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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか⑮
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「僕も噂に聞くデルデ殿下がそのような事をするとは思えない。デルデ殿下は、とても優秀な方だと聞いている。でも――乙女ゲームの中ではそういう断罪があるのは確かだね。僕も詳しくはないけど……。ただあくまでゲームだからこその展開でね。現実ではそんなことは早々ないと思うけれど。でも……イエルノのお姉さんはそれが本気で起こると信じているのだと思う」
「……デル兄様の事、お姉様が一番知っているはずなのに。そもそも、その、乙女げぇむの中でお父様は何をしてらっしゃるの? お姉様の事を可愛がっているお父様がそのような処刑など許すはずがありませんわ」
「乙女ゲームの中では、悪役令嬢の父親は家の恥だと言って処刑を止めないらしい」
「そんなはずありませんわ!! お父様は確かに公爵家としての立場を重んじる方ですわ。でも、処刑という最悪の結末を許すはずがありません。本当にお姉様がよっぽどの事をしでかしたとしても処刑した事にして、平民として生かすといった事はすると思いますわ。そもそも、その乙女げぇむというもののお姉様の処刑は非現実的ですわ。本当にお姉様がその主人公を虐めたとしても、それを誰も咎めないというのはあり得ません。そもそもお父様でしたらそういう結末になる前にお姉様を主人公から引き離すといった行動は起こすと思いますもの」
思わずウローグの言葉にそんな反対をしてしまった。
お父様はお姉様の事も私の事も大切にしてくれている。王侯貴族の中には家族仲が不仲な事もよくあるけれども、お父様はちゃんと愛情を向けてくれている。私はそれをちゃんと知っている。
お父様は家の立場を重んじている。でも、だからといって家の恥だからと娘を切り捨てるような方ではない。そもそもそのような最悪の状況になる前にお父様は対処が出来る人なのだ。そのことをお姉様も知っているはずなのに。
「まぁまぁ、落ち着いてイエルノ。イエルノにとってはそうでも、イエルノのお姉さんのアクノール様にとってはいつか自分を処刑に導くかもしれない存在って事だろう? それで態度がおかしくなっているのだと思うよ」
「……でも、あれだけ愛情を向けられているのに、その愛情を疑うなんて。もちろん、貴族である私達の間では嘘も偽りも当然あり得ます。人を疑う事も時には大切です。でも……あんな、本人自身を決してみていない態度はどうかと思うのですわ」
私たちは貴族だ。平民とは違う。幾ら、綺麗事で人はすべて平等だなどと口にしたとしても、明らかに王侯貴族と平民の間には隔たりがある。王侯貴族の間では騙し騙されというのが当然ある。人を信じすぎる事は確かに足元をすくわれることもある。でも、だからといってすべてを疑ってかかるわけではない。
お父様はあれだけ私達に対して愛情を向けてくれている。なのに、それを疑うなんて……。
「イエルノがそういう気持ちもわかるよ。でもそれだけアクノール様にとっては、衝撃的な記憶だったんだと思うよ? ちなみに、その攻略対象の中にはイエルノの義理の兄であるラスタ様もいるね。攻略対象が六人いるみたいだよ。そしてその六人とも、アクノール様を破滅に追いやる可能性があるらしい。だから、それで変な対応してしまっているんじゃないかな?」
「攻略対象……六人もの殿方と恋愛を楽しむなんて、なんてはしたないのかしら。その乙女げぇむというのは……。それで、その……何で、それでここが乙女げぇむの世界だとして、お姉様が私にあんな態度をするの?」
「……推測だけど、イエルノがモブだからじゃないかな。攻略対象であるデルデ殿下やラスタ様への態度とも違うみたいだし」
「モブとは?」
「その他大勢。メインのキャラクターではなく、ストーリーに対して関わらない存在という事。イエルノに対してアクノール様がそういう態度をしているというのは、アクノール様の破滅にイエルノが関わらないからではないかと思う。実際、このノートにも、妹のイエルノは脅威0と書かれているし、説明も姉を慕う普通の公爵令嬢としか書かれていない」
……モブ。その他大勢。私とお姉様は姉妹なのに、お姉様にとっては、私はとるにとらない存在という事なのだろうか。私がお姉様の破滅に関わらない存在だから、お姉様は私を見ないと。
悲しくなった。
そんな訳の分からない乙女げぇむというもののせいでお姉様が私を見なくなったという事が悲しい。
「イエルノ」
悲しみが顔に出てしまったのだろう、ウーログが私の頭に手を伸ばす。優しく撫でられて、私は泣いてしまった。お姉様が変になってから、人前では泣かないようにって一人でずっと泣いていたのに。ウーログの前で、涙を流しまったのだ。
「……デル兄様の事、お姉様が一番知っているはずなのに。そもそも、その、乙女げぇむの中でお父様は何をしてらっしゃるの? お姉様の事を可愛がっているお父様がそのような処刑など許すはずがありませんわ」
「乙女ゲームの中では、悪役令嬢の父親は家の恥だと言って処刑を止めないらしい」
「そんなはずありませんわ!! お父様は確かに公爵家としての立場を重んじる方ですわ。でも、処刑という最悪の結末を許すはずがありません。本当にお姉様がよっぽどの事をしでかしたとしても処刑した事にして、平民として生かすといった事はすると思いますわ。そもそも、その乙女げぇむというもののお姉様の処刑は非現実的ですわ。本当にお姉様がその主人公を虐めたとしても、それを誰も咎めないというのはあり得ません。そもそもお父様でしたらそういう結末になる前にお姉様を主人公から引き離すといった行動は起こすと思いますもの」
思わずウローグの言葉にそんな反対をしてしまった。
お父様はお姉様の事も私の事も大切にしてくれている。王侯貴族の中には家族仲が不仲な事もよくあるけれども、お父様はちゃんと愛情を向けてくれている。私はそれをちゃんと知っている。
お父様は家の立場を重んじている。でも、だからといって家の恥だからと娘を切り捨てるような方ではない。そもそもそのような最悪の状況になる前にお父様は対処が出来る人なのだ。そのことをお姉様も知っているはずなのに。
「まぁまぁ、落ち着いてイエルノ。イエルノにとってはそうでも、イエルノのお姉さんのアクノール様にとってはいつか自分を処刑に導くかもしれない存在って事だろう? それで態度がおかしくなっているのだと思うよ」
「……でも、あれだけ愛情を向けられているのに、その愛情を疑うなんて。もちろん、貴族である私達の間では嘘も偽りも当然あり得ます。人を疑う事も時には大切です。でも……あんな、本人自身を決してみていない態度はどうかと思うのですわ」
私たちは貴族だ。平民とは違う。幾ら、綺麗事で人はすべて平等だなどと口にしたとしても、明らかに王侯貴族と平民の間には隔たりがある。王侯貴族の間では騙し騙されというのが当然ある。人を信じすぎる事は確かに足元をすくわれることもある。でも、だからといってすべてを疑ってかかるわけではない。
お父様はあれだけ私達に対して愛情を向けてくれている。なのに、それを疑うなんて……。
「イエルノがそういう気持ちもわかるよ。でもそれだけアクノール様にとっては、衝撃的な記憶だったんだと思うよ? ちなみに、その攻略対象の中にはイエルノの義理の兄であるラスタ様もいるね。攻略対象が六人いるみたいだよ。そしてその六人とも、アクノール様を破滅に追いやる可能性があるらしい。だから、それで変な対応してしまっているんじゃないかな?」
「攻略対象……六人もの殿方と恋愛を楽しむなんて、なんてはしたないのかしら。その乙女げぇむというのは……。それで、その……何で、それでここが乙女げぇむの世界だとして、お姉様が私にあんな態度をするの?」
「……推測だけど、イエルノがモブだからじゃないかな。攻略対象であるデルデ殿下やラスタ様への態度とも違うみたいだし」
「モブとは?」
「その他大勢。メインのキャラクターではなく、ストーリーに対して関わらない存在という事。イエルノに対してアクノール様がそういう態度をしているというのは、アクノール様の破滅にイエルノが関わらないからではないかと思う。実際、このノートにも、妹のイエルノは脅威0と書かれているし、説明も姉を慕う普通の公爵令嬢としか書かれていない」
……モブ。その他大勢。私とお姉様は姉妹なのに、お姉様にとっては、私はとるにとらない存在という事なのだろうか。私がお姉様の破滅に関わらない存在だから、お姉様は私を見ないと。
悲しくなった。
そんな訳の分からない乙女げぇむというもののせいでお姉様が私を見なくなったという事が悲しい。
「イエルノ」
悲しみが顔に出てしまったのだろう、ウーログが私の頭に手を伸ばす。優しく撫でられて、私は泣いてしまった。お姉様が変になってから、人前では泣かないようにって一人でずっと泣いていたのに。ウーログの前で、涙を流しまったのだ。
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