7 / 10
SかMか
7
しおりを挟む
旦那様に買われて半年後、私の十八歳の誕生日だった。
この日は、旦那様のベッドで彼と睦み合っていた。
白い結婚なので当然ながら旦那様とは寝室は別だ。
いくら旦那様に浮気を許されても、さすがに旦那様のベッドで行為に及ぶのは最初は躊躇した。けれど、私の体を知り尽くした彼に愛撫されているうちに、どうでもよくなってきた。
けれど、出かけたはずの旦那様が、なぜか戻ってきて妻と義理の息子の不貞行為を見てしまったのだ。
最初は驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻した。
確かに、義理の息子と、よりによって夫のベッドで不貞行為をするのは世間的には到底許されないが旦那様は「隠れてなら浮気を許す」と言ったのだ。
ばれてしまったが、浮気自体は容認していたのだ。すぐに笑って許してくれると思っていたのに。
旦那様は、どういう訳か、烈火のごとく怒り始めた。
訳が分からなかった。
本当に理解できなかった。
「どうして怒るのですか? 浮気しても許すと仰ったでしょう?」
純粋に疑問だから尋ねたのだが、それは火に油を注ぐように旦那様の怒りを増したらしい。
「妻の浮気を本気で容認する夫がいると思っているのか!? しかも、あの劣悪な境遇から助けた私を本当に裏切ると誰が思う!? しかも、相手は義理とはいえ息子だ!」
「……格好つけで言っただけですのね」
旦那様は本気で私の浮気を容認していたのではない。だから、あの時、微妙な顔になったのだと納得した。
「では、私を売ればいい」
浮気を詰られて責められようと暴力がない罵倒は私にはご褒美だ。ある程度聞いて満足するとエンドレスになりそうな旦那様の恨み言を遮った。
「……何?」
頭に血が上っているからか、私の冷静な切り返しが意外だったのか、旦那様は眉をひそめた。
「私を許せないなら、とびっきりの変態に私を売ればいい」
旦那様にとって私を買った代金など、はした金で補填などどうでもいいだろうが、裏切った妻が許せないなら、そうすればいいだけだ。
今までと同じだ。
「そうやって生きてきたわ。売られて買われて飽きられれば、また売られて。それ以外の生き方を私は知らないもの」
別に旦那様の同情を買うつもりで言ったのではない。事実なのだ。
「では、俺が買おう」
私の隣で黙って成り行きを見守っていた彼が初めて口を開いた。
「あなたが彼女を買った代金の二倍、いや、あなたが望むだけ払う。だから、彼女をくれ」
彼は後継者として旦那様の養子となり会社では旦那様の部下だが、今は亡き祖父母や両親から受け継いだ財産を元手に独自に稼いでいる。実の所、わざわざ旦那様の会社や財産を受け継がなくても今でさえ彼は旦那様以上の金持ちなのだ。
口だけでなく旦那様が私を買った以上の代金を即座に払えるだろう。
「……お前、それが目的で私が家を出てすぐに『今、あなたの寝室に行けば、面白いものが見られれますよ』などと電話してきたのか?」
出かけた旦那様がすぐに戻ってきたのは、それが理由か。
何が目的かは分からないが、彼は旦那様に妻と義理の息子との不貞行為をばらしたかったようだ。
別に彼を責める気はない。彼がばらさなくても、いずれ知られただろうし、浮気を容認されていても(口だけだったけど)命の恩人である夫を裏切るのだ。しかも相手は義理とはいえ息子だ。最初から全てを失う覚悟もなしに浮気などしない。
「ええ。どうしても欲しかったので」
今の話の流れからして彼が「欲しいもの」は自惚れではなく「私」だろう。
「よろしいのですか? 多大な無駄使いにしかなりませんよ」
今は若く美しい外見をしているし体の相性も最高だ。けれど、容姿など加齢でいずれ衰える。そうなれば、体の相性など無意味だ。若くもなく美しくもなくなった女を抱きたがる男など、そうそういないだろうからだ。
「飽きれば売ればいいだけだろう?」
「まあ、そうですね。あなたが払った代金を補填できるかまでは分かりませんが」
事もなげに言う彼に私は納得した。彼にとっても私を買う金など、はした金だろう。失っても惜しくないのだ。
「……お前ら」
旦那様は地の底から響いてくるような低く重い声を出した。
「私を裏切った申し訳なさとかないのか!?」
「全然」
「いや全く」
私と彼の答えは同時で同義だった。
「金で若く美しい女を妻にしたんだ。こうなる事くらい予想できただろう?」
「浮気を容認すると仰ったでしょう? ばれてしまったのは私の不手際で申し訳ありませんでしたが」
彼に続いて私が言った。
「半年一緒にいて分からないのか? 彼女は、あなたの手の負える女ではない。手放すべきだ。あなた自身のためにも」
確かに、旦那様のようなまともな男性には私のような女は毒でしかない。
「あの変態、いえ前のご主人様から救い出してくださった事は本当に感謝しています」
