【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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番外編

リリーが大人になったら?の話

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「ママ、ここまで育ててくれてありがとう。私、あの人の元に嫁いで、幸せになるね。」

「リリー。俺は許していないぞ。」

「ママが許さなくても、私は素敵な人に出会えたのよ。だから、あの人の元に嫁ぐことは絶対なの。ママは、パパとエル兄と仲良く暮らしてね。」

「リリー!」

俺の元からリリーは嫁いで行ってしまう。
まだ16歳になったばかりなのに。
ウェディングドレスを身に纏い、ベールであまり表情は見えないけど、幸せそうな声をしていた。
なんでジークもエルもリリーを止めないんだ?
リリーの相手がアイツなんて、絶対に許さないから!!


と、そんな夢を見てしまった。
大人になったリリーは綺麗だった。
けど、リリーの相手が……。
朝から地味に凹んでしまった。





「あれ?ユーリ珍しく不機嫌だね。」

と、エルに聞かれる。
朝ごはんの時間に丁度ジークが夜勤明けで帰ってきたから、今朝は4人でごはんを食べる。

「別に。」

素っ気ない返事をする俺。

「ジークなんかした?」

「俺は夜勤明けで今帰ってきたばかりだ。エルこそなんかしたのか?」

「?してないと思う。寝相のことなら、起きたら真っ先に言って来るはずだし。」

「ママ、どうしたの?」

「リリー、……リリー!」

と、俺はリリーに抱きつき泣いてしまった。
抱きつかれたリリーはもちろん、エルとジークも慌てだす。
ベッドの上以外で泣いた姿なんて見せたことはないからね。



「「「ゆめぇ?!」」」

「だって、リリーが、16になったばかり、なのに、お嫁に、いぐっでぇ…。」

俺はずびずび泣きながら、夢の話をする。

「ママ、私まだ12歳になったばかりよ?それにお婿さん希望よ?」

ジークにタオルで顔を拭いてもらいながら、俺は言う。

「でも、女の子の方が成長が早いじゃん。あっという間に綺麗な女性になって…うわぁん!」

言ってて悲しくなり、ジークに抱きつき、また泣き出す。
エルは呆れたように

「ユーリ、夢なんでしょ?そんなに気にすることないでしょ?…もしかして、相手が嫌いなヤツだったとか?」

エルの言葉にビキッと固まる。
それを見逃すエル達でなかった。

「えっ?うそ?」

「てか、ユーリが人を嫌うってまずはないだろ?」

「そうだよね。ママは嫌うより無関心を貫くよね?」

「で、相手誰?」

「……言いたくない。言ったら、正夢になりそうだから。」

元日本人の俺としては、言霊って効力を知っているから、口に出したくなかった。
口をへの字にして、絶対に言わないようにした。
そんな俺をジークは頭を撫でてくれる。

「とりあえずごはん食べようか。リリーは今日は母上のところに行くんだろ?エル、朝は送ってやってくれ。夕方は俺が行くから。ユーリ、今日予約は?」

「…ない。スープの日。」

「なら、俺とちょっと寝よう。次は、リリーとピクニックに行く夢を見れるかもしれないだろ?」

「……うん。」

ジークはこういう時の気遣いが素敵だ。

「ええ、ジークばかり狡い!」

エルは相変わらず空気を読まない。
こういう時のエルは、残念な男に成り下がるよな。


食べ終わり、リリーとエルが支度をし終えて、勉強と仕事に行った。
その後、片付けをしてから、寝室へと行く。
夜勤明けで疲れているジークはもう眠っていた。
昨日は市街地の夜の巡回だったらしい。
酔っ払いの相手をするのは、非常に疲れると言っていた。

「ジーク、ありがとう。」

俺はジークに引っ付いて、目を閉じる。
ジークの心音が子守唄になって、俺はいつの間にか眠っていた。



昼近くにジークに起こされる。
夢は見なかったけど、朝よりは幾分か気分はマシになった。
その後、一緒にごはんを食べ、2人で食材を買いに行く。帰ってきたら、俺はスープを作る。ジークは俺の手伝いをしてくれている。

「あれ?ジークと2人きりって久しぶり?」

「最近夜勤ばっかりだったから、昼間は寝ていたし、夜はいなかったからな。」

「エルって夜勤ないの?」

「ないな。魔法士は基本日勤だけだな。」

「そっか。」

「こっちの野菜も切るのか?」

「そっちはまだいいよ。あっ、ジークってまだドラゴン肉ある?ローストビーフ…ローストドラゴン作ろうか?」

「いいのか?!」

「うん、今日はありがとう。」

「…どう致しまして。ユーリが笑顔でないと、俺も悲しい。」

「ふふ、ジークも感情豊かになってきたね。」

「ユーリのおかげだ。」

ジークから優しくキスをされる。
キスも久しぶりだなぁ、なんて思ってしまうくらいに、していなかったことに気がつく。
2人きりの厨房で、久しぶりの甘い時間を過ごした。

夕方前に、ジークがリリーを迎えに行った。俺は夕食の準備で家に残っていた。
あとはみんなが帰って来るだけってなった時に、店のドアを叩く音がする。
今日は予約を入れていないし、近所の人だったら、家の玄関に来るし。家族認定をされていれば、自由に出入りができるように、エルが魔法で設定してくれてある。
そのせいでエルパパは自由に出入りしているけど。

ドアの鍵はかけたまま、内側から声をかける。

「どちら様ですか?今日はお店は休みですよ?」

「休みだと?!皇都一美味い店って噂を聞いたからわざわざ来てやったんだ!ふざけんな!」

「うちは営業中でも予約したお客様しか入れません。どうぞお帰りください。」

「なんだと!」

ガンガンとドアを殴るように叩く。
ドアより手の方が先に壊れなきゃいいが。
エル特製魔法の威力はすごいんだから。
俺は無視して厨房に戻る。
しばらくしたら、音も鳴り止んだから帰ったらしい。
皇都一って噂なら、ついでに予約しないと入れない店っていう噂も一緒に流して欲しいよ。


しばらくして、エルが先に帰って来た。

「なんか変な人がいたから、騎士団に預けて来たよ。」

と、話を聞くと店のドアを叩きながら喚いている人がいたから、近くの詰所に騎士達を呼びに行って、連行されるまで付いていたと言っていた。

「エル、ありがとう。休みって言っても帰らなかったから、ジークが戻ってきたらお願いするつもりだったよ。」

「ドアは開けてない?」

「開けてないよ。俺じゃ何もできないから、開けないよ。」

「良かった。もしかしたら、ユーリが怖がっていたらどうしようかと思ったよ。」

「さっきの人は怖いより、煩かったよ。それに店の方は、アルス達がいないと開けないし、エルの魔法でおかしな人は入れないんでしょ?」

「うん。…でも良かった。」

と、エルがぎゅっと抱きしめてくれる。
エルなりに心配してくれたらしい。
俺の旦那様達は、時々残念になるけど、本当優しくて頼もしい。



ジークとリリーが帰って来るまで、今度はエルと甘い時間を過ごした。
甘い時間を過ごしたせいか、その夜は2人が俺をいつまでも離してくれず、夜が白むまで抱かれてしまった。

体力おばけの2人相手だよ。エルは『ポーションあるから』なんて、口移しで飲ませて、無理矢理俺の体力、魔力を回復させてくる。

だから、セックスでポーションを使うな!!





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