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反撃!!リリィは、連れて帰るわ!②
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「どういう事だ!これは!お前は!息子と寝ていたのか!しかも……っ」
《失礼します》
「っ!!リリィ殿!……っ」
《大丈夫ですわ、全て知っておりますし...姉にも報告済みなのは知っているでしょう?侯爵様》
私は満面の笑みで答えた。それを見た侯爵の顔がみるみる内に青白く変わる。私の後ろにいた男の人にも気付いたでしょうね。
そして、ルリィの微笑みを見た妹の夫がルリィを凝視し一言、呟くように言った。
「お前……何だ、笑うと可愛いじゃないか」
《気持ち悪い事を仰らないで下さいませ。お義母様と寝た上に、その行為を見せつけ、挙句私の顔を殴ったではありませんか》
「なっ!なんだと?!殴った?!見せつけた?!どういう事だ!サリア!」
「し、仕方ありませんでしたのよ?あの女は無表情で不気味で、愛する息子が嫌がったものですから...っ」
「だからって、性行為を見せつける理由がどこにある!……報告は受けたが、まさか本当だったとはな!お前達は、あの方が誰か知らないのか!」
侯爵は、力強く怒鳴った。リリィに手を出して、「この方が、誰か本当に知らんのか!?」と言っていた。
言われた2人は、頭にハテナを浮かべながら首を傾げ答えた。
「俺の妻だろ?いつも無表情で不気味で気持ち悪くて、胸も小さいリリィだ」
「息子の嫁ですわ!何を考えているか分からない人形のような、不気味で地味で魅力の欠けらも無い女です」
声を揃えて、言ってる内容もほぼ同じ……
リリィは、そんな言葉を聞きながらも微笑みを絶やさなかった。
だが内心は、
(胸が小さいですってぇ?!見たことも無いくせに、よく言うわっ!何が不気味で地味よっ!リリィは、世界一可愛い私の妹よっ!)
その時だ……扉の方から、人が入ってくる気配がしたのは...そして、私の後ろにいた男性が、入ってきた女性の傍に行ったのは同時だった。
《私の妹を、そのように思っていたのですね》
「っ!!お義姉様!」
《貴方のような者に、姉と言われる筋合いはありませんわ》
ふわりと微笑み、リリィの隣に移動した。優しく抱き締め《大丈夫だった?私のリリィ》と言った。まるで、ルリィが訪れたあの日のようだ。
何も知らない者が見たら、今のルリィがリリィだとは思わないだろう。それ程までに、今のルリィは、ルリィらしかった。
侯爵は、ウェルダン侯爵家が終わる事を予想していた。たとえ、どんなに理由があろうとも、妻が息子に手を出した事、息子が妻に手を出した事は許されることでは無い。
その上、リリィ嬢に毎日のように暴力を振るい?その上、行為を見せつけていたとなれば…
我が家は終わる…それくらい、少し考えればわかる事だろう!
自分の息子の嫁が、隣国の国王に嫁いだ女性の妹であり、その妹が離婚を訴えた事が問題だった。
ルリィ様が、リリィ嬢を溺愛するほどに可愛がっていた事は、貴族ならば全員が知っていた事……
リリィ嬢に何かあれば、ルリィ様の耳に直ぐに入り、我が国は隣国の脅威に晒されることは必須...
たとえ、隣国の王ジェスト陛下が国際問題にはしないと言っても、噂は広がる。
我が侯爵家の評判は地に落ちるだろう。
「サリア、バルド……お前がリリィ様と思っていた相手は、リリィ様じゃない。ルリィ様だ…」
「「え?」」
「自分の嫁の顔も知らないのか?」
「父上!嘘を言わないで下さい!リリィは、あんな女神のような微笑みを浮かべたりはしない!」
「では!お前は、あの方々の顔の区別が出来てるのか?!どちらが、リリィ嬢だ!?言ってみろ!」
それぐらい分かると、リリィの夫バルドは思った。どんなに微笑んでいても、あの無表情で不気味な女を間違えるはずがないと、断言できると思っていた。その時までは……
リリィは、ルリィに微笑みかけた。
ルリィも、リリィに微笑みかけた。
バルド様?どちらが、本物の#リリィ__私__#か分かりますか?
