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しおりを挟むや、やってしまった~。王子とキス。流されたけどファーストキスだった...。初めてが男なんて...。い、いやそれよりもこの事がばれたら俺はどうなるんだろう...。王子は決まった相手がいるのだから浮気になるんだよなぁ?
まずい。こんなはずではなかったのに。出来れば問題は起こしたく無い。何事も無く過ごしたい。
それと婚姻の事に気を取られて肝心な事が聞けなかった...。此処に来てしまったけど俺達は元の世界に戻れるのか?聖女の事も何故莉央が選ばれたのか?今まで何回も聖女を連れて来ているのに、国が安定していないのはどういうことなのか?
沢山聞きたい事があったはずなのに聞けなかった自分に腹が立つ。王子の綺麗な顔に意識が向いて近づいても抵抗出来なかった。よし。言い訳じゃなくてこれからを考えよう。
頬を両手で叩き気合いを入れて立ち上がり歩き出そうとした。ら、目の前のドアが開き睨んだ莉央が中に入って来る。
見つかった。俺どうなっちゃうの!?
「やってくれたよね~。兄さんのくせに」
「あれは不可抗力なんだ。そんな気は無かったし、あっちが変な気起こしたんだから」
「はぁ~?馬鹿言ってんじゃないよ。殿下のせいにしないで!!兄さんに魅力なんて無いんだから!!」
やっぱり話通じない。まいったな。
「っていうかなんで知っているんだよお前は。何?見張られているの俺?プライバシーの侵害だろ?怖っ」
「兄さんが変な気を起こして逃げ出さない為に見張っているんだよ。まさか殿下を誘うなんて。殿下の胸に縋り付くなんていやらしい。気持ちよさそうにして嫌がっている様に見えなかったけど。この泥棒猫!!」
泥棒猫って。喧嘩のレベルが低く過ぎる。
ジト目で莉央を睨む。
「もういいよこの話しはもうここで終わり!!もっと大事な事が有るよな?俺達此処に来たけど、いつ帰れるの?それとなんでお前が聖女で俺は何も無いんだ。ふざけんな!!」
「ふん。当たり前でしょ。兄さんには才能が無いの!俺は要領が良いからなんでも出来るんだよ。足掻いても無駄なんだから!!それと元の世界には帰れないから。帰る方法なんて無いの!!」
やっぱり。薄々分かりきってた。そうじゃないかって...。でも聖女の事はどういう事?
「この国の周辺は魔物の住む森がある。侵入を防ぐために国に結界を張らなければならない。結界が脆くなる度に聖女を呼ぶ。聖女の魔力も有限だからそのうち無くなりまた新しい聖女を呼ぶ。そして呼ばれた聖女は結界を守るんだ」
「それがお前だって言うのか」
「やっと分かったの?だから今の状況はどうにもならないの!!頑張っても。分かった?」
「と言う事は今までの聖女みんな帰れなかったのか。辛すぎる」
「終わった事はどうにもならないよ。それより自分の事を心配したら。兄さんこの国から追い出されるんだから。殿下に近づき過ぎたから。国外追放。むしろそれで済んで良かったと思うべきだね。断罪されて一生奴隷か、はたまた処刑か」
「へ?」
突然告げられた死刑宣告に俺は精一杯目を見開いたのだ。
奴隷や処刑。考えただけで震えが出てくる。国外追放も過酷だけどもしかしたら助かる道は有るのかも知れない...
そう思いたい。
「天国から地獄だね」
心底楽しそうに莉央は笑うのだった...。
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