周囲の男を色仕掛けで篭絡して、前のご主人様を殺すように仕向けていたけれど、それより早く旦那様は私を救い出してくれたのだ。
「ですが、私を楽しませてくれないなら夫は要らない。ただ夫に愛されて守られる生活など、この私には意味がないのだから」
普通の女性であれば悲惨な境遇から助けてくれた夫に感謝して浮気などせず夫に尽くすだろう。
けれど、残念ながら私は普通の女ではない。
ハイスペックなイケメンや美女に罵倒されて悦ぶドMなのだ。
「……君は、あんな人としての尊厳を踏みにじられる生活のほうがいいというのか?」
「あなのたような方には理解できないでしょうね」
信じられないと言いたげな旦那様に私は微苦笑した。
別に旦那様に私を理解してほしいとは思ってない。私自身、旦那様を理解したいと思っていないからだ。
「幸福か不幸かは本人が決める事だ。他人が口を出す事じゃない」
彼の言葉は不思議とストンと私の胸に落ちた。
人から見れば私は最低最悪な人生だっただろう。
けれど、私自身は自分を不幸だと思った事はなかった。
余程ひどい肉体の責め苦でなければ構わなかったし、他の人であれば死にたくなるような罵倒も私には、ご褒美だ。
充分この人生を楽しんでいたのだ。
「あなたには彼女を理解できない。まあ、俺だって理解できないけど。そもそも自分自身の事さえ完全に理解できないのに他人を理解できるはずがないからな。それでも――」
彼は突然私を背後から抱きしめた。
「――それでも、俺は彼女を否定しない。あなたにも誰にも彼女という人間を理解できなくて受け入れられなくても、俺だけは彼女を否定しないし受け入れる」
私は目を瞠った。
私という女を知れば、旦那様のような反応が普通だろう。
誰も私という女を、人間を、理解できない。
私のような境遇に生まれたなら大抵の人間は嘆くだろう、死にたくなるだろう。
けれど、私は、この人生を受け入れ楽しんで生きてきた。
そうでなければ生きていけなかったから、かもしれない。
何にしろ、理解できないから受け入れられない。
だのに、彼は「理解できなくても否定しないし受け入れる」と言ってくれた。
初めてだった。
そんな言葉を言ってもらえたのは。
そして、それを嬉しいと思ったのも。
「私を楽しませてくれるのなら『貴方』でなくてもよかった。けれど、今は『貴方』がいい。『貴方』でなくては駄目だわ」
無意識に言葉にしていた。
気がついて慌てたが、彼はただ「そうか」と嬉しそうに微笑んでいるだけだった。
彼にとっては「私」でなくてもいいのかもしれない。それでも私にとっては、初めて、そして、この先もきっと誰も理解できず受け入れてくれないだろう私を否定せず受け入れてくれた「彼」は特別だから。
「という訳だ。後日、言い値で払うが、取りあえず彼女は貰っていく」
彼は私の肩を抱いて寝室を出ようとした。
「待て! 私の妻だ! 誰にもやらん!」
その言葉の後、パンッと乾いた音がし私は胸に激痛が走った。
「……あ?」
左胸から血が出ていた。
振り返って見ると、いつの間にか旦那様の手には拳銃が握られていた。
撃たれたのだと遅れて気づいた。
呆然と立ち尽くす旦那様。
いつも飄々としていた彼が必死な形相で前世の私の名を叫んでいた。
それが、前世の私の最期の記憶だった。
この日は、旦那様のベッドで彼と睦み合っていた。
白い結婚なので当然ながら旦那様とは寝室は別だ。
いくら旦那様に浮気を許されても、さすがに旦那様のベッドで行為に及ぶのは最初は躊躇した。けれど、私の体を知り尽くした彼に愛撫されているうちに、どうでもよくなってきた。
けれど、出かけたはずの旦那様が、なぜか戻ってきて妻と義理の息子の不貞行為を見てしまったのだ。
最初は驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻した。
確かに、義理の息子と、よりによって夫のベッドで不貞行為をするのは世間的には到底許されないが旦那様は「隠れてなら浮気を許す」と言ったのだ。
ばれてしまったが、浮気自体は容認していたのだ。すぐに笑って許してくれると思っていたのに。
旦那様は、どういう訳か、烈火のごとく怒り始めた。
訳が分からなかった。
本当に理解できなかった。
「どうして怒るのですか? 浮気しても許すと仰ったでしょう?」
純粋に疑問だから尋ねたのだが、それは火に油を注ぐように旦那様の怒りを増したらしい。
「妻の浮気を本気で容認する夫がいると思っているのか!? しかも、あの劣悪な境遇から助けた私を本当に裏切ると誰が思う!? しかも、相手は義理とはいえ息子だ!」
「……格好つけで言っただけですのね」
旦那様は本気で私の浮気を容認していたのではない。だから、あの時、微妙な顔になったのだと納得した。
「では、私を売ればいい」
