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入れ替わり
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「……やっぱり、これしかないわね」
「ルリィ……」
ルリィは、鏡の前に行き……ハニーブロンズの髪を濡らして乾かすと…ウェーブかかっていた髪がストレートになっていた。
更に目の色を変える道具を使って瞳の色をリリィと同じ空色に変えた。ルリィの瞳は緑色だ。
顔に力を入れないように気を付けて……振り返る。
「私が、リリィになるわ……入れ替わるのよ」
「……仕方ないな」
「あら?絶対に、反対すると思ったのに……」
「1度言ったら聞かないだろう?僕のルリィは」
ジェストの言葉にルリィは、無表情だったのに、ふわりと笑い「ええ!」と言った。
「アレフ」
「ルリィがリリィと入れ替わるなら、僕は影として傍に付くから……お前は、ルリィになったリリィの傍に居てやってくれ」
「はっ!」
ジェストは、影を呼んでリリィの元に行かせた……『明日の夜、ルリィと共に行くから窓の鍵を開けておくように』と言伝を頼んで。
「だが、騙されるか?仮にも妻だぞ?僕だったら絶対に間違えない」
「騙されるわよ。おの男も、あの女も、自分の娘の名前を何度も間違えたんだから……私達が何回入れ替わってると思ってるのよ?1度や2度じゃないわ。両親でさえ間違えるのよ?妻に興味を持たない夫が、気付くわけがない」
「ですが……性格が違いすぎるのでは?」
「合わせるのよ。あの子は、笑えない訳じゃないもの」
ただ問題なのは……と、ルリィは続ける。
「暴力や暴言、性行為を見せつけられるだったかしら?……私が殴られても、堪えてよ?ジェスト」
ルリィが、低く怒りの籠った声でジェストに耐えろと言う。「リリィが受けた痛みを、私も共有したいの」と...
ただ、私が殴られている間、ジェストは耐えられるかしら?と不安にも思う。もし万が一でも、ジェストが出てしまっては国際問題に...
「分かってる...けど、問題ないと思うよ」
「え?まさか……!」
「そう、そのまさかだ!ウェルダン侯爵からの妻への離縁状だ。更に、サイズラスト侯爵の娘に対する離縁状もあるよ。リリィの夫と義母は平民に下る事になる。何をしても構わないとさ。罪に問わないと、書いてあったよ」
ルリィは、ニヤッと悪い笑みを浮かべた。これで心置き無く、リリィにした報いを受けさせることが出来る……
「私がリリィになって、アイツらに離婚届を突きつけてやるわ。ジェスト、王様はなんて?」
「リリィの事を話したら、直ぐに離婚の手続きをしてくれたよ。ほら...んで、こっちはルリィに謝罪文だ」
ジェストは、紙の束をルリィに渡した。
ルリィは紙の束を、パラパラと捲りながら全てに目を通す。謝罪文は、リリィに対する物だった。私がリリィを溺愛している事は、有名だったから…
翌日の夜...
カ...チャ
っと小さな音が、部屋の中に響いた。
部屋の中にいた少女は、顔を上げ訪問者を招き入れる。月明かりに照らされて現れたのは、自分と瓜二つの姉ルリィだった。
「...お姉様?……どうして...」
リリィは、驚いていた。入れ替わりをしていたのは昔の事で...社交デビューしてからは、やらないようにしてたのに...。
「リリィ……辛かったわね...。もう大丈夫よ。全部、お姉ちゃんに任せなさい」
「……っ!...ねぇ様」
ルリィに抱き締められ優しく声をかけられても、リリィは嗚咽をこらえた。
でも、出来なかった...静かに、それでいて大粒の涙が頬を伝う。声を押し殺し、涙を流すリリイにルリィは、背中を撫でた。
ジェストがリリィの隣に来て頭に手を置き、ぽんぽんと撫でた。
2人に慰められて、だんだんと落ち着いてきたリリィに、ルリィは言った。
「入れ替わるわよ。リリィ」
「で……もっ」
「私が、リリィの代わりに離婚するわ」
「そんな、こと、したら!」
「お父様やお母様の縁なら切ってしまいましょう?」
「え?」
お姉様は、両親との縁なら切ってしまえばいいと言った。お姉様も縁を切るからって……
そして……
「リリィ、私と一緒に隣国へ行かない?」
その言葉に、私は決断した。
────
次回、少しややこしいです。
リリィになったルリィ
ルリィになったリリィ
《》や【】を使って、少し工夫する予定。
