172 / 252
第172話
しおりを挟む
◆岸元美晴 視点◆
冬樹くんが帰ってこない。
今日は転校生達の歓迎会をするから遅くなるとは聞いていた。
心配になって20時ごろから合間を見て何度かメッセージを送ってみたけれど既読も付かないし、電話をしても電源が切れているか圏外にずっといるのか何回かかけているけど繋がらない。
そして、もう22時を過ぎていて高校生が外を出歩いて良い時間は過ぎている。
いくらなんでもおかしいと思って美波に電話することにした。
「もしもし美波!冬樹くんが帰ってこないのだけど歓迎会は終わっているのよね?」
『ええ!?冬樹、家に帰ってないの?
歓迎会は7時過ぎに終わってその場で解散して冬樹も帰っていったよ』
「そうなのね。いくらなんでも遅いと思って美波に電話させてもらったのだけど、遅すぎたみたいね」
『そうだよ。高校生なんだからそんな遅くまでカラオケ店に居られないよ』
「そうよね。悪いけど、神坂のお家の人達に伝えておいて。
私は今から冬樹くんを探しに行くから」
『ちょっと待って!』
「何?今言った通り冬樹くんを探しに行かないといけないから」
『だから、冬樹の居るところに当てはあるの?
それに警察に連絡してもらう?』
「そうね。警察には連絡してもらってちょうだい。
当てはないから駅まで行ってみる」
『わかった。小母さんにお願いするね。
あと冬樹と別れたのは学校の最寄り駅だよ』
「ありがとう。それとよろしくね」
『うん、わかった。お姉ちゃんも夜遅いんだし気を付けてね』
「うん、気を付けるね」
冬樹くんを探すために周囲を見渡しながら駅まで向かって歩いていると12月の金曜日の夜ということもあり普段よりもお酒を飲んでいる人が多く、中には嫌らしい目線を向けてくる男性も居る。
駅も近いし人気のないところは少ないとは言え、この時間にひとりで出歩くのはやはり怖い。特に複数人で行動している男性たちに見られていると駆け出して逃げたくなる。
何事もなく駅までたどり着いたけど、冬樹くんについても何の収穫もなかった。もう一度冬樹くんのスマホに電話をしてみるけどまだ電波が繋がらない状態のままだ。
次は美波に電話をすることにした。
『もしもし、美晴ちゃん?穂奈美です。
美波ちゃんに電話を代わってもらったの』
「小母様、すみません。私がもっと早く気付いていれば」
『何言ってるの。連絡もせず行方不明になってる冬樹が悪いに決まってるでしょ。
それより今うちの旦那が警察に連絡してるから、美晴ちゃんはお家に帰って。
忘年会シーズンだし女の子がひとりで歩いてたら酔っ払いに絡まれちゃうでしょ。
冬樹を心配してくれるのは嬉しいけど、美晴ちゃんに何かあったら光さん達に申し訳ないし、冬樹だって悲しむわよ』
「でも・・・」
『いいから、何かわかったら真夜中でも連絡してあげるから夜が明けるまでは家に居てちょうだい』
「わかりました・・・」
小母様の言う通り当てもなく夜出回ることの方が危険だという当たり前のことに立ち返って今日のところは家へ帰ることにした。
「そこのおじょうちゃ~ん。俺らと一緒に飲まな~い」
帰り道、同い年くらいの男性3人組から声を掛けられてしまった。
「いいえ、お酒は飲めませんのでお断りします!」
「まぁまぁ、そう言わないでさー」
幼く見える容姿なのでいつものように未成年を装って乗り切ろうとしたものの、手首を掴まれ3人に囲まれてしまって逃げそびれてしまった。それと深酒をしているのか息が酒臭い。
「あれ?良く見たらこの娘すごく可愛くね?」
「ほんとだ。ねぇねぇ俺らとイイコトしようぜ?」
「いやっ!手を離してください!」
抵抗しようにも手首を強く掴まれてて逃げ出すこともできないし、3人に囲まれていて恐怖心が起き足が竦んでしまっている。
「別に、いじめようってわけじゃないんだよ。
お互いに気持ちよくなろうぜって提案してるだけなんだから良いよね?」
「よく・・・ない・・・」
「おい!その娘を離せ!