浮気を詰られて責められようと暴力がない罵倒は私にはご褒美だ。ある程度聞いて満足するとエンドレスになりそうな旦那様の恨み言を遮った。
「……何?」
頭に血が上っているからか、私の冷静な切り返しが意外だったのか、旦那様は眉をひそめた。
「私を許せないなら、とびっきりの変態に私を売ればいい」
旦那様にとって私を買った代金など、はした金で補填などどうでもいいだろうが、裏切った妻が許せないなら、そうすればいいだけだ。
今までと同じだ。
「そうやって生きてきたわ。売られて買われて飽きられれば、また売られて。それ以外の生き方を私は知らないもの」
別に旦那様の同情を買うつもりで言ったのではない。事実なのだ。
「では、俺が買おう」
私の隣で黙って成り行きを見守っていた彼が初めて口を開いた。
「あなたが彼女を買った代金の二倍、いや、あなたが望むだけ払う。だから、彼女をくれ」
彼は後継者として旦那様の養子となり会社では旦那様の部下だが、今は亡き祖父母や両親から受け継いだ財産を元手に独自に稼いでいる。実の所、わざわざ旦那様の会社や財産を受け継がなくても今でさえ彼は旦那様以上の金持ちなのだ。
口だけでなく旦那様が私を買った以上の代金を即座に払えるだろう。
「……お前、それが目的で私が家を出てすぐに『今、あなたの寝室に行けば、面白いものが見られれますよ』などと電話してきたのか?」
出かけた旦那様がすぐに戻ってきたのは、それが理由か。
何が目的かは分からないが、彼は旦那様に妻と義理の息子との不貞行為をばらしたかったようだ。
別に彼を責める気はない。彼がばらさなくても、いずれ知られただろうし、浮気を容認されていても(口だけだったけど)命の恩人である夫を裏切るのだ。しかも相手は義理とはいえ息子だ。最初から全てを失う覚悟もなしに浮気などしない。
「ええ。どうしても欲しかったので」
今の話の流れからして彼が「欲しいもの」は自惚れではなく「私」だろう。
「よろしいのですか? 多大な無駄使いにしかなりませんよ」
今は若く美しい外見をしているし体の相性も最高だ。けれど、容姿など加齢でいずれ衰える。そうなれば、体の相性など無意味だ。若くもなく美しくもなくなった女を抱きたがる男など、そうそういないだろうからだ。
「飽きれば売ればいいだけだろう?」
「まあ、そうですね。あなたが払った代金を補填できるかまでは分かりませんが」
事もなげに言う彼に私は納得した。彼にとっても私を買う金など、はした金だろう。失っても惜しくないのだ。
「……お前ら」
旦那様は地の底から響いてくるような低く重い声を出した。
「私を裏切った申し訳なさとかないのか!?」
「全然」
「いや全く」
私と彼の答えは同時で同義だった。
「金で若く美しい女を妻にしたんだ。こうなる事くらい予想できただろう?」
「浮気を容認すると仰ったでしょう? ばれてしまったのは私の不手際で申し訳ありませんでしたが」
彼に続いて私が言った。
「半年一緒にいて分からないのか? 彼女は、あなたの手の負える女ではない。手放すべきだ。あなた自身のためにも」
確かに、旦那様のようなまともな男性には私のような女は毒でしかない。
「あの変態、いえ前のご主人様から救い出してくださった事は本当に感謝しています」
周囲の男を色仕掛けで篭絡して、前のご主人様を殺すように仕向けていたけれど、それより早く旦那様は私を救い出してくれたのだ。
「ですが、私を楽しませてくれないなら夫は要らない。ただ夫に愛されて守られる生活など、この私には意味がないのだから」
普通の女性であれば悲惨な境遇から助けてくれた夫に感謝して浮気などせず夫に尽くすだろう。
けれど、残念ながら私は普通の女ではない。
ハイスペックなイケメンや美女に罵倒されて悦ぶドMなのだ。
「……君は、あんな人としての尊厳を踏みにじられる生活のほうがいいというのか?」
「あなのたような方には理解できないでしょうね」
信じられないと言いたげな旦那様に私は微苦笑した。
別に旦那様に私を理解してほしいとは思ってない。私自身、旦那様を理解したいと思っていないからだ。
「幸福か不幸かは本人が決める事だ。他人が口を出す事じゃない」
彼の言葉は不思議とストンと私の胸に落ちた。
人から見れば私は最低最悪な人生だっただろう。
けれど、私自身は自分を不幸だと思った事はなかった。
余程ひどい肉体の責め苦でなければ構わなかったし、他の人であれば死にたくなるような罵倒も私には、ご褒美だ。
充分この人生を楽しんでいたのだ。
「あなたには彼女を理解できない。まあ、俺だって理解できないけど。そもそも自分自身の事さえ完全に理解できないのに他人を理解できるはずがないからな。それでも――」
彼は突然私を背後から抱きしめた。
「――それでも、俺は彼女を否定しない。あなたにも誰にも彼女という人間を理解できなくて受け入れられなくても、俺だけは彼女を否定しないし受け入れる」
