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第6話
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◆神坂冬樹 視点◆
校長室から解放されたがまだ授業中で途中入室で目立つのも嫌なので今すぐ教室へ戻らず1限が終わるのを待つことにした。
今回の一連の件で鷺ノ宮や俺に嫌がらせをしてきた連中を訴えるために準備を進めていた弁護士にこちらに進展があったので訴状を提出してもらう日が近い旨を連絡した。
そして二之宮さんに鷺ノ宮を訴える上で証人として協力してもらうようにお願いするためにメッセージを送った。
まだ時間があったので私物を置かせてもらっている第2音楽室用の準備室へ入ったら部屋の管理責任者でもある音楽担当の高梨先生がいらっしゃった。
「おはようございます。ここにいらっしゃったのですね」
「あら神坂君、お疲れ様。聞いたわよ、二之宮さんが本当のことを公表したから噂が嘘だったってみんなが知ったみたいね」
「はい、お陰様で不名誉も払拭できそうです。高梨先生にはご配慮いただいていて私物破損もほとんど遭わずに済みましたし、感謝しかありません」
高梨先生は事件の直後に破かれたり落書きされたりした教科書やノートを処分しようとしていたところを見られて、それはよくないと高梨先生が管理する第2音楽室用の準備室に私物を置かせてくれるようになった。
きっかけは義憤で事件と嫌がらせは別という気持ちでの善意だったし、最初の頃は事件のこともあって警戒されていたけれど、準備室で顔を合わすたびに雑談などをしていたら好意的に接してくれるようになり、俺のことを信じてくれる様になっていたので、本当感謝しているし尊敬もしている。
高梨先生は身長が165cmくらいでスレンダーな美人で既婚者ではあるけど33歳になったばかりとは思えないくらい若々しく、またいつも笑顔で雰囲気がよく生徒だけでなく男性教師たちにも人気のある人だ。芸術科目は美術を選択しているので冤罪事件の前は話したことがなかったけど、何度も話しているうちに魅力的な人柄であることを実感した。ちなみに、高梨は旧姓で結婚してもそのまま使っているとのことだ。
「いいのですよ。わたしも神坂君がいい子だってみんなに知ってもらえたのが嬉しいですし」
「いい子って、高校生に向かって言いますか?」
「わたしから見たら高校生なんてこどもですからいい子で良いのですよ」
「先生はすぐ年寄りぶりますけど、全然お若いですよ。僕らと大して差がないですよ」
「嬉しいことを言ってくれますけど、30過ぎたおばさんよ。わたしは」
「何をおっしゃいますか。結婚してなかったら交際を申し込みたいくらい魅力的ですよ」
「またまたぁ、すごいお世辞を言うわね」
「本気ですよ。性犯罪者と言われていた僕に優しくしてくれた女神である高梨先生と結婚している旦那さんがうらやましいですよ!」
「もう、神坂君はすぐおばさんをからかうんだから。本気にしちゃったらどうするの?」
「本気にしてください!僕の18歳の誕生日に結婚しましょう!誕生日が2月3日なのが恨めしい!今、生まれてから一番両親を恨みましたよ!先生と結婚できるのがまだ1年半以上も先だなんて・・・」
高梨先生は冗談としか思っていない様だけど、高梨先生に救われたので感謝しているし、付き合いたいと思える女性は他にいない。さすがに既婚者なのでどうしようもないけど、俺が幸せにできるのならと思えるくらいには惹かれている。
「ほんと、神坂君はわたしには勿体ないくらいたくさんの好意を向けてくれるわよね」
「当たり前じゃないですか!先生はご自身の魅力に疎いですよ!」
「ふふっ。それはそれとして、前に復讐するためだけに通っていると言っていたけど学校を辞めちゃうの?」
「高梨先生と会えなくなるのが嫌なのでずっと通い続けます」
「またまたぁ、すぐそういう事を言うんだから。でも、その感じだと二学期からも通ってくれそうね」
「はい!先生に会うために辞めません!」
そんなやり取りをしていたら1限終了のチャイムが鳴ったので先生は次の時間の準備があるからと出ていってしまった。
俺も2限が始まるのに合わせて準備室をあとにした。
校長室から解放されたがまだ授業中で途中入室で目立つのも嫌なので今すぐ教室へ戻らず1限が終わるのを待つことにした。
今回の一連の件で鷺ノ宮や俺に嫌がらせをしてきた連中を訴えるために準備を進めていた弁護士にこちらに進展があったので訴状を提出してもらう日が近い旨を連絡した。
そして二之宮さんに鷺ノ宮を訴える上で証人として協力してもらうようにお願いするためにメッセージを送った。
まだ時間があったので私物を置かせてもらっている第2音楽室用の準備室へ入ったら部屋の管理責任者でもある音楽担当の高梨先生がいらっしゃった。
「おはようございます。ここにいらっしゃったのですね」
「あら神坂君、お疲れ様。聞いたわよ、二之宮さんが本当のことを公表したから噂が嘘だったってみんなが知ったみたいね」
「はい、お陰様で不名誉も払拭できそうです。高梨先生にはご配慮いただいていて私物破損もほとんど遭わずに済みましたし、感謝しかありません」
高梨先生は事件の直後に破かれたり落書きされたりした教科書やノートを処分しようとしていたところを見られて、それはよくないと高梨先生が管理する第2音楽室用の準備室に私物を置かせてくれるようになった。
きっかけは義憤で事件と嫌がらせは別という気持ちでの善意だったし、最初の頃は事件のこともあって警戒されていたけれど、準備室で顔を合わすたびに雑談などをしていたら好意的に接してくれるようになり、俺のことを信じてくれる様になっていたので、本当感謝しているし尊敬もしている。
高梨先生は身長が165cmくらいでスレンダーな美人で既婚者ではあるけど33歳になったばかりとは思えないくらい若々しく、またいつも笑顔で雰囲気がよく生徒だけでなく男性教師たちにも人気のある人だ。芸術科目は美術を選択しているので冤罪事件の前は話したことがなかったけど、何度も話しているうちに魅力的な人柄であることを実感した。ちなみに、高梨は旧姓で結婚してもそのまま使っているとのことだ。
「いいのですよ。わたしも神坂君がいい子だってみんなに知ってもらえたのが嬉しいですし」
「いい子って、高校生に向かって言いますか?」
「わたしから見たら高校生なんてこどもですからいい子で良いのですよ」
「先生はすぐ年寄りぶりますけど、全然お若いですよ。僕らと大して差がないですよ」
「嬉しいことを言ってくれますけど、30過ぎたおばさんよ。わたしは」
「何をおっしゃいますか。結婚してなかったら交際を申し込みたいくらい魅力的ですよ」
「またまたぁ、すごいお世辞を言うわね」
「本気ですよ。性犯罪者と言われていた僕に優しくしてくれた女神である高梨先生と結婚している旦那さんがうらやましいですよ!」
「もう、神坂君はすぐおばさんをからかうんだから。本気にしちゃったらどうするの?」
「本気にしてください!僕の18歳の誕生日に結婚しましょう!誕生日が2月3日なのが恨めしい!今、生まれてから一番両親を恨みましたよ!先生と結婚できるのがまだ1年半以上も先だなんて・・・」
高梨先生は冗談としか思っていない様だけど、高梨先生に救われたので感謝しているし、付き合いたいと思える女性は他にいない。さすがに既婚者なのでどうしようもないけど、俺が幸せにできるのならと思えるくらいには惹かれている。
「ほんと、神坂君はわたしには勿体ないくらいたくさんの好意を向けてくれるわよね」
「当たり前じゃないですか!先生はご自身の魅力に疎いですよ!」
「ふふっ。それはそれとして、前に復讐するためだけに通っていると言っていたけど学校を辞めちゃうの?」
「高梨先生と会えなくなるのが嫌なのでずっと通い続けます」
「またまたぁ、すぐそういう事を言うんだから。でも、その感じだと二学期からも通ってくれそうね」
「はい!先生に会うために辞めません!」
そんなやり取りをしていたら1限終了のチャイムが鳴ったので先生は次の時間の準備があるからと出ていってしまった。
俺も2限が始まるのに合わせて準備室をあとにした。
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