33 / 41
勇者王決定戦
第27話 第1回戦 第1試合
しおりを挟む
ヴァルツさんが大剣を構え、ミネアさんは後方で身の丈以上はある杖を構えていた。
フレイルさんも後方で、弓を手に……弓!?
フレイルさんは、司祭様じゃなかったの?!
短めの杖が腰にささってる……。
経験を積めば、1人でも多種多様の攻撃が出来るとは言ったけど……武器まで使いこなすのは至難の業じゃ…。
「あそこのチームはさ、ミネアもフレイルもある程度武器を使いこなせるんだぞ?」
「Sランクは伊達ではありません」
「それに、この戦い……恐らく一瞬で終わるぞ」
「……え?」
「ミネアの大魔法でな。ヴァルツとフレイルはミネアを守る為の布石だろうな」
開始の鐘が鳴った瞬間、フレイルさんの弓から無数の矢が放たれた。
「早いです!」
「先制攻撃の域を超えてるよね~」
「深淵の闇より出は……」
「ミネアの詠唱を止めて!」
相手チームのリーダーが仲間に向かって叫ぶが、剣士はヴァルツさんが、天馬騎士はフレイルさんが止めている。
リーダーは司祭。残りの2人は魔道士と狩人。
2人が魔法や技でミネアを攻撃するも、結界が張ってあるのか届かなかった。
その間にミネアは詠唱を続け、到頭最後の呪文を唱えた。
「冥界の王、黒き手を伸ばし導くは破滅への入口、我が望むは彼の者達の消滅……アビス・エタンドル!」
その瞬間、空が周りが闇に包まれた。
「きゃあああ!」
「いゃぁ」
「止めっ!来ないでぇー」
視界が晴れた時、目の前にはダメージもなく立ち続ける白銀の狼と、リーダーを残し倒れ伏す華麗なる花々がいた。
女の子は口から泡を吐き、「来ないで」と呟きながら気を失っていた。
消滅魔法……
モンスターに使えば、魔法Lvより低いLvのモンスターなら一瞬で消滅させる魔法。
人に使えば、地面に大穴が空き、闇から無数の手が現れ、引きずり込み、精神的ダメージを与える上級魔法。
「相手が悪かったな」
「華麗なる花々の冒険者ランクってA+でSランクに上がるんじゃないか?って言われてるチームですよね?」
「白銀は、Sランクでも上位だ。近々S+になるんじゃないか?と噂されてる」
「地方戦を勝ち抜き本戦に出たら、+に上がるんじゃない?」
「Sランクなのは知ってましたけど、そこまでとは……」
ヴァルツさん達が私達を見つけて手を振ってくれた。そして、そのまま闘技場を出て行った。
「ホントに一瞬でしたね」
「さぁ、依頼に行くぞ」
私たちは闘技場を後にした。
この後、第2試合で小さき者の反乱ランクAと闇夜の黒鷲ランクA+の戦いは熾烈を極めた。
お互いに譲らず繰り広げられた戦いは、俊敏性を活かしきった小さき者の反乱が勝利を掴んだ。
1回戦
第1試合 第2試合
◎ ┃ ◎ ┃
┳━━┳ ┳━━┳
白 華 小 闇
銀 麗 さ 夜
の な き の
狼 る 者 黒
花 の 鷲
々 反
乱
私達が依頼から戻ったら、黒いローブで見えなかった黒鷲の子たちが項垂れた様子で座り込んでいた。
ランクは依頼達成で上がるもの。
なので、ランクだけで強さは判断出来ないのだ。A+でも、負ける時は負ける。
もちろん、ランクが上がる時は試験があるから一概には言えないですけど。
黒鷲の子たちは、褐色の肌で黒い翼を持つ鳥人族だったみたい。
翼は出し入れ可能らしいけど、褐色の肌は隠せないからローブを深く被ってたんですって。この国には差別する人なんか居ないから、隠さなくてもいいのにね。
ホビット族の子が話しかけ、一緒に食事をとるようだった。
明日は第3試合と第4試合がある。
私達は、サムアさんの要請で明日の対戦を観戦する事になった。
勇者王決定戦本戦まで、あと45日
フレイルさんも後方で、弓を手に……弓!?
フレイルさんは、司祭様じゃなかったの?!
短めの杖が腰にささってる……。
経験を積めば、1人でも多種多様の攻撃が出来るとは言ったけど……武器まで使いこなすのは至難の業じゃ…。
「あそこのチームはさ、ミネアもフレイルもある程度武器を使いこなせるんだぞ?」
「Sランクは伊達ではありません」
「それに、この戦い……恐らく一瞬で終わるぞ」
「……え?」
「ミネアの大魔法でな。ヴァルツとフレイルはミネアを守る為の布石だろうな」
開始の鐘が鳴った瞬間、フレイルさんの弓から無数の矢が放たれた。
「早いです!」
「先制攻撃の域を超えてるよね~」
「深淵の闇より出は……」
「ミネアの詠唱を止めて!」
相手チームのリーダーが仲間に向かって叫ぶが、剣士はヴァルツさんが、天馬騎士はフレイルさんが止めている。
リーダーは司祭。残りの2人は魔道士と狩人。
2人が魔法や技でミネアを攻撃するも、結界が張ってあるのか届かなかった。
その間にミネアは詠唱を続け、到頭最後の呪文を唱えた。
「冥界の王、黒き手を伸ばし導くは破滅への入口、我が望むは彼の者達の消滅……アビス・エタンドル!」
その瞬間、空が周りが闇に包まれた。
「きゃあああ!」
「いゃぁ」
「止めっ!来ないでぇー」
視界が晴れた時、目の前にはダメージもなく立ち続ける白銀の狼と、リーダーを残し倒れ伏す華麗なる花々がいた。
女の子は口から泡を吐き、「来ないで」と呟きながら気を失っていた。
消滅魔法……
モンスターに使えば、魔法Lvより低いLvのモンスターなら一瞬で消滅させる魔法。
人に使えば、地面に大穴が空き、闇から無数の手が現れ、引きずり込み、精神的ダメージを与える上級魔法。
「相手が悪かったな」
「華麗なる花々の冒険者ランクってA+でSランクに上がるんじゃないか?って言われてるチームですよね?」
「白銀は、Sランクでも上位だ。近々S+になるんじゃないか?と噂されてる」
「地方戦を勝ち抜き本戦に出たら、+に上がるんじゃない?」
「Sランクなのは知ってましたけど、そこまでとは……」
ヴァルツさん達が私達を見つけて手を振ってくれた。そして、そのまま闘技場を出て行った。
「ホントに一瞬でしたね」
「さぁ、依頼に行くぞ」
私たちは闘技場を後にした。
この後、第2試合で小さき者の反乱ランクAと闇夜の黒鷲ランクA+の戦いは熾烈を極めた。
お互いに譲らず繰り広げられた戦いは、俊敏性を活かしきった小さき者の反乱が勝利を掴んだ。
1回戦
第1試合 第2試合
◎ ┃ ◎ ┃
┳━━┳ ┳━━┳
白 華 小 闇
銀 麗 さ 夜
の な き の
狼 る 者 黒
花 の 鷲
々 反
乱
私達が依頼から戻ったら、黒いローブで見えなかった黒鷲の子たちが項垂れた様子で座り込んでいた。
ランクは依頼達成で上がるもの。
なので、ランクだけで強さは判断出来ないのだ。A+でも、負ける時は負ける。
もちろん、ランクが上がる時は試験があるから一概には言えないですけど。
黒鷲の子たちは、褐色の肌で黒い翼を持つ鳥人族だったみたい。
翼は出し入れ可能らしいけど、褐色の肌は隠せないからローブを深く被ってたんですって。この国には差別する人なんか居ないから、隠さなくてもいいのにね。
ホビット族の子が話しかけ、一緒に食事をとるようだった。
明日は第3試合と第4試合がある。
私達は、サムアさんの要請で明日の対戦を観戦する事になった。
勇者王決定戦本戦まで、あと45日
1
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
【 完 結 】言祝ぎの聖女
しずもり
ファンタジー
聖女ミーシェは断罪された。
『言祝ぎの聖女』の座を聖女ラヴィーナから不当に奪ったとして、聖女の資格を剥奪され国外追放の罰を受けたのだ。
だが、隣国との国境へ向かう馬車は、同乗していた聖騎士ウィルと共に崖から落ちた。
誤字脱字があると思います。見つけ次第、修正を入れています。
恋愛要素は完結までほぼありませんが、ハッピーエンド予定です。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
『「毒草師」と追放された私、実は本当の「浄化の聖女」でした。瘴気の森を開拓して、モフモフのコハクと魔王様と幸せになります。』
とびぃ
ファンタジー
【全体的に修正しました】
アステル王国の伯爵令嬢にして王宮園芸師のエリアーナは、「植物の声を聴く」特別な力で、聖女レティシアの「浄化」の儀式を影から支える重要な役割を担っていた。しかし、その力と才能を妬んだ偽りの聖女レティシアと、彼女に盲信する愚かな王太子殿下によって、エリアーナは「聖女を不快にさせた罪」という理不尽極まりない罪状と「毒草師」の汚名を着せられ、生きては戻れぬ死の地──瘴気の森へと追放されてしまう。
聖域の発見と運命の出会い
絶望の淵で、エリアーナは自らの「植物の力を引き出す」力が、瘴気を無効化する「聖なる盾」となることに気づく。森の中で清浄な小川を見つけ、そこで自らの力と知識を惜しみなく使い、泥だらけの作業着のまま、生きるための小さな「聖域」を作り上げていく。そして、運命はエリアーナに最愛の家族を与える。瘴気の澱みで力尽きていた伝説の聖獣カーバンクルを、彼女の浄化の力と薬草師の知識で救出。エリアーナは、そのモフモフな聖獣にコハクと名付け、最強の相棒を得る。
魔王の渇望、そして求婚へ
最高のざまぁと、深い愛と、モフモフな癒やしが詰まった、大逆転ロマンスファンタジー、堂々開幕!
【完結】偽物聖女として追放される予定ですが、続編の知識を活かして仕返しします
ユユ
ファンタジー
聖女と認定され 王子妃になったのに
11年後、もう一人 聖女認定された。
王子は同じ聖女なら美人がいいと
元の聖女を偽物として追放した。
後に二人に天罰が降る。
これが この体に入る前の世界で読んだ
Web小説の本編。
だけど、読者からの激しいクレームに遭い
救済続編が書かれた。
その激しいクレームを入れた
読者の一人が私だった。
異世界の追放予定の聖女の中に
入り込んだ私は小説の知識を
活用して対策をした。
大人しく追放なんてさせない!
* 作り話です。
* 長くはしないつもりなのでサクサクいきます。
* 短編にしましたが、うっかり長くなったらごめんなさい。
* 掲載は3日に一度。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる