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第一部
21.7 ボス攻略
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7 ボス攻略
2052年12月
ケージェイからのメッセージを受けて、俺は第3エリアの街、ヘイビアへ来ていた。
4日前、第3エリアのエリアボスが討伐され、広がった侵攻可能なエリアは3つ。
東の第4エリア、西の第5エリア、北の第6エリア、このおかげで攻略思考の高い連中が第6エリアに集中していてた。
ケージェイと別れてから、もうすぐひと月になるが、あれから俺は1人でレベル上げやらドロップ探索に勤しんでいた。
そんな中で、ケージェイからのメッセージは今回が初めてで、カイトの方からはあれからその日の内に一度だけメッセージがきていた。
初めて受け取ったメッセージは、〝いつでもお姉さんを頼っていいんだぜ〟だった。まぁ、俺は鼻で笑ってしまったけど。
ナナは週2回ほど定時連絡が届いて、内容は挨拶だったが、〝おやすみなさい〟とか〝おはよう〟だとか。送られたそれを変更せずに送り返すのが、俺の返信内容である。
件名に〝おはよう〟とくれば、〝Re:おはよう〟と返えしていくスタイル。
ライン形式ではなく、古臭いメール形式なのは、おそらく〝あじ〟と呼ばれる要素だろう。
ナナはそんな感じで別に面倒もないが、正直マリシャには嫌気が差した。
毎日夕方に届くそれは文字が多いわりに内容が薄い、返信がないとしつこく返信の催促がくる。適当にあしらうと、〝真剣に返して〟という件名で再び届く。
一週間は我慢したがそれ以上は無理で、現在俺のフレンドの欄では、彼女の名前は半透明になっている。
「やーやーヤトくんではないか!久しぶりだね!元気してた?」
ラビット、相変わらずの笑顔が気に障る。
「……ご無沙汰」
久しぶりだというのに、もう別れの挨拶を言いたい。
「あれからどうよ、見たところ装備も変わっているようだし、でも見た目に変化はないね、さては外見を固定しているんだね」
見た目が変わっていないのに、装備の違いに気が付くところを見ると、特殊な目を持っているらしい、それがアイテムのスキルにしろ偵察にしろ質が悪い。
見た目スロットという装備の枠があって、そこにアイテムを入れておくと、実際に装備しているアイテムと関係なしに姿や見た目を変えられる。
だが、例外として剣と装飾に関しては見た目スロットがないため、本来装備しているものが目に見える。それに関しても、剣・装飾ともに外してある俺には関係の無い話だけど。
「見たところその装飾〝ユニークアイテム〟だね」
ユニークアイテムとは、モンスターが稀に落とす珍しいアイテムのことで、見た目に反して高性能なものが多い。
「……ご想像にまかせる」
「バンドエイドだからおそらく回復か~ヘルス関連かな?」
アイテム名は違うが、どうやら見た目を知っているところを見ると、偵察されていたようだ。 それに鋭い、たしかにこのアイテムは自動回復(小)のスキルを有している。
「……で、入っても良いのか?」
俺がいるのは、ギルドオーダーの本部で、部屋の入室は制限がかけられている。
「今開けるよ!焦るな少年!初めてで相手に嫌がられる行動の一つだぞ」
ラビットはそう言うと、部屋のドアノブに触って、出てきたウィンドウに数回振れて扉を開けた。中に入ると正面に円卓があり、すでに何人か集まっていた。
2052年12月
ケージェイからのメッセージを受けて、俺は第3エリアの街、ヘイビアへ来ていた。
4日前、第3エリアのエリアボスが討伐され、広がった侵攻可能なエリアは3つ。
東の第4エリア、西の第5エリア、北の第6エリア、このおかげで攻略思考の高い連中が第6エリアに集中していてた。
ケージェイと別れてから、もうすぐひと月になるが、あれから俺は1人でレベル上げやらドロップ探索に勤しんでいた。
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ナナは週2回ほど定時連絡が届いて、内容は挨拶だったが、〝おやすみなさい〟とか〝おはよう〟だとか。送られたそれを変更せずに送り返すのが、俺の返信内容である。
件名に〝おはよう〟とくれば、〝Re:おはよう〟と返えしていくスタイル。
ライン形式ではなく、古臭いメール形式なのは、おそらく〝あじ〟と呼ばれる要素だろう。
ナナはそんな感じで別に面倒もないが、正直マリシャには嫌気が差した。
毎日夕方に届くそれは文字が多いわりに内容が薄い、返信がないとしつこく返信の催促がくる。適当にあしらうと、〝真剣に返して〟という件名で再び届く。
一週間は我慢したがそれ以上は無理で、現在俺のフレンドの欄では、彼女の名前は半透明になっている。
「やーやーヤトくんではないか!久しぶりだね!元気してた?」
ラビット、相変わらずの笑顔が気に障る。
「……ご無沙汰」
久しぶりだというのに、もう別れの挨拶を言いたい。
「あれからどうよ、見たところ装備も変わっているようだし、でも見た目に変化はないね、さては外見を固定しているんだね」
見た目が変わっていないのに、装備の違いに気が付くところを見ると、特殊な目を持っているらしい、それがアイテムのスキルにしろ偵察にしろ質が悪い。
見た目スロットという装備の枠があって、そこにアイテムを入れておくと、実際に装備しているアイテムと関係なしに姿や見た目を変えられる。
だが、例外として剣と装飾に関しては見た目スロットがないため、本来装備しているものが目に見える。それに関しても、剣・装飾ともに外してある俺には関係の無い話だけど。
「見たところその装飾〝ユニークアイテム〟だね」
ユニークアイテムとは、モンスターが稀に落とす珍しいアイテムのことで、見た目に反して高性能なものが多い。
「……ご想像にまかせる」
「バンドエイドだからおそらく回復か~ヘルス関連かな?」
アイテム名は違うが、どうやら見た目を知っているところを見ると、偵察されていたようだ。 それに鋭い、たしかにこのアイテムは自動回復(小)のスキルを有している。
「……で、入っても良いのか?」
俺がいるのは、ギルドオーダーの本部で、部屋の入室は制限がかけられている。
「今開けるよ!焦るな少年!初めてで相手に嫌がられる行動の一つだぞ」
ラビットはそう言うと、部屋のドアノブに触って、出てきたウィンドウに数回振れて扉を開けた。中に入ると正面に円卓があり、すでに何人か集まっていた。
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