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479.王都8
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「うーん、アミラと戦場で会ったら、魔術で拘束するから。
ヴェル、あんまり心配しないで」
シエンナの言葉を素直に受け入れられずに戦場で会ったら、
敵だ敵だと連呼するヴェルであった。
「じゃ、私もスーパーリラックス安眠薬(ハーブ入り)を
塗り付けた短剣でぷすりと刺して眠らせるから心配しないで」
サリナの言葉を素直に受け入れられずに
戦場は寝る場所じゃねえと喚くヴェルであった。
「しゃーない、可愛い弟ためだし。
両手・両足を射抜いて、大人しくさせるわ。だから、心配しないで」
キャロリーヌの言葉にドン引きで黙ってしまった誠一たちだった。
ヴェルが恐る恐る尋ねた。
「姉貴、それ、下手すると死ぬぞ。
まさか、死んだら大人しくなるって意味じゃないよ」
「あれっ、ヴェル。やっぱりなのね。仕方ない可愛い弟のためだし。
飛電弓のピリピリで捕縛すわよ」
誠一はどちらにしても容赦なく矢は放つんだなと思い、
少し背中に悪寒が走った。
嵌められたヴェルが違う違うと喚いているが、
誠一たちは温かい眼差しで彼を見守た。
耐えられなくなったヴェルは、絶対に違うからなと叫び、
部屋を出て行ってしまった。
「恐らく反乱軍は北関を拠点として軍を再編成するだろう。
流石に直ぐに進撃する余裕はないだろうな」
ロジェがそう呟くと、誠一たちは頷き合い、情報共有に留まった
ミーティングは解散となった。
2度の北伐の失敗、そして北関の陥落により
国内外に絶大な影響力を誇っていたヴェルトール王国の権威は失墜した。
それを証明するかのようにヴェルトール王国を囲む国々が
活発に蠢動し始め、日和見を決め込んでいた辺境の領主たちの
居城に続く街道に人の往来が活発になった。
毎日のようにヴェルトール王国グリーンシティの正門を
通る敗残の兵と討ち取られた貴族や将の訃報が嫌が上にも
街の雰囲気、人々を暗くした。
主城での攻防戦に巻き込まれては敵わないと足早に
この地を去る商人たちが更にそれに拍車をかけた。
市場は、世情を反映して混乱していた。
しかし、この機に一発当てようとする一部の商人の
妙な熱気に包まれていた。
そのため物価は高騰し、物資は不足気味で市井の民の生活を苦しめた。
ヴェルトール王国は、市井の不安をよそにこの喧噪と混乱に
手を打つでもなく事態を静観していた。
敗残兵を受けいれ、着々と兵の編成を行っていた。
ヴェルトール王国本隊は未だに出陣せずに無傷であった。
大将軍、筆頭宮廷魔術師を始めとした人材も健在であり、継戦能力は
十分にあった。
王国は、主城に籠城する前に見渡す限りの地平線しかみえぬ平原で
野戦にて雌雄を決するようであった。
ヴェル、あんまり心配しないで」
シエンナの言葉を素直に受け入れられずに戦場で会ったら、
敵だ敵だと連呼するヴェルであった。
「じゃ、私もスーパーリラックス安眠薬(ハーブ入り)を
塗り付けた短剣でぷすりと刺して眠らせるから心配しないで」
サリナの言葉を素直に受け入れられずに
戦場は寝る場所じゃねえと喚くヴェルであった。
「しゃーない、可愛い弟ためだし。
両手・両足を射抜いて、大人しくさせるわ。だから、心配しないで」
キャロリーヌの言葉にドン引きで黙ってしまった誠一たちだった。
ヴェルが恐る恐る尋ねた。
「姉貴、それ、下手すると死ぬぞ。
まさか、死んだら大人しくなるって意味じゃないよ」
「あれっ、ヴェル。やっぱりなのね。仕方ない可愛い弟のためだし。
飛電弓のピリピリで捕縛すわよ」
誠一はどちらにしても容赦なく矢は放つんだなと思い、
少し背中に悪寒が走った。
嵌められたヴェルが違う違うと喚いているが、
誠一たちは温かい眼差しで彼を見守た。
耐えられなくなったヴェルは、絶対に違うからなと叫び、
部屋を出て行ってしまった。
「恐らく反乱軍は北関を拠点として軍を再編成するだろう。
流石に直ぐに進撃する余裕はないだろうな」
ロジェがそう呟くと、誠一たちは頷き合い、情報共有に留まった
ミーティングは解散となった。
2度の北伐の失敗、そして北関の陥落により
国内外に絶大な影響力を誇っていたヴェルトール王国の権威は失墜した。
それを証明するかのようにヴェルトール王国を囲む国々が
活発に蠢動し始め、日和見を決め込んでいた辺境の領主たちの
居城に続く街道に人の往来が活発になった。
毎日のようにヴェルトール王国グリーンシティの正門を
通る敗残の兵と討ち取られた貴族や将の訃報が嫌が上にも
街の雰囲気、人々を暗くした。
主城での攻防戦に巻き込まれては敵わないと足早に
この地を去る商人たちが更にそれに拍車をかけた。
市場は、世情を反映して混乱していた。
しかし、この機に一発当てようとする一部の商人の
妙な熱気に包まれていた。
そのため物価は高騰し、物資は不足気味で市井の民の生活を苦しめた。
ヴェルトール王国は、市井の不安をよそにこの喧噪と混乱に
手を打つでもなく事態を静観していた。
敗残兵を受けいれ、着々と兵の編成を行っていた。
ヴェルトール王国本隊は未だに出陣せずに無傷であった。
大将軍、筆頭宮廷魔術師を始めとした人材も健在であり、継戦能力は
十分にあった。
王国は、主城に籠城する前に見渡す限りの地平線しかみえぬ平原で
野戦にて雌雄を決するようであった。
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