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13話
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目的の森までは徒歩で3日間掛かった。
道中出くわしてしまったモンスターと戦い水や食料を確保したり夜は交代で警戒をするというハードなものであった。
そうして辿り着いた森には小さなログハウスがあり束の間の休息をとる。
「2人共ここからが本番じゃぞ!
この家から少し行った所にモンスターの巣がある。
そこで各々30匹のモンスターを倒して来るのじゃ」
「ザリュウ様倒すモンスターのランクは何でも宜しいのでしょうか?」
「そこに出るモンスターなら何でも構わん。
ただし不正しようとしても儂の目が光っておるからのう」
「かしこまりました」
暫しの休息を取り早速モンスターの巣へと向かう。
そこで目にしたものはEランクの軍隊猿の群れに襲われてるCランクのエレファンであった。
軍隊猿は個々は弱いが知能が高く群れで行動する事により格上のモンスターすら倒してしまう。
エレファンも本来は群れで行動する四足で巨体と牙と長い鼻を武器にだから戦うモンスターなのだが今回は1匹で襲われていた。
「ザリュウ様これは・・・」
「ここではモンスターによる生存競争が毎日繰り広げられておる。
お主達もここで生き残れば飛躍的にレベルが上がるじゃろう。
なあに万が一が危険になったらこの笛を鳴らせば儂が駆けつけるから安心すると良い」
テラとマイトは群れで居るモンスターではなく単独で行動しているモンスターを探す。
しかしそう言ったモンスターは既に他のモンスターに襲われているかとてつもなく強いモンスターのどちらかだった。
「2人ともここまで見て分かるようになかなか手頃なモンスターを探すのは難しいぞ!
どうすればいいかは自分で考えるのじゃ」
ザリュウはそう言って姿を消してしまった。
残されたテラとマイトはどうすれば良いか考える。
「テラ何か良い考えあるか?」
「僕は思い浮かびません…
マイトさんはどうですか?」
「俺もダメだ何も思いつかない…」
2人は目の前で繰り広げられるモンスター同士の戦いを黙って見守る事しか出来なかった。
だがその時木の上に隠れていた2人を見つける者が居た。
「がはっ…」
「マイトさんどうしたんですか?」
テラがマイトを見るとマイトの背中には大型の蜂の針が刺さっていた。
蜂型モンスターであるキラービーネが後ろからマイトを襲ったのだ。
キラービーネは1匹でもDランクモンスターでありそれが群れになればBランクモンスターとなる。
口にあるはさみのような歯とお尻にある針で攻撃する獰猛なモンスターである。
「くっ!こいつめ」
テラは短刀を振り回してキラービーネを攻撃するがキラービーネは羽ばたき躱されてしまう。
キラービーネが離れた瞬間テラはマイトの傷口に回復魔法を使おうと詠唱をする。
「テラ…はあはあ…こいつの攻撃には…はあはあ…毒があるみたいだ…
俺はいいから…はあくっ!お前だけでも逃げろ!」
マイトは剣を持ち直して戦闘態勢になる。
しかし背中の傷と毒によりマイトの体はふらついている。
テラは回復魔法の詠唱を続け魔法を発動させる。
発動させた魔法は毒を癒す魔法だった。
「マイトさんこれで毒の心配はないはずです。
でも傷の方は逃げてから回復させましょう」
テラはそういうとクレイニードルの詠唱を始める。
マイトはテラが何をしているのか分からなかったがキラービーネに対する警戒を続ける。
「クレイニードル」
10センチほどの小さな土の槍はキラービーネ目掛けて飛んでいく。
キラービーネの頭に当たり口の付近に突き刺さる。
更にテラは詠唱を繰り返しキラービーネにクレイニードルを突き刺していく。
3発程頭に突き刺さった所でキラービーネは地上へと落ちた。
落ちた所に更にクレイニードルを飛ばす。
そしてようやく動かなくなったキラービーネを見てテラはマイトに回復魔法を掛ける。
「テラお前回復術師なのに攻撃魔法を使えたのか⁉」
「この魔法だけですけどね。
体の方はどうですか?」
「体の方はお蔭で大丈夫だがそれよりも回復術師が攻撃魔法を使えたら賢者になれるんじゃないか?」
「それはこの間神殿に行ったのですがダメでした…」
「そうか…でも回復術師が攻撃魔法を使えるなんて聞いた事ないぞ」
「僕にもどうして使えるのか分かりませんが一杯練習したからでしょうか?」
「まあ考えても分からないな…とりあえずさっきのキラービーネを持ってこうぜ」
マイトはテキパキとキラービーネを解体した。
解体したキラービーネを袋に入れてすぐにその場をあとにする。
残った肉や血などに他のモンスターが嗅ぎつけてくるのを警戒したためだ。
「それにしてもザリュウ様も無茶な事言ってくれるよな。
こんなモンスターを1人で30匹も倒せなんて俺達には無理だろ」
「そうなんですか…僕たちに出来ない事をザリュウさんが言ってくるとは思えないんです。
多分何か僕たちには分からない狙いがあるのだと思います」
「うーんそうなのかな…
でもとにかく俺達はモンスターを倒すしかないんだ」
2人は再びはぐれているモンスターを探し始める。
しかし見つけられたモンスターは群れで行動しているのばかりで2人が倒せそうなモンスターは居なかった。
結局この日はキラービーネ1匹のみしか倒すことが出来なかった。
ログハウスに戻るとザリュウが入り口に待ち構えていた。
「2人共良くやった」
2人は褒められると思ってなかったので困惑している。
「初日からモンスターを仕留めた者は今までそんなに居らんぞ。
まあこの訓練を今まで受けた者は1人ずつじゃったがな」
その話を聞いて2人は自分達は頑張ったのだなと思ったら気が抜けてその場に座り込んでしまった。
そしてご飯を食べながらその日の反省点をザリュウに話す。
「今日は自分の警戒が足りないばかりに後ろからの不意打ちを受けてしまい窮地に陥ってしましました。
明日からは常に警戒を怠らないようにしようと思います」
「うむそれで間違ってはおらんが常に警戒するのはお主には厳しいぞ。
どうすれば良いかは自分で考えよ」
「はい!」
「僕も警戒が足りなかった事がいけなかったと思います。
僕は1人で警戒するにはまだ実力不足だと思いますのでマイトさんに協力してもらって常に警戒をしようと思います」
「うむテラは自分の実力が見えているようじゃな。
しかし2人とも警戒ばかりしていてもモンスターを倒すことは出来んぞ!
どうするかはお主達で考えよ」
「「はい!」」
「後テラよ!お主は攻撃魔法を使えたんじゃな。
しかしあの程度の攻撃魔法で戦うには強いモンスターには威力が足りんじゃろ。
あくまでも牽制の為の攻撃として使うのが良いと思うぞ」
「そうですね…あの威力では高ランクのモンスターには効かないですよね…」
「あの威力ではせいぜいCランクまでのモンスターにしか効かないじゃろ。
戦うにはもっと高いレベルの魔法を覚えるしかない!」
「ありがとうございます。
頑張って覚えてみます」
テラの攻撃魔法について方向性を決めた後テラとマイトはモンスターの倒し方について議論する。
「俺が囮になるからその隙にテラが攻撃を・・・」
「いえそれではマイトさんが危険ですし僕の攻撃では・・・」
「なら罠を作って引っかかってる内に・・・」
「でも罠の道具なんてありませんよ・・・」
2人の議論は深夜にまで及んだ。
翌朝2人はモンスターの巣と呼ばれる森の一角に戻ってくる。
「昨日話した通り先ずは罠に使う獲物の確保だ!」
「はい!」
ロープを円状に置きその中に獲物を置いておきロープの中にモンスターが入ったら一気にロープを引いてモンスターを縛るという罠だ。
中に置く獲物を探し回る2人。
暫く歩いて見つかった獲物はジャイアントボアだった。
「ジャイアントボアか…餌としてはまあ良いかな」
「えっ!ジャイアントボアが餌ですか?」
「うん?ジャイアントボアなら一人でも倒せるだろ?
俺がやるからテラは見ていろよ」
マイトはジャイアントボアの正面に立つとナイフを投げつけた。
ナイフはジャイアントボアの短い前足に刺さるとマイトは一気に距離を詰める。
ジャイアントボアもナイフが刺さった足で踏ん張りマイトに突進する。
「マイトさん危ない!」
マイトはテラの声を無視してジャイアントボアの突進をさらりと躱しながら剣で前足を切りさく。
ナイフが刺さっていなかった方の足を切られ転倒するジャイアントボア。
そこをマイトは剣で切り刻んでいく。
いつしかジャイアントボアは動かなくなりマイトは解体を始める。
「なあ俺一人でも倒せただろ!」
誇らしげに言うマイト。
テラは驚きながらその光景を見ていた。
(僕があんなに苦労したジャイアントボアをこんなに簡単に…
僕よりレベルが低いのにここまで強いなんて…マイトさん凄すぎ!)
「おーい大丈夫か?」
「あっ!はい大丈夫です」
「大丈夫ならこっちに来て解体を手伝えよ!」
「すいませんっ…」
2人はジャイアントボアを解体しその肉を使って罠を張る。
獲物はすぐに掛かった。
「ちょっとマイトさんこれは…」
テラとマイトは罠を挟んで反対側に居る為話すことは出来ずお互いに隠れているので相手の様子を確認することは出来ない。
そんな状態なのにテラが呟いたのは獲物が余りにも強すぎたからだ。
大きい熊のようなモンスタージャイアントグリズリーが罠の中にあるジャイアントボアの肉に群がっていた。
ジャイアントグリズリーは単独でAランクのモンスターでありとてもテラが敵う相手ではないが、そのジャイアントグリズリーが2匹も現れたのだ。
(どうしよう…ジャイアントグリズリー相手に僕が敵う筈ないよね…
マイトさんはもう逃げてるかな…
でももし逃げてなかったらどうしよう…)
テラがどうするか悩んでいる時マイトは既に逃げていた。
「ジャイアントグリズリーなんて無理ぃーー!
ザリュウ様いくらなんでも無茶ですよーーー」
マイトは走りながらザリュウに文句を言っていた。
その時テラはどうするか考えがまとまらないままその場を動けないでいた。
ジャイアントグリズリーはジャイアントボアの肉を食べ終わると鼻をクンクンさせ辺りの匂いを嗅ぎ始めた。
2頭共段々とテラの隠れている方に近付いてくる。
(不味いよ・・・このままじゃ・・・)
ジャイアントグリズリーはテラが木の影で震えているがそんな事お構い無しに近づいて行く。
ついにテラの隠れている木の反対側まで来た。
そしてジャイアントグリズリーが木に対して腕を振るう。
木は横に倒れていく・・・
そしてテラの姿がジャイアントグリズリーに見つかってしまう。
「グアオォォォ」
「不味い!」
テラは隠れている時に出来る限りの支援魔法を使っておりかなりのスピードで逃げていくがジャイアントグリズリーはそれよりも早い速度でテラを追いかける。
テラは追い付かれてしまい背中に爪に寄る一撃を食らってしまう。
「うぐっ・・・」
ジャイアントグリズリーの爪の一撃でテラの体は吹っ飛ばされてしまう。
支援魔法の効果で防御力は上がっていたが余りに相手の攻撃力が高く深手を負ってしまう。
しかしテラは諦めずに攻撃魔法の詠唱を始める。
「クレイニードル!」
背中から血を流しながら使ったクレイニードルはジャイアントグリズリーの毛を通り越し皮に突き刺さる。
だが血が出る程ではなく人間で言うなら蚊に刺された程度の傷しか残せていないようだ。
しかしテラは諦めずにクレイニードルを何度も何度も放つ。
いつの間にか1頭はどこかにいなくなってしまったようだがテラは魔法に必死で気づかない。
ジャイアントグリズリーの体にクレイニードルが刺さっていくが効果は薄い。
テラが魔法を使っている間にジャイアントグリズリーは距離を詰めテラに爪の一撃を振り下ろす。
「グハッ・・・」
正面からの一撃を食らいテラは再び吹き飛ばされる。
回復魔法を詠唱し回復魔法を使う。
低いレベルの回復魔法なので血を止める程度で全快とはいかないが今はこれで充分と攻撃魔法を唱える。
「クレイニードル」
テラの攻撃魔法はほとんどダメージとしては効果はないがジャイアントグリズリーを苛立たせる効果はあったようだ。
ジャイアントグリズリーは立ち上がり両前足でテラを殴りつける。
テラは先程までより凄い勢いで吹き飛ばされ木にぶつかる。
「グハッ・・・
ここまでかな・・・
これだけ・・・時間稼げばマイトさん逃げられたよね・・・」
テラはそう言って意識を失う。
意識を失ったテラにジャイアントグリズリーは止めを刺そうと駆け寄ってくる。
道中出くわしてしまったモンスターと戦い水や食料を確保したり夜は交代で警戒をするというハードなものであった。
そうして辿り着いた森には小さなログハウスがあり束の間の休息をとる。
「2人共ここからが本番じゃぞ!
この家から少し行った所にモンスターの巣がある。
そこで各々30匹のモンスターを倒して来るのじゃ」
「ザリュウ様倒すモンスターのランクは何でも宜しいのでしょうか?」
「そこに出るモンスターなら何でも構わん。
ただし不正しようとしても儂の目が光っておるからのう」
「かしこまりました」
暫しの休息を取り早速モンスターの巣へと向かう。
そこで目にしたものはEランクの軍隊猿の群れに襲われてるCランクのエレファンであった。
軍隊猿は個々は弱いが知能が高く群れで行動する事により格上のモンスターすら倒してしまう。
エレファンも本来は群れで行動する四足で巨体と牙と長い鼻を武器にだから戦うモンスターなのだが今回は1匹で襲われていた。
「ザリュウ様これは・・・」
「ここではモンスターによる生存競争が毎日繰り広げられておる。
お主達もここで生き残れば飛躍的にレベルが上がるじゃろう。
なあに万が一が危険になったらこの笛を鳴らせば儂が駆けつけるから安心すると良い」
テラとマイトは群れで居るモンスターではなく単独で行動しているモンスターを探す。
しかしそう言ったモンスターは既に他のモンスターに襲われているかとてつもなく強いモンスターのどちらかだった。
「2人ともここまで見て分かるようになかなか手頃なモンスターを探すのは難しいぞ!
どうすればいいかは自分で考えるのじゃ」
ザリュウはそう言って姿を消してしまった。
残されたテラとマイトはどうすれば良いか考える。
「テラ何か良い考えあるか?」
「僕は思い浮かびません…
マイトさんはどうですか?」
「俺もダメだ何も思いつかない…」
2人は目の前で繰り広げられるモンスター同士の戦いを黙って見守る事しか出来なかった。
だがその時木の上に隠れていた2人を見つける者が居た。
「がはっ…」
「マイトさんどうしたんですか?」
テラがマイトを見るとマイトの背中には大型の蜂の針が刺さっていた。
蜂型モンスターであるキラービーネが後ろからマイトを襲ったのだ。
キラービーネは1匹でもDランクモンスターでありそれが群れになればBランクモンスターとなる。
口にあるはさみのような歯とお尻にある針で攻撃する獰猛なモンスターである。
「くっ!こいつめ」
テラは短刀を振り回してキラービーネを攻撃するがキラービーネは羽ばたき躱されてしまう。
キラービーネが離れた瞬間テラはマイトの傷口に回復魔法を使おうと詠唱をする。
「テラ…はあはあ…こいつの攻撃には…はあはあ…毒があるみたいだ…
俺はいいから…はあくっ!お前だけでも逃げろ!」
マイトは剣を持ち直して戦闘態勢になる。
しかし背中の傷と毒によりマイトの体はふらついている。
テラは回復魔法の詠唱を続け魔法を発動させる。
発動させた魔法は毒を癒す魔法だった。
「マイトさんこれで毒の心配はないはずです。
でも傷の方は逃げてから回復させましょう」
テラはそういうとクレイニードルの詠唱を始める。
マイトはテラが何をしているのか分からなかったがキラービーネに対する警戒を続ける。
「クレイニードル」
10センチほどの小さな土の槍はキラービーネ目掛けて飛んでいく。
キラービーネの頭に当たり口の付近に突き刺さる。
更にテラは詠唱を繰り返しキラービーネにクレイニードルを突き刺していく。
3発程頭に突き刺さった所でキラービーネは地上へと落ちた。
落ちた所に更にクレイニードルを飛ばす。
そしてようやく動かなくなったキラービーネを見てテラはマイトに回復魔法を掛ける。
「テラお前回復術師なのに攻撃魔法を使えたのか⁉」
「この魔法だけですけどね。
体の方はどうですか?」
「体の方はお蔭で大丈夫だがそれよりも回復術師が攻撃魔法を使えたら賢者になれるんじゃないか?」
「それはこの間神殿に行ったのですがダメでした…」
「そうか…でも回復術師が攻撃魔法を使えるなんて聞いた事ないぞ」
「僕にもどうして使えるのか分かりませんが一杯練習したからでしょうか?」
「まあ考えても分からないな…とりあえずさっきのキラービーネを持ってこうぜ」
マイトはテキパキとキラービーネを解体した。
解体したキラービーネを袋に入れてすぐにその場をあとにする。
