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第181話
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◆津島玲香 視点◆
みはるんが冬樹君へ妊娠したことを告げることへの恐怖心があるのを察したみゆきさんが同席することを申し出て、アタシもそれに相乗りする形で同行することにした。
みはるんの家の最寄り駅からマンションまでの途中、みはるんが声を掛けられた。
「お姉さん、こんばんは」
「あら、こんばんは。この間はありがとう」
先週みはるんが酔っ払いに絡まれていたところを助けてくれた高校生が居たという話を聞いていたので、恐らくその高校生なのだろうと思う。
「今日はご友人と一緒なのですね」
「ええ、大切な用事があるので付き添ってもらっているの。
君こそ今日はこの時間にジョギングしてるのね」
「はい、この間は学校の友達と遊んでて遅くなったので・・・何もなかったら学校終わってこのくらいの時間に走るつもりです。
お姉さんもこのくらいの時間が帰宅時間なのですか?」
「私はまちまちね。大学は曜日でカリキュラムの時間が違う上に予定の変動が多いし、それに今日みたいに用事があることもあるわね」
「そうですか・・・えっと、足を止めさせてすみませんでした。失礼します!」
そう言うと彼は走り去っていった。
「あの男子高校生、可哀想ね」
「ほんとですね」
姿が見えなくなったらみゆきさんが口にした感想にアタシも同意した。
「何が可哀想なのですか?」
「そういうところがよ」
「あの高校生、たぶんみはるんに惚れてるよ」
「ええ?彼とはこの間助けてもらった時と今の2回しか接していませんよ。それだけで惚れられるなんていくらなんでも自惚れが過ぎませんか?」
「いやいや、惚れる時なんか一瞬だって。みはるんは自分の魅力をもっと自覚した方が良いよ」
「それは言えるわね。美晴ちゃんは可愛いもの」
腑に落ちていない様だけど、とりあえずその話を棚上げして歩みを進めてみはるんの家へ到着した。
みはるんは事前にアタシ達を連れて帰宅することをメッセージで連絡していたこともあり、冬樹君は夕食の支度をしてくれていたようで玄関のドアを開けた瞬間にいい匂いが漂ってきた。
「みゆきさん、津島さんいらっしゃい。ちょうどよい時間だったので夕食の用意をさせてもらいました。良かったら食べていってください。
美晴さんもおかえりなさい。疲れていませんか?」
冬樹君は朗らかな笑顔でアタシ達を出迎えてくれた。
「気を使わせちゃって悪いわね。でも、冬樹の手料理を断る理由はないわ。ありがたくいただいていくわね。
玲香ちゃんは冬樹の料理を食べたことある?」
「いえ、アタシはないですね・・・せっかくなので、アタシもいただいていきます」
「びっくりするほど美味しいわよ!」
「みゆきさん、それは持ち上げすぎですよ。
すぐ仕上げをしますから3人とも座って待っててください」
みゆきさんが太鼓判を押すのが納得の美味しい手料理を食べ終わり、みはるんへ『お客様の対応をしていて』と言って台所へ行きこれまた手際よく食器洗いまで引き受けてくれた冬樹君がリビングへ戻ってきていよいよみはるんが身籠ったことを伝える時が来た。
「あのね・・・冬樹くん、私、赤ちゃんを授かったの」
冬樹君は一瞬止まった後すぐに動きだした。
「ごめんなさい!
美晴さんが大変な時に何もできなくて!」
そう言いながら勢いよくテーブルへ頭を下げた。そして、再び頭を上げると今度はアタシとみゆきさんを交互に見てから再び頭を下げた。
「僕が未熟だから何もできなかったところで、美晴さんを支えてくださってありがとうございます!」
「冬樹くんは何も悪くないよ!
私が何も言わなかったんだから、何も知らないのも、何もできないのも当たり前だよ」
すぐさま冬樹君へ寄り添い抱き着きながら、その自分を責める言葉を否定する言葉を重ねた。
「いいえ、僕が高校生なのに・・・美晴さんだってまだ学生で・・・なのに・・・」
「こどもができる様な事をしたのは二人ででしょ。私がして欲しいと望んだことだし、冬樹くんのせいじゃないの!」
「でも、ひとりで抱え込んで・・・ううっ」
そこまで言うと冬樹君は泣き出した。どんな思いでいるのかは推察するしかないけど、みはるんが不安な思いをしていた事も察して打ち明けてもらえなかった事も自分の責任だと強く感じている様に見える。アタシの周囲にもセックスして妊娠したカップルはいるし、中には責任から逃げようとする男の話は何度も見聞きしている。どんなに良くても、ここまで真摯に自責を感じているというのはない。
「私こそごめんなさい。万が一でも冬樹くんが拒絶するかもしれないと思ってしまって信じきれなかった気持ちがあって、はっきりするまで隠しちゃったの・・・ごめんなざぃ・・・ぐすっ」
今度はみはるんも泣き出した。
「冬樹、あんたは本当に最高のイイ男ね。やっぱり第二夫人にしてもらおうかしら」
ふたりが抱き合ってしばらくし、場がしんみりしていたところにみゆきさんがトンデモナイことを口にした。
「ははっ、何言ってるんですか。僕は美晴さん一筋ですよ」
「そうですよ。みゆきさんにはもう入り込ませませんから」
「ははは。やっぱり、ダメかぁ。
でも、やっと落ち着いたみたいね。良かったわ」
みはるんがみゆきさんへ返した『もう入り込ませません』と言う部分がすごく引っ掛かった。この言い回しは過去に1度は入り込んだ事実があった時に使う言い方になる・・・そして、かなり冗談めかしていたけどみゆきさんも冬樹君への恋慕の情が透けて見える。
今後みはるん達がどうするかについての話し合いに移り、流石に邪魔し過ぎだろうと思い『帰った方が良いのではないか』と申し出たけど、みはるん達から『客観的な意見が欲しいから良かったら居て欲しい』と言われてみゆきさん共々相談にも参加した。
冬樹君はとにかくみはるん第一で、特に驚かされたのは出産・子育てに際して身内の協力を得やすい実家の近所への転居を提案したことだ。最初はみはるんが遠慮したけど真剣な冬樹君の態度に納得し、転居を前提に物件探しをすることにしたみたいだ。それを実行できる財力を持っているのもすごいけど、何の躊躇いもなくみはるんの為なら何でもするという姿勢がとてもカッコよく思えてならない。
話し合いが盛り上がり時間が遅くなったので、みはるん達から今日は泊まっていかないかと提案され、みゆきさんが泊まっていくこともありその厚意に甘えさせてもらうことにした。
みはるんは緊張の糸が切れたのか急に眠気が襲ったとかで先に寝てしまい、みゆきさんがお風呂に入っている間に冬樹君とふたりきりになって改めてお礼を言われた。その時のみはるんを想っている表情があまりにも眩しくて、アタシが彼に恋をしていることを強く思わされてしまった。
大事な友人の大事な彼氏なのだから好きになってはいけないと思うのだけど、感情が理性をものすごい勢いで邪魔をし、動悸は激しい運動をした直後のように早鐘を打っている。
「どうしたんですか!?」
焦った様子の冬樹君に声を掛けられ、自分に意識を向けるといつの間にか涙を流していた。
「ううん、何でもない・・・っていうか、みはるんが良い旦那さんのお陰で幸せになれそうで良かったって思ってたの」
「そうですか。本当に美晴さんに良いお友達が居てくれて良かったです。やっぱり、僕一人では今日みたいにできない事もありますし・・・」
またも冬樹君のみはるん想って浮かべる表情が目映くてダメだと思いつつもものすごく惹かれてしまう。
みはるんが冬樹君へ妊娠したことを告げることへの恐怖心があるのを察したみゆきさんが同席することを申し出て、アタシもそれに相乗りする形で同行することにした。
みはるんの家の最寄り駅からマンションまでの途中、みはるんが声を掛けられた。
「お姉さん、こんばんは」
「あら、こんばんは。この間はありがとう」
先週みはるんが酔っ払いに絡まれていたところを助けてくれた高校生が居たという話を聞いていたので、恐らくその高校生なのだろうと思う。
「今日はご友人と一緒なのですね」
「ええ、大切な用事があるので付き添ってもらっているの。
君こそ今日はこの時間にジョギングしてるのね」
「はい、この間は学校の友達と遊んでて遅くなったので・・・何もなかったら学校終わってこのくらいの時間に走るつもりです。
お姉さんもこのくらいの時間が帰宅時間なのですか?」
「私はまちまちね。大学は曜日でカリキュラムの時間が違う上に予定の変動が多いし、それに今日みたいに用事があることもあるわね」
「そうですか・・・えっと、足を止めさせてすみませんでした。失礼します!」
そう言うと彼は走り去っていった。
「あの男子高校生、可哀想ね」
「ほんとですね」
姿が見えなくなったらみゆきさんが口にした感想にアタシも同意した。
「何が可哀想なのですか?」
「そういうところがよ」
「あの高校生、たぶんみはるんに惚れてるよ」
「ええ?彼とはこの間助けてもらった時と今の2回しか接していませんよ。それだけで惚れられるなんていくらなんでも自惚れが過ぎませんか?」
「いやいや、惚れる時なんか一瞬だって。みはるんは自分の魅力をもっと自覚した方が良いよ」
「それは言えるわね。美晴ちゃんは可愛いもの」
腑に落ちていない様だけど、とりあえずその話を棚上げして歩みを進めてみはるんの家へ到着した。
みはるんは事前にアタシ達を連れて帰宅することをメッセージで連絡していたこともあり、冬樹君は夕食の支度をしてくれていたようで玄関のドアを開けた瞬間にいい匂いが漂ってきた。
「みゆきさん、津島さんいらっしゃい。ちょうどよい時間だったので夕食の用意をさせてもらいました。良かったら食べていってください。
美晴さんもおかえりなさい。疲れていませんか?」
冬樹君は朗らかな笑顔でアタシ達を出迎えてくれた。
「気を使わせちゃって悪いわね。でも、冬樹の手料理を断る理由はないわ。ありがたくいただいていくわね。
玲香ちゃんは冬樹の料理を食べたことある?」
「いえ、アタシはないですね・・・せっかくなので、アタシもいただいていきます」
「びっくりするほど美味しいわよ!」
「みゆきさん、それは持ち上げすぎですよ。
すぐ仕上げをしますから3人とも座って待っててください」
みゆきさんが太鼓判を押すのが納得の美味しい手料理を食べ終わり、みはるんへ『お客様の対応をしていて』と言って台所へ行きこれまた手際よく食器洗いまで引き受けてくれた冬樹君がリビングへ戻ってきていよいよみはるんが身籠ったことを伝える時が来た。
「あのね・・・冬樹くん、私、赤ちゃんを授かったの」
冬樹君は一瞬止まった後すぐに動きだした。
「ごめんなさい!
美晴さんが大変な時に何もできなくて!」
そう言いながら勢いよくテーブルへ頭を下げた。そして、再び頭を上げると今度はアタシとみゆきさんを交互に見てから再び頭を下げた。
「僕が未熟だから何もできなかったところで、美晴さんを支えてくださってありがとうございます!」
「冬樹くんは何も悪くないよ!
私が何も言わなかったんだから、何も知らないのも、何もできないのも当たり前だよ」
すぐさま冬樹君へ寄り添い抱き着きながら、その自分を責める言葉を否定する言葉を重ねた。
「いいえ、僕が高校生なのに・・・美晴さんだってまだ学生で・・・なのに・・・」
「こどもができる様な事をしたのは二人ででしょ。私がして欲しいと望んだことだし、冬樹くんのせいじゃないの!」
「でも、ひとりで抱え込んで・・・ううっ」
そこまで言うと冬樹君は泣き出した。どんな思いでいるのかは推察するしかないけど、みはるんが不安な思いをしていた事も察して打ち明けてもらえなかった事も自分の責任だと強く感じている様に見える。アタシの周囲にもセックスして妊娠したカップルはいるし、中には責任から逃げようとする男の話は何度も見聞きしている。どんなに良くても、ここまで真摯に自責を感じているというのはない。
「私こそごめんなさい。万が一でも冬樹くんが拒絶するかもしれないと思ってしまって信じきれなかった気持ちがあって、はっきりするまで隠しちゃったの・・・ごめんなざぃ・・・ぐすっ」
今度はみはるんも泣き出した。
「冬樹、あんたは本当に最高のイイ男ね。やっぱり第二夫人にしてもらおうかしら」
ふたりが抱き合ってしばらくし、場がしんみりしていたところにみゆきさんがトンデモナイことを口にした。
「ははっ、何言ってるんですか。僕は美晴さん一筋ですよ」
「そうですよ。みゆきさんにはもう入り込ませませんから」
「ははは。やっぱり、ダメかぁ。
でも、やっと落ち着いたみたいね。良かったわ」
みはるんがみゆきさんへ返した『もう入り込ませません』と言う部分がすごく引っ掛かった。この言い回しは過去に1度は入り込んだ事実があった時に使う言い方になる・・・そして、かなり冗談めかしていたけどみゆきさんも冬樹君への恋慕の情が透けて見える。
今後みはるん達がどうするかについての話し合いに移り、流石に邪魔し過ぎだろうと思い『帰った方が良いのではないか』と申し出たけど、みはるん達から『客観的な意見が欲しいから良かったら居て欲しい』と言われてみゆきさん共々相談にも参加した。
冬樹君はとにかくみはるん第一で、特に驚かされたのは出産・子育てに際して身内の協力を得やすい実家の近所への転居を提案したことだ。最初はみはるんが遠慮したけど真剣な冬樹君の態度に納得し、転居を前提に物件探しをすることにしたみたいだ。それを実行できる財力を持っているのもすごいけど、何の躊躇いもなくみはるんの為なら何でもするという姿勢がとてもカッコよく思えてならない。
話し合いが盛り上がり時間が遅くなったので、みはるん達から今日は泊まっていかないかと提案され、みゆきさんが泊まっていくこともありその厚意に甘えさせてもらうことにした。
みはるんは緊張の糸が切れたのか急に眠気が襲ったとかで先に寝てしまい、みゆきさんがお風呂に入っている間に冬樹君とふたりきりになって改めてお礼を言われた。その時のみはるんを想っている表情があまりにも眩しくて、アタシが彼に恋をしていることを強く思わされてしまった。
大事な友人の大事な彼氏なのだから好きになってはいけないと思うのだけど、感情が理性をものすごい勢いで邪魔をし、動悸は激しい運動をした直後のように早鐘を打っている。
「どうしたんですか!?」
焦った様子の冬樹君に声を掛けられ、自分に意識を向けるといつの間にか涙を流していた。
「ううん、何でもない・・・っていうか、みはるんが良い旦那さんのお陰で幸せになれそうで良かったって思ってたの」
「そうですか。本当に美晴さんに良いお友達が居てくれて良かったです。やっぱり、僕一人では今日みたいにできない事もありますし・・・」
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