一人になってしまった回復術師は世界を救う

新兎丸

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15話

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   テラとゴブリンジェネラルの戦いは熾烈を極めた。
テラは何度かゴブリンジェネラルの拳に掠ってしまいながらも回復魔法により治療する。
テラの短剣も何度も斬りつける事によって次第にゴブリンジェネラルにダメージを与える。
そしてついに牽制する為に使っていたクレイニードルがゴブリンジェネラルの片目を潰す。

「ギャアアアアア!」

   ゴブリンジェネラルが上を向いて叫んでいる隙にテラは短剣を首に振るう。
するとゴブリンジェネラルの首から血が噴き出してきた。

「よしっ!」

   テラは距離を取りクレイニードルを放つ。
ゴブリンジェネラルは背を向けて逃げ出そうとするが足がうまく動かずその場に倒れ込んでしまう。
   動けないゴブリンジェネラルに向かって離れた所からクレイニードルを放ち続ける。
ついにゴブリンジェネラルは息絶える。
しかしテラは念の為警戒しながらゴブリンジェネラルの死体に近付く。

「これはやったよね?」

「うむ良くやったぞ!」

「うわっ!
ザリュウさんいつの間に・・・」

「始めから全て見させて貰ったぞ!
後は儂に任せろ」

   ザリュウが辺りの木に向かって何かを投げると木の上からゴブリンが落ちてくる。
次にザリュウはゴブリンジェネラルの死体を切り刻み魔石等を回収する。
そしてテラと一緒にログハウスへと戻る。
マイトはログハウス内のベッドに寝かされていた。

「まだ意識は戻っておらん。
とりあえず命に別状はなさそうじゃがお主の回復魔法で治療してくれんか?」

「はい」

   テラはマイトの傷を回復魔法で癒していく。
その様子をザリュウはじっと見つめている。

「お主のレベルは20ぐらいじゃったかの?」

「えっとここに来る前は21でした」

「そうなるとお主はかなりの規格外じゃな」

「えっ!僕がですか?」

「うむお主のレベルでそれだけ魔法を掛け続ける事が出来るのははっきり言って異常じゃ!
普通の回復術士じゃったらその魔法を3~4回程で魔力が尽きてしまうじゃろ。
お主は将来とんでもない人物になるかもしれんな」

「はあ・・・今までそんな事言われたの初めてです。
僕は弱くてメルに助けて貰わないと何も出来ない男でしたから・・・」

「ふむ・・・メルと言うのはもしかして勇者の事か?」

「はい・・・」

「何か力になれるかもしれん詳しく話してみなさい」

   テラは今までの経緯を隠すこと無く全て話した。
今までザリュウと一緒に居て変に言い触らしたりしないと信用したからだ。
全て話し終えるとザリュウは考え込んでしまう。

「あのザリュウさん・・・いかがでしょうか?」

話し終えたのにザリュウが何の反応もないことに不安を覚えテラは聞いてみる。

「ああ・・・済まなかった。
しかしお主も凄い星のもとに生まれたものじゃ!
まさか勇者と幼馴染で2人で旅をしておったとは流石の儂も想像しておらんかったわい」

「それはメルが僕に気を使ってくれて一緒に旅をしてくれていただけですので・・・」

「いやそんな事はあるまい。
お主の話を聞く限りお主は勇者にとって必要じゃったと思うぞ。
それにお主の支援、回復魔法は賢者や回復術士の中でも優秀な方じゃ!
だから前線で戦えないからと言って自分を卑下する必要はないのじゃぞ!」

   ザリュウはテラの不安に思っていた事を一蹴するべく話す。

「そもそもそれだけの魔力を持ち傷付いてるとはいえゴブリンジェネラル相手に一歩も引かぬ戦いが出来るお主が必要ない訳あるまい。
マイトがゴブリンジェネラル相手に戦えてたのもお主のサポートがあってこその話じゃ!
それにお主はまだ強くなれる!」

