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オールラウンダー
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「これからどうしますか?」
レストランの店長さんとの話し合いが終わったらしく、大きな荷物が入っている袋を背負ったリタさんが駆け寄ってきた。
「冒険者ギルドに行きますか?」
「ううん。登録はまだやめておくよ」
「どうしてですか?」
不思議そうに言う彼女に、さっきまで考えていたことを話す。
「ギルドって、依頼を一定数こなしていかないと、冒険者のライセンス? みたいなのが剥奪されるらしいんだよね」
実は、ギルドホームで話を聞いてきていた。
「依頼を受けるにはギルドホームまで行かないといけない。それなら、お金を稼ぎながら薬草を探すのは難しいでしょ?」
「……たしかに、薬草探しには不向きですね」
「うん。それに、お金を稼いでも本当に薬草が手に入るかはわからないしね。金額が高くなってるのって薬草が不足しているからだから、お金が貯まって買いに行ったら品切れだった、みたいなことになるかも」
それでも、一応お金は貯めていこうと思っている。素材を売ったらお金になるしね。
リタさんはしばらく「う~ん……」と唸ったあと、パチンと両手を合わせた。
「それでは、魔法屋に行きませんか?」
道中、リタさんに教えてもらった「魔法屋」の説明をまとめておこう。
魔法屋は、魔法適正を調べてもらったり魔法書を買ったりできる。
また、魔法を使うには、一度身体に魔力を通してもらわないといけないらしく、それも魔法屋でできる。
物理攻撃がほとんどできないならば、すぐに魔法が使えるようにしておかないと危険すぎる。と、いうのがリタさんの意見だ。
魔法屋の店主はおばあさんだった。
「それじゃあ、魔力を流すわね~」
おばあさんは人の良さそうな笑みを浮かべながら、私の両手を握って呪文のようなものを唱える。
すると、何か熱いものが身体中を駆け巡るのがわかった。
「その熱いものが魔力よ。今の感覚を忘れないようにね」
つぎに、水晶玉に手をかざすように指示された。これで適正を見るようだ。
……攻撃できそうな魔法だったらいいな。
期待と不安を胸に、水晶玉に手をかざす。
水晶玉は微かに光輝くと、砕け散った。
……砕け散った? マジで?
「これって、砕けるものなの⁉」
「え? えぇ……と」
普通は砕けないもののようで、リタさんは視線をそらす。
脳裏に、真っ赤な字で「弁償!」という言葉が浮かび上がった。どうしよう。
「これって、どうすれば……?」
「と、とりあえず集めるわ。大丈夫、破片からも適正がわかるもの」
おばあさんも初めてだったらしく、机の上に飛び散った破片の一つを手に取り、そして──
「──うそでしょ?」
破片をポトリと落とした。
「うそでしょ? うそでしょ? こんな瞬間に立ち会えるなんて……」
おばあさんは頬を上気させながら、ふらふらと外に出て、そして大声で叫んだ。
「賢者様が現れた!」
……なんて?
レストランの店長さんとの話し合いが終わったらしく、大きな荷物が入っている袋を背負ったリタさんが駆け寄ってきた。
「冒険者ギルドに行きますか?」
「ううん。登録はまだやめておくよ」
「どうしてですか?」
不思議そうに言う彼女に、さっきまで考えていたことを話す。
「ギルドって、依頼を一定数こなしていかないと、冒険者のライセンス? みたいなのが剥奪されるらしいんだよね」
実は、ギルドホームで話を聞いてきていた。
「依頼を受けるにはギルドホームまで行かないといけない。それなら、お金を稼ぎながら薬草を探すのは難しいでしょ?」
「……たしかに、薬草探しには不向きですね」
「うん。それに、お金を稼いでも本当に薬草が手に入るかはわからないしね。金額が高くなってるのって薬草が不足しているからだから、お金が貯まって買いに行ったら品切れだった、みたいなことになるかも」
それでも、一応お金は貯めていこうと思っている。素材を売ったらお金になるしね。
リタさんはしばらく「う~ん……」と唸ったあと、パチンと両手を合わせた。
「それでは、魔法屋に行きませんか?」
道中、リタさんに教えてもらった「魔法屋」の説明をまとめておこう。
魔法屋は、魔法適正を調べてもらったり魔法書を買ったりできる。
また、魔法を使うには、一度身体に魔力を通してもらわないといけないらしく、それも魔法屋でできる。
物理攻撃がほとんどできないならば、すぐに魔法が使えるようにしておかないと危険すぎる。と、いうのがリタさんの意見だ。
魔法屋の店主はおばあさんだった。
「それじゃあ、魔力を流すわね~」
おばあさんは人の良さそうな笑みを浮かべながら、私の両手を握って呪文のようなものを唱える。
すると、何か熱いものが身体中を駆け巡るのがわかった。
「その熱いものが魔力よ。今の感覚を忘れないようにね」
つぎに、水晶玉に手をかざすように指示された。これで適正を見るようだ。
……攻撃できそうな魔法だったらいいな。
期待と不安を胸に、水晶玉に手をかざす。
水晶玉は微かに光輝くと、砕け散った。
……砕け散った? マジで?
「これって、砕けるものなの⁉」
「え? えぇ……と」
普通は砕けないもののようで、リタさんは視線をそらす。
脳裏に、真っ赤な字で「弁償!」という言葉が浮かび上がった。どうしよう。
「これって、どうすれば……?」
「と、とりあえず集めるわ。大丈夫、破片からも適正がわかるもの」
おばあさんも初めてだったらしく、机の上に飛び散った破片の一つを手に取り、そして──
「──うそでしょ?」
破片をポトリと落とした。
「うそでしょ? うそでしょ? こんな瞬間に立ち会えるなんて……」
おばあさんは頬を上気させながら、ふらふらと外に出て、そして大声で叫んだ。
「賢者様が現れた!」
……なんて?
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