魔物パーツコレクター ~ツンデレで鈍感系の俺が魔物の力でフォーリンラブ~

のきび

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この魔法回路は良いものだ

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 基本的にギルド職員にネームプレートはない。なので清楚さんの名前は分からない、ステータス確認すれば分かるけど覗き見は良くない。

 マップに清楚さんで登録しておこう、ケバ子も取り敢えずやっておくか。

 まあ、たいして興味も無いのでどうでも良いのだがな。

 魔法屋の道のりは口頭で教えられた。
 紙に書いてくれれば良いのだが、こんな世界だ紙は高級品なんだろう。

 マップあるからいらないけど。

 マップで魔法屋の場所を表示させ確認した後に表示を消して魔法屋に向かった。

 そに場所は大通り沿いにあり魔法屋と言うよりもブティクと言うような感じで、店員もお婆さんじゃなく品の良いお姉さんだ。

「いらっしゃいませ、なにかお求めのものなどございますでしょうか?」
 アパレルの接客のようにグイグイくるので少したじろいだが金はあるのだ怯えることはない。

「魔法を覚えたいのですが」

「適性検査はお済みですか?」

「いや、初めてですね」

「分かりました鑑定には100Gゴルスかかりますがよろしいですか?」
 ここで初めてGがGゴルスと言う単位なのだと知る。銀貨を一枚出して鑑定してもらうことにした。

 奥の部屋に通されると、そこにはいかにも魔法屋の店主というような老婆がいた。

「ふむ、そこに座って手を見せな」
 椅子に座り手を見せると、まるで手相を見るように虫眼鏡で俺の手を見る。

「お前さん、魔法回路が焼き切れておるぞ」

「魔力を使った身体強化をしたことあるじゃろ」
 身体強化? 獅子王の鬣レオブースターのせいか。
 老婆の説明では魔法を使いたいなら魔法回路が必要で魔法回路は身体強化とは相性が悪く、身体強化によりかんたんに焼ききれてしまうのだという。

 魔法回路か俺は素材一覧から魔法回路と言う名前をいくつか見つけたが竜人ドラゴニュートの魔法回路を増加形成ジャンクビルドで移植した。

「すみません偽装スキルで偽装したままでした、もう一度見ていただけますか?」

 その言葉に老婆は首をかしげる。
 偽装スキルなんて聞いたことがないのだろう。

「かまわんが料金100Gゴルスじゃぞ」
 また金取るのかよ、俺は渋々銀貨を一枚置くと先ほどと同じように俺の手を見る。

「こ、これは。S級魔法回路じゃ!」

「すごいですお客様、今日はどんな魔法を覚えますか?」

 女性店員が、まるでスターでも見るような目付きで俺を見る。

「そうだな、全部、いや取り敢えず一つ持ってきてもらえますか?」

「かしこまりました。ではまず火の初級魔法をお持ちします」

 俺はS級火属性魔法回路をC級の物と取り替えた。

 まずは全部覚える前に試さないといけないことがある。
 女性店員が持ってきてくれた初級火魔法チャッカのスクロールを開くと文字が浮かび上がり目の前が一瞬見えなくなる。

 女性店員の説明では浮かび上がった文字は目から入るそうだ。
 ちなみにこの魔法は指先からマッチ位の火しか出ないので安い。

 俺は試したいことがあるのでトイレを借りた。
 奥のトイレに入り、髪を獅子王の鬣ブースターに変え魔力を流した。

 魔力回路が焼き切れ、覚えた魔法も消えた。

 焼き切れた魔法回路を新しいものに入れ換えたが失った魔法は戻らなかった。
 つまり魔法は魔法回路に宿ると言うことか。

 よし実証試験は終了だ。

 俺は意気揚々とトイレを出た、スッキリ爽快である。
 女性店員に店にある全ての魔法スクロールを持ってこさせた。

 お値段しめて100万1025Gゴルス
 魔法高いよ!

 まあそれでもまだ900万Gゴルス以上あるけどな。

 古代竜さん1万年も俺のために貯金ありがとうございました。

 でも、スクロールで魔法を覚えるということは魔物って誰から魔法習ってるんだろう。

 まあ見えざる手の者だろうな。
 うん、そうしとこう。このことに首を突っ込むとヤバイやつを敵に回しそうだからな。

 神とか神とかネ申な!

 女神様はそんなことしないだろうけど他に神がいるかもしれないしな。

 君子危うきに近寄らずだ。

 そしてこの店のスクロールを全て覚えた頃には外はすでに夕闇に包まれていた。

 魔法の数192、これは最初から魔法回路にあったものも含めての数だ。
 最初から入っている魔法は表示が大魔法の上にある極大魔法とか神話魔法と言ったところか。

 店売りのは大魔法位までしかなかった。
 こりゃあ、まだ覚えてないの結構ありそうだが、魔物から魔法だけを抽出できないし実質これ以上増やすのは難しい。

 何にせよ最強の魔法使い爆誕だな。

 ホクホク顔の女性店員に見送られ俺は店を出た。
 マップを確認すると赤い光点が点滅している。
 1、2、……14人か、餌にかかったネズミいやゴミ掃除といきますか。

 裏路地に入ると前と後ろを男達が道を塞ぐ。

「なにか用か?」

「カスガンの兄貴達の荷物を渡してもらおうか」

「これは俺のものだが?」

「良いから渡せって言ってんだ!」

 中央の男が俺のバックパックに手をかけよいとする。
 俺はその男の顔にパンチをお見舞いする、男はグルグルと回転して地面に顔から落ちた。
 経験値が手に入った、死んだか。

 俺の攻撃を見てチンピラどもが恐れおののく。

 さて、こいつらどうやって殺すか。

 死んだやつに一瞥いちべつすると素材回収できるようになっている。
 人間も素材にできるのか。

 決定クビチョンパだな。

「お前ら、まとめて俺のパーツにしてやるぜ」

「野郎! 生かして帰すな!」

 全員が剣を抜き俺めがけ襲いかかる。
 遅い遅い、身体強化しなくても余裕だなこれは。

 一番手前のやつの剣を奪い首を切る。そして流れるように二人目三人目の首を切る。

 一瞬で14人の死体が出来上がった。
 全員素材をとして回収した。

 微妙にキモいと思うがこいつらも魔物と同じだ、人間じゃない。

 あとはケバ子かここに来ると思ったんだが。

 ケバ子の位置を確認すると一人の女性を6人の男で囲んでいる、女性は清楚さんだ。

 なるほどな、清楚さんを助けてやる義理はないがケバ子には仕返ししないとな。

 俺は清楚さんのいる場所に全速力で向かった。

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