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◆17.君がいない夜(悠斗視点)
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……最悪だ。昨日はあの女のせいで椎名を捕まえに行けなかった。
絶対にあいつを優李に合わせるわけにはいかない。
今更、何の用だ。
高校でやっと分かれられて清々していたというのに。
『なぁ、もしかしてもうヤッちゃった?』
中学の教室で、下世話にニヤついた顔で椎名に言われた言葉が耳に蘇る。
思い出すだけで、胃の中が沸騰しそうになる。
俺の優李が、椎名の目にそういう対象として映っていたというだけで腹立たしい。あいつは、小学校のときからずっとそうだった。
優李に酷い言葉をぶつけながら、その実、あいつはずっと優李から目を離せなかったんだ。
あいつが、他のクラスの奴らに見つかるまで、優李にかけていた言葉を聞いたことがある。
『青山くんの目、きれいだね。宝石みたい』
その言葉を優李は微笑んで受け取っていた。
その光景を見たとき、俺は初めて人に対して殺意を覚えた。椎名は絶対に優李に近づけてはいけない。俺の気持ちが天に届いたのか、椎名は勝手に一人で自滅した。クラスの奴らに、椎名が青山にかまっているのを揶揄われてから、椎名は優李に対して攻撃的になったのだ。
優李を傷つけ、絶対に優李に関われないところまで一人で落ちていった。
それなのに。
今更何考えてんだ。俺がお前を許すはずないだろう。
「え、何あの人、やばいかっこいいんだけど」
「やばい、芸能人? 誰か待ってんの?」
朝の登校時間だ。学校の門の中に、黒のセーラーと学ランの生徒が吸い込まれていく。
東高校の校門で椎名を待つことにした。椎名に俺だとバレて逃げられないよう、キャップを目深に被り、ラフな姿で門のそばに立つ。だが、朝っぱらから校門に立つ見知らぬ人間、しかも顔の整った人間は目立ちすぎて、先ほどからちらちらと視線がうるさい。
だが、小西はアテにならないし、椎名と連絡を取る手段が他にないのだ。ここで待てば確実にあいつを捕まえられるだろう。
「あの~、誰か待ってるんですかぁ?」
「……ああ、2年の椎名直文って知ってるか?」
「え! 椎名の知り合いですか? やだ~、今度みんなで遊びにいきましょうよ~!」
はぁ、と大きめにため息を吐く。なんで寄ってくる女、寄ってくる女、こんな頭の軽い奴ばっかなんだ。ほんと、この顔に生まれたことを恨む。
「あ、椎名来たよ、 あそこ」
「!」
女が指差す方に、あくびをしながら歩いてくる赤髪の短髪が見える。
……椎名だ。
だが、椎名もこちらに気づいた。歩みを止めて……
「えぇ! 椎名逃げた?!」
「チッ!」
椎名の背中を追って走る。
「椎名! 待て!」
数メートル先の椎名は登校してくる学生を突き飛ばしながら駆け抜けていく。負けじとついていくが、慣れない道にどうしても少しずつ距離を開けられていく。
「クソっ!」
小道を曲がられた時点で、椎名の姿を見失った。
「はぁ、はぁ、 すげー…椎名あんな足早かったんだ」
背後から女の声がする。
「……はぁーーーー…くっそダルい」
少し遅れて、さっき校門で声をかけてきた女が追いかけてきた。思わず大きなため息が出る。どいつもこいつもめんどくせぇな。
「ねぇ、椎名だったら、クラブ行ってみたら?」
「クラブ?」
「椎名に今夜来るように声かけたげる。ね、だから一緒に遊びに行こ?」
「……」
にっこりと浮かべられる女の笑みに嫌悪感が募るが、他に頼れるものもない。ここまで来たら、もうどうにでもなれ。
約束の時間に教えられた場所へ向かってみる。薄暗い部屋の中で、耳がつぶれそうなほど大きな音が鳴り響いている。酒と香水の匂いが充満していて、足を踏み入れた瞬間に思わず顔を顰めてしまう。
一心不乱に踊ったり、体を密着させたり、テーブルを囲んで談笑したりと思い思いに客たちが楽しんでいるようだ。はぁ、ここから奴を探すのか。
入ったところで、約束をしていた女がこちらに向かって手を振っている。
「えーーー、やば、ミキどこで引っ掛けてきたのこんなイケメン…やばぁ…」
「今朝学校の前で運命の出会いしたんだぁ~」
「おい、椎名はまだきてないのか」
「もうすぐ着くみたいだよ ほら」
ミキ、と呼ばれた女はスマホをこちらに向けて、椎名とのメッセージのやり取りを見せる。確かに椎名はこちらに向かっているようだ。
俺の顔を見て逃げたということは、後ろめたいことをしてるという自覚はあるのだろう。ミキと俺のテーブルには男女が数人集まって、話をしている。
「でも、椎名といえば、散々だったよね
ほら、あの前の彼女」
「あー、なんて言ったっけ? 向篤《こうとく》高校のさ、私頭いいのよ~って鼻にかけてた子」
…… 向篤高校? うちの高校だ。
勝手に目の前で女たちが椎名の話を始めるので、他にすることもなくそのまま話をなんとなしに聞き始める。
「あ、そうだ、カエデ、カエデって言ってた」
「なんだっけ…大西…違う小西だ 小西かえで」
「……」
小西と椎名が付き合ってた?
「カエデから椎名に散々言い寄って付き合い始めた癖にさ、1ヶ月くらいでこっぴどくフッたんだよね。
裏切り者とか卑怯者とか、もー椎名かわいそうだった~」
可哀想という割に、きゃっきゃと笑いながら女たちは話している。
小西は東高校に通う従兄弟が椎名の知り合いと言っていたが、小西自身が知り合いだったってことか。
「あ、ねぇ 椎名来たよ」
ミキが耳打ちする。入り口を見ると、間違いない。椎名だ。
そっと席を立ち、ライトの当たらない暗がりを移動する。椎名はこちらには気づかず、連絡していたミキたちのテーブルに近づいていった。
椎名の背後に立つ。
「……椎名、」
「っひ!」
俺の声を聞いただけで椎名は逃げ出そうとするが、後ろ手に右手を捻り、肩を抑える。
「ぐぁ!」「騒ぎにしたくなかったら、このまま大人しく一緒に来い」
そのままクラブの外に引きずっていく。
ゴミが散乱し、酔っ払いが転がる汚い繁華街の裏通りに、椎名を転がした。
「っう!!」
「今さら、優李に何の用だよ、椎名」
「……っ
青山のことになると、まじでお前耳が早えな」
背中についたチリを両手で払いながら椎名が起き上がる。俺よりも下にある目が、俺を睨みあげている。
「高校生にもなって、過保護すぎるんじゃねぇか?
旧友に会いに行くなんて、別にお前の許可が必要なもんじゃねぇだろ」
「旧友?」
はっ、と思わず乾いた笑いが出てしまう。
「お前、優李にしたことを忘れたとは言わせないぞ」
「……っ、
お前だって同じだろうが」
「……は?」
「俺は知ってる! ずっと見てたからな!!
お前が、
お前が青山を一人きりにしてんだろうが!」
「っ…!」
思わず、目を見開く。俺の動揺に気付いたのだろう、椎名はニヤリと口角を上げて続ける。
「お前はいつだって青山のそばで、自分だけが青山の唯一の味方だって顔してたよな。
青山に近づく人間を片っ端から自分の信者にしたり、排除したりしながら、いつだって青山のそばにはお前しか残らないように仕組んでた。
だから、俺が青山に酷いことしたときだって、あいつは誰にも頼れなかったんだよ。
小学校も中学校もそうだ。
青山はいつだって一人きりだった!