この通り一一〇番通報してるぞ!
すぐに警察が来るからな!」
どこかの学校指定のものと思われるジャージを着た男の子が一一〇番に通話中と表示しているスマホをかざして威嚇して、それを受けて囲んでいた男性たちはすぐさま走って逃げていった。
「ありが」
「中学生?こんな時間に出歩いたらダメだろ!」
「あの、ありがとう。それと、こう見えても私は成人してるんだ」
「え?ご、ごめんなさい!」
「謝らないで。助けてくれたんだし、ほんと怖かったから嬉しかった。
それと、警察に電話したんだよね?
説明しないとダメだよね?」
「ああ、これは大丈夫です。一一〇番通報している時の通話状態の表示をするための動画なので。多分これで逃げると思ってホントは通報してないです」
機転の効かせ方もよい利発な子みたいだ。
「そうなんだ。そんな動画があるんだね」
「はい、まさか使うことになるとは思いませんでしたけど役に立てて良かったです」
「それはそうと、君こそ高校生に見えるけど、こんな時間に出歩いてたらダメじゃない?」
「そうですよね。今日は学校の友達と遊んでて帰りが遅くなったから・・・
東京へ出てきて生まれて初めてクラスメイトと遊んだので楽しくなって、二次会にも参加して遅くなっちゃって、それでも日課のトレーニングをしておきたくて、明日は休みだし遅くなっても良いかなと・・・」
「そうなんだ、最近東京へ越してきたの?」
「はい、今週北海道から引っ越してきました」
「そっか、そのジャージの学校に見覚えがないと思った。北海道の学校のもの?」
「はい、転校前の学校のものです」
「っと、引き止めちゃってごめんね。さっきは本当にありがとう、それじゃあ」
「ちょっと待ってください!
心配なので家まで送らせてください」
「すぐそこだし、大丈夫だよ」
「すぐなら尚更です!」
結局、この親切な高校生にマンションのエントランスまで送ってもらった。
◆江藤瞬 視点◆
今日は学校で歓迎会をしてもらえて、楽しい気分でいたので解散した後に希望者だけで集まった二次会に参加していた。
ローランと梅田さんは参加しなかったので唯一の歓迎される側として気遣ってもらったが、面白くない陰口も聞かされたので失敗したかもしれないとも思った。
俺が一番魅力的に思っている春華さんについて悪し様にいう女子には嫌悪感しかなかったし、岸元さんが凌辱されている動画を見せてきて『おかずにしてる』と言ってきた男子には怒りの感情が湧いてきた。
不快な気持ちになったし知れて良かったとは思わないけど、転校してくる前に学校で起こっていた事件について断片的に触れさせられたことで、クラスにある妙な緊張感の正体については察することができた。
そんな不快だった二次会から帰宅し、モヤモヤした気持ちを発散したい気分にもなっていたので・・・本来ならもう高校生が出歩いて良い時間ではないけど・・・日課のジョギングをしていたら女子中学生が酔っ払いの男たちに絡まれていたので割って入って追い払った。
その女子中学生と思っていた女性は既に成人しているということで、失礼なことを言ってしまったけれどそれを気にすることもなくむしろちゃんと感謝をしてくれる素敵な女性だった。
春華さんもすごく素敵だけれど、その春華さん以上に素敵な笑顔で別れてから名前を聞かなかったことを後悔した。
でも、住んでいる場所はわかったのでジョギングのコースにあのマンションの前の道を入れることにした。
◆神坂冬樹 視点◆
梅田さん達の歓迎会で思いのほか疲労が溜まってしまったらしい。
最近は調子が良かったので意識しなくなっていたけれど、他人の悪意に触れると疲れてしまいやすい状況は変わっていないようで今日は完全に油断していた。
表面的には友好的に振る舞っていてもやはり仄暗い部分はある様で、ローラン君達と一緒にいることが多いハルや美波への嫉妬からか陰口を言うものがいて何度となく聞こえてきた・・・とは言え、ハルや美波を守ることを考えたら不参加はあり得なかったので参加したことには後悔はない。
そんな精神をすり減らす環境に居続けたせいか、ハル達と別れひとりで電車に乗り座席へ座った瞬間意識を失ってしまった。
冬樹くんが帰ってこない。
今日は転校生達の歓迎会をするから遅くなるとは聞いていた。
心配になって20時ごろから合間を見て何度かメッセージを送ってみたけれど既読も付かないし、電話をしても電源が切れているか圏外にずっといるのか何回かかけているけど繋がらない。
そして、もう22時を過ぎていて高校生が外を出歩いて良い時間は過ぎている。
いくらなんでもおかしいと思って美波に電話することにした。
「もしもし美波!冬樹くんが帰ってこないのだけど歓迎会は終わっているのよね?」
『ええ!?冬樹、家に帰ってないの?