私は目を瞠った。
私という女を知れば、旦那様のような反応が普通だろう。
誰も私という女を、人間を、理解できない。
私のような境遇に生まれたなら大抵の人間は嘆くだろう、死にたくなるだろう。
けれど、私は、この人生を受け入れ楽しんで生きてきた。
そうでなければ生きていけなかったから、かもしれない。
何にしろ、理解できないから受け入れられない。
だのに、彼は「理解できなくても否定しないし受け入れる」と言ってくれた。
初めてだった。
そんな言葉を言ってもらえたのは。
そして、それを嬉しいと思ったのも。
「私を楽しませてくれるのなら『貴方』でなくてもよかった。けれど、今は『貴方』がいい。『貴方』でなくては駄目だわ」
無意識に言葉にしていた。
気がついて慌てたが、彼はただ「そうか」と嬉しそうに微笑んでいるだけだった。
彼にとっては「私」でなくてもいいのかもしれない。それでも私にとっては、初めて、そして、この先もきっと誰も理解できず受け入れてくれないだろう私を否定せず受け入れてくれた「彼」は特別だから。
「という訳だ。後日、言い値で払うが、取りあえず彼女は貰っていく」
彼は私の肩を抱いて寝室を出ようとした。
「待て! 私の妻だ! 誰にもやらん!」
その言葉の後、パンッと乾いた音がし私は胸に激痛が走った。
「……あ?」
左胸から血が出ていた。
振り返って見ると、いつの間にか旦那様の手には拳銃が握られていた。
撃たれたのだと遅れて気づいた。
呆然と立ち尽くす旦那様。
いつも飄々としていた彼が必死な形相で前世の私の名を叫んでいた。
それが、前世の私の最期の記憶だった。
0
あなたにおすすめの小説
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
後悔などしていない
青葉めいこ
恋愛
誰も、わたくしのこの気持ちを理解できないだろう。
理解されなくてもいい。
この想い(愛)は、わたくしだけのものだ。
この話は、皇太子妃(後に皇后)、皇后、公爵令息、王女、皇帝による一人語りです。最初は皇太子妃だけの一人語りの一話完結にする予定でしたが、皇太子妃以外の一人語りも思いついて書いたので短編にしました。
小説家になろうとも投稿しています。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
裏切者には神罰を
夜桜
恋愛
幸せな生活は途端に終わりを告げた。
辺境伯令嬢フィリス・クラインは毒殺、暗殺、撲殺、絞殺、刺殺――あらゆる方法で婚約者の伯爵ハンスから命を狙われた。
けれど、フィリスは全てをある能力で神回避していた。
あまりの殺意に復讐を決め、ハンスを逆に地獄へ送る。
毒姫の婚約騒動
SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。
「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」
「分かりました。」
そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に?
あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は?
毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。
奪われた婚約から、奪わない国をつくりました
しおしお
恋愛
「お姉様の婚約は、私がいただきますわ」
そう告げられた日、すべてが奪われた。
王太子との婚約。
王妃になるはずだった未来。
築いてきた立場。
義妹に婚約を奪われ、社交界から静かに退いた公爵令嬢アイリス。
誰も幸せになれなかったその選択の後、彼女が選んだのは――争わないこと。
王宮を奪い返すのでも、復讐するのでもない。
代わりに彼女は、港町で“揺れない制度”をつくり始める。
例外なし。
遅延なし。
特別扱いなし。
ただ積み上げるだけの約束が、やがて王国を支える土台になっていく。
一方、婚約を奪った義妹と王太子は、王宮という守る側に立つことになる。
奪う物語ではなく、積み上げる物語。
王妃の冠よりも重いものとは何か。
静かに、しかし確実に重心が移っていく王国で、それぞれが選ぶ“幸せのかたち”とは――。
婚約破棄から始まる、復讐ではない逆転劇。
真実の愛は水晶の中に
立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。
しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。
※「なろう」にも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる