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番外編 アレフの思い
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俺の名前は、アレフ。
先日、長年思い続けた女性リリィ様と、結婚式をあげました。
元々は、ウェルダン侯爵家嫡男に嫁いでいたのですが、色々あって離婚したので俺が猛アタックしました。
なりふり構って居られませんでしたので……
リリィ様は気付いてませんが、とても人気のあるお方なのですよ?
毎日、リリィ様が養子に入ったスパロウ家に通い、交流を深めてきたのです。
まさか、この思いが成就する日が来るとは思ってませんでしたが……
アレフは、目の前のリリィを見つめる。
リリィは、隣に座っている姉ルリィと、何やら楽しそうに顔を寄せ合いコソコソと話していた。
ソーっと隣を見れば、ジェスト陛下が面白くなさそうに2人を……否、ルリィ妃殿下を見つめていた。そして「姉妹の会話なんて何時でも出来るじゃないか……」とブツブツ言っていた。
いやいやいや……
それを言ったら陛下も、夫婦の会話など何時でも出来ると言われますよ。
カップに注がれたダージリンを、口に含む。
思い出すのは、初めてリリィ様と出会った日のこと……7年前、俺は隣国で行われた剣術大会に参加したことがあります
リリィ13歳
ルリィ16歳
アレフ17歳
この日、俺は剣術大会に参加していました。平民も参加できるため、質素な服を着て、平民のフリをして参加したのです。
そこで、アレフはリリィと戦った。
決勝戦で会った彼女は、平民の格好をし、とても華奢だった。だから、誰も思わなかった…彼女が決勝戦まで勝ち進めるなんて……。
そして。誰もが思っていた……彼女が勝ち進んだのは、他の参加者が手を抜いたのだろうと…。
だが、一度剣を合わせれば分かる。彼女の実力者だと。互いに1歩も譲らぬ接戦した戦いだったが、審判が止めるまで、勝負はつかなかった。
互いの検討を讃え握手を交わし、自分の名を告げ彼女の名前を聞いた時、会場に響き渡る大きな声が聞こえた。
『ルリィ』と。
その瞬間のルリィさんの顔が強ばった事は今でも忘れない。そして、小さな声で「ちがうわ」と言った。周りの喧騒で俺には聞こえなかったが……
そして彼女は、俯き悲しげに『ルリィです』と名乗ったのです。
大きな声を上げた男性がルリィさんに近づき抱き締める。
『良くやった、ルリィ!まさか、お前が参加してるとは思わなかったが!流石、儂の子だっ!』
ルリィと呼ばれた目の前の少女は、遠くに居た彼女そっくりの少女を見て微笑んだ。とても悲しくなるような、切ない微笑みだった。
その瞬間、俺は彼女を忘れなれなくなった。
初恋だった……
だが、ルリィ様は、俺の主ジェスト陛下の想い人だった。
だから、この恋は成就しない。
諦めなきゃいけないと、自分自身に言い聞かせてきました。
けれど、違った……
ルリィ様が我が国に輿入れした際に、俺は気が付いた。
この方は、あの日剣を合わせたルリィ様では無いと。
ルリィ様に聞けば、自分に似た妹が居るのだと……あの日、剣術大会に参加していたのは妹リリィ様なのだと。
自分に似て、とても可愛くて優しい自慢の妹なのだと、ルリィ様は仰った。
リリィ様の存在を知ってから、想いはどんどん募って行きました。そして我慢出来ずに、陛下を説得し、ルリィ様の協力の元、俺はリリィ様の通う学園に留学する事が出来た。
それが、剣術大会から2年後の出来事です。
リリィ、15歳
アレフ、15歳(本当は19歳)
学園で過ごした3年は、とても有意義でした。名を変え歳を誤魔化し、貴方と過ごした3年は、俺のかけがえのない大切な思い出となりました。
卒業後、直ぐに結婚した貴方に祝福の言葉と贈り物を渡し、俺は国に帰りました。
あの時……直ぐに帰らなければ、まだ違った結果になったのでしょうか?
