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第247話
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◆高梨百合恵 視点◆
2月になって最初の土日が過ぎさって、新しい週が始まった。
月曜日は全校集会があるのでいつもよりも早く登校しなければならないし、着いてからも慌ただしくなる。
全校集会の前に教頭先生からのお話があった。
「以前お話しておりました通り、この土日で防犯カメラの設置を行いました。
問題なく作業が完了し、既にカメラは作動しています。
皆さんに何らかしてもらうことはありませんが、校長先生や私などの責任ある立場の者で適宜校内の様子を確認しますのでそのつもりでいてください。
また、この話はこれから行われる全校集会で生徒達にも周知します」
私にとっては初耳でどういうことかと、隣の席の副担任の鈴木先生に話を伺うと私が火事の対応でお休みをもらっていた日に作業を行う予告をしていたようだった。
一般職員が対応しなければならないことではなかった事もあって私への伝達は特に配慮されていなかったみたいで、実際にこの程度なら普段なら気にもしない話ではある。
ただ、以前に冬樹君が設置していた防犯カメラが有ったはずで、それが見付かってしまってないか気になる。
もっとも、ないはずの防犯カメラが有ったのだとしたら教頭先生から話に出たはずだし、見つからなかったか見つかっても問題視されていないかのどちらかのはずなので、変に探りを入れてやぶ蛇になるような事を避け冬樹君に確認をしてみようと思う。
全校集会で校長先生から防犯カメラを設置したことについて話をされた時に、冬樹君の方を注意深く見ていたけど特に表情を変えることもなく聞いていたので問題はないのだと思う。
けれども、一応聞いておきたいと思って昼休みに時間をもらうことにした。
「お昼休みに呼び出してごめんなさいね」
「いえ、先生の呼び出しなら喜んで伺いますよ。
それで今回はどういったご用件ですか?」
昼休みになり、冬樹君に第2音楽室用準備室へ来てもらった。
「私も不在の時に職員へのお知らせがあったので今日まで知らなかった話ですが、朝の全校集会で校長先生からお話があったように学校中に防犯カメラが設置されたわけですけど・・・その、冬樹君も・・・」
「その事ですか。ご心配おかけして申し訳ありませんでした。その件なら問題ありません」
話し始めたもののどう言って良いのか迷っていたら冬樹君の方から問題ないと言ってくれた。
「それはどうしてですか?」
「気になる事があって、冬休み中に撤去していたのです」
「もうなかったから、そこに取り付けられても問題がなかったということですか?」
「はい。厳密には鋭い人なら違和感を覚えるかもしれない状況だったのでカバーを被せていたのですけど、取り付けたのが業者の人ならそのまま気にせずに作業を終えたと思います」
「それでしたら、実際に何か不審なことがあったという報告はなかったみたいなので問題はなさそうですね」
「それは良かったです。それにしても今のタイミングで防犯カメラを設置するなんて、去年のことが問題として尾を引いているのでしょうか?」
「そうだと思います。職員の間ではタブー視されて避けられている雰囲気で、私も二之宮さんや鷺ノ宮君のために大学受験のための情報を受験に強い先生にお話を伺っているのですけど、彼女たちの名前を出しづらくて親しい先生以外には誤魔化しています」
「そうなんですね。なんだったら僕の名前を使ってくれて良いですよ。
口裏を合わせる必要があるなら事前に言っておいてくれれば対応しますし、先生もやりやすいのではないですか?」
「いいのですか?
その・・・二之宮さんと鷺ノ宮君は・・・」
「もちろんその二人のせいで僕が不利益を被ったというのはありますけど、もうわだかまりはないです。
義妹になる予定の美波が親しくしているのもありますからね」
「そうですね・・・岸元さんは親しくなっていますよね」
「ですから、何かあったら言ってください。
僕は先生のお役に立てる方が嬉しいですから」
そう言いながら微笑む冬樹君は大人びていて、悠一さんはもちろんのこと他の先生方と比べても頼り甲斐を感じた。
「それにしても、冬樹君とは冤罪事件があってからの付き合いですけど、本当にお世話になりっぱなしで情けないです」
「何を言っているんですか。
僕が学校中から疑われていた時に先生が匿ってくれなかったらどうなっていたかわかりませんし、本当に感謝しているんですよ。
高梨先生は情けなくなんかないです。僕が感謝している高梨先生のことを悪く言わないで欲しいです」
離婚する前に悠一さんの実家でのいざこざから家へ帰りたくないからと数日泊まらせてもらったことから深く関わるようになって、みゆきが関わるようになって家出からの居候に、妊娠騒ぎなんてのもあった。今だって火事で行き場がないからと那奈さんが冬樹君から借りているマンションに居候させてもらっていて、間接的とはいえお世話になっている。
教師と生徒という立場からしたら良くないことだと思うのだけど、とても頼り甲斐がある。
この若さでこれだけしっかりしている冬樹君と結婚を前提のお付き合いをし、妊娠までしている美晴さんが羨ましく思えてしまう。
2月になって最初の土日が過ぎさって、新しい週が始まった。
月曜日は全校集会があるのでいつもよりも早く登校しなければならないし、着いてからも慌ただしくなる。
全校集会の前に教頭先生からのお話があった。
「以前お話しておりました通り、この土日で防犯カメラの設置を行いました。
問題なく作業が完了し、既にカメラは作動しています。
皆さんに何らかしてもらうことはありませんが、校長先生や私などの責任ある立場の者で適宜校内の様子を確認しますのでそのつもりでいてください。
また、この話はこれから行われる全校集会で生徒達にも周知します」
私にとっては初耳でどういうことかと、隣の席の副担任の鈴木先生に話を伺うと私が火事の対応でお休みをもらっていた日に作業を行う予告をしていたようだった。
一般職員が対応しなければならないことではなかった事もあって私への伝達は特に配慮されていなかったみたいで、実際にこの程度なら普段なら気にもしない話ではある。
ただ、以前に冬樹君が設置していた防犯カメラが有ったはずで、それが見付かってしまってないか気になる。
もっとも、ないはずの防犯カメラが有ったのだとしたら教頭先生から話に出たはずだし、見つからなかったか見つかっても問題視されていないかのどちらかのはずなので、変に探りを入れてやぶ蛇になるような事を避け冬樹君に確認をしてみようと思う。
全校集会で校長先生から防犯カメラを設置したことについて話をされた時に、冬樹君の方を注意深く見ていたけど特に表情を変えることもなく聞いていたので問題はないのだと思う。
けれども、一応聞いておきたいと思って昼休みに時間をもらうことにした。
「お昼休みに呼び出してごめんなさいね」
「いえ、先生の呼び出しなら喜んで伺いますよ。
それで今回はどういったご用件ですか?」
昼休みになり、冬樹君に第2音楽室用準備室へ来てもらった。
「私も不在の時に職員へのお知らせがあったので今日まで知らなかった話ですが、朝の全校集会で校長先生からお話があったように学校中に防犯カメラが設置されたわけですけど・・・その、冬樹君も・・・」
「その事ですか。ご心配おかけして申し訳ありませんでした。その件なら問題ありません」
話し始めたもののどう言って良いのか迷っていたら冬樹君の方から問題ないと言ってくれた。
「それはどうしてですか?」
「気になる事があって、冬休み中に撤去していたのです」
「もうなかったから、そこに取り付けられても問題がなかったということですか?」
「はい。厳密には鋭い人なら違和感を覚えるかもしれない状況だったのでカバーを被せていたのですけど、取り付けたのが業者の人ならそのまま気にせずに作業を終えたと思います」
「それでしたら、実際に何か不審なことがあったという報告はなかったみたいなので問題はなさそうですね」
「それは良かったです。それにしても今のタイミングで防犯カメラを設置するなんて、去年のことが問題として尾を引いているのでしょうか?」
「そうだと思います。職員の間ではタブー視されて避けられている雰囲気で、私も二之宮さんや鷺ノ宮君のために大学受験のための情報を受験に強い先生にお話を伺っているのですけど、彼女たちの名前を出しづらくて親しい先生以外には誤魔化しています」
「そうなんですね。なんだったら僕の名前を使ってくれて良いですよ。
口裏を合わせる必要があるなら事前に言っておいてくれれば対応しますし、先生もやりやすいのではないですか?」
「いいのですか?
その・・・二之宮さんと鷺ノ宮君は・・・」
「もちろんその二人のせいで僕が不利益を被ったというのはありますけど、もうわだかまりはないです。
義妹になる予定の美波が親しくしているのもありますからね」
「そうですね・・・岸元さんは親しくなっていますよね」
「ですから、何かあったら言ってください。
僕は先生のお役に立てる方が嬉しいですから」
そう言いながら微笑む冬樹君は大人びていて、悠一さんはもちろんのこと他の先生方と比べても頼り甲斐を感じた。
「それにしても、冬樹君とは冤罪事件があってからの付き合いですけど、本当にお世話になりっぱなしで情けないです」
「何を言っているんですか。
僕が学校中から疑われていた時に先生が匿ってくれなかったらどうなっていたかわかりませんし、本当に感謝しているんですよ。
高梨先生は情けなくなんかないです。僕が感謝している高梨先生のことを悪く言わないで欲しいです」
離婚する前に悠一さんの実家でのいざこざから家へ帰りたくないからと数日泊まらせてもらったことから深く関わるようになって、みゆきが関わるようになって家出からの居候に、妊娠騒ぎなんてのもあった。今だって火事で行き場がないからと那奈さんが冬樹君から借りているマンションに居候させてもらっていて、間接的とはいえお世話になっている。
教師と生徒という立場からしたら良くないことだと思うのだけど、とても頼り甲斐がある。
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