学校の空き教室へ仕掛けた防犯カメラにマズい映像が映っていた

したらき

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第146話

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高梨百合恵たかなしゆりえ 視点◆

悠一ゆういちさんとの離婚をきっかけにみゆきとルームシェアを始めた。

冬樹ふゆき君と交わったという事実から同性愛と言うのはみゆきの思い込みでわたしへの思慕を恋愛感情と区別ができていないのではないかという可能性が思い浮かんでいて、その区別ができていないことからの思い込みを払拭するには一緒に生活をするのが早いのではないかという思惑から誘ったというのもある。

わたしのせいでみゆきの性指向が同性愛なのではないかと錯覚させてしまったのなら、一人娘のみゆきに男性と結婚して孫を産んで見せて欲しいという想いを持っているご両親への申し訳なさがあるのでそれは正したいと思う。

これから共同生活を始めていこうという時にみゆきから話を振られたので思い切ってディープキスをしたところ、好きな人からされてする様な反応ではなく常識外のことが起きたという様な反応を示したのでそのことを指摘してみたら、得心がいったような様子だったので幸先の良いスタートを切れた様に思う。


自分でも驚くほど大胆なことをしたけど、みゆきの初心な反応を見られたのは新鮮で可愛くて昔の学生の頃の事を思い出せて微笑ましかった。



鷺ノ宮那奈さぎのみやなな 視点◆

凪沙なぎささんと生活をするようになって、少しずつだけど私に対して心を開いてくれているのが感じられる。

凪沙さんは頭が良く勘所を掴むのが巧いのでポイントを押さえて少し説明するだけで多くのことを卒なく対応できる。隆史たかしもそういったところは上手にできる方だけど、凪沙さんは非凡な才能がある様に思う。

その能力に対して両親に価値観が歪められて善悪の判断がブレていたのだから問題を起こした時の影響が大きいのも無理からぬことだと理解できた・・・私の家族など多くの人が不幸になってしまっている現状からすれば今更の話だけど、せめて今からでも正しい方向へこのを導いてあげられればと思う。

不幸になった人達からすれば憤ることだけど、贖罪が終わった時にはこのにもちゃんと幸せになって欲しい。



腕の骨折はギブスが外れリハビリも順調に進んでいてそろそろ職場ソープランドへの復帰をと思っていたところで元の会社から声をかけられ、私が居なくなって業務の処理が滞るようになってしまっていて私を慕ってくれている後輩を中心に復職を望まれれているということでありがたく思う。

お金については父が再就職したことでなんとかなりそうということもあり、元の職場へ復職して性風俗店ソープランドを辞めるべく店長へ相談したところ『店としては早桜ささちゃんは人気があってお客様からいつ復帰するのかという問い合わせも多いからずっと続けて欲しいけど、無理強いはできないから尊重するよ。そもそも風俗うちみたいな店はいきなり来なくなって音信不通になるが多いのにちゃんと相談してくれるのは嬉しいよ』と言ってもらえ、思いの外あっさり引退が決まった。『復帰したくなったらいつでも歓迎する』とも言ってもらえたけど、できたらそうはならない様にしたいと思っている・・・お世話になった方に対して面と向かって言えないけど、私には大変な仕事だったのでできたら二度とやりたくはない。



義之よしゆきさんはまだうちに来て結婚の再考を求めてくるけど、私は義之さんに想われるような綺麗な存在ではなくなっているので固辞し続けている。義之さんには凪沙さんが責任を感じてしまうので話すらしたくないとお願いしているのにもかかわらず何度もうちへ来て同じ事を繰り返すので困っている。

他にも風見かざみさんも怪我のお見舞いと言って時々来るようになっている。義之さんとのトラブルの一件もあり、話している内に私の事情や住所を話してしまったので来られるようになってしまい、困惑しているけど、毒気のない風見さんの顔を見ていると実害はないからと警戒心が霧散していく。

あと、意外なのが芳川よしかわさんのお兄さんもお見舞いとして何度か足を運んできていて、芳川さんが被害に遭った遠因である凪沙さんを保護するという裏切り行為をしているから見限って欲しいと言っているけど、私にはわからない理屈で私への好意が増しているようで回数を重ねるごとにその好意が顕著になっている・・・



塚田智つかださとる 視点◆

僕のクラスに他クラスからの編入が2名と転校生が3名と外国人留学生1名が配属される予定になった。時期としては、修学旅行明けに編入の2名と転校生1名が来て、12月の頭に転校生1名と留学生、年が明けて三学期の初めから最後の転校生が配属されることになっている。

今年度は一学期の事件の影響で退学などで大量の欠員が出たり、岸元きしもとさんと神坂かみさか君のフォローをすることになったりと大変だったけど、更に多くの生徒を新たに受け入れると言うのは負担が大きすぎて文句の一つも言いたくなる。とは言え、高梨先生とは話をするきっかけができたし悪いことばかりではないとも言える。

最初の転校生についても、修学旅行中に手続きを行う関係で修学旅行に同行しない高梨先生が僕の変わりに説明をする流れで引き継ぎで話をできるのは役得だと思うし、今後も関わりを増やせる機会を得られるかと思うと悪くない。

高梨先生と言えば最近は忙しそうにしている事が多いし、また落ち込んでいる姿を見かけることが割りとある・・・何かあったのだろうか?
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