お前のせいだろ!!」
光の届かない路地裏で、椎名の声だけが響く。
「言いたいことはそれだけか?」
「は?」
「お前の妄想はどうでもいい。
優李はお前に傷つけられて、お前に絶対に会いたくない。
それが事実だ。」
椎名の瞳が揺れる。だが……
「……青山の口から、聞いてない」
そんな椎名の目が暗闇の中で俺に向かって噛み付くように向けられる。俺は静かにその目を見下ろし続ける。
「聞くまでもないだろう。
明日の文化祭には絶対に来るな。いいな。
小学生の頃、お前のご両親に話したことはまだ有効だぞ」
びく、と椎名の肩が揺れる。
学校に椎名たちの愚行を報告した際に、保護者たちには伝えてあるのだ。「今後もしご子息らが青山優李に再び関わるようなことがあれば、保護者である皆様に、社会的制裁を加える」と。父のコネクションを存分に使って、あらかじめ知らしめてある。
こいつも、そんなことを起こしてまで優李に会うことはないだろう。
そもそもクラスメイトの視線が気になって、優李への想いがいじめに転じたような奴だ。
暗がりの中で俯く椎名を残して、歩き出す。
「はぁ……くっそダリィ……」
重くなった前髪をくしゃくしゃと掻き乱しながら、駅前のビジネスホテルに入る。満喫なんかに入ってしまうと、身の危険を感じるからだ。
朝から椎名を追いかけ続けて、終電も終わった深夜。もう疲れ果てた。ゆっくり眠りたい。
風呂に入り、ガウンに着替えて布団に包まる。
遠くに街の喧騒が聞こえる。カーテンの隙間からはネオンの光が漏れてくる。たくさんの人の気配がするのに、俺が欲しい人は傍にいない。
今頃はもう夢の中だろうか。
今日は夕飯に何を食べただろう。一日の間に一度も顔を見なかったなんて、初めてじゃないかな。
椎名が言ってたことは、図星だった。
優李を一人きりにしてるのは俺だ。俺は意図的に、優李を一人きりにしてきた。俺以外の誰にも頼ることがないように。優李が頼りにするのも、微笑みかけるのも、泣きつくのも、世話をするのも、全部俺だけでいい。ずっとそうやってきた。
久生が現れるまでは。
優李……。
会いたい。
お前の声が聞きたい。
絶対にあいつを優李に合わせるわけにはいかない。
今更、何の用だ。
高校でやっと分かれられて清々していたというのに。
『なぁ、もしかしてもうヤッちゃった?』
中学の教室で、下世話にニヤついた顔で椎名に言われた言葉が耳に蘇る。
思い出すだけで、胃の中が沸騰しそうになる。
俺の優李が、椎名の目にそういう対象として映っていたというだけで腹立たしい。あいつは、小学校のときからずっとそうだった。
優李に酷い言葉をぶつけながら、その実、あいつはずっと優李から目を離せなかったんだ。
あいつが、他のクラスの奴らに見つかるまで、優李にかけていた言葉を聞いたことがある。
『青山くんの目、きれいだね。宝石みたい』
その言葉を優李は微笑んで受け取っていた。
その光景を見たとき、俺は初めて人に対して殺意を覚えた。椎名は絶対に優李に近づけてはいけない。俺の気持ちが天に届いたのか、椎名は勝手に一人で自滅した。クラスの奴らに、椎名が青山にかまっているのを揶揄われてから、椎名は優李に対して攻撃的になったのだ。
優李を傷つけ、絶対に優李に関われないところまで一人で落ちていった。
それなのに。
今更何考えてんだ。俺がお前を許すはずないだろう。
「え、何あの人、やばいかっこいいんだけど」
「やばい、芸能人? 誰か待ってんの?」
朝の登校時間だ。学校の門の中に、黒のセーラーと学ランの生徒が吸い込まれていく。
東高校の校門で椎名を待つことにした。椎名に俺だとバレて逃げられないよう、キャップを目深に被り、ラフな姿で門のそばに立つ。だが、朝っぱらから校門に立つ見知らぬ人間、しかも顔の整った人間は目立ちすぎて、先ほどからちらちらと視線がうるさい。
だが、小西はアテにならないし、椎名と連絡を取る手段が他にないのだ。ここで待てば確実にあいつを捕まえられるだろう。
「あの~、誰か待ってるんですかぁ?」
「……ああ、2年の椎名直文って知ってるか?」
「え! 椎名の知り合いですか? やだ~、今度みんなで遊びにいきましょうよ~!」
はぁ、と大きめにため息を吐く。なんで寄ってくる女、寄ってくる女、こんな頭の軽い奴ばっかなんだ。ほんと、この顔に生まれたことを恨む。
「あ、椎名来たよ、 あそこ」
「!」
女が指差す方に、あくびをしながら歩いてくる赤髪の短髪が見える。
……椎名だ。
だが、椎名もこちらに気づいた。歩みを止めて……
「えぇ! 椎名逃げた?!」
「チッ!」
椎名の背中を追って走る。
「椎名! 待て!」
数メートル先の椎名は登校してくる学生を突き飛ばしながら駆け抜けていく。負けじとついていくが、慣れない道にどうしても少しずつ距離を開けられていく。
「クソっ!」
小道を曲がられた時点で、椎名の姿を見失った。
「はぁ、はぁ、 すげー…椎名あんな足早かったんだ」
背後から女の声がする。
「……はぁーーーー…くっそダルい」
少し遅れて、さっき校門で声をかけてきた女が追いかけてきた。思わず大きなため息が出る。どいつもこいつもめんどくせぇな。
「ねぇ、椎名だったら、クラブ行ってみたら?」
「クラブ?」
「椎名に今夜来るように声かけたげる。ね、だから一緒に遊びに行こ?」
「……」
にっこりと浮かべられる女の笑みに嫌悪感が募るが、他に頼れるものもない。ここまで来たら、もうどうにでもなれ。
約束の時間に教えられた場所へ向かってみる。薄暗い部屋の中で、耳がつぶれそうなほど大きな音が鳴り響いている。酒と香水の匂いが充満していて、足を踏み入れた瞬間に思わず顔を顰めてしまう。
一心不乱に踊ったり、体を密着させたり、テーブルを囲んで談笑したりと思い思いに客たちが楽しんでいるようだ。はぁ、ここから奴を探すのか。
入ったところで、約束をしていた女がこちらに向かって手を振っている。
「えーーー、やば、ミキどこで引っ掛けてきたのこんなイケメン…やばぁ…」
「今朝学校の前で運命の出会いしたんだぁ~」
「おい、椎名はまだきてないのか」
「もうすぐ着くみたいだよ ほら」
ミキ、と呼ばれた女はスマホをこちらに向けて、椎名とのメッセージのやり取りを見せる。確かに椎名はこちらに向かっているようだ。
俺の顔を見て逃げたということは、後ろめたいことをしてるという自覚はあるのだろう。ミキと俺のテーブルには男女が数人集まって、話をしている。
「でも、椎名といえば、散々だったよね
ほら、あの前の彼女」
「あー、なんて言ったっけ? 向篤《こうとく》高校のさ、私頭いいのよ~って鼻にかけてた子」
…… 向篤高校? うちの高校だ。
勝手に目の前で女たちが椎名の話を始めるので、他にすることもなくそのまま話をなんとなしに聞き始める。
「あ、そうだ、カエデ、カエデって言ってた」
「なんだっけ…大西…違う小西だ 小西かえで」
「……」
小西と椎名が付き合ってた?