分かりにくかったら、その時は感想で教えて下さいませ(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)
「ルリィ……」
ルリィは、鏡の前に行き……ハニーブロンズの髪を濡らして乾かすと…ウェーブかかっていた髪がストレートになっていた。
更に目の色を変える道具を使って瞳の色をリリィと同じ空色に変えた。ルリィの瞳は緑色だ。
顔に力を入れないように気を付けて……振り返る。
「私が、リリィになるわ……入れ替わるのよ」
「……仕方ないな」
「あら?絶対に、反対すると思ったのに……」
「1度言ったら聞かないだろう?僕のルリィは」
ジェストの言葉にルリィは、無表情だったのに、ふわりと笑い「ええ!」と言った。
「アレフ」
「ルリィがリリィと入れ替わるなら、僕は影として傍に付くから……お前は、ルリィになったリリィの傍に居てやってくれ」
「はっ!」
ジェストは、影を呼んでリリィの元に行かせた……『明日の夜、ルリィと共に行くから窓の鍵を開けておくように』と言伝を頼んで。
「だが、騙されるか?仮にも妻だぞ?僕だったら絶対に間違えない」
「騙されるわよ。おの男も、あの女も、自分の娘の名前を何度も間違えたんだから……私達が何回入れ替わってると思ってるのよ?1度や2度じゃないわ。両親でさえ間違えるのよ?妻に興味を持たない夫が、気付くわけがない」
「ですが……性格が違いすぎるのでは?」
「合わせるのよ。あの子は、笑えない訳じゃないもの」
ただ問題なのは……と、ルリィは続ける。
「暴力や暴言、性行為を見せつけられるだったかしら?……私が殴られても、堪えてよ?ジェスト」
ルリィが、低く怒りの籠った声でジェストに耐えろと言う。「リリィが受けた痛みを、私も共有したいの」と...
ただ、私が殴られている間、ジェストは耐えられるかしら?と不安にも思う。もし万が一でも、ジェストが出てしまっては国際問題に...
「分かってる...けど、問題ないと思うよ」
「え?まさか……!」
「そう、そのまさかだ!ウェルダン侯爵からの妻への離縁状だ。更に、サイズラスト侯爵の娘に対する離縁状もあるよ。リリィの夫と義母は平民に下る事になる。何をしても構わないとさ。罪に問わないと、書いてあったよ」
ルリィは、ニヤッと悪い笑みを浮かべた。これで心置き無く、リリィにした報いを受けさせることが出来る……
「私がリリィになって、アイツらに離婚届を突きつけてやるわ。ジェスト、王様はなんて?」
「リリィの事を話したら、直ぐに離婚の手続きをしてくれたよ。ほら...んで、こっちはルリィに謝罪文だ」
ジェストは、紙の束をルリィに渡した。
ルリィは紙の束を、パラパラと捲りながら全てに目を通す。謝罪文は、リリィに対する物だった。私がリリィを溺愛している事は、有名だったから…
翌日の夜...
カ...チャ
っと小さな音が、部屋の中に響いた。
部屋の中にいた少女は、顔を上げ訪問者を招き入れる。月明かりに照らされて現れたのは、自分と瓜二つの姉ルリィだった。
「...お姉様?……どうして...」
リリィは、驚いていた。入れ替わりをしていたのは昔の事で...社交デビューしてからは、やらないようにしてたのに...。
「リリィ……辛かったわね...。もう大丈夫よ。全部、お姉ちゃんに任せなさい」
「……っ!...ねぇ様」
ルリィに抱き締められ優しく声をかけられても、リリィは嗚咽をこらえた。
でも、出来なかった...静かに、それでいて大粒の涙が頬を伝う。声を押し殺し、涙を流すリリイにルリィは、背中を撫でた。
ジェストがリリィの隣に来て頭に手を置き、ぽんぽんと撫でた。
2人に慰められて、だんだんと落ち着いてきたリリィに、ルリィは言った。
「入れ替わるわよ。リリィ」
「で……もっ」
「私が、リリィの代わりに離婚するわ」
「そんな、こと、したら!」
「お父様やお母様の縁なら切ってしまいましょう?」
「え?」
お姉様は、両親との縁なら切ってしまえばいいと言った。お姉様も縁を切るからって……
そして……
「リリィ、私と一緒に隣国へ行かない?」
その言葉に、私は決断した。
────
次回、少しややこしいです。
リリィになったルリィ
ルリィになったリリィ
《》や【】を使って、少し工夫する予定。
分かりにくかったら、その時は感想で教えて下さいませ(ᴗ͈ˬᴗ͈⸝⸝)
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