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7話
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テラとロック兄弟が村に戻ると村人総動員で熱い出迎えを受けるのであった。
「テラ様酷いじゃありませんか!私達家族はまだお礼も全然出来ていないって言うのに勝手に出てくなんて…
アンなんてショックでまた喋らなくなってしまったんですよ」
「私の料理もまだ全然食べてないじゃないか!
あれから毎日練習してるんだから村を出る前に食べてよね」
「わしの腰も良くなったのにまだ何のお礼もしとらんぞ!」
「お兄ちゃん!ワタシの足も治してくれたのにまだ遊んでないよ」
テラは余りの人数が集まっていたので驚いていた。
ドナ村には10日も居なかったのだが皆がテラの事をこんなにも思ってくれていたのだと思うとテラは涙が止まらなくなっていた。
「兄ちゃん、皆がどれだけ兄ちゃんに感謝していたか分かったか?
この村には回復魔法を使える奴なんていなくてな…
10年前に回復魔法を使える奴が来たときは治療した後に町では当たり前って言って金貨1枚って法外な金額を吹っ掛けられたみたいでな、それから俺達がそこまで高くないって説明しても誰も町の治療所に行こうとはせず村人の適当な知識で治療する事しかしなかったんだよ。
それを兄ちゃんが治してくれたんだ…
兄ちゃんは怪我や病気だけじゃなく治療に対する村人の心も治してくれたんだぜ!
だからもっと胸を張って出迎えられてやりな」
「兄貴の言う通りだぜ!俺も回復魔法は馬鹿みたいに高いって聞いてたから兄ちゃんの治療を最初は断ったんだ。
でも兄ちゃんは違った…
むしろ俺が言わなきゃ無料でやっちまう勢いだったもんな」
「はい、気を付けます…」
「さあ兄ちゃん行ってきな」
ロック兄に押されテラは村人達の中に飛び込む形になり囲まれてしまった。
テラは揉みくちゃにされ大変な事になっているのだが、ロック兄弟は見守るだけだった。
「テラ様よくぞご無事で…」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「全く兄ちゃんは何も言わずに出てくなんて水臭いじゃないか」
「皆さん勝手に出て行ってすいませんでした」
テラは言い訳をせず素直に謝った。
村人達はそんなテラを見て嬉しさの余り涙を流す者すら居た。
宿屋の女将が前に出てきてテラに話し始める。
「テラ様村を出て行くならせめて一言言っておいて欲しかったです。
私達はまだ恩を全然返してないのにこんな書置き一枚で出て行くなんてあんまりです」
「ごめんなさい…どうしても急ぐ理由があったので…」
「理由ですか?それはジャイアントボアが出る危険な時に行かなければならない理由なのですか?」
テラは女将1人に言うよりも村人全員に言った方が良いと判断し村人に向かって村を勝手に出て行った理由を話し始めた。
「皆さん聞いて下さい。
僕が勝手に出て行ったには理由があります。
安らぎ亭のアンさんをあんな目に合わせたのは魔族だと思われます。
知っているとは思いますが魔族はとても強い種族で魔王に忠誠を誓って動いています。
そんな魔族がアンさんを襲った時に勇者を探しているという事を言っていたらしいのです。
そして魔族が探している勇者は僕の知っている人の可能性が高いのです。
だから僕は一刻も早く村を出てその事を伝えようと思ったのです。
でもジャイアントボアが出るのに行こうとしたら皆さんに止められると思ってこっそり村を出てしまいました。
ご心配をおかけしてすいませんでした」
村人たちはその理由を聞き驚き口々に魔族の事や勇者の事を話し始める。
テラは普段そんなに話すタイプではないので疲れを覚えていた。
皆が驚きを隠せない中ロック弟が口を開いた。
「みんな聞いてくれ!
村の恩人である兄ちゃんはジャイアントボアも退治してくれたまだ2頭残っているがそれでも1頭は兄ちゃんが退治してくれた!
その証拠に馬車の中にジャイアントポアが積んである!」
ロック弟は馬車の後ろに掛かっていた幕を開き中を見えるようにした。
「おおー馬車の中に巨大な肉が入ってるぞ!」
「町まで行くには早すぎるし本物か?」
「俺と兄貴がしっかりと確認して解体したんだから本物に決まってるだろ!
これを使って今日はちょっと遅いから…明日兄ちゃんの門出を盛大に祝おうぜ!」
「うぉーーー」
「ロックにしては良い考えじゃねか!」
「私も料理を手伝うわ」
テラは残りの2頭も倒したのを言いそびれた事に気づいたが伝えるタイミングを逸してしまった。
そして明日の夜ジャイアントボアをメインに宴が催される事も決まり町へと向かうのは明後日になってしまった。
その後も村人達から勝手に出て行ったことを責められる。
村人一人一人の話を聞いていた為落ち着くには相当な時間が掛かってしまった。
ようやく落ち着いたテラは安らぎ亭へと戻り、アンに勝手に出て行った事を謝罪する。
「勝手に出て行ってごめんね…」
「お兄さんは勝手すぎます!
まだ私からちゃんとお礼も言えてないのに…」
アンはそう言って泣き出してしまった。
テラはどうしていいか分からずオロオロしている。
周りに居る両親とロック兄弟はそれを暖かい目で見守っている。
「また勝手にどこか行っちゃう前にお礼を渡したいのですが…
近くに来てくれませんか?」
テラはアンに言われた通りベッド脇へと向かう。
アンは自分の枕の下に手をやり何か取り出そうとしている。
まだ大して力が入らない為取るのに苦労しているが、その途中で皆の視線に気付き目を瞑るように言う。
テラは目を瞑り待っていると首に何かを掛けられ、口に暖かい物が触れる。
顔を赤くし恥ずかしがるアン。
テラはこうゆう事に鈍いので何が当たったのか分からず口を指先で撫でていた。
「アン…その首飾りはおばあちゃんから貰った命のネックレスじゃないか⁉
いいのか?」
「うん、お兄ちゃんは私を助けてくれたから一番大事な物をあげたいの」
「えっ!そんな大切な物とても貰えないよ」
「ううんお兄ちゃんに貰って欲しいの…
私の宝物と私の初めてのキスをお兄ちゃんに…」
「キスだと‼アンはまだ10歳なんだからいくらなんでも早すぎだ!」
アンの父親が怒っているが母親は居たって冷静だった。
「あらっ別にいいじゃないの?それに顔を見るからにもうキスしちゃったんでしょ?」
アンは小さく頷く。
それを見た父親は肩を落としがっかりしている。
母親は「やっぱり…」と小声で呟き笑顔だ。
「あんたテラ様だったらいいんじゃないかい?
もし叶わぬ恋だとしてもアンには良い経験だと思うんだけど…」
「いやいや子供が変な方向に行かないようにするのが親の務めってもんだろうが!」
「テラ様が変な方向に行かせるような人だってのかい!
あんたそれはテラ様に失礼でしょ!」
「ああ…」
アンの父親は母親のあまりの剣幕に狼狽えている。
「アンはテラ様に命を助けて頂いたんだからそう思っても当然なんじゃない?
私達が口出しした所でアンは納得しないだろうね」
「そ、そう、なのかな」
母親の剣幕にまだ狼狽えている父親は相槌を打つことしか出来ない。
「お母さんありがとう。
お兄ちゃん私の勝手なお願いだけど聞いて…
私ねあのまま動けなくなってこのまま死ぬんだと思ってたの…
それをお兄ちゃんが助けてくれたんだよ。
そんなお兄ちゃんがいつの間にかに居なくなって私また死んじゃうかと思ったの…」
「ごめん…」
「でも私今決めたの!早く身体を治してお兄ちゃんについて行くって!
お兄ちゃんはお母さんから聞いたけど冒険者なんでしょ?
ダメかな?」
アンは上目遣いでテラに尋ねる。
「えっと…それは…」
テラは答えに窮してしまう。
それを見ていたロック兄が口を出す。
「それはまだダメだろ!」
「むう、どうしてダメなの?」
「回復術師の兄ちゃんと一緒に旅をするならアンちゃんもモンスターと戦えるように強くならなきゃ!
回復術師って言うのは戦闘中補助魔法や回復魔法でサポートする役割なんだからアンちゃんがメインで戦えるようになるまでは無理だと思うぜ」
「そうなの?じゃあ私早く身体を治して戦えるように頑張る!」
「こう言ってますがテラ様どうでしょうか?
将来アンが大きくなったら一緒に旅に連れてっては貰えないでしょうか?」
アンの母親はテラの様子を伺いながら聞いてくる。
テラはどうしていいか分からずあたふたしている。
そこにアンの父親が口を挟んでくる。
「アンが旅に出るなんてダメに決まってるだろ!
アンはこの宿を継いでもらわなきゃいけないんだから旅なんてダメだ!」
「全くあんたって人は…
別にこんな宿屋なんて潰したって構わないでしょ!
そもそもあんたは仕事もほとんどしないで飲んでばかりのくせしてそんな事言う資格があるのかい!
あんたも親なんだからアンが決めた事を応援しておやり!」
「だ、だがアンはまだ10歳だぞ!
子供の事を心配するのが親なんじゃないのか?」
「私はね今回アンが寝たきりになって事でアンが元気にしてくれているだけで良いって気付いたんだよ。
それにロック兄弟の兄が言っていた通りアンが今すぐに出て行ってしまう訳じゃないし、何年後かにテラ様が連れてってくれるとは限らないんだよ。
だからあんたは男らしくドーンと構えてなさい!
分かった?」
アンの父親は考え込み大いに悩んだ末結論を出す。
「そうだな…まだどうなるか分からないもんな。
それに大きくなった時心変わりしているかもだしな」
「私の気持ちは変わらないもん!
絶対に強くなってお兄ちゃんに連れてってもらうんだから!」
「テラ様…今はまだお返事を頂くのは難しいかと思いますが、いずれこの村を再び訪れて頂けますか?
その時にお返事を頂ければアンも納得すると思いますので…」
「はい…分かりました。
この村には良い思い出ばかりですので絶対にまた来ます。
その時までにはアンさんへの返事を考えておきます」
「ありがとうお兄ちゃん!
私絶対に強くなって旅について行くからね。
それで結婚しようね!」
アンの結婚発言に皆「えっ!」という感じに呆気に取られている。
「ぶほっ!ごほっぐほっ…
結婚だなんていくらなんでも早すぎる!
父さんは絶対に許さないからな!」
「あらあら、お父さんったらさっきまでアンの事子ども扱いしてたのにいきなり大人扱いして、
まだ先の事なんだからとやかく言ったって仕方ないでしょ」
「そうだぜ親父、今はアンちゃんの事を大人しく見守ろうぜ!」
アンの父親は渋々といった感じで頷く。
テラは勝手に話が進んで行くがオロオロしてそれを見守る事しか出来なかった。
「テラ様酷いじゃありませんか!私達家族はまだお礼も全然出来ていないって言うのに勝手に出てくなんて…
アンなんてショックでまた喋らなくなってしまったんですよ」
「私の料理もまだ全然食べてないじゃないか!
あれから毎日練習してるんだから村を出る前に食べてよね」
「わしの腰も良くなったのにまだ何のお礼もしとらんぞ!」
「お兄ちゃん!ワタシの足も治してくれたのにまだ遊んでないよ」
テラは余りの人数が集まっていたので驚いていた。
ドナ村には10日も居なかったのだが皆がテラの事をこんなにも思ってくれていたのだと思うとテラは涙が止まらなくなっていた。
「兄ちゃん、皆がどれだけ兄ちゃんに感謝していたか分かったか?
この村には回復魔法を使える奴なんていなくてな…
10年前に回復魔法を使える奴が来たときは治療した後に町では当たり前って言って金貨1枚って法外な金額を吹っ掛けられたみたいでな、それから俺達がそこまで高くないって説明しても誰も町の治療所に行こうとはせず村人の適当な知識で治療する事しかしなかったんだよ。
それを兄ちゃんが治してくれたんだ…
兄ちゃんは怪我や病気だけじゃなく治療に対する村人の心も治してくれたんだぜ!
だからもっと胸を張って出迎えられてやりな」
「兄貴の言う通りだぜ!俺も回復魔法は馬鹿みたいに高いって聞いてたから兄ちゃんの治療を最初は断ったんだ。
でも兄ちゃんは違った…
むしろ俺が言わなきゃ無料でやっちまう勢いだったもんな」
「はい、気を付けます…」
「さあ兄ちゃん行ってきな」
ロック兄に押されテラは村人達の中に飛び込む形になり囲まれてしまった。
テラは揉みくちゃにされ大変な事になっているのだが、ロック兄弟は見守るだけだった。
「テラ様よくぞご無事で…」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「全く兄ちゃんは何も言わずに出てくなんて水臭いじゃないか」
「皆さん勝手に出て行ってすいませんでした」
テラは言い訳をせず素直に謝った。
村人達はそんなテラを見て嬉しさの余り涙を流す者すら居た。
宿屋の女将が前に出てきてテラに話し始める。
「テラ様村を出て行くならせめて一言言っておいて欲しかったです。
私達はまだ恩を全然返してないのにこんな書置き一枚で出て行くなんてあんまりです」
「ごめんなさい…どうしても急ぐ理由があったので…」
「理由ですか?それはジャイアントボアが出る危険な時に行かなければならない理由なのですか?」
テラは女将1人に言うよりも村人全員に言った方が良いと判断し村人に向かって村を勝手に出て行った理由を話し始めた。
「皆さん聞いて下さい。
僕が勝手に出て行ったには理由があります。
安らぎ亭のアンさんをあんな目に合わせたのは魔族だと思われます。
知っているとは思いますが魔族はとても強い種族で魔王に忠誠を誓って動いています。
そんな魔族がアンさんを襲った時に勇者を探しているという事を言っていたらしいのです。
そして魔族が探している勇者は僕の知っている人の可能性が高いのです。
だから僕は一刻も早く村を出てその事を伝えようと思ったのです。
でもジャイアントボアが出るのに行こうとしたら皆さんに止められると思ってこっそり村を出てしまいました。
ご心配をおかけしてすいませんでした」
村人たちはその理由を聞き驚き口々に魔族の事や勇者の事を話し始める。
テラは普段そんなに話すタイプではないので疲れを覚えていた。
皆が驚きを隠せない中ロック弟が口を開いた。
「みんな聞いてくれ!
村の恩人である兄ちゃんはジャイアントボアも退治してくれたまだ2頭残っているがそれでも1頭は兄ちゃんが退治してくれた!
その証拠に馬車の中にジャイアントポアが積んである!」
ロック弟は馬車の後ろに掛かっていた幕を開き中を見えるようにした。
「おおー馬車の中に巨大な肉が入ってるぞ!」
「町まで行くには早すぎるし本物か?」
「俺と兄貴がしっかりと確認して解体したんだから本物に決まってるだろ!
これを使って今日はちょっと遅いから…明日兄ちゃんの門出を盛大に祝おうぜ!」
「うぉーーー」
「ロックにしては良い考えじゃねか!」
「私も料理を手伝うわ」
テラは残りの2頭も倒したのを言いそびれた事に気づいたが伝えるタイミングを逸してしまった。
そして明日の夜ジャイアントボアをメインに宴が催される事も決まり町へと向かうのは明後日になってしまった。
その後も村人達から勝手に出て行ったことを責められる。
村人一人一人の話を聞いていた為落ち着くには相当な時間が掛かってしまった。
ようやく落ち着いたテラは安らぎ亭へと戻り、アンに勝手に出て行った事を謝罪する。
「勝手に出て行ってごめんね…」
「お兄さんは勝手すぎます!
まだ私からちゃんとお礼も言えてないのに…」
アンはそう言って泣き出してしまった。
テラはどうしていいか分からずオロオロしている。
周りに居る両親とロック兄弟はそれを暖かい目で見守っている。
「また勝手にどこか行っちゃう前にお礼を渡したいのですが…
近くに来てくれませんか?」
テラはアンに言われた通りベッド脇へと向かう。
アンは自分の枕の下に手をやり何か取り出そうとしている。
まだ大して力が入らない為取るのに苦労しているが、その途中で皆の視線に気付き目を瞑るように言う。
テラは目を瞑り待っていると首に何かを掛けられ、口に暖かい物が触れる。
顔を赤くし恥ずかしがるアン。
テラはこうゆう事に鈍いので何が当たったのか分からず口を指先で撫でていた。
「アン…その首飾りはおばあちゃんから貰った命のネックレスじゃないか⁉
いいのか?」
「うん、お兄ちゃんは私を助けてくれたから一番大事な物をあげたいの」
「えっ!そんな大切な物とても貰えないよ」
「ううんお兄ちゃんに貰って欲しいの…
私の宝物と私の初めてのキスをお兄ちゃんに…」
「キスだと‼アンはまだ10歳なんだからいくらなんでも早すぎだ!」
アンの父親が怒っているが母親は居たって冷静だった。
「あらっ別にいいじゃないの?それに顔を見るからにもうキスしちゃったんでしょ?」
アンは小さく頷く。
それを見た父親は肩を落としがっかりしている。
母親は「やっぱり…」と小声で呟き笑顔だ。
「あんたテラ様だったらいいんじゃないかい?
もし叶わぬ恋だとしてもアンには良い経験だと思うんだけど…」
「いやいや子供が変な方向に行かないようにするのが親の務めってもんだろうが!」
「テラ様が変な方向に行かせるような人だってのかい!
あんたそれはテラ様に失礼でしょ!」
「ああ…」
アンの父親は母親のあまりの剣幕に狼狽えている。
「アンはテラ様に命を助けて頂いたんだからそう思っても当然なんじゃない?
私達が口出しした所でアンは納得しないだろうね」
「そ、そう、なのかな」
母親の剣幕にまだ狼狽えている父親は相槌を打つことしか出来ない。
「お母さんありがとう。
お兄ちゃん私の勝手なお願いだけど聞いて…
私ねあのまま動けなくなってこのまま死ぬんだと思ってたの…
それをお兄ちゃんが助けてくれたんだよ。
そんなお兄ちゃんがいつの間にかに居なくなって私また死んじゃうかと思ったの…」
「ごめん…」
「でも私今決めたの!早く身体を治してお兄ちゃんについて行くって!
お兄ちゃんはお母さんから聞いたけど冒険者なんでしょ?
ダメかな?」
アンは上目遣いでテラに尋ねる。
「えっと…それは…」
テラは答えに窮してしまう。
それを見ていたロック兄が口を出す。
「それはまだダメだろ!」
「むう、どうしてダメなの?」
「回復術師の兄ちゃんと一緒に旅をするならアンちゃんもモンスターと戦えるように強くならなきゃ!
回復術師って言うのは戦闘中補助魔法や回復魔法でサポートする役割なんだからアンちゃんがメインで戦えるようになるまでは無理だと思うぜ」
「そうなの?じゃあ私早く身体を治して戦えるように頑張る!」
「こう言ってますがテラ様どうでしょうか?
将来アンが大きくなったら一緒に旅に連れてっては貰えないでしょうか?」
アンの母親はテラの様子を伺いながら聞いてくる。
テラはどうしていいか分からずあたふたしている。
そこにアンの父親が口を挟んでくる。
「アンが旅に出るなんてダメに決まってるだろ!
アンはこの宿を継いでもらわなきゃいけないんだから旅なんてダメだ!」
「全くあんたって人は…
別にこんな宿屋なんて潰したって構わないでしょ!
そもそもあんたは仕事もほとんどしないで飲んでばかりのくせしてそんな事言う資格があるのかい!
あんたも親なんだからアンが決めた事を応援しておやり!」
「だ、だがアンはまだ10歳だぞ!
子供の事を心配するのが親なんじゃないのか?」
「私はね今回アンが寝たきりになって事でアンが元気にしてくれているだけで良いって気付いたんだよ。
それにロック兄弟の兄が言っていた通りアンが今すぐに出て行ってしまう訳じゃないし、何年後かにテラ様が連れてってくれるとは限らないんだよ。
だからあんたは男らしくドーンと構えてなさい!
分かった?」
アンの父親は考え込み大いに悩んだ末結論を出す。
「そうだな…まだどうなるか分からないもんな。
それに大きくなった時心変わりしているかもだしな」
「私の気持ちは変わらないもん!
絶対に強くなってお兄ちゃんに連れてってもらうんだから!」
「テラ様…今はまだお返事を頂くのは難しいかと思いますが、いずれこの村を再び訪れて頂けますか?
その時にお返事を頂ければアンも納得すると思いますので…」
「はい…分かりました。
この村には良い思い出ばかりですので絶対にまた来ます。
その時までにはアンさんへの返事を考えておきます」
「ありがとうお兄ちゃん!
私絶対に強くなって旅について行くからね。
それで結婚しようね!」
アンの結婚発言に皆「えっ!」という感じに呆気に取られている。
「ぶほっ!ごほっぐほっ…
結婚だなんていくらなんでも早すぎる!
父さんは絶対に許さないからな!」
「あらあら、お父さんったらさっきまでアンの事子ども扱いしてたのにいきなり大人扱いして、
まだ先の事なんだからとやかく言ったって仕方ないでしょ」
「そうだぜ親父、今はアンちゃんの事を大人しく見守ろうぜ!」
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