「本当ですか!
僕が強くなれるんですか?」

「もちろんじゃ!
それを儂がこれからじっくり教えてやろう」

「はい!よろしくお願いします」

「うむそうすると予定の1ヶ月ではちと足りぬな・・・
2ヶ月はここで訓練する事になるから覚悟しておくように」

「はい・・・
あの・・・ジュニアさんから今回の修行は10日と聞いてたのですが・・・」

「ふむそれはジュニアが出した今までの最短記録じゃな。
お主等は2人だからその記録を超えて欲しいとのジュニアの願いじゃな」

「そうだったんですか…
そうすると僕たちはジュニアさんの願いに応えられなかったのですね………」

「そう落ち込む必要はあるまいジュニアは親の儂の目から見ても天才じゃ!
そのジュニアが自分と同じぐらいの記録を出せる才能があると見込んだ訳じゃから気にする必要はあるまい」

 テラはそうゆうものなのかと納得してその日は体を休めるのだった。
ザリュウはテラが寝たのを確認するとマイトに声を掛ける。

「マイトさっきから起きておるのじゃろ?」

「………バレてましたか」

「最初からバレておるわ。
どうして狸寝入りなんかしておったのじゃ?」

「あんなに弱い回復術師のテラがゴブリンジェネラルを倒せたのに俺は何も出来なかった…
情けない俺がザリュウ様やテラにどういった顔で話せば良いか分からなかったので………」

「ふむ…
先程も話したがジュニアがお前達に期待を掛けているのは知っておるな?」

「…自分達にと言うよりもテラにですよね…」

「それは違うぞ!
ジュニアはテラが来る前からお主の事を10年に1人の逸材と言っておったぞ!
もちろん儂もお主の才能を評価しておる。
剣の才能は儂やジュニアがお主の年の頃にはそこまで高くなかった…
そんなお主に足りないのは経験じゃ!
今はとにかく戦い日々鍛えれておればお主はいずれ儂やジュニアを超えることが出来るじゃろ」

「そんな俺にはそこまでの実力はありませんよ…」

「初めての死ぬかもしれぬ敗北を経験してしまい落ち込んどるのは分かるがお主の実力まで低く見る必要はないぞ!
だがその悔しさを糧に成長するのも人と言うものじゃから大いに悔やめ!」

 ザリュウの言葉にマイトは大いに泣いた。

「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

マイトの声は周囲に響き渡る大きな声だった。
テラはその声で起きたが黙っていた。

「強くなりてえよ………」

マイトの悲痛なる声はしばらく響くのであった。


 次の日テラが起きるとマイトは外で剣を振っていた。
マイトは一心不乱に剣を振るっておりテラに気付かない。
テラは邪魔しては悪いとログハウスの中に戻る。

(マイトさん一緒に頑張りましょうね)


 それから2週間が経った。

「テラ!そろそろ狩りに行くぞ!」

「はい!でもマイトさん昨日みたいにキラービーネの群れに突撃するのは無しですよ」

「はっはっはっ悪かったな!今日は気をつけるよ」

 2人はあれから毎日のようにモンスターの巣に行きモンスターとの戦いの経験を積み重ねレベル上げを行っていた。
その結果マイトはレベル25まで上がりテラはレベル33になっていた。
これから2人でモンスターの巣へ行こうとした時ザリュウが慌てた様子で戻ってきた。

「お主達大変な事になったぞ!
この近くにあるドナ村が魔族に襲われたらしい!
儂はこれからドナ村に向かうからお主達はアインスタッドに戻って援軍を呼んできてくれ」

「えっ!ドナ村ですか!」

「そうじゃ!
そうかお主はロックの倅達と縁があったのじゃな」

「はい…それに僕はあの村にお世話になったので僕も連れてってもらえませんか」

「しかしマイト1人で町へ戻るのは…」

「ザリュウ様俺なら1人で大丈夫です!
だからテラを連れてってやってくれませんか」

「うむお主がそう言うなら任せよう!
ただし早急にジュニアを始め町の強者を連れてくるのじゃぞ良いな!」

「はい!」

「テラこのまま出発するぞ良いな!」

「はい!」

 ザリュウとテラはドナ村へと走り出していく。
それを見送った後マイトもアインスタッドへと走り出す。
ザリュウ達はテラの回復魔法を使いながら1日程でドナ村へと到着する。
そこで2人が見た物は地獄だった。

