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②
しおりを挟む俺は上半身を起こし、立ち上がる。そして弟を睨らんだ。
「なん、なんだここは?こいつらは何?っていうか、お前がなんでここにいる?」
パニックになった俺は矢継ぎ早に言葉を浴びせた。
「ちょっと落ち着いてよ兄さん。今説明するから」
パニクる俺を困った顔をして宥めながら、莉央は俺を可哀相な子を見る様な目つきで目線を此処に向けた。
俺と莉央は物心がついた頃から生理的にお互いを受け付けなかった。いや、最近は嫌いな域まで達していると思う。何故かは理由は知らない。気付いたらお互いそうだった。顔を合わせたら一触即発の雰囲気になる時もあり、そうなったら目も当てられない事になってしまう。
そんな俺と莉央には俺達を諌めてくれる妹が一人いる。
今中学3年生で、よく笑い遊ぶ、俺にとって可愛い妹だ。ちょっとオタク気質の今巷でよく聞く腐女子(?)ってやつらしい。俺には理解出来ない趣味だけど、まぁ妹は可愛いから良いと思う。個人の自由だし。まぁ俺にはBLの世界観は関係無いし、ね?
話は逸れちゃったけど、この状況を説明してくれ。
「だーかーらー、ここは異世界で、俺達はここの王子様と神官の人達に聖女とお付きとして召喚されたの!!」
???
俺は顔中はてなマークを浮かべる。
聖女? お付き? 異世界? 召喚?? 王子!!!
20年生きて来て日常では絶対聞かないワードに頭が混乱する。まてまて何か聞こえたんだけど。
聖女ってなんだ? 妹が楽しそうに話してたラノベのジャンルでそういうのがあった気がする…
それに俺達男だろう?
何歩か譲って聖男って言うんじゃないの? っていうか、誰が聖女なの? 俺? …無いな。だったら莉央お前か。お前が聖女だったら傾くぞこの国。大丈夫なのか?
莉央は子供の頃からわがままで甘えたで、両親や俺、周りの人達をよく振り回していた。人との距離感が近く気に入った人にはボディタッチをしたり、上目遣いでうるうるして来たり…。
そんなのされた日には俺は抵抗するけどね。まぁ、実は未だに一度もされた事無いんだ。
とにかく今の状況をどうするのか?
ちゃんと説明して貰わないと。
「ここは異世界?だとして…召喚?って何?」
「それはアリューシャ殿下からご説明が有ります」
黒いローブを着た男が後ろを振り返り殿下と呼ばれた男に頭を下げ此処へ来るように促した。
黒いローブを着た男達は左右にサッと分かれ跪くと、男達が居た所に俺達の所へ続く道が出来、コツコツと靴音を響かせて長身の男が姿を現した。
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