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第68話
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◆塚田智 視点◆
月曜日に二之宮さんのお母様から4日前から二之宮さんが音信不通になってしまっているという連絡を受けた。
お母様の話によると高校入学当初から友人の家に泊まるなど外泊が多く、1日くらいは連絡がないこともあったそうだが連絡がないまま3日経っていたため電話やメッセージでの呼び掛けたものの一切返答がないため心配になったので、その翌日である4日目に学校へ連絡してくれたという。それから3日経ってもまだ見付かっていないのが現状だ。
学校への連絡と並行して警察へも届け出てたらしいが例の事件に関わっていた男子生徒を調べて関係ない事がわかると、あとは夏休みで事件性がなさそうという判断をされ動いてくれていないそうだ。
担任の僕が連絡の担当になっているが、1日2回朝夕で設定したお母様との定時連絡以外はない。お母様もさすがにおかしいと警察へ捜査を依頼した様だが、相変わらず優先度は低いようで別途探偵を雇うことにしたらしい。
◆高梨百合恵 視点◆
二之宮さんが行方不明になって1週間が過ぎてしまった・・・知らない仲ではないので他の生徒以上に心配になっている。
昨日までは仕事が終わってから繁華街へ寄って2~3時間探してから帰宅してたけど、夏の暑さも重なってバテてしまったため今日はどこへも寄らずにまっすぐ帰宅した。
マンションまで戻ると入口で偶然冬樹君に出会った。
「こんばんは、まだまだ暑いですよね」
「そうですね。暑いのでついつい家に引きこもりがちになってしまいます」
「ところで、二之宮さんが行きそうな場所に心当たりはないかしら?
詳しいことは言えないのだけど、連絡を取りたくて電話やメッセージを送ったりお家へ行ったのだけど、どこにもいなくて探しているの」
「そうなんですか。でも、僕は二之宮さんとそんなに親しいわけではないですからわからないです」
「そうよね。申し訳ないのだけど、二之宮さんから連絡があったらわたしが連絡を欲しがっていると伝えてもらえないかしら?」
「もちろん良いですよ。
僕からもメッセージを送ってみますね」
「ありがとう。よろしくお願いね」
「はい。それと、ずいぶんお疲れの様ですけど、夏バテしちゃっていたりしませんか?
もし良かったら家事を手伝わせてもらいますよ」
「ありがとう。でも、申し出は嬉しいけど生徒にそんな事をさせられないから気持ちだけいただいておくわね」
◆二之宮凪沙 視点◆
アプリでやり取りしていた時の名前で『純愛紳士』と名乗ったオジサンに監禁されてから1週間くらいの時間が経ったと思う。
この部屋には窓がなく、時計も置かれていないので実際にどのくらいの時間が経っているのかわからない。
オジサンが時々部屋にやってきて『浄化』と呼んでいる作業を行ったり、食事や飲み物の用意や簡易トイレの始末をする以外はひとりにされ、特にやることがないこともあり、ひたすら勉強をし続け気を紛らわせていた。
「おい!凪沙!この『ダーリン』って言うのは何者だ!」
オジサンが怒鳴り込んできたと思ったら私のスマホの着信通知に表示された冬樹からのメッセージを見て怒っているようだ。
「私のダーリン、運命で結ばれている旦那様です」
「運命で結ばれているのはボクだろう!
それを凪沙にしっかり理解らせてやる!」
この時までは物理的な暴力を振るわれることがなかったけれど、殴られたり蹴られたり髪を引っ張られたりした。
スマホもロック解除のパスコードを言うように強要され、暴力に屈して言ってしまい見られてしまった。
「凪沙は、たくさんの男と関係を持っていたんだね。
浄化にどれだけの時間がかかるかわからないよ。
あと、ここのところ何度もメッセージを送ってきている高梨とかいうヤツは何者だ?」
「・・・学校の先生です」
「なんで先生が何度も凪沙にメッセージを送ってくる?
付き合っているんじゃないのか?」
「・・・付き合うもなにも・・・女の人です。
部活の顧問だから連絡が取れないことを心配してくれているのだと思います」
「そうか、邪魔だな」
月曜日に二之宮さんのお母様から4日前から二之宮さんが音信不通になってしまっているという連絡を受けた。
お母様の話によると高校入学当初から友人の家に泊まるなど外泊が多く、1日くらいは連絡がないこともあったそうだが連絡がないまま3日経っていたため電話やメッセージでの呼び掛けたものの一切返答がないため心配になったので、その翌日である4日目に学校へ連絡してくれたという。それから3日経ってもまだ見付かっていないのが現状だ。
学校への連絡と並行して警察へも届け出てたらしいが例の事件に関わっていた男子生徒を調べて関係ない事がわかると、あとは夏休みで事件性がなさそうという判断をされ動いてくれていないそうだ。
担任の僕が連絡の担当になっているが、1日2回朝夕で設定したお母様との定時連絡以外はない。お母様もさすがにおかしいと警察へ捜査を依頼した様だが、相変わらず優先度は低いようで別途探偵を雇うことにしたらしい。
◆高梨百合恵 視点◆
二之宮さんが行方不明になって1週間が過ぎてしまった・・・知らない仲ではないので他の生徒以上に心配になっている。
昨日までは仕事が終わってから繁華街へ寄って2~3時間探してから帰宅してたけど、夏の暑さも重なってバテてしまったため今日はどこへも寄らずにまっすぐ帰宅した。
マンションまで戻ると入口で偶然冬樹君に出会った。
「こんばんは、まだまだ暑いですよね」
「そうですね。暑いのでついつい家に引きこもりがちになってしまいます」
「ところで、二之宮さんが行きそうな場所に心当たりはないかしら?
詳しいことは言えないのだけど、連絡を取りたくて電話やメッセージを送ったりお家へ行ったのだけど、どこにもいなくて探しているの」
「そうなんですか。でも、僕は二之宮さんとそんなに親しいわけではないですからわからないです」
「そうよね。申し訳ないのだけど、二之宮さんから連絡があったらわたしが連絡を欲しがっていると伝えてもらえないかしら?」
「もちろん良いですよ。
僕からもメッセージを送ってみますね」
「ありがとう。よろしくお願いね」
「はい。それと、ずいぶんお疲れの様ですけど、夏バテしちゃっていたりしませんか?
もし良かったら家事を手伝わせてもらいますよ」
「ありがとう。でも、申し出は嬉しいけど生徒にそんな事をさせられないから気持ちだけいただいておくわね」
◆二之宮凪沙 視点◆
アプリでやり取りしていた時の名前で『純愛紳士』と名乗ったオジサンに監禁されてから1週間くらいの時間が経ったと思う。
この部屋には窓がなく、時計も置かれていないので実際にどのくらいの時間が経っているのかわからない。
オジサンが時々部屋にやってきて『浄化』と呼んでいる作業を行ったり、食事や飲み物の用意や簡易トイレの始末をする以外はひとりにされ、特にやることがないこともあり、ひたすら勉強をし続け気を紛らわせていた。
「おい!凪沙!この『ダーリン』って言うのは何者だ!」
オジサンが怒鳴り込んできたと思ったら私のスマホの着信通知に表示された冬樹からのメッセージを見て怒っているようだ。
「私のダーリン、運命で結ばれている旦那様です」
「運命で結ばれているのはボクだろう!
それを凪沙にしっかり理解らせてやる!」
この時までは物理的な暴力を振るわれることがなかったけれど、殴られたり蹴られたり髪を引っ張られたりした。
スマホもロック解除のパスコードを言うように強要され、暴力に屈して言ってしまい見られてしまった。
「凪沙は、たくさんの男と関係を持っていたんだね。
浄化にどれだけの時間がかかるかわからないよ。
あと、ここのところ何度もメッセージを送ってきている高梨とかいうヤツは何者だ?」
「・・・学校の先生です」
「なんで先生が何度も凪沙にメッセージを送ってくる?
付き合っているんじゃないのか?」
「・・・付き合うもなにも・・・女の人です。
部活の顧問だから連絡が取れないことを心配してくれているのだと思います」
「そうか、邪魔だな」
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