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6話 仕事1
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前と同じようにアカの机の前で並ぶ三人。
アカは椅子に座っている。
「それではー今回の仕事内容を発表します。」
アカは何枚も紙をめくる。
「今回、シンくんは別行動です。アオ君とミロちゃんは最近現れた別のグループの調査です。私はシンくんの付き添いに行きます。以上です。」
アオとミロは返事をした。シンも遅れて返事をした。
アカはうなずいた。
「くれぐれも気をつけてほしい。あまり、今回の連中は穏やかではないようだからね。」
アオは鼻から息を大きく吸う。
「心配する必要はない俺達は大丈夫だ。」
ミロはアオの頬を引っ張る。
「こいつが暴れねぇよう、私が見張るからアカさんはそっちの仕事に集中してろ。」
アカは二人の肩を叩いた。
「信頼してる。頼んだよ。」
二人は武器を持って事務所をあとにする。
「私達も行こうか。厄介なのはここからだよ。」
シンは頭を傾ける。
「はい?」
すぐにその意味がわかった。
広い会議室に明らかに怖い顔をしたおじさん達が続々と入ってくる。重苦しい雰囲気がじわじわと伝わってくる。
変に汗が流れてくる。
こちらを睨むようなおじさんもいる。
髭の生えたおじさんが何だが、苛立っていた。
シンがガタガタと震えるとアカはシンの手を握った。
「心配しないでいいよ。もし、何か質問されたら私が答えるから。」
そして、お偉いさん達が全員揃ってしまった。
静かになる会議室におじさんの声が響く。
「それでは聞かせてもらおうか。アカ色彩一等官。彼は何者なんだ?」
アカは席から立ち上がる。
「全ては事前に配布した資料に乗っているはずですが…。」
呆れたようにアカはそう伝える。
「…確かに書いてある。だが、なぜなんの能力を持ち合わせていない彼を引き止めておく必要がある。それも政府の最重要組織であるCOLORに無能な男など必要ないだろうがッ!!」
一人の髭のおじさんが熱くなっている。
やっぱり怒っていたか。
「三佐亮介管理官から説明を受けているはずです。彼は特別だと…チームCOLORには必要な存在であると。」
別のところから冷静なお爺さんが話しかける。
「では…具体的にどのように特別なのだ。そこが曖昧ではないか?」
アカが口を開こうとした時、扉が開いた。
ガタンと大きな音を出しながら男が入ってくる。
ひときわ目立つ白いスーツ姿の男。
「僕が話しましょうか?アカ君じゃー信用できないならこの三佐亮介がお話しますよ。」
彼の登場に先程までの威勢の良さがなくなった。
「三佐管理官…。では聞くがなぜ彼が必要なのだ。」
頭をかきながら三佐はシンの近くを歩く。
「彼は初めから色が見えるんですよ。…その意味があなた方にわかりますか?」
おじさんたちは騒がしくなる。
「…つまり、彼は旧世界の色を知覚できる唯一の存在。普通の収集屋は色と契約するまでその色を知覚することはできない。色とすら認識できないんですよ。ここにいる色彩一等官ですら、満足に他の色を識別できない。これが今まで色の回収に時間がかかっていた証拠です。そして、彼が組織に入ってからすぐに新たな色を発見した。彼がこの組織に必要である証拠はもう十分あると思うのですが……いいかがでしょうか?」
三佐亮介の的確な説明に納得したのか、誰もこれ以上質問しようとはしなかった。
「それでは、解散とする。」
お偉いさんが解散すると三佐亮介はシンを手招きする。
「このあと…少し話さないかい?君とは話してみたかったんだ。」
アカはシンを引っ張る。
「管理官のところに行くよ。私の仕事は君を彼に会わせることだから。」
ビルの長い廊下を歩き、とある部屋の前までついた。
扉を開けると三佐亮介が待っていた。
「はじめまして、僕は三佐亮介。アカ君の上司であり、COLORの管理役を任されている。」
白いスーツ姿の男は丁寧に挨拶をした。
アカは椅子に座っている。
「それではー今回の仕事内容を発表します。」
アカは何枚も紙をめくる。
「今回、シンくんは別行動です。アオ君とミロちゃんは最近現れた別のグループの調査です。私はシンくんの付き添いに行きます。以上です。」
アオとミロは返事をした。シンも遅れて返事をした。
アカはうなずいた。
「くれぐれも気をつけてほしい。あまり、今回の連中は穏やかではないようだからね。」
アオは鼻から息を大きく吸う。
「心配する必要はない俺達は大丈夫だ。」
ミロはアオの頬を引っ張る。
「こいつが暴れねぇよう、私が見張るからアカさんはそっちの仕事に集中してろ。」
アカは二人の肩を叩いた。
「信頼してる。頼んだよ。」
二人は武器を持って事務所をあとにする。
「私達も行こうか。厄介なのはここからだよ。」
シンは頭を傾ける。
「はい?」
すぐにその意味がわかった。
広い会議室に明らかに怖い顔をしたおじさん達が続々と入ってくる。重苦しい雰囲気がじわじわと伝わってくる。
変に汗が流れてくる。
こちらを睨むようなおじさんもいる。
髭の生えたおじさんが何だが、苛立っていた。
シンがガタガタと震えるとアカはシンの手を握った。
「心配しないでいいよ。もし、何か質問されたら私が答えるから。」
そして、お偉いさん達が全員揃ってしまった。
静かになる会議室におじさんの声が響く。
「それでは聞かせてもらおうか。アカ色彩一等官。彼は何者なんだ?」
アカは席から立ち上がる。
「全ては事前に配布した資料に乗っているはずですが…。」
呆れたようにアカはそう伝える。
「…確かに書いてある。だが、なぜなんの能力を持ち合わせていない彼を引き止めておく必要がある。それも政府の最重要組織であるCOLORに無能な男など必要ないだろうがッ!!」
一人の髭のおじさんが熱くなっている。
やっぱり怒っていたか。
「三佐亮介管理官から説明を受けているはずです。彼は特別だと…チームCOLORには必要な存在であると。」
別のところから冷静なお爺さんが話しかける。
「では…具体的にどのように特別なのだ。そこが曖昧ではないか?」
アカが口を開こうとした時、扉が開いた。
ガタンと大きな音を出しながら男が入ってくる。
ひときわ目立つ白いスーツ姿の男。
「僕が話しましょうか?アカ君じゃー信用できないならこの三佐亮介がお話しますよ。」
彼の登場に先程までの威勢の良さがなくなった。
「三佐管理官…。では聞くがなぜ彼が必要なのだ。」
頭をかきながら三佐はシンの近くを歩く。
「彼は初めから色が見えるんですよ。…その意味があなた方にわかりますか?」
おじさんたちは騒がしくなる。
「…つまり、彼は旧世界の色を知覚できる唯一の存在。普通の収集屋は色と契約するまでその色を知覚することはできない。色とすら認識できないんですよ。ここにいる色彩一等官ですら、満足に他の色を識別できない。これが今まで色の回収に時間がかかっていた証拠です。そして、彼が組織に入ってからすぐに新たな色を発見した。彼がこの組織に必要である証拠はもう十分あると思うのですが……いいかがでしょうか?」
三佐亮介の的確な説明に納得したのか、誰もこれ以上質問しようとはしなかった。
「それでは、解散とする。」
お偉いさんが解散すると三佐亮介はシンを手招きする。
「このあと…少し話さないかい?君とは話してみたかったんだ。」
アカはシンを引っ張る。
「管理官のところに行くよ。私の仕事は君を彼に会わせることだから。」
ビルの長い廊下を歩き、とある部屋の前までついた。
扉を開けると三佐亮介が待っていた。
「はじめまして、僕は三佐亮介。アカ君の上司であり、COLORの管理役を任されている。」
白いスーツ姿の男は丁寧に挨拶をした。
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