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第127話
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◆赤堀みゆき 視点◆
生理が来ないからと妊娠検査薬で確認をしたら陽性だったためものすごく動揺してしまっていて、居候している冬樹のカノジョである美晴ちゃんに報告を装った相談をしてしまった。
一緒に暮らしていて気心が知れてきたという甘えもあった。けれど、私が妊娠していたらその父親は冬樹しかいないし、美晴ちゃんからしたらあの時はまだ付き合っていなかったとは言え、カレシの赤ちゃんを身籠ったなんて話を聞かされて心中穏やかでいられるわけがないし、それどころか許せないことだとすら思っても不思議はないから報告するまではすごく怖かったけれど、気遣うように応じてくれた。
美晴ちゃんは本当に人格ができていると思う。こんな自分のことしか考えられなかった私の相談に対して、一緒に病院へ行ってくれると言ってくれた。
タイミングが良かったのか『今日は2コマ目の講義しかないですから、それが終わったら一緒に行きましょう。保険証は持っていますか?申し訳ないですけど1時間半ほど待っていてください』と言ってくれて、今は美晴ちゃんが講義を終えて戻ってくるのを人気の少ないベンチで待っている。
講義が終わる時間になって美晴ちゃんが戻ってきた。
「お待たせしました。
・・・みゆきさん、顔色が良くないですけど大丈夫ですか?」
「え?自覚はないのだけど、そんなに顔色が悪い?」
「ええ。ちょっと見てください」
そう言いながら美晴ちゃんはコンパクトの鏡を見せてくれた。
たしかに、とても顔色が良くない。言われるまで気付かなかったけど、待っている間に色々考え込んでしまって冴えない表情になっていたようだ。
「たしかに酷い顔しているわね。
でも、大丈夫よ」
「わかりました。それなら早い方が良いですし、今から病院へ行きましょうか」
病院で診察をしてもらったところ、ただの生理不順で精神的なストレスでホルモンバランスが崩れているために検査薬で陽性反応が出てしまったのだろうという事だった。
必要はないかも知れないということだけど、一応ピルを処方してもらって今日のところはそれで終わった。
「美晴ちゃん、今日は本当にありがとう。そして、ごめんなさい」
「いえ、そんな・・・一緒に暮らしていてみゆきさんの事は僭越ながら姉の様に思わせてもらっていますし、困った時はお互い様ですよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、今回ばかりは私が非常識すぎたと思うのよ。
自分のカレシのこどもを身籠ったかもしれないと言われて、不快にならない人はいないでしょ。
今回だって自分で向き合ってひとりで病院へ来ていれば美晴ちゃんを煩わせることなんてなかったはずだし・・・」
今更ながら自分で言っていて自分の浅はかさを噛みしめている。
◆岸元美晴 視点◆
「たしかに私も混乱しましたけど、不快ということはなかったですよ。
むしろ頼ってもらったのは嬉しかったです。
あと、言葉だけでは実感がなかったんだと思います。みゆきさんの見た目は変わりがなかったですし、お腹が大きくなってきたら違ったのかもしれないですが・・・」
自分で言った通りでまるで実感がなかった。セックスは私も冬樹くんとしているし、高校の時から友達などとの話にも出てきているからしている人はしているという認識はあるけど、それで妊娠したという話は今まで聞いたことがなかったのでその事の重さを理解できていないのだと思う。
「本当に美晴ちゃんはいい娘ね。
美晴ちゃんが困ったことがあった時には絶対に恩返しするからね。
その時は遠慮しないで頼ってよ」
「はい、その時はお願いしますね」
「って、言ってもさ、今回のことで改めて思ったんだけど、一度家に帰って両親と話をしてみるわ。
それで向こうが良いって言うなら家へ戻るわね」
「たしかに、ご両親のことは良いのかな?と思っていましたけど、お話はできそうなんですか?」
「実を言うと、直接の連絡を無視していたら百合恵にも連絡してきてて、百合恵から一度家へ戻って両親と話をしなさいって言われているのよ」
「そうだったのですか・・・寂しくなりそうですね」
特に考えずに出てきた言葉だけど、ちゃんと口にしたら『みゆきさんが居なくなったら寂しい』と強く認識した。
「家へ戻ったとしても遊びに行くから、その時は私の相手をしてよ」
「そうですね。いつでも会えますよね」
「まぁ、まだ私が家へ戻れるか決まっていないんだけどね」
「でも、高梨先生にも連絡をされるくらいですからご両親は戻ってきて欲しいのではないですか?」
「そうかもね。向こうが折れるなら、私も折れないとダメよね」
まだ日が高いけどもうクタクタだ。冬樹くんの復帰初日の登校を見送って、みゆきさんの妊娠したかもしれないという話からの病院への付き添いで思いのほか疲れが出てしまったらしい。
そう思ってたら意識が・・・
◆神坂冬樹 視点◆
もうすぐ下校時間になるというタイミングになってみゆきさんから電話があった。
普段ならメッセージアプリでやり取りをしているので緊急性のある話だろうと言うことで、監督している高梨先生に断りを入れてから出ると、美晴さんが気を失って病院へ運ばれたと言う話だった。
生理が来ないからと妊娠検査薬で確認をしたら陽性だったためものすごく動揺してしまっていて、居候している冬樹のカノジョである美晴ちゃんに報告を装った相談をしてしまった。
一緒に暮らしていて気心が知れてきたという甘えもあった。けれど、私が妊娠していたらその父親は冬樹しかいないし、美晴ちゃんからしたらあの時はまだ付き合っていなかったとは言え、カレシの赤ちゃんを身籠ったなんて話を聞かされて心中穏やかでいられるわけがないし、それどころか許せないことだとすら思っても不思議はないから報告するまではすごく怖かったけれど、気遣うように応じてくれた。
美晴ちゃんは本当に人格ができていると思う。こんな自分のことしか考えられなかった私の相談に対して、一緒に病院へ行ってくれると言ってくれた。
タイミングが良かったのか『今日は2コマ目の講義しかないですから、それが終わったら一緒に行きましょう。保険証は持っていますか?申し訳ないですけど1時間半ほど待っていてください』と言ってくれて、今は美晴ちゃんが講義を終えて戻ってくるのを人気の少ないベンチで待っている。
講義が終わる時間になって美晴ちゃんが戻ってきた。
「お待たせしました。
・・・みゆきさん、顔色が良くないですけど大丈夫ですか?」
「え?自覚はないのだけど、そんなに顔色が悪い?」
「ええ。ちょっと見てください」
そう言いながら美晴ちゃんはコンパクトの鏡を見せてくれた。
たしかに、とても顔色が良くない。言われるまで気付かなかったけど、待っている間に色々考え込んでしまって冴えない表情になっていたようだ。
「たしかに酷い顔しているわね。
でも、大丈夫よ」
「わかりました。それなら早い方が良いですし、今から病院へ行きましょうか」
病院で診察をしてもらったところ、ただの生理不順で精神的なストレスでホルモンバランスが崩れているために検査薬で陽性反応が出てしまったのだろうという事だった。
必要はないかも知れないということだけど、一応ピルを処方してもらって今日のところはそれで終わった。
「美晴ちゃん、今日は本当にありがとう。そして、ごめんなさい」
「いえ、そんな・・・一緒に暮らしていてみゆきさんの事は僭越ながら姉の様に思わせてもらっていますし、困った時はお互い様ですよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、今回ばかりは私が非常識すぎたと思うのよ。
自分のカレシのこどもを身籠ったかもしれないと言われて、不快にならない人はいないでしょ。
今回だって自分で向き合ってひとりで病院へ来ていれば美晴ちゃんを煩わせることなんてなかったはずだし・・・」
今更ながら自分で言っていて自分の浅はかさを噛みしめている。
◆岸元美晴 視点◆
「たしかに私も混乱しましたけど、不快ということはなかったですよ。
むしろ頼ってもらったのは嬉しかったです。
あと、言葉だけでは実感がなかったんだと思います。みゆきさんの見た目は変わりがなかったですし、お腹が大きくなってきたら違ったのかもしれないですが・・・」
自分で言った通りでまるで実感がなかった。セックスは私も冬樹くんとしているし、高校の時から友達などとの話にも出てきているからしている人はしているという認識はあるけど、それで妊娠したという話は今まで聞いたことがなかったのでその事の重さを理解できていないのだと思う。
「本当に美晴ちゃんはいい娘ね。
美晴ちゃんが困ったことがあった時には絶対に恩返しするからね。
その時は遠慮しないで頼ってよ」
「はい、その時はお願いしますね」
「って、言ってもさ、今回のことで改めて思ったんだけど、一度家に帰って両親と話をしてみるわ。
それで向こうが良いって言うなら家へ戻るわね」
「たしかに、ご両親のことは良いのかな?と思っていましたけど、お話はできそうなんですか?」
「実を言うと、直接の連絡を無視していたら百合恵にも連絡してきてて、百合恵から一度家へ戻って両親と話をしなさいって言われているのよ」
「そうだったのですか・・・寂しくなりそうですね」
特に考えずに出てきた言葉だけど、ちゃんと口にしたら『みゆきさんが居なくなったら寂しい』と強く認識した。
「家へ戻ったとしても遊びに行くから、その時は私の相手をしてよ」
「そうですね。いつでも会えますよね」
「まぁ、まだ私が家へ戻れるか決まっていないんだけどね」
「でも、高梨先生にも連絡をされるくらいですからご両親は戻ってきて欲しいのではないですか?」
「そうかもね。向こうが折れるなら、私も折れないとダメよね」
まだ日が高いけどもうクタクタだ。冬樹くんの復帰初日の登校を見送って、みゆきさんの妊娠したかもしれないという話からの病院への付き添いで思いのほか疲れが出てしまったらしい。
そう思ってたら意識が・・・
◆神坂冬樹 視点◆
もうすぐ下校時間になるというタイミングになってみゆきさんから電話があった。
普段ならメッセージアプリでやり取りをしているので緊急性のある話だろうと言うことで、監督している高梨先生に断りを入れてから出ると、美晴さんが気を失って病院へ運ばれたと言う話だった。
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