「こ…これは………」

「惨い事を…」

 2人は絶句してしまった。
ドナ村の建物は全て壊され火が放たれた跡があった。
そしてテラが宴をした場所には村人の死体が山積みになっていた。

「なんで………
こんな事を……………」

「目を閉じるな!
どこに魔族が居るのか分からんのじゃぞ!」

「はい…」

 2人を辺りを見回す。
すると上空からマントを羽織り耳の尖った男が降りてきた。

「ふっふっふっここで待っていれば強い者と戦えると思ってたけどどうやらビンゴみたいだねぇ。
そこのジジイは相当強いだろ」

「こ奴は魔族じゃ…テラお主は下がっておれ!」

「はい…お気をつけて」

 テラは離れる前にザリュウに速度UPと防御力UPの魔法を掛ける。
そしてザリュウと魔族の戦いが始まった。

「やっぱりジジイの癖にやるねぇ」

「生意気な若造がっ!」

ガキンッ

魔族の槍とザリュウの剣がぶつかり合い鈍い金属音が響く

 ザリュウと魔族との戦いは熾烈を極めるものだった。
互いの実力は伯仲しており一撃も入れることが出来ないでいた。

「ほうここまでとは…
ジジイ!特別に名乗る事を許そう」

「ふんっ!儂の名前はザリュウじゃ!
冥途の土産に丁度良いじゃろ」

「ザリュウ?どこかで聞いたような?
まあいい私の名前はデモーナン地獄でせいぜい広めてくれ」

 2人が話している間にテラは支援魔法をこっそりザリュウに掛けようとするがザリュウがテラを見て首を振る。
デモーナンの矛先がテラへと向かわないようにしたのだ。

「そこに居る回復術師が邪魔みたいだねぇ。
私との戦いに集中できるようにしてあげよう」

 デモーナンは火の槍を発動する。
そしてテラへと向かって発射した。
テラはその槍をなんなく躱す。

「儂の弟子じゃぞ!その程度の攻撃躱すのなど造作もないわ!」

「へぇー生意気だねぇ。
ちょっとイラっときたよ」

 するとデモーナンは猛スピードで空中に上がりテラの方へとやってきた。
しかしその時ザリュウが横から斬りかかりデモーナンのマントを切り裂く。

「マントが…
魔王様から頂いたマントが…」

「テラ!お主はもっと遠くへ離れていろ!」

 ザリュウの指示に無言でテラは従う。
声を出すのも怖くなるほどデモーナンからのプレッシャーを感じていたからだ。

「許さんぞジジイィ!
お前はそう簡単に殺さんぞ!じわじわといたぶって殺してやる!」

「ふん!」

 ザリュウは空中に居るデモーナンに再び斬りかかる。
その刃は槍で受け止められてしまうが横っ腹に蹴りを入れる。

「ぐはっ…」

 デモーナンの口から青い血が噴き出す。
それをデモーナンは手で拭いながら笑いだす。

「ここまでやるとはな…
どうやら私も本気にならざるをえないようだ」

デモーナンが話している間にザリュウは斬りかかるが魔法の障壁によって阻まれる。

「ちっ!これはまずいな…」

 ザリュウは慌ててテラの方へと近寄り出来る限り支援魔法を使うように指示する。
テラは今の自分に出来る限りの支援魔法と回復魔法を使う。

「済まんな…
あれは魔族がピンチになった時に命を燃やして戦う戦闘法だ。
儂でも勝てるか分からん…
だからお主は生きていてくれ」

「あれの相手をするには僕では足手纏いですよね…
でも僕は…」

 テラが話している最中にザリュウはテラの顔に何かを振りかける。

「ザリュウさん…これは…眠り粉…」

「お主は生き残ってこの村の事を…儂の最後をジュニアに伝えてくれ…」

ザリュウはテラを茂みに横たわらせデモーナンへと向かっていく。

「ザリュウさん…」

テラが気を失う前に見たものは
死を覚悟して戦いに臨む男の背中だった。
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