貴方があんなに苦しめられる事も無かったのでしょうか……。
リリィ様の両親は本当に屑で、ルリィ様にしか興味が無く、リリィ様の事は適当に決めたのでしょう。
何故、あんな屑な男に嫁がせたのか……
いや……
俺が…もっと早くに決断していたらあの屑共も、俺の方が価値があると思ったかも知れないと思うと、やはりやり切れない気持ちになる。
だが、このやり取りがあったからこそ俺は、リリィ様と結婚する事が出来たのかと思うと……やはり、複雑だ……。
はぁ~~
無意識にため息が零れ落ちる。
少し冷めたお茶の、最後の一口を飲み込んだ時リリィ様の声が聞こえた。
「アレフ様?」
「っ?…あぁ、リリィ様、どうしましたか?」
「いいえ、アレフ様こそ、どうかしましたか?お顔の色が優れないようですけど…一度お屋敷に戻りましょう?」
俺は大丈夫だと言っているのだが、リリィ様は珍しく食い下がって来た。俺の額に手を当てて、熱を測ると「少し熱い気がします」と、俺の腕を取りました。
「お姉様、今日は失礼しますわ」
俺の腕を取ったまま、そそくさとお茶会の席から離れていった。
「リリィ様?」
「……」
「どうかしたのですか?リリィ様」
「アレフ様が私の意思を尊重して下さるのは嬉しいのです…ですけれど、たまにはお姉様に嫉妬しても、いいと思うのですわ」
っ?!
つまり、俺がルリィ様に嫉妬してないから、拗ねてしまわれたという事でしょうか?
「拗ねたリリィ様も、とても愛らしいですね」
軽く抱き寄せ額にキスを落とす。
「アレフ……様」
「愛していますよ。リリィ様、俺は一生貴方だけを愛します。例え死んでも、貴方だけを…」
~完~
先日、長年思い続けた女性リリィ様と、結婚式をあげました。
元々は、ウェルダン侯爵家嫡男に嫁いでいたのですが、色々あって離婚したので俺が猛アタックしました。
なりふり構って居られませんでしたので……
リリィ様は気付いてませんが、とても人気のあるお方なのですよ?
毎日、リリィ様が養子に入ったスパロウ家に通い、交流を深めてきたのです。
まさか、この思いが成就する日が来るとは思ってませんでしたが……
アレフは、目の前のリリィを見つめる。
リリィは、隣に座っている姉ルリィと、何やら楽しそうに顔を寄せ合いコソコソと話していた。
ソーっと隣を見れば、ジェスト陛下が面白くなさそうに2人を……否、ルリィ妃殿下を見つめていた。そして「姉妹の会話なんて何時でも出来るじゃないか……」とブツブツ言っていた。
いやいやいや……
それを言ったら陛下も、夫婦の会話など何時でも出来ると言われますよ。
カップに注がれたダージリンを、口に含む。
思い出すのは、初めてリリィ様と出会った日のこと……7年前、俺は隣国で行われた剣術大会に参加したことがあります
リリィ13歳
ルリィ16歳
アレフ17歳
この日、俺は剣術大会に参加していました。平民も参加できるため、質素な服を着て、平民のフリをして参加したのです。
そこで、アレフはリリィと戦った。
決勝戦で会った彼女は、平民の格好をし、とても華奢だった。だから、誰も思わなかった…彼女が決勝戦まで勝ち進めるなんて……。
そして。誰もが思っていた……彼女が勝ち進んだのは、他の参加者が手を抜いたのだろうと…。
だが、一度剣を合わせれば分かる。彼女の実力者だと。互いに1歩も譲らぬ接戦した戦いだったが、審判が止めるまで、勝負はつかなかった。
互いの検討を讃え握手を交わし、自分の名を告げ彼女の名前を聞いた時、会場に響き渡る大きな声が聞こえた。
『ルリィ』と。
その瞬間のルリィさんの顔が強ばった事は今でも忘れない。そして、小さな声で「ちがうわ」と言った。周りの喧騒で俺には聞こえなかったが……
そして彼女は、俯き悲しげに『ルリィです』と名乗ったのです。
大きな声を上げた男性がルリィさんに近づき抱き締める。
『良くやった、ルリィ!まさか、お前が参加してるとは思わなかったが!流石、儂の子だっ!』
ルリィと呼ばれた目の前の少女は、遠くに居た彼女そっくりの少女を見て微笑んだ。とても悲しくなるような、切ない微笑みだった。
その瞬間、俺は彼女を忘れなれなくなった。
初恋だった……
だが、ルリィ様は、俺の主ジェスト陛下の想い人だった。
だから、この恋は成就しない。
諦めなきゃいけないと、自分自身に言い聞かせてきました。
けれど、違った……
ルリィ様が我が国に輿入れした際に、俺は気が付いた。
この方は、あの日剣を合わせたルリィ様では無いと。
ルリィ様に聞けば、自分に似た妹が居るのだと……あの日、剣術大会に参加していたのは妹リリィ様なのだと。
自分に似て、とても可愛くて優しい自慢の妹なのだと、ルリィ様は仰った。
リリィ様の存在を知ってから、想いはどんどん募って行きました。そして我慢出来ずに、陛下を説得し、ルリィ様の協力の元、俺はリリィ様の通う学園に留学する事が出来た。
それが、剣術大会から2年後の出来事です。
リリィ、15歳
アレフ、15歳(本当は19歳)
学園で過ごした3年は、とても有意義でした。名を変え歳を誤魔化し、貴方と過ごした3年は、俺のかけがえのない大切な思い出となりました。
卒業後、直ぐに結婚した貴方に祝福の言葉と贈り物を渡し、俺は国に帰りました。
あの時……直ぐに帰らなければ、まだ違った結果になったのでしょうか?
貴方があんなに苦しめられる事も無かったのでしょうか……。
リリィ様の両親は本当に屑で、ルリィ様にしか興味が無く、リリィ様の事は適当に決めたのでしょう。
何故、あんな屑な男に嫁がせたのか……
いや……
俺が…もっと早くに決断していたらあの屑共も、俺の方が価値があると思ったかも知れないと思うと、やはりやり切れない気持ちになる。
だが、このやり取りがあったからこそ俺は、リリィ様と結婚する事が出来たのかと思うと……やはり、複雑だ……。
はぁ~~
無意識にため息が零れ落ちる。
少し冷めたお茶の、最後の一口を飲み込んだ時リリィ様の声が聞こえた。
「アレフ様?」
「っ?…あぁ、リリィ様、どうしましたか?」
「いいえ、アレフ様こそ、どうかしましたか?お顔の色が優れないようですけど…一度お屋敷に戻りましょう?」
俺は大丈夫だと言っているのだが、リリィ様は珍しく食い下がって来た。俺の額に手を当てて、熱を測ると「少し熱い気がします」と、俺の腕を取りました。
「お姉様、今日は失礼しますわ」
俺の腕を取ったまま、そそくさとお茶会の席から離れていった。
「リリィ様?」
「……」
「どうかしたのですか?リリィ様」
「アレフ様が私の意思を尊重して下さるのは嬉しいのです…ですけれど、たまにはお姉様に嫉妬しても、いいと思うのですわ」
っ?!
つまり、俺がルリィ様に嫉妬してないから、拗ねてしまわれたという事でしょうか?
「拗ねたリリィ様も、とても愛らしいですね」
軽く抱き寄せ額にキスを落とす。
「アレフ……様」
「愛していますよ。リリィ様、俺は一生貴方だけを愛します。例え死んでも、貴方だけを…」
~完~
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