残った肉や血などに他のモンスターが嗅ぎつけてくるのを警戒したためだ。
「それにしてもザリュウ様も無茶な事言ってくれるよな。
こんなモンスターを1人で30匹も倒せなんて俺達には無理だろ」
「そうなんですか…僕たちに出来ない事をザリュウさんが言ってくるとは思えないんです。
多分何か僕たちには分からない狙いがあるのだと思います」
「うーんそうなのかな…
でもとにかく俺達はモンスターを倒すしかないんだ」
2人は再びはぐれているモンスターを探し始める。
しかし見つけられたモンスターは群れで行動しているのばかりで2人が倒せそうなモンスターは居なかった。
結局この日はキラービーネ1匹のみしか倒すことが出来なかった。
ログハウスに戻るとザリュウが入り口に待ち構えていた。
「2人共良くやった」
2人は褒められると思ってなかったので困惑している。
「初日からモンスターを仕留めた者は今までそんなに居らんぞ。
まあこの訓練を今まで受けた者は1人ずつじゃったがな」
その話を聞いて2人は自分達は頑張ったのだなと思ったら気が抜けてその場に座り込んでしまった。
そしてご飯を食べながらその日の反省点をザリュウに話す。
「今日は自分の警戒が足りないばかりに後ろからの不意打ちを受けてしまい窮地に陥ってしましました。
明日からは常に警戒を怠らないようにしようと思います」
「うむそれで間違ってはおらんが常に警戒するのはお主には厳しいぞ。
どうすれば良いかは自分で考えよ」
「はい!」
「僕も警戒が足りなかった事がいけなかったと思います。
僕は1人で警戒するにはまだ実力不足だと思いますのでマイトさんに協力してもらって常に警戒をしようと思います」
「うむテラは自分の実力が見えているようじゃな。
しかし2人とも警戒ばかりしていてもモンスターを倒すことは出来んぞ!
どうするかはお主達で考えよ」
「「はい!」」
「後テラよ!お主は攻撃魔法を使えたんじゃな。
しかしあの程度の攻撃魔法で戦うには強いモンスターには威力が足りんじゃろ。
あくまでも牽制の為の攻撃として使うのが良いと思うぞ」
「そうですね…あの威力では高ランクのモンスターには効かないですよね…」
「あの威力ではせいぜいCランクまでのモンスターにしか効かないじゃろ。
戦うにはもっと高いレベルの魔法を覚えるしかない!」
「ありがとうございます。
頑張って覚えてみます」
テラの攻撃魔法について方向性を決めた後テラとマイトはモンスターの倒し方について議論する。
「俺が囮になるからその隙にテラが攻撃を・・・」
「いえそれではマイトさんが危険ですし僕の攻撃では・・・」
「なら罠を作って引っかかってる内に・・・」
「でも罠の道具なんてありませんよ・・・」
2人の議論は深夜にまで及んだ。
翌朝2人はモンスターの巣と呼ばれる森の一角に戻ってくる。
「昨日話した通り先ずは罠に使う獲物の確保だ!」
「はい!」
ロープを円状に置きその中に獲物を置いておきロープの中にモンスターが入ったら一気にロープを引いてモンスターを縛るという罠だ。
中に置く獲物を探し回る2人。
暫く歩いて見つかった獲物はジャイアントボアだった。
「ジャイアントボアか…餌としてはまあ良いかな」
「えっ!ジャイアントボアが餌ですか?」
「うん?ジャイアントボアなら一人でも倒せるだろ?
俺がやるからテラは見ていろよ」
マイトはジャイアントボアの正面に立つとナイフを投げつけた。
ナイフはジャイアントボアの短い前足に刺さるとマイトは一気に距離を詰める。
ジャイアントボアもナイフが刺さった足で踏ん張りマイトに突進する。
「マイトさん危ない!」
マイトはテラの声を無視してジャイアントボアの突進をさらりと躱しながら剣で前足を切りさく。
ナイフが刺さっていなかった方の足を切られ転倒するジャイアントボア。
そこをマイトは剣で切り刻んでいく。
いつしかジャイアントボアは動かなくなりマイトは解体を始める。
「なあ俺一人でも倒せただろ!」
誇らしげに言うマイト。
テラは驚きながらその光景を見ていた。
(僕があんなに苦労したジャイアントボアをこんなに簡単に…
僕よりレベルが低いのにここまで強いなんて…マイトさん凄すぎ!)
「おーい大丈夫か?」
「あっ!はい大丈夫です」
「大丈夫ならこっちに来て解体を手伝えよ!」
「すいませんっ…」
2人はジャイアントボアを解体しその肉を使って罠を張る。
獲物はすぐに掛かった。
「ちょっとマイトさんこれは…」
テラとマイトは罠を挟んで反対側に居る為話すことは出来ずお互いに隠れているので相手の様子を確認することは出来ない。
そんな状態なのにテラが呟いたのは獲物が余りにも強すぎたからだ。
大きい熊のようなモンスタージャイアントグリズリーが罠の中にあるジャイアントボアの肉に群がっていた。
ジャイアントグリズリーは単独でAランクのモンスターでありとてもテラが敵う相手ではないが、そのジャイアントグリズリーが2匹も現れたのだ。
(どうしよう…ジャイアントグリズリー相手に僕が敵う筈ないよね…
マイトさんはもう逃げてるかな…
でももし逃げてなかったらどうしよう…)
テラがどうするか悩んでいる時マイトは既に逃げていた。
「ジャイアントグリズリーなんて無理ぃーー!
ザリュウ様いくらなんでも無茶ですよーーー」
マイトは走りながらザリュウに文句を言っていた。
その時テラはどうするか考えがまとまらないままその場を動けないでいた。
ジャイアントグリズリーはジャイアントボアの肉を食べ終わると鼻をクンクンさせ辺りの匂いを嗅ぎ始めた。
2頭共段々とテラの隠れている方に近付いてくる。
(不味いよ・・・このままじゃ・・・)
ジャイアントグリズリーはテラが木の影で震えているがそんな事お構い無しに近づいて行く。
ついにテラの隠れている木の反対側まで来た。
そしてジャイアントグリズリーが木に対して腕を振るう。
木は横に倒れていく・・・
そしてテラの姿がジャイアントグリズリーに見つかってしまう。
「グアオォォォ」
「不味い!」
テラは隠れている時に出来る限りの支援魔法を使っておりかなりのスピードで逃げていくがジャイアントグリズリーはそれよりも早い速度でテラを追いかける。
テラは追い付かれてしまい背中に爪に寄る一撃を食らってしまう。
「うぐっ・・・」
ジャイアントグリズリーの爪の一撃でテラの体は吹っ飛ばされてしまう。
支援魔法の効果で防御力は上がっていたが余りに相手の攻撃力が高く深手を負ってしまう。
しかしテラは諦めずに攻撃魔法の詠唱を始める。
「クレイニードル!」
背中から血を流しながら使ったクレイニードルはジャイアントグリズリーの毛を通り越し皮に突き刺さる。
だが血が出る程ではなく人間で言うなら蚊に刺された程度の傷しか残せていないようだ。
しかしテラは諦めずにクレイニードルを何度も何度も放つ。
いつの間にか1頭はどこかにいなくなってしまったようだがテラは魔法に必死で気づかない。
ジャイアントグリズリーの体にクレイニードルが刺さっていくが効果は薄い。
テラが魔法を使っている間にジャイアントグリズリーは距離を詰めテラに爪の一撃を振り下ろす。
「グハッ・・・」
正面からの一撃を食らいテラは再び吹き飛ばされる。
回復魔法を詠唱し回復魔法を使う。
低いレベルの回復魔法なので血を止める程度で全快とはいかないが今はこれで充分と攻撃魔法を唱える。
「クレイニードル」
テラの攻撃魔法はほとんどダメージとしては効果はないがジャイアントグリズリーを苛立たせる効果はあったようだ。
ジャイアントグリズリーは立ち上がり両前足でテラを殴りつける。
テラは先程までより凄い勢いで吹き飛ばされ木にぶつかる。
「グハッ・・・
ここまでかな・・・
これだけ・・・時間稼げばマイトさん逃げられたよね・・・」
テラはそう言って意識を失う。
意識を失ったテラにジャイアントグリズリーは止めを刺そうと駆け寄ってくる。
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わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
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