「カエデから椎名に散々言い寄って付き合い始めた癖にさ、1ヶ月くらいでこっぴどくフッたんだよね。
裏切り者とか卑怯者とか、もー椎名かわいそうだった~」
可哀想という割に、きゃっきゃと笑いながら女たちは話している。
小西は東高校に通う従兄弟が椎名の知り合いと言っていたが、小西自身が知り合いだったってことか。
「あ、ねぇ 椎名来たよ」
ミキが耳打ちする。入り口を見ると、間違いない。椎名だ。
そっと席を立ち、ライトの当たらない暗がりを移動する。椎名はこちらには気づかず、連絡していたミキたちのテーブルに近づいていった。
椎名の背後に立つ。
「……椎名、」
「っひ!」
俺の声を聞いただけで椎名は逃げ出そうとするが、後ろ手に右手を捻り、肩を抑える。
「ぐぁ!」「騒ぎにしたくなかったら、このまま大人しく一緒に来い」
そのままクラブの外に引きずっていく。
ゴミが散乱し、酔っ払いが転がる汚い繁華街の裏通りに、椎名を転がした。
「っう!!」
「今さら、優李に何の用だよ、椎名」
「……っ
青山のことになると、まじでお前耳が早えな」
背中についたチリを両手で払いながら椎名が起き上がる。俺よりも下にある目が、俺を睨みあげている。
「高校生にもなって、過保護すぎるんじゃねぇか?
旧友に会いに行くなんて、別にお前の許可が必要なもんじゃねぇだろ」
「旧友?」
はっ、と思わず乾いた笑いが出てしまう。
「お前、優李にしたことを忘れたとは言わせないぞ」
「……っ、
お前だって同じだろうが」
「……は?」
「俺は知ってる! ずっと見てたからな!!
お前が、
お前が青山を一人きりにしてんだろうが!」
「っ…!」
思わず、目を見開く。俺の動揺に気付いたのだろう、椎名はニヤリと口角を上げて続ける。
「お前はいつだって青山のそばで、自分だけが青山の唯一の味方だって顔してたよな。
青山に近づく人間を片っ端から自分の信者にしたり、排除したりしながら、いつだって青山のそばにはお前しか残らないように仕組んでた。
だから、俺が青山に酷いことしたときだって、あいつは誰にも頼れなかったんだよ。
小学校も中学校もそうだ。
青山はいつだって一人きりだった!
お前のせいだろ!!」
光の届かない路地裏で、椎名の声だけが響く。
「言いたいことはそれだけか?」
「は?」
「お前の妄想はどうでもいい。
優李はお前に傷つけられて、お前に絶対に会いたくない。
それが事実だ。」
椎名の瞳が揺れる。だが……
「……青山の口から、聞いてない」
そんな椎名の目が暗闇の中で俺に向かって噛み付くように向けられる。俺は静かにその目を見下ろし続ける。
「聞くまでもないだろう。
明日の文化祭には絶対に来るな。いいな。
小学生の頃、お前のご両親に話したことはまだ有効だぞ」
びく、と椎名の肩が揺れる。
学校に椎名たちの愚行を報告した際に、保護者たちには伝えてあるのだ。「今後もしご子息らが青山優李に再び関わるようなことがあれば、保護者である皆様に、社会的制裁を加える」と。父のコネクションを存分に使って、あらかじめ知らしめてある。
こいつも、そんなことを起こしてまで優李に会うことはないだろう。
そもそもクラスメイトの視線が気になって、優李への想いがいじめに転じたような奴だ。
暗がりの中で俯く椎名を残して、歩き出す。
「はぁ……くっそダリィ……」
重くなった前髪をくしゃくしゃと掻き乱しながら、駅前のビジネスホテルに入る。満喫なんかに入ってしまうと、身の危険を感じるからだ。
朝から椎名を追いかけ続けて、終電も終わった深夜。もう疲れ果てた。ゆっくり眠りたい。
風呂に入り、ガウンに着替えて布団に包まる。
遠くに街の喧騒が聞こえる。カーテンの隙間からはネオンの光が漏れてくる。たくさんの人の気配がするのに、俺が欲しい人は傍にいない。
今頃はもう夢の中だろうか。
今日は夕飯に何を食べただろう。一日の間に一度も顔を見なかったなんて、初めてじゃないかな。
椎名が言ってたことは、図星だった。
優李を一人きりにしてるのは俺だ。俺は意図的に、優李を一人きりにしてきた。俺以外の誰にも頼ることがないように。優李が頼りにするのも、微笑みかけるのも、泣きつくのも、世話をするのも、全部俺だけでいい。ずっとそうやってきた。
久生が現れるまでは。
優李……。
会いたい。
お前の声が聞きたい。
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