魔物パーツコレクター ~ツンデレで鈍感系の俺が魔物の力でフォーリンラブ~

のきび

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リア充はスケソウダラの尻尾で殴られて死んでしまえ

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「おはようございますカオス様」
 ケバ子が先に起きていて朝の挨拶をする、時間は6時30分だと言う。

「なんで時間分かるの?」

「生活魔法の時見ですよ?」

「生活魔法、あれ持ってない」

 生活魔法は格下魔法なので高級な魔法屋では扱っていないそうだ。
 先にいってくれよ。まあ異世界の常識なんだろうけどさ。

 今日から旅だから生活魔法を覚えるのは帰って来てからで良いか。

 俺は身支度を整えると食堂に向かった。
 食堂は朝6時からやっている、事前に言えばお弁当も用意してくれる。
 軽い食事をしてパンに肉を挟んだだけの簡易なサンドイッチのお弁当をもらうと俺たちはギルドへ向かった。

 ギルドへ向かうとすでにみんな集まっており、俺が一番最後だった。

「おいおい、新人が一番最後ってどういうことだよ」

 開口一番嫌味を言ってくる男がいた。

 ザコルフ LV15 24歳 C級冒険者

『ケバ子、時間はまだ十分早いようだけど問題あるのか?』

『いいえ、問題ありません。ザコルフは新人いじめで有名ですので、ただの嫌がらせです』
 なるほど、なら俺の対応はひとつだな。

勇者ヒーローは遅れてやってくるものですよ」

「あ? お前喧嘩売ってるのか?」

「いえいえ、喧嘩は同じレベルの者同士がするものでしょ。あなたじゃ役不足ですよ」

「てめぇ!」
 ザコルフは俺の挑発に簡単に乗り剣を抜く。
 と言うか、抜いちゃうんだ?
 アホだな完全に正当防衛だぞ。
 俺も剣を抜こうとしたが装備をするのを忘れてた。

「運が良かったな」
 俺はそのまま徒手空拳でザコルフを制圧した。

「てめぇ、離しやがれ! 殺すぞ!」

 地面に押し倒され腕を締め上げられるザコルフが威勢のいい言葉を吐く。

「いやいや、先に剣を抜いたのあなたですよ? あなたが殺されても文句言えないですよね」

「うるせぇ、新人が調子にのってんじゃねーぞ!」

「お前達やめないか!」

 フリタス 18歳 LV31 B級冒険者

 だが俺は制止を無視してなおも締め上げる。

「いてぇ、やめろ!」

「悪いことしたらごめんなさいだろ?」

「分かった謝る謝るから!」
 謝ると言っているわりには俺の手を振り払う為に必死にもがいている。

「おい”謝るから”なんて謝罪は存在しないぞ」

「す、すまなかった」

 不貞腐れながら謝る姿にイラッときたのでさらに締め上げる。

「ぐぎゃ! 謝っただろ!」

「ごめんなさい二度とあなたに生意気な口は聞きませんだろ? 次に間違えたら腕を折るぞ」

「ご、ごめんなさい、二度とあなたに生意気な口は聞きません……」
 ザコルフは小さな声でヒッと怯えの声をあげどもりつつも謝る。
 俺はフンッと鼻息を一つつくと手を離し解放してやった。
 ザコルフが肩を擦りながら仲間の方に逃げていく様がおかしくて、軽く吹き出してしまった。

「君、今のはやりすぎだ」

「そうは思わないけどな」

「俺達が君の審査役なんだが?」

「いや、俺はB級確約もらってるので審査などいらん」

「君がカオスか、でも他の新人もいるんだ。できれば問題を起こしてほしくないね」

「分かった分かったうるさい奴だ」

「本当頼むよ?」
 荷車の小隊はザコルフのグループ5人フリタスが1人、D級冒険者3人 新人2人の12人で荷馬車3台を護衛している。

 俺はD級冒険者の3人と組まされた。

 荷馬車を守る俺たちは基本歩きだ、俺達を乗せるスペースがあるなら荷物を載せた方が良いからと言うのもあるし、いつ襲撃があるか分からないからだと。
 まあ、その際は俺達が守ってやるとD級の冒険者達が俺にうそぶく。

 D級のコイツラは先程のやり取りを見ていなかったこともあり、俺が弱いと思っているようで先輩風をふかせる。

 まあ、のした奴と違ってこう言うのは愛嬌があって良いと思うので悪い気はしない。

 守ってやると言っている男1人女2人のグループと話をすると。
 リーダーは俺に話しかけてきた男で名前はクランチ LV8 17歳で女2人はクランチに惚れて仲間になったらしい。

 両手に花かよ、前言撤回リア充は死ね。

 女2人の方は姉妹でクリリとメリリ共にLV3で駆け出しの冒険者のようだ。

 「クランチは凄いんだから!」と俺に力説する姿はほほえましい。

 何て思いませんよ、リア充死ね!

 クランチは身分不相応な鎧を着ており金髪でどこか高貴な感じを漂わせる。
 たぶんどこぞの貴族の三男坊あたりなのだろう。

 妹の方のメリリがおれをチラチラ見る。なんだ俺に気でもあるのかと思ってニコッと笑いかけてあげた。

「気持ち悪い」

 このどぐされが!

 姉のクリリがすかさず謝ってきたが、どうやら昔ゴブリンに襲われたことがあり、そのせいでゴブリンが嫌いで、さらに俺の黒色の髪の毛も珍しくゴブリン使いと言うこともあいまって気持ち悪いと。

 いやフォローしてないよね、このくそ女!

 だからリア充は嫌いなんだよ人を見下しやがって。
 お前らなんかスケソウダラの尻尾で殴られて死んでしまえ!

 クスクス笑うその姿はバカにした表情と言うより、からかい半分と言うのが見て取れるから許してやるが、次にバカにしたときがお前らの命日だ。

 その後も何度か、からかわれながら出発するために町の門を出た。

 たてがみで金髪にしておけばよかった……。
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