歓迎会は7時過ぎに終わってその場で解散して冬樹も帰っていったよ』
「そうなのね。いくらなんでも遅いと思って美波に電話させてもらったのだけど、遅すぎたみたいね」
『そうだよ。高校生なんだからそんな遅くまでカラオケ店に居られないよ』
「そうよね。悪いけど、神坂のお家の人達に伝えておいて。
私は今から冬樹くんを探しに行くから」
『ちょっと待って!』
「何?今言った通り冬樹くんを探しに行かないといけないから」
『だから、冬樹の居るところに当てはあるの?
それに警察に連絡してもらう?』
「そうね。警察には連絡してもらってちょうだい。
当てはないから駅まで行ってみる」
『わかった。小母さんにお願いするね。
あと冬樹と別れたのは学校の最寄り駅だよ』
「ありがとう。それとよろしくね」
『うん、わかった。お姉ちゃんも夜遅いんだし気を付けてね』
「うん、気を付けるね」
冬樹くんを探すために周囲を見渡しながら駅まで向かって歩いていると12月の金曜日の夜ということもあり普段よりもお酒を飲んでいる人が多く、中には嫌らしい目線を向けてくる男性も居る。
駅も近いし人気のないところは少ないとは言え、この時間にひとりで出歩くのはやはり怖い。特に複数人で行動している男性たちに見られていると駆け出して逃げたくなる。
何事もなく駅までたどり着いたけど、冬樹くんについても何の収穫もなかった。もう一度冬樹くんのスマホに電話をしてみるけどまだ電波が繋がらない状態のままだ。
次は美波に電話をすることにした。
『もしもし、美晴ちゃん?穂奈美です。
美波ちゃんに電話を代わってもらったの』
「小母様、すみません。私がもっと早く気付いていれば」
『何言ってるの。連絡もせず行方不明になってる冬樹が悪いに決まってるでしょ。
それより今うちの旦那が警察に連絡してるから、美晴ちゃんはお家に帰って。
忘年会シーズンだし女の子がひとりで歩いてたら酔っ払いに絡まれちゃうでしょ。
冬樹を心配してくれるのは嬉しいけど、美晴ちゃんに何かあったら光さん達に申し訳ないし、冬樹だって悲しむわよ』
「でも・・・」
『いいから、何かわかったら真夜中でも連絡してあげるから夜が明けるまでは家に居てちょうだい』
「わかりました・・・」
小母様の言う通り当てもなく夜出回ることの方が危険だという当たり前のことに立ち返って今日のところは家へ帰ることにした。
「そこのおじょうちゃ~ん。俺らと一緒に飲まな~い」
帰り道、同い年くらいの男性3人組から声を掛けられてしまった。
「いいえ、お酒は飲めませんのでお断りします!」
「まぁまぁ、そう言わないでさー」
幼く見える容姿なのでいつものように未成年を装って乗り切ろうとしたものの、手首を掴まれ3人に囲まれてしまって逃げそびれてしまった。それと深酒をしているのか息が酒臭い。
「あれ?良く見たらこの娘すごく可愛くね?」
「ほんとだ。ねぇねぇ俺らとイイコトしようぜ?」
「いやっ!手を離してください!」
抵抗しようにも手首を強く掴まれてて逃げ出すこともできないし、3人に囲まれていて恐怖心が起き足が竦んでしまっている。
「別に、いじめようってわけじゃないんだよ。
お互いに気持ちよくなろうぜって提案してるだけなんだから良いよね?」
「よく・・・ない・・・」
「おい!その娘を離せ!
