学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

文字の大きさ
115 / 252

第115話

しおりを挟む
神坂冬樹かみさかふゆき 視点◆

金曜が秋分の日で土日と繋がり3連休となる前日の木曜日、昨日に引き続き美波みなみと一緒に勉強するべく図書館へやってきた。

図書館ではうるさくできないので、わからないところがあって質問し合う時にしか話さなかったけど、美波が一方的に僕や美晴みはるさんに聞くだけだった・・・美波は昔から応用問題で躓きやすい傾向がある。

一歩進んだところにある奥にある意図を読むのが苦手な印象だ。



今日も昼食の時間を後ろにずらして勉強し続け、14時過ぎになって図書館を出た。


またファミレスで他愛のない話をして過ごしているけど、本当に美波は楽しそうに笑っている様に見える。

僕の冤罪事件が起こる前に好きだった笑顔だ・・・厳密には少し違うけど、それでも懐かしい気持ちにもなる。


「ドリンクバー取ってくるね」


美波は席を立ってドリンクバーコーナーへ向かっていった。そんな美波を見ていると美晴さんから声を掛けられた。


「美波がどうかした?」


「いえ、今日は笑顔を良く見せているなと思って」


「たしかに機嫌が良さそうだよね」


「僕が一緒にいるのが良いのでしょうか?」


「そんな感じがするよね。やっぱり、美波は冬樹くんが一緒にいた方が良いのかも」


「とは言え、いつまでも一緒にいる訳にはいかないですし・・・」



岸元きしもと美晴 視点◆

冬樹くんが美波を見る、いや見守るような視線はかつて私がずっと羨ましく思っていたそれで、美波への慕情が掘り起こされたのではないかという焦燥感が拭えない。


「それは何?彼女がいるから?」


「え?何を言うんですか?もちろん美晴さんと付き合っているのに美波と付き合うわけにいかないというのはありますけど、もう子供じゃないのだからずっと一緒というわけにもいかないってことで・・・」


「そ、そうだよね。今の言い方、感じ悪かったよね。ごめんね」


「いえ、気にするような言い方じゃなかったですよ?」


「そう?それなら良かった」


どうしても長年冬樹くんが美波のことを好きでい続けていたことが頭から離れず、不安な気持ちが感情の制御を狂わせる。

冬樹くんはちゃんと私のことを好きでいてくれている・・・それを忘れちゃダメだ!


「あれ?冬樹とお姉ちゃん、なんか雰囲気悪くなってない?」


ドリンクバーから戻ってきた美波から不意に投げかけられた言葉が思いのほか心の奥に刺さった。


「そんな事ないわよ!」


「え?あ、うん、そうだよね。なんか変なこと言ってごめんね」


「いいえ、私こそなんかキツい言い方をしてしまってごめんなさい」


「わたし、気にしてないから大丈夫だよ。
 それよりもさ、冬樹。せっかく一緒に勉強するんだったら復学しない?
 やっぱり自分の力だけだと不安になるし、ちゃんと学校で勉強した方が良いと思うんだ」


「美波、それは性急よ。冬樹くんは病院にだってかかっているのだし、軽々に決めて良いことじゃないわ」


「でも、良くなっているんでしょ?
 とりあえず、病院の医師せんせいに相談するのは良いんじゃないの?」


「それは・・・」


「美晴さん、僕のことを心配してくれるのは嬉しいですけど、美波が言うことも理があると思うんです。
 やっぱり勉強を一人で続けるのは大変だし、学校へ行くのも選択肢としてはありかなと思います。
 来週にでも医師せんせいに相談して可能性を探るのはやっても良いかなと思うのですけど、どうでしょうか?」


「たしかに、冬樹くんが言う通りよね。学校へ行けるのなら行った方が良いわよね・・・」


「そうですよ。それに、前に美晴さんが言ってたじゃないですか?
 秀優しゅうゆうを卒業して欲しいって。
 それはできるだけ実現したいんですよ」


たしかに言った。時期は違っても同じ学校の卒業生という繋がりが欲しかったから・・・でも、それはただの卒業生という肩書を欲しただけで、実際に学校へ行ってほしかったわけではない。

ずいぶん良くなったように見えるけどまだまだ心の問題は心配だし、今の冬樹くんが美波と学校へ行くとふたりの繋がりが強くなる・・・どんなに好意的になってきていると言っても、生徒の中には冬樹くんや美波に対して奇異の目で見てくる人もいるだろうし、それが表立って感じられるほどなら互いを庇いあって時間だけでなく気持ちも一緒になる事が多くなるだろう・・・

冬樹くんのことは信頼しているけど、それでもどうしても冬樹くんが美波をずっと好きで居続けたという事実は不安を掻き立ててしまう。



◆岸元美波 視点◆

冬樹が復学へ前向きな雰囲気なので、改めて誘ってみたら冬樹の感触は良い感じだけど、反面お姉ちゃんは反対みたいだ。

お姉ちゃんは心配性なところもあるから色々な可能性を考えてしまっているのかも知れないけど、やってみてダメならまた休めば良いだけだと思う。

それにしても、あまりにも心配し過ぎな感じがする・・・もしかして、わたしに冬樹を取られるかも知れないと思っている?

冬樹とお姉ちゃんはわたしから見た感じよりもまだ結び付きが弱いのかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...