2人が同時に言葉を発し、同時に頬に手を当て、同時に微笑んだ。
見事にシンクロした動きに、周りが息を飲んだ。ジェストも、アレフも一瞬、双子かと勘違いしそうになるほどにそっくりだったからだ。だが2人は、直ぐに顔を見合わせ頷いた。まるで、どちらがリリィで、どちらがルリィか分かると言いたげだ。
侯爵は2人を見比べ、やっと分かったらしく、小さく息をついてバルドを見た。
バルドは、優しく微笑む2人に、どちらが自分の妻か分からなかった。
《分からないのですか?》
《3年も一緒に居りましたのに?》
2人は、腰を抜かしたバルドに近付いた。
バルドの右側にルリィが立ち、バルドを覗き込む。
《先日、私を殴ったではありませんか。お姉様を呼んだ事に対して……》
バルドの左側にリリィが立ち、バルドを覗き込む。
《あら?昨日、私を殴ったではありませんか。もう、忘れたのですか?》
そして、2人はお互いに顔を見合わせ、手を取った。2人の立ち位置を変えながら、バルドを追い詰めていく。
さぁ、バルド様、答えて下さる?どちらが、貴方の妻、リリィですか?
2人揃って手を差し出した。
ひとりは、春の女神のように優しく、天使の様な微笑みを浮かべ
ひとりは、月の女神のように静かで、神秘的な微笑みを浮かべ
バルドを待ち構えた。
そして、彼は春の女神のような女性の手を取った。
「お前がリリィだ!僕には分かる!どんなに微笑んでも、あの不気味さは消えないっ!」
周りにいた者たちが呆気に取られる中、選ばれなかった女性は、無表情に戻っていた。
「ふふ、ふふふ、あっはは!」
「な、なんだ!何がおかしい!」
「あら、ごめんなさい?」
「おい!いつまで、僕の妻の手を握っているつもりだっ!」
ジェストがバルドの手を捻りあげ、ルリィの手から離させる。
「つ、妻?!」
「そうだ!ルリィは、僕の妻だっ」
「じゃ、じゃあ、俺の……」
「旦那様、私だって、楽しければ笑う事もありますわ。この屋敷に来てから、楽しかった事など何一つありませんでしたけど」
リリィは、少し悲しそうに、1枚の紙をバルドに差し出した。
「お姉様が、王様に話を通して下さいまし……」
最後まで言い切る前に、扉が大きな音をたてて開きました。「リリィィィ!この、親不孝者めがっ!」と、物凄い勢いで私の元に来たのは、お父様とお母様でした。
「お父様……」
「この馬鹿娘が!侯爵家に迷惑をかけるなと言っただろう!何をしている!!たかが、母親と寝ただけだろう!それくらいで目くじらを立てるなど、器が知れとるわ!貴様が離婚したら、縁を切ると言ったはずだぞ!」
私とお父様の間に、お姉様が立ち塞がりました。仁王立ちで、お父様立ちを睨みつけます。
「縁なら切ってあげますわっ、お父様!喜んでね」
「っ!!る、ルリィ?!何故ここにお前がいる?!お前は隣国に……」
「わたしのリリィが、助けを求めて来たんですの。お父さ……いいえ、オルグマン伯爵。私も、貴女方とは縁を切らせて頂きますわ。もちろん……リリィも、縁を切らせますわ。わたくし、リリィを連れて国へ帰ります。もう、この国に関わる事は致しませんわ。二度と……ね」
「る、ルリィちゃん?何を言ってるの?お母様達を困らせないで頂戴?」
「オルグマン伯爵夫人こそ、馬鹿なことを仰らないで。そもそも、貴女方がリリィを大切にしてくれていたら、こうはならなかったのだから」
ルリィは、リリィの手を握り、部屋を出ようとした。
「待てよ!リリィっ!僕を捨てるのか!?」
「先に、私を裏切っていたのは貴方ですよ、バルド様…さようなら、私はお姉様と行きますわ。こちら、王様が下さった離婚届けです。それから、お父様、お母様、今までお世話になりました」
「待てっ!リリィ」
「待ちなさいっ!リリィ」
両親の声を振り切り、お姉様と共にウェルダン侯爵家を後にした。
この後、ウェルダン侯爵は、サリアとは離婚し、バルドを廃嫡し家を追い出した。
ウェルダン侯爵は……
隣国との同盟に、亀裂を生じさせる事態に発展しなかったとは言え、今回の事件は社交界に知れ渡り信頼を失った。
だが、ウェルダン侯爵自身は、国に貢献していたため、伯爵位への降格と領地没収で済んだ。
ジェストは約束通り、国際問題にはせず同盟は今も続いている。
オルグマン伯爵もまた、領地没収、爵位返上となり私財も全て没収となった。
平民に下った後……
王妃ルリィの元に、オルグマン伯爵と夫人が助けを求めて来たが全て無視し、オルグマン伯爵夫妻は行方不明になった。
また、ウェルダン侯爵の元妻、サリアと息子バルドは、2人揃って隣国に入ったそうだ。サリアは、実家であるサイズラスト侯爵家からも離縁され、その後の行方は分かっていない。
そして、リリィは……隣国で……
アレフに手を取られ、プロポーズを受けていた。
《失礼します》
「っ!!リリィ殿!……っ」
《大丈夫ですわ、全て知っておりますし...姉にも報告済みなのは知っているでしょう?侯爵様》
私は満面の笑みで答えた。それを見た侯爵の顔がみるみる内に青白く変わる。私の後ろにいた男の人にも気付いたでしょうね。
そして、ルリィの微笑みを見た妹の夫がルリィを凝視し一言、呟くように言った。
「お前……何だ、笑うと可愛いじゃないか」
《気持ち悪い事を仰らないで下さいませ。お義母様と寝た上に、その行為を見せつけ、挙句私の顔を殴ったではありませんか》
「なっ!なんだと?!殴った?!見せつけた?!どういう事だ!サリア!」
「し、仕方ありませんでしたのよ?あの女は無表情で不気味で、愛する息子が嫌がったものですから...っ」
「だからって、性行為を見せつける理由がどこにある!……報告は受けたが、まさか本当だったとはな!お前達は、あの方が誰か知らないのか!」
侯爵は、力強く怒鳴った。リリィに手を出して、「この方が、誰か本当に知らんのか!?」と言っていた。
言われた2人は、頭にハテナを浮かべながら首を傾げ答えた。
「俺の妻だろ?いつも無表情で不気味で気持ち悪くて、胸も小さいリリィだ」
「息子の嫁ですわ!何を考えているか分からない人形のような、不気味で地味で魅力の欠けらも無い女です」
声を揃えて、言ってる内容もほぼ同じ……
リリィは、そんな言葉を聞きながらも微笑みを絶やさなかった。
だが内心は、
(胸が小さいですってぇ?!見たことも無いくせに、よく言うわっ!何が不気味で地味よっ!リリィは、世界一可愛い私の妹よっ!)
その時だ……扉の方から、人が入ってくる気配がしたのは...そして、私の後ろにいた男性が、入ってきた女性の傍に行ったのは同時だった。
《私の妹を、そのように思っていたのですね》
「っ!!お義姉様!」
《貴方のような者に、姉と言われる筋合いはありませんわ》
ふわりと微笑み、リリィの隣に移動した。優しく抱き締め《大丈夫だった?私のリリィ》と言った。まるで、ルリィが訪れたあの日のようだ。
何も知らない者が見たら、今のルリィがリリィだとは思わないだろう。それ程までに、今のルリィは、ルリィらしかった。
侯爵は、ウェルダン侯爵家が終わる事を予想していた。たとえ、どんなに理由があろうとも、妻が息子に手を出した事、息子が妻に手を出した事は許されることでは無い。
その上、リリィ嬢に毎日のように暴力を振るい?その上、行為を見せつけていたとなれば…
我が家は終わる…それくらい、少し考えればわかる事だろう!
自分の息子の嫁が、隣国の国王に嫁いだ女性の妹であり、その妹が離婚を訴えた事が問題だった。
ルリィ様が、リリィ嬢を溺愛するほどに可愛がっていた事は、貴族ならば全員が知っていた事……
リリィ嬢に何かあれば、ルリィ様の耳に直ぐに入り、我が国は隣国の脅威に晒されることは必須...
たとえ、隣国の王ジェスト陛下が国際問題にはしないと言っても、噂は広がる。
我が侯爵家の評判は地に落ちるだろう。
「サリア、バルド……お前がリリィ様と思っていた相手は、リリィ様じゃない。ルリィ様だ…」
「「え?」」
「自分の嫁の顔も知らないのか?」
「父上!嘘を言わないで下さい!リリィは、あんな女神のような微笑みを浮かべたりはしない!」
「では!お前は、あの方々の顔の区別が出来てるのか?!どちらが、リリィ嬢だ!?言ってみろ!」
それぐらい分かると、リリィの夫バルドは思った。どんなに微笑んでいても、あの無表情で不気味な女を間違えるはずがないと、断言できると思っていた。その時までは……
リリィは、ルリィに微笑みかけた。
ルリィも、リリィに微笑みかけた。
バルド様?どちらが、本物の#リリィ__私__#か分かりますか?
2人が同時に言葉を発し、同時に頬に手を当て、同時に微笑んだ。
見事にシンクロした動きに、周りが息を飲んだ。ジェストも、アレフも一瞬、双子かと勘違いしそうになるほどにそっくりだったからだ。だが2人は、直ぐに顔を見合わせ頷いた。まるで、どちらがリリィで、どちらがルリィか分かると言いたげだ。
侯爵は2人を見比べ、やっと分かったらしく、小さく息をついてバルドを見た。
バルドは、優しく微笑む2人に、どちらが自分の妻か分からなかった。
《分からないのですか?》
《3年も一緒に居りましたのに?》
2人は、腰を抜かしたバルドに近付いた。
バルドの右側にルリィが立ち、バルドを覗き込む。
《先日、私を殴ったではありませんか。お姉様を呼んだ事に対して……》
バルドの左側にリリィが立ち、バルドを覗き込む。
《あら?昨日、私を殴ったではありませんか。もう、忘れたのですか?》
そして、2人はお互いに顔を見合わせ、手を取った。2人の立ち位置を変えながら、バルドを追い詰めていく。
さぁ、バルド様、答えて下さる?どちらが、貴方の妻、リリィですか?
2人揃って手を差し出した。
ひとりは、春の女神のように優しく、天使の様な微笑みを浮かべ
ひとりは、月の女神のように静かで、神秘的な微笑みを浮かべ
バルドを待ち構えた。
そして、彼は春の女神のような女性の手を取った。
「お前がリリィだ!僕には分かる!どんなに微笑んでも、あの不気味さは消えないっ!」
周りにいた者たちが呆気に取られる中、選ばれなかった女性は、無表情に戻っていた。
「ふふ、ふふふ、あっはは!」
「な、なんだ!何がおかしい!」
「あら、ごめんなさい?」
「おい!いつまで、僕の妻の手を握っているつもりだっ!」
ジェストがバルドの手を捻りあげ、ルリィの手から離させる。
「つ、妻?!」
「そうだ!ルリィは、僕の妻だっ」
「じゃ、じゃあ、俺の……」
「旦那様、私だって、楽しければ笑う事もありますわ。この屋敷に来てから、楽しかった事など何一つありませんでしたけど」
リリィは、少し悲しそうに、1枚の紙をバルドに差し出した。
「お姉様が、王様に話を通して下さいまし……」
最後まで言い切る前に、扉が大きな音をたてて開きました。「リリィィィ!この、親不孝者めがっ!」と、物凄い勢いで私の元に来たのは、お父様とお母様でした。
「お父様……」
「この馬鹿娘が!侯爵家に迷惑をかけるなと言っただろう!何をしている!!たかが、母親と寝ただけだろう!それくらいで目くじらを立てるなど、器が知れとるわ!貴様が離婚したら、縁を切ると言ったはずだぞ!」
私とお父様の間に、お姉様が立ち塞がりました。仁王立ちで、お父様立ちを睨みつけます。
「縁なら切ってあげますわっ、お父様!喜んでね」
「っ!!る、ルリィ?!何故ここにお前がいる?!お前は隣国に……」
「わたしのリリィが、助けを求めて来たんですの。お父さ……いいえ、オルグマン伯爵。私も、貴女方とは縁を切らせて頂きますわ。もちろん……リリィも、縁を切らせますわ。わたくし、リリィを連れて国へ帰ります。もう、この国に関わる事は致しませんわ。二度と……ね」
「る、ルリィちゃん?何を言ってるの?お母様達を困らせないで頂戴?」
「オルグマン伯爵夫人こそ、馬鹿なことを仰らないで。そもそも、貴女方がリリィを大切にしてくれていたら、こうはならなかったのだから」
ルリィは、リリィの手を握り、部屋を出ようとした。
「待てよ!リリィっ!僕を捨てるのか!?」
「先に、私を裏切っていたのは貴方ですよ、バルド様…さようなら、私はお姉様と行きますわ。こちら、王様が下さった離婚届けです。それから、お父様、お母様、今までお世話になりました」
「待てっ!リリィ」
「待ちなさいっ!リリィ」
両親の声を振り切り、お姉様と共にウェルダン侯爵家を後にした。
この後、ウェルダン侯爵は、サリアとは離婚し、バルドを廃嫡し家を追い出した。
ウェルダン侯爵は……
隣国との同盟に、亀裂を生じさせる事態に発展しなかったとは言え、今回の事件は社交界に知れ渡り信頼を失った。
だが、ウェルダン侯爵自身は、国に貢献していたため、伯爵位への降格と領地没収で済んだ。
ジェストは約束通り、国際問題にはせず同盟は今も続いている。
オルグマン伯爵もまた、領地没収、爵位返上となり私財も全て没収となった。
平民に下った後……
王妃ルリィの元に、オルグマン伯爵と夫人が助けを求めて来たが全て無視し、オルグマン伯爵夫妻は行方不明になった。
また、ウェルダン侯爵の元妻、サリアと息子バルドは、2人揃って隣国に入ったそうだ。サリアは、実家であるサイズラスト侯爵家からも離縁され、その後の行方は分かっていない。
そして、リリィは……隣国で……
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