この通り一一〇番通報してるぞ!
すぐに警察が来るからな!」
どこかの学校指定のものと思われるジャージを着た男の子が一一〇番に通話中と表示しているスマホをかざして威嚇して、それを受けて囲んでいた男性たちはすぐさま走って逃げていった。
「ありが」
「中学生?こんな時間に出歩いたらダメだろ!」
「あの、ありがとう。それと、こう見えても私は成人してるんだ」
「え?ご、ごめんなさい!」
「謝らないで。助けてくれたんだし、ほんと怖かったから嬉しかった。
それと、警察に電話したんだよね?
説明しないとダメだよね?」
「ああ、これは大丈夫です。一一〇番通報している時の通話状態の表示をするための動画なので。多分これで逃げると思ってホントは通報してないです」
機転の効かせ方もよい利発な子みたいだ。
「そうなんだ。そんな動画があるんだね」
「はい、まさか使うことになるとは思いませんでしたけど役に立てて良かったです」
「それはそうと、君こそ高校生に見えるけど、こんな時間に出歩いてたらダメじゃない?」
「そうですよね。今日は学校の友達と遊んでて帰りが遅くなったから・・・
東京へ出てきて生まれて初めてクラスメイトと遊んだので楽しくなって、二次会にも参加して遅くなっちゃって、それでも日課のトレーニングをしておきたくて、明日は休みだし遅くなっても良いかなと・・・」
「そうなんだ、最近東京へ越してきたの?」
「はい、今週北海道から引っ越してきました」
「そっか、そのジャージの学校に見覚えがないと思った。北海道の学校のもの?」
「はい、転校前の学校のものです」
「っと、引き止めちゃってごめんね。さっきは本当にありがとう、それじゃあ」
「ちょっと待ってください!
心配なので家まで送らせてください」
「すぐそこだし、大丈夫だよ」
「すぐなら尚更です!」
結局、この親切な高校生にマンションのエントランスまで送ってもらった。
◆江藤瞬 視点◆
今日は学校で歓迎会をしてもらえて、楽しい気分でいたので解散した後に希望者だけで集まった二次会に参加していた。
ローランと梅田さんは参加しなかったので唯一の歓迎される側として気遣ってもらったが、面白くない陰口も聞かされたので失敗したかもしれないとも思った。
俺が一番魅力的に思っている春華さんについて悪し様にいう女子には嫌悪感しかなかったし、岸元さんが凌辱されている動画を見せてきて『おかずにしてる』と言ってきた男子には怒りの感情が湧いてきた。
不快な気持ちになったし知れて良かったとは思わないけど、転校してくる前に学校で起こっていた事件について断片的に触れさせられたことで、クラスにある妙な緊張感の正体については察することができた。
そんな不快だった二次会から帰宅し、モヤモヤした気持ちを発散したい気分にもなっていたので・・・本来ならもう高校生が出歩いて良い時間ではないけど・・・日課のジョギングをしていたら女子中学生が酔っ払いの男たちに絡まれていたので割って入って追い払った。
その女子中学生と思っていた女性は既に成人しているということで、失礼なことを言ってしまったけれどそれを気にすることもなくむしろちゃんと感謝をしてくれる素敵な女性だった。
春華さんもすごく素敵だけれど、その春華さん以上に素敵な笑顔で別れてから名前を聞かなかったことを後悔した。
でも、住んでいる場所はわかったのでジョギングのコースにあのマンションの前の道を入れることにした。
◆神坂冬樹 視点◆
梅田さん達の歓迎会で思いのほか疲労が溜まってしまったらしい。
最近は調子が良かったので意識しなくなっていたけれど、他人の悪意に触れると疲れてしまいやすい状況は変わっていないようで今日は完全に油断していた。
表面的には友好的に振る舞っていてもやはり仄暗い部分はある様で、ローラン君達と一緒にいることが多いハルや美波への嫉妬からか陰口を言うものがいて何度となく聞こえてきた・・・とは言え、ハルや美波を守ることを考えたら不参加はあり得なかったので参加したことには後悔はない。
そんな精神をすり減らす環境に居続けたせいか、ハル達と別れひとりで電車に乗り座席へ座った瞬間意識を失ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる