4 / 17
4. 食堂
しおりを挟む
昼食時、陽翔は食堂でそれとなく同じクラスの
エルフの少女が利用しているテーブルに座った。
「確か同じクラスだったよね。相席、いいかな」
「どうぞ、お好きなような」
エルフの少女は、あまり友好的では
無さそうな声だった。
しかしそんなことは、
お構いなしに陽翔は対面に座った。
「実技担当のチェザ先生だけど、凄いよね」
それとなく話題を振る陽翔だった。
「はあ、当たり前でしょ。
この学院で長く教官を務めてるんですから。
それよりあんたの方が凄いでしょ。
あんな聞いたことも見たこともないような剣術と
詠唱であれほどの威力なんだから、
どんだけ基礎能力が高いのよ」
陽翔は適当に相槌を撃ちつつも
チェザリーノの情報を得ようとした。
「それにしてもあれほどの実力。
誰しもが知っている出自なんでしょうね」
それまでぞんざいな態度であったが、
なぜかエルフの少女はその話題に
喰いついて来た。
「それが謎なのよね。
噂だけど、400年前の魔との争いか
300年前の大戦のときに滅ぼされた
部族の生き残りって言われてるわ」
「へえ、そうなんだ。謎多き人物なんだね。
400年前と言えば、英雄ソフィアは今、
どこでどうしてるんだろう」
ごく自然な態で話題を陽翔は誘導した。
エルフの少女は若干、眉間に皺を寄せた。
「ふん、それは人間様の方が詳しいんじゃなくて。
300年前に人間様が起こした侵略戦の最中、
行方不明になっているでしょ。
あなたみたいに優秀な人なら、ご存じでしょうよ」
明らかに気分を害したようだった。
エルフの少女は、もう話すことはないとばかりに
席を立ち、その場を離れた。
「おいおい、ナンパにしちゃあ、お粗末だな」
「流石にエルフの王族に今の話題は、NGだろ」
「おまえ、凄いな」
遠目に陽翔を見ていたクラスの男子たちが
近づいて、言いたい放題言っていた。
「確かにそれはそうだけど、
実際の所はどうなのか知りたくてね」
陽翔の言葉を誰も真に受けておらず、
逆に彼らに騒ぎ立てていた。
「田舎もんかよ。ありえないだろ」
「怪しげな魔術に剣術、あれは辺境の伝統か」
苛々苛が募り、爆発寸前の陽翔だった。
勢いよく立ち上がると、囃し立ていた同級生たちは
押し黙った。
陽翔の実力は先の授業で誰しもが知るところだった。
「わっわりい、冗談だよ」
囃し立てた同級生たちは、適当に話を
濁してそくささと逃げ出した。
午後の講義は微妙な雰囲気だった。
元々、一人で過ごすことが多かったが、
どうも陽翔は同級生から避けられているように感じた。
『ちっ餓鬼どもが』と心の中で毒づき、
敢えて気にしないようにした。
エルフの少女が利用しているテーブルに座った。
「確か同じクラスだったよね。相席、いいかな」
「どうぞ、お好きなような」
エルフの少女は、あまり友好的では
無さそうな声だった。
しかしそんなことは、
お構いなしに陽翔は対面に座った。
「実技担当のチェザ先生だけど、凄いよね」
それとなく話題を振る陽翔だった。
「はあ、当たり前でしょ。
この学院で長く教官を務めてるんですから。
それよりあんたの方が凄いでしょ。
あんな聞いたことも見たこともないような剣術と
詠唱であれほどの威力なんだから、
どんだけ基礎能力が高いのよ」
陽翔は適当に相槌を撃ちつつも
チェザリーノの情報を得ようとした。
「それにしてもあれほどの実力。
誰しもが知っている出自なんでしょうね」
それまでぞんざいな態度であったが、
なぜかエルフの少女はその話題に
喰いついて来た。
「それが謎なのよね。
噂だけど、400年前の魔との争いか
300年前の大戦のときに滅ぼされた
部族の生き残りって言われてるわ」
「へえ、そうなんだ。謎多き人物なんだね。
400年前と言えば、英雄ソフィアは今、
どこでどうしてるんだろう」
ごく自然な態で話題を陽翔は誘導した。
エルフの少女は若干、眉間に皺を寄せた。
「ふん、それは人間様の方が詳しいんじゃなくて。
300年前に人間様が起こした侵略戦の最中、
行方不明になっているでしょ。
あなたみたいに優秀な人なら、ご存じでしょうよ」
明らかに気分を害したようだった。
エルフの少女は、もう話すことはないとばかりに
席を立ち、その場を離れた。
「おいおい、ナンパにしちゃあ、お粗末だな」
「流石にエルフの王族に今の話題は、NGだろ」
「おまえ、凄いな」
遠目に陽翔を見ていたクラスの男子たちが
近づいて、言いたい放題言っていた。
「確かにそれはそうだけど、
実際の所はどうなのか知りたくてね」
陽翔の言葉を誰も真に受けておらず、
逆に彼らに騒ぎ立てていた。
「田舎もんかよ。ありえないだろ」
「怪しげな魔術に剣術、あれは辺境の伝統か」
苛々苛が募り、爆発寸前の陽翔だった。
勢いよく立ち上がると、囃し立ていた同級生たちは
押し黙った。
陽翔の実力は先の授業で誰しもが知るところだった。
「わっわりい、冗談だよ」
囃し立てた同級生たちは、適当に話を
濁してそくささと逃げ出した。
午後の講義は微妙な雰囲気だった。
元々、一人で過ごすことが多かったが、
どうも陽翔は同級生から避けられているように感じた。
『ちっ餓鬼どもが』と心の中で毒づき、
敢えて気にしないようにした。
11
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる