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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㉔
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お姉様が学園に入学した。
結局の所、お姉様が学園に入学するまでの間に、お姉様に此処が現実だと分かってもらう事は出来なかった。
――私が何を言っても、何をしても、お姉様には届かない。
まだ時間はある。げぇむの終わりまでは。
それまでに、お姉様が私をちゃんと見てくれたなら――なんて、期待するだけ無駄な気がする。やれるだけやるけれども私の心は、お姉様が私を見ないという事実をちゃんと知っている。
私の大好きなお姉様。たった一人の、血のつながった姉妹。
――あの日から、私を見ない。イエルノ・カプラッドという別の何かを見てる。
デル兄様の心も、お姉様から離れている。前よりデル兄様はこちらの屋敷にやってくることがなくなった。手紙だって、家令に確認した所、義務的に送られてくるようなものが増えているらしい。
「ウーログ、私、お姉様が分かってくれないなら、私の手でお姉様を断罪したいの。私を見ていないお姉様に、私は、お姉様を大好きなだけの妹なんかじゃなくて、ちゃんと、私の意志があるんだと知らしめたいと思っているの。性格悪いかもしれないけど――」
「ううん。全然性格悪くないと思うよ。アクノール様、俺の事も全く気にしてないから、気持ちが分かる。イエルノがざまぁしたいっていうのなら俺は喜んで協力をするよ」
「ざまぁ?」
「ああ、ざまぁっていうのは、ざまぁみろって事。前世ではざまぁさせる小説とかはやっていたんだよ。例えば、悪役令嬢に転生ものとかだと、悪役令嬢が主人公にざまぁしたり、」悪役令嬢がざまぁされたりとかいろいろあったんだよ。ゲームの終わりで悪役令嬢役のアクノール様を、ゲームでは脇役であったイエルノがざまぁする。うん、やっぱりざまぁって気がするかな」
そういえば、ウーログは一人称を僕から俺に変えた。私としてみればどちらの一人称のウーログも好きだと思うから問題はないけれど。
それにしても断罪よりもざまぁの方が何だか少しだけ軽いイメージ。私はお姉様に此処が現実だってわかってもらいたい。私には私の意志があるのだと分かってもらいたい。だからこそ、一度げぇむの終わりを導く、私の手で。それは、断罪というより、ざまぁっていうのか。
「お姉様を、私はざまぁする。そのために、準備をするわ。もちろん、その前にお姉様がちゃんと私を見てくれるのならば、私はざまぁなんてしない。でも――お姉様が私をみてくれる気配なんてないもの」
もし、お姉様がもとに戻ってくれるのならばなんて、甘い考えだ。私はお姉様がこの世界を物語の世界だと思い込んでいるなんて周りに知らしめたくない。お姉様がおかしくなっているなんて周りに示したくない。――ざまぁをした後にお姉様が立ち上がれるようにしておきたい。
お姉様のノートに書かれていたような処刑や国外追放にはしたくない。お姉様の人生を終わらせたいわけじゃない。
「――そうだね。アクノール様をざまぁするには、一番は婚約破棄かな。悪役令嬢のバッドエンドは婚約破棄をされてからのはずだから。婚約破棄されて、処刑か国外追放になるみたいだけど。アクノール様は王子殿下ともうまくいっているつもりみたいだし、そのあたりの対策は何かしていなさそうな気がする。多分、アクノール様はこの世界が乙女ゲームの世界だと思い込んでいるからこそ、乙女ゲームの展開を大幅に変えようとはしていないように見える。もしここが現実だって割り切れるならアクノール様はイエルノの事をちゃんと見てくれると思うから」
「……ええ」
お姉様は、処刑や国外追放をされたくないらしい。だから、デル兄様やラス兄様といった攻略対象の前ではにこやかにしている。だけれども、そのげぇむという物語を大幅に変えようともしていない。此処が現実だと割り切りもせず、私の事もデル兄様の事もげぇむの設定で見ている。
矛盾しているように感じるけれど、お姉様は断罪はされたくないけれど、げぇむの展開から大幅に変わる事も恐れている。
それにしても、婚約破棄。通常で考えるなら王命で結ばれた婚約を王子が勝手に破棄するなど許されない。
「デル兄様は、お姉様があまりにもデル兄様を見ないからお姉様への愛情が減ってきている。とはいえ、これは王命で取り決められた正式なものだわ。だから王子とはいえ、デル兄様が勝手に婚約破棄は出来ない。でも――穏便に周りに根回しをすれば、出来ない事はない。よっぽどのことがないと婚約がなくなる事はないけれども、お姉様があれだけデル兄様を見ていないのはよっぽどのことだわ。国王陛下と王妃殿下も、デル兄様を可愛がっていると聞くもの。とはいえ、もちろん、デル兄様がお姉様と婚約をなくすと決めたらだけど。もしデル兄様がお姉様と婚約を無くすことを望まないなら別のざまぁを考えるだけだわ。どちらにせよ、このままじゃ誰も幸せになれない」
婚約を破棄する。それはよっぽどのことだ。でも、根回しをすれば出来ない事はない。
王子の婚約者であるお姉様はともかく、その妹である私はデル兄様以外の王族に謁見する事はまずほとんどない。でも、デル兄様からの話を聞くに、家族仲は良いはずだ。それにあのお姉様と少なからず交流していれば、違和感は国王陛下達も感じているはずだ。
全てはデル兄様の意志を聞いてからになる。
……私が直接デル兄様に手紙を出すのは問題があるので、お父様と少し話をしてみようと思う。もちろん、げぇむという物語の事は口にしないが、ちゃんとお父様は私の話を聞いてくれるはずだ、と信じたい。
結局の所、お姉様が学園に入学するまでの間に、お姉様に此処が現実だと分かってもらう事は出来なかった。
――私が何を言っても、何をしても、お姉様には届かない。
まだ時間はある。げぇむの終わりまでは。
それまでに、お姉様が私をちゃんと見てくれたなら――なんて、期待するだけ無駄な気がする。やれるだけやるけれども私の心は、お姉様が私を見ないという事実をちゃんと知っている。
私の大好きなお姉様。たった一人の、血のつながった姉妹。
――あの日から、私を見ない。イエルノ・カプラッドという別の何かを見てる。
デル兄様の心も、お姉様から離れている。前よりデル兄様はこちらの屋敷にやってくることがなくなった。手紙だって、家令に確認した所、義務的に送られてくるようなものが増えているらしい。
「ウーログ、私、お姉様が分かってくれないなら、私の手でお姉様を断罪したいの。私を見ていないお姉様に、私は、お姉様を大好きなだけの妹なんかじゃなくて、ちゃんと、私の意志があるんだと知らしめたいと思っているの。性格悪いかもしれないけど――」
「ううん。全然性格悪くないと思うよ。アクノール様、俺の事も全く気にしてないから、気持ちが分かる。イエルノがざまぁしたいっていうのなら俺は喜んで協力をするよ」
「ざまぁ?」
「ああ、ざまぁっていうのは、ざまぁみろって事。前世ではざまぁさせる小説とかはやっていたんだよ。例えば、悪役令嬢に転生ものとかだと、悪役令嬢が主人公にざまぁしたり、」悪役令嬢がざまぁされたりとかいろいろあったんだよ。ゲームの終わりで悪役令嬢役のアクノール様を、ゲームでは脇役であったイエルノがざまぁする。うん、やっぱりