔しか知らなかった。陛下の侍従は無表情しか見たことがなかったし。
母がこっそり教えてくれた。
「ユーリが来てから、これが当たり前になったのよ。」
ふふっと笑いながら言った。
みんなが各々楽しそうにごはんを食べる。
食事の際はあまり喋らない父と母も笑いながら食べている。
これが家族の在り方だと思った。
兄上は素敵な人と出会えて良かったと、本当にそう思えた。
夕方兄上達が帰って来たと報告を聞いたのが、明日の披露宴の最終確認で、父の執務室に母と私で確認しあっていた時だった。その後に、義兄上が慌てて執務室に飛び込んできた。
目の前の兄上は兄上じゃなかった。
誰?この色気ダダ漏れの人が兄上?
ドラゴンの肉ってそんな魅惑要素が含まれているの?
兄上の別の一面を知ってしまったけど、元に戻ればいつもの無表情な兄上だった。
でも、兄上は義兄上やリリーに優しい眼をしていた。少し目元が緩んでいる。
私に接してくれていた頃の眼だ。いや、それ以上に慈愛に満ちていた。
エルンスト様とも普通に親友のように喋っているし。
あの頃の兄上にはもうならないだろう。
そう思うと自然に嬉しくなる。
はちゃめちゃな結婚式、披露宴が終わり、兄上達は、郊外の家に帰って行った。
新婚だからとリリーが公爵邸に残り、母と楽しそうに過ごす。
義兄上の姉家族も翌日には帰って行った。
アランとミランが『おにいちゃん』と慕ってくれたので、別れは淋しかった。
結婚式から10日が過ぎた頃、やっと兄上達がリリーを迎えに来た。
肌の色艶が良い兄上とエルンスト様。
反対にお疲れ気味の義兄上。
リリーが3人を見た時に、
「……娼婦潰しは健在か。」
ぼそっと言った。父にも母にも聞こえてなかったが、私はしっかりと聞いてしまった。
『娼婦潰し』って兄上のこと?エルンスト様のこと?
リリーを見ると、いたずらっ子の顔で、口に人差し指をあてて、『ないしょ』と口パクで言う。
多分前世の兄上達の話なんだろう。
私はそう思いたい。
父が兄上に話があると2人がいなくなり、
義兄上は厨房に行くと立ち去り、母とリリーは帰る支度をするといなくなった。
エルンスト様と2人きりの空間になる。
私は未だにエルンスト様が苦手なままだ。
お茶を一杯飲んだら部屋に戻ろうと、思っていたら、エルンスト様から話かけられた。
「幼い頃はすまなかったね。」
と、謝られた。
私の緊張がエルンスト様にも伝わっていたのか、エルンスト様も少し緊張をしている。
『言い訳にしかならないけど』と前置きをして、色々話をしてくれた。
大体父から話を聞いた通りで、でもエルンスト様の感情も入っていた。
「ジークはあれで小さくて可愛いものが好きだから、レオナルドにジークを取られるんじゃないかと焦ってしまったんだよ。」
と語るエルンスト様。
兄上が可愛いもの好きは初耳です。
私が大人になったから知ることができ、相手のことも考えられる。
でも幼い頃に聞いていたら、多分何一つ理解してあげれなかったと思う。
こうして話をしてもらえば、ストンと理解ができた。
「私は兄上だけなら怖くなかったです。エルンスト様と一緒にいる時が怖かったです。エルンスト様がどこか遠くに連れて行ってしまうように見えて。…父から大体の話を聞いています。だから無事に戻ってきてくれて良かったです。」
「……ユーリといい、レオナルドといい、僕達より年下の子達の方が物分かりが良くて、……歳上の立場がないな。」
なんて困ったように言っていた。
父達が、私が理解できるようになるまで待ってくれたことに感謝した。
一回だけ義兄にお願いをして、婚約者の為に予約を入れてもらった。
私の婚約者は侯爵令嬢で、優しく思いやりのある、雰囲気が柔らかい女性だった。
貴族の令嬢にしては、傲慢さはないところに好感が持てた。将来的公爵夫人になるために努力もしてくれている。
そんな彼女を労いたくて、予約を無理に入れてもらったのだ。
義兄上のお店は、本当に予約が取れない店として有名で、婚約者とのデートの後に私は初めて店内に入った。
今日は予め晩餐を共にしようと話はしておいたが、婚約者もまさかのお店で大変驚いていた。
静かな空間だけど、家具などから温かみを感じる。
まるで家にいるような、いや、それ以上に心地が良かった。
料理の出るタイミングもよく、自然と婚約者と話が盛り上がる。
デセールにパフェが出てきた。フルーツが可愛くカットされて、中にはアイスクリームやフルーツソース、生クリームなど色々入っていた。
デセールが終わると、義兄上が挨拶に来た。
「お食事は如何でしたか?」
「どれも美味しかったです、義兄上。」
「?レオナルド様のお義兄様なのですか?」
「はい。兄上の伴侶です。」
「まあ、申し遅れましたわ。レオナルド様の婚約者のマリアンヌと申します。」
「ジークハロルドの伴侶ユーリです。お会いできて光栄です。マリアンヌ様、お味はいかがでしたか?」
「はい、私もどれも綺麗でナイフを入れるの躊躇ってしまいましたが、食べるとあまりの美味しさで天国に行ってしまいそうな夢心地でしたわ。」
「マリー、天国はまだ早いよ。」
「それだけ美味しかったってことですわ。」
「ふふっ、ありがとうございます。この後お茶を出しますので、ゆっくりとお寛ぎくださいませ。」
と、義兄上は厨房へと戻って行った。
「素敵な方ですわね。」
「おやマリー、浮気かい?」
「あらいやですわ。そんなんではありませんわ。」
「うん、わかっているよ。私も義兄上を尊敬しているからね。ただ、うちの怖い兄上に知られたら大変だからね。」
「何が大変なんだ?」
「いや兄上の嫉妬深さに、……兄上!」
「お茶だ。マリアンヌ嬢、久しぶりだな。」
「はい、ジークハロルド様もご健勝のようで何よりでございます。」
「あ、兄上?」
「俺は今給仕係をしているだけだ。休みの日はたまにユーリの店を手伝うぞ。それより嫉妬深いとか言っていたな。あとで覚えておけよ。」
と、ティーカップを置いて立ち去った。
「マリーごめん。結婚式挙げられないかも。」
「うふふ、ジークハロルド様なら手加減をしてくださいますわ。」
「…今度兄上の娘のリリーも紹介するね。」
「はい。楽しみにしていますわ。」
その後、マリアンヌとの結婚式披露宴で義兄上の料理がお披露目された。
義兄上は家族か店のお客様以外には料理を作らない。
今回は私とマリアンヌの為に作りたいと言ってくれた。
兄上やエルンスト様から冷たい視線をもらったが、義兄上が、
「俺、末っ子だから、下の兄弟の為に何かやってみたかったんだ。レオがいて嬉しいな。パパとママに感謝だね。」
と、みんなほっこりしてしまい、兄上達もそれ以上は何にも言って来なかった。
公爵家の料理人達も義兄上の指示の元に動く。義兄上は弟子を取っていないから、公爵邸でしか義兄上の料理は学べない。
募集なんてしていないのに、料理人志願者の後が絶たないから断るので一苦労すると、父は零していた。
侯爵達も娘の披露宴で義兄上の料理を食せることに喜んでいた。
マリアンヌは、お店でいただいた料理をどのくらい美味しかったか、随分と語っていたらしい。
披露宴で義兄上の料理は本当に好評だった。家族席に義兄上の席に座っていた見知らぬ男性については言及をしてはいけない。マリアンヌは気付いて、誰かと聞いてきたが、私は答えることはなかった。
結婚生活に入ってからのサプライズにしておこう。
リリーを挟んで、兄上とエルンスト様が笑い合っている。
私は、幼い頃の兄上とエルンスト様に言いたい。
『貴方達の未来は、笑顔に満ちているんだよ』って。
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