転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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787.南方戦役34

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「力なきチンピラ程良く吠える。
デュラハンよ、こいつらを殺せ」

ゾンビは比較にならない程の速度で
誠一たちに肉薄する2体のデュラハンだった。
しかしその速度は誠一たちにとって
脅威となるものではなかった。
マリアンヌはソードブレイカーをデュラハンの
剣に絡ませてへし折った。
折れた剣をマリアンヌに向かって
振り回すが、全く当たる気配はなかった。
誠一はデュラハンの背中へ7面メイスによる一撃を加えた。
金属が凹む音と肉が潰れる音がすると、
デュラハンはその場に崩れた。

「アミラ、下ってろ。
素手で殴って、変な病気でもうつったら
目も当てられん」
ヴェルのハルバートがドレスを纏うデュラハンを
突き刺した。
「ちっ結構、力があんな」
ハルバートを突き刺されたままで前進を
試みるデュラハンに力負けしそうになるヴェルだった。

「くそおおおっ」
ヴェルはデュラハンを突き刺したまま、
ハルバートを少し振り上げて、大きく左側へ振り回した。
ハルバートの穂先から抜けたデュラハンは誠一の方へ転がった。

「ヴェル―、ちょっと!
こいつ変な病気持っているかもしれないんだろう」

「けっ、男がそんなことを気にすんな」

誠一はヴェルの男女の扱いの違いに苦笑してしまった。

「全てを焼き切れ、ファイアスライサー」

ヴェルの魔術により生成された炎の刃がデュラハンを襲った。

「あっ馬鹿」
誠一が叫びながら、後方へ飛び退いた。

「アホウが。状況を把握して技を選べ」
マリアンヌが慌てて、その場から下がった。

炎の刃は二体のデュラハンを焼き刻みながら、燃やした。
腐った肉が焼かれる臭いは耐えがたいものだった。

兵士たちは慌てて、2階へ退避した。
誠一たちは黒衣の男を取り逃がす訳にもいかずに
その場に留まった。

その異臭と煙の中で一人の魔術師が呆然としていた。
「ありえないあり得ないアリエナイ。
デルガド様の研究がこの程度など断じて認められない」

「まあそういうことだ。
貴様が師事した男はその程度ということだな。
人の亡骸から魔物を生み出そうとするその試み。
許さざる所業だな」

マリアンヌはゆっくりとその魔術師に近づいた。

「死霊魔術師、その神髄は死と
死体の転がる戦場でこそ真価を発揮する。
このフィールドでは我が魔術は最強」

「魂の去りし肉体よ。
その肉体に新たなる魂を受けいれよ。
復活せよ、不死の騎士として、復活せよ」

数百、数千の死体を扱っていたデルガドには
及ぶ程ではなかったが、幾つかの死体が立ち上がった。

「くだらぬ大道芸に付き合っていられないよなあ、アルフレート」
マリアンヌが一歩踏み出すと毎に不死の騎士は両断された。
最早、死体はゾンビとしても復活できなくなった。
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