学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

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第100話

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岸元美波きしもとみなみ 視点◆

夏菜かなお姉ちゃん、春華はるかちゃんと一緒に、冬樹ふゆきとお姉ちゃんを相手にビデオチャットをしたけど、序盤で二之宮さんと仲良くしているという話から二之宮にのみやさんが鷺ノ宮さぎのみや君達を利用して冬樹の冤罪を捏ち上げたから信用できないという話になり、二之宮さんがそんなことをしないように思う事もあってちゃんと話をしようと言い返したら冬樹は二之宮さんと話をしようというわたしとは関わらないようにすると言い出し、早々にビデオチャットを終了させてしまった。

不確かなことだから二之宮さんの話を聞こうってだけのつもりだったのに・・・なんで?


「美波、なぜ二之宮凪沙なぎさを信じようと思うんだ?」


夏菜お姉ちゃんから問われた。


「なぜって・・・二之宮さんからは話を聞いていないし一方的に疑うのは良くないでしょ?」


「さっき、冬樹も言っていたが、私と美晴みはるさんは鷺ノ宮に直接話を聞いているし、状況証拠で二之宮には不審な点があるし、言動の齟齬も目立つ。
 だからこそ、冬樹は証拠が揃っていないだけで二之宮凪沙を警戒すべき状況だと判断しているし、私もその考えには賛成だ」


「・・・でも、まだわからないんだよ?」


「わからない。たしかにそうだ。だから犯人扱いまではしていないだろ?」


「犯人じゃないなら・・・」


「美波ちゃんさ、二之宮さんに親近感を持ってて、それで判断を鈍らせているように見えるよ。
 別に一緒になって糾弾しようって言うわけじゃなくて、可能性があるから距離を置いて注意しようって話だし・・・
 第一、この話はこの前したばかりだよね?
 なんで二之宮さんと親密になってるの?」


「春華、ちょっと強い言い方になってるぞ。
 美波、私達は別にお前の敵じゃないし、冬樹だってそうだ。もちろん美晴さんだってお前のことを心配している。
 その事を考えてくれないか?」


「でも、お姉ちゃんは、冬樹のことを盗った・・・」


「盗ったじゃないだろ?
 冬樹は誰のものでもないし、むしろお前が一時でも鷺ノ宮と付き合わなかったらそんな事になっていなかったと思うぞ」


「だって、騙されてたんだし・・・」


「だから、その状況を作ったのは誰だ?
 今一番怪しいのは二之宮凪沙だぞ。むしろ、鷺ノ宮隆史は巻き込まれた側ですらあり得る。
 私から見れば、美晴さんが盗ったのではなく、二之宮凪沙のせいで荒らされたタイミングでお前が冬樹を手放したから美晴さんがそれ拾った様に見える」


「そんな・・・」


「まぁ、明日から3連休だし二之宮凪沙とは会わないんだろ?」


「ううん・・・日曜日に遊ぶ約束をしてる」


その約束もわたしが二之宮さんともっと仲良くなりたくてこちらから持ち掛けて交わした約束だ。


「そうか・・・春華、お前は日曜日空いてるか?」


「え?空いてるけど、まさかあたしにそこに入れって言うの?」


「できたら側で美波についてて欲しいけど。とりあえず私とついて行かないか?」


「う~ん、まぁ、今の美波ちゃんを二之宮さんとふたりきりにさせておくのも心配だし・・・良いよ」


「え?夏菜お姉ちゃん達ついてくるの?」


「私だってできたらそんな事はしたくないが、今の美波を二之宮凪沙とふたりきりにさせるのは心配なんだよ。
 今のお前は危うく見えるんだ」


「でも、プライバシーの侵害だよ・・・」


つぶやく様に言ったら、春華ちゃんがわたしの両肩を掴んで自分の方を向けさせてきた。


「美波ちゃん!
 あたし達は美波ちゃんの事が心配なんだよ!
 その気持ちをわかってよ!」


そこまで言ったところで、春華ちゃんは涙を流し始めた。


「あたしはさっ、フユの時と同じ過ちを犯したくないんだよ!
 フユの時はちゃんと確認しないで糾弾して、気不味くなって、話しかけられなくなって、すごく辛かったんだよ!
 美波ちゃんとはそんな状況になりたくないんだよ!」


今度は涙も拭わず抱き着いてきた。

春華ちゃんはどちらかと言えば感情の起伏がある方だけど、それでもこうやって大きな感情を全身でぶつけてくるようなタイプではない。

その春華ちゃんがここまでぶつかってきたのは、余程のことだ・・・その事は受け止めて考えないといけない。



◆岸元美晴 視点◆

「もしもし、お母さん。美波が居ない時に話をしたいんだけど、近いところでそういう時ある?」


『明後日の日曜の昼なら美波はお友達と出掛けるし、わたしは家に居るわよ』


「日曜日に友だちと出掛ける?
 それって春華ちゃんや夏菜ちゃんじゃないよね?」


『うん、最近仲良くなったお友達ですって。
 えーと、名前は・・・何さんだったかしら?』


「それって、二之宮凪沙さんじゃない?」


『そうそう、二之宮さん!
 美晴も知ってるなのね』


「うん、まぁ・・・」


『それで、美晴の話はその昼間でいい?』


「・・・うん、日曜の昼頃行くね」
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