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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか⑫
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私のお姉様が、ウーログと同じ転生者。前世の記憶を持っていて、そして異世界から来た。
そんな重要な情報をウーログの口から聞かされた私はとてもじゃないけれど、すぐには頭が追い付かなかった。混乱している、というのが正しい。私は茫然とした顔をしていると思う。こんな風に感情を外に出してしまうのは、貴族の令嬢としてはいけないことだと正しくわかっている。だけれどもーー私は茫然とせずにはいられなかった。
「イエルノの話を聞く限り、おそらくお姉さんであるアクノール・カプラッド様はそのおかしくなった時期に記憶を思い出したんじゃないかな。僕は生まれた時から前世の記憶というのがあったから折り合いをつけることができたけれど、お姉さんは思い出して、混乱しているのかもしれない。イエルノ、いつ、お姉さんはおかしくなったんだい?」
「……お母様が亡くなった時から。その時にお姉様はおかしくなった。お母様が亡くなって、別人のようになった。お母様が亡くなったのに、お母様が亡くなったことを悲しんでなくて、別のことを考えているようだった。お母様が亡くなってからお姉様は私を見なくなった。なんだか別の何かを見ているみたいで。それは私だけじゃなくてほかの人にもそうだった。表面上は優しいお姉様のままだけど、何だか変なの。それでいて、どこか未来を知っているようなそんな発言をしたりするの。前世の記憶があったからって、お姉様が何でああなっているの? ウーログなら分かる?」
混乱しているけれど、私はウーログの問いにしっかり答えた。感情のままに言葉を言い放ってしまって、正直言って、本当に取り乱しすぎだと反省してしまう。だけど、私はどうしてもお姉様の事が知りたかった。お姉様がどうしてああなったのか知りたかった。お姉様に昔のように優しいお姉様に戻ってほしかった。
私は、私を、お姉様に見てほしかった。
本当に子どものような我儘な感情かもしれない。だけど私はお姉様に元のように笑ってほしかった。
「イエルノのお母さんが亡くなったっていうと、二年前か。二年前からずっとそのまま? 二年で転生したという折り合いがついてないだけか。それとも、元の人格をつぶしてしまったとか……その可能性もあるか。性格自体は変わってる?」
「ううん……確かにお姉様はおかしくなっているけれど、お姉様のままだわ。……というか、元の人格をつぶしてしまったとかって、何?」
なんだか恐ろしい発言で、思わず聞き返してしまった。元の人格をつぶしてしまったって、そんな可能性もあったのだろうか。
「前世では転生物の創作物って結構あったんだよ。小説とかで。その場合、転生物でーー僕の感覚だと憑依って形なんだけれど、前世の記憶と性格が元の性格を塗りつぶしてしまうものっていくつかあったんだ。僕はあまり憑依型の転生って好きじゃないから生まれた時から記憶があって安心したよ。突然思い出しても元の性格をちゃんと維持できているならありだと思うけれど、前世の記憶と性格しか残らず、元の記憶も一切ないパターンとかも創作物の中ではあったからね。正直そういうのは僕嫌だったから。だって元の性格を殺して、体を奪ったみたいに思えるからさ。それに気づいたら知っている誰かが知らない誰かになっているって周りは怖いだろうし。
でもイエルノがおかしくなっていてもお姉さんはそのままだっていうのならば、元の性格は少なからず残っているって事だろうね。ならよかったよ」
ウーログの話を聞きながら私はなんて恐ろしい話だろうと戦慄した。だってもしその性格をつぶしてしまうというものが本当にあったならば、大好きな誰かが突然違う誰かに体を乗っ取られて別人になるということだもの。そんなことが周りで起きたら私は怖い。
もし前世の記憶なんて信じられないものがあっても、その大好きな人が大好きな人のままなら私は受け入れられる。お姉様はおかしいけれど今までのお姉様を感じられるもの。だから、きっと私の大好きなお姉様は、確かにいるはず。……違ったら悲しい。
「でもそれにしても、二年もずっとそのままというのは気になる。それにどこか未来を知っているようなっていうのも……。うーん、イエルノ。お姉さんが書いているノートの中身、僕が見る事って出来る?」
「ノートの中身を?」
「うん。多分それを読めばお姉さんのことがいろいろとわかると思うんだ」
ウーログはあの不可解な文字を読むことができるのだから、確かにお姉様の謎が解明できるかもしれない。でもあのノートの中身がお姉様が知られたくない事だったら。そう思うとノートは信頼できる人にしか見せられない。ウーログが信頼出来るかというと、私は信頼できるーーううん、信頼したいと思う。
前世の記憶の話も、異世界の記憶があるのも信じられないような話だけど、私は目の前にいるウーログが嘘をついているようには見えないから。
だから、
「わかったわ。ノートの中身をどうにかウーログに見せるわ」
私はそういった。
そんな重要な情報をウーログの口から聞かされた私はとてもじゃないけれど、すぐには頭が追い付かなかった。混乱している、というのが正しい。私は茫然とした顔をしていると思う。こんな風に感情を外に出してしまうのは、貴族の令嬢としてはいけないことだと正しくわかっている。だけれどもーー私は茫然とせずにはいられなかった。
「イエルノの話を聞く限り、おそらくお姉さんであるアクノール・カプラッド様はそのおかしくなった時期に記憶を思い出したんじゃないかな。僕は生まれた時から前世の記憶というのがあったから折り合いをつけることができたけれど、お姉さんは思い出して、混乱しているのかもしれない。イエルノ、いつ、お姉さんはおかしくなったんだい?」
「……お母様が亡くなった時から。その時にお姉様はおかしくなった。お母様が亡くなって、別人のようになった。お母様が亡くなったのに、お母様が亡くなったことを悲しんでなくて、別のことを考えているようだった。お母様が亡くなってからお姉様は私を見なくなった。なんだか別の何かを見ているみたいで。それは私だけじゃなくてほかの人にもそうだった。表面上は優しいお姉様のままだけど、何だか変なの。それでいて、どこか未来を知っているようなそんな発言をしたりするの。前世の記憶があったからって、お姉様が何でああなっているの? ウーログなら分かる?」
混乱しているけれど、私はウーログの問いにしっかり答えた。感情のままに言葉を言い放ってしまって、正直言って、本当に取り乱しすぎだと反省してしまう。だけど、私はどうしてもお姉様の事が知りたかった。お姉様がどうしてああなったのか知りたかった。お姉様に昔のように優しいお姉様に戻ってほしかった。
私は、私を、お姉様に見てほしかった。
本当に子どものような我儘な感情かもしれない。だけど私はお姉様に元のように笑ってほしかった。
「イエルノのお母さんが亡くなったっていうと、二年前か。二年前からずっとそのまま? 二年で転生したという折り合いがついてないだけか。それとも、元の人格をつぶしてしまったとか……その可能性もあるか。性格自体は変わってる?」
「ううん……確かにお姉様はおかしくなっているけれど、お姉様のままだわ。……というか、元の人格をつぶしてしまったとかって、何?」
なんだか恐ろしい発言で、思わず聞き返してしまった。元の人格をつぶしてしまったって、そんな可能性もあったのだろうか。
「前世では転生物の創作物って結構あったんだよ。小説とかで。その場合、転生物でーー僕の感覚だと憑依って形なんだけれど、前世の記憶と性格が元の性格を塗りつぶしてしまうものっていくつかあったんだ。僕はあまり憑依型の転生って好きじゃないから生まれた時から記憶があって安心したよ。突然思い出しても元の性格をちゃんと維持できているならありだと思うけれど、前世の記憶と性格しか残らず、元の記憶も一切ないパターンとかも創作物の中ではあったからね。正直そういうのは僕嫌だったから。だって元の性格を殺して、体を奪ったみたいに思えるからさ。それに気づいたら知っている誰かが知らない誰かになっているって周りは怖いだろうし。
でもイエルノがおかしくなっていてもお姉さんはそのままだっていうのならば、元の性格は少なからず残っているって事だろうね。ならよかったよ」
ウーログの話を聞きながら私はなんて恐ろしい話だろうと戦慄した。だってもしその性格をつぶしてしまうというものが本当にあったならば、大好きな誰かが突然違う誰かに体を乗っ取られて別人になるということだもの。そんなことが周りで起きたら私は怖い。
もし前世の記憶なんて信じられないものがあっても、その大好きな人が大好きな人のままなら私は受け入れられる。お姉様はおかしいけれど今までのお姉様を感じられるもの。だから、きっと私の大好きなお姉様は、確かにいるはず。……違ったら悲しい。
「でもそれにしても、二年もずっとそのままというのは気になる。それにどこか未来を知っているようなっていうのも……。うーん、イエルノ。お姉さんが書いているノートの中身、僕が見る事って出来る?」
「ノートの中身を?」
「うん。多分それを読めばお姉さんのことがいろいろとわかると思うんだ」
ウーログはあの不可解な文字を読むことができるのだから、確かにお姉様の謎が解明できるかもしれない。でもあのノートの中身がお姉様が知られたくない事だったら。そう思うとノートは信頼できる人にしか見せられない。ウーログが信頼出来るかというと、私は信頼できるーーううん、信頼したいと思う。
前世の記憶の話も、異世界の記憶があるのも信じられないような話だけど、私は目の前にいるウーログが嘘をついているようには見えないから。
だから、
「わかったわ。ノートの中身をどうにかウーログに見せるわ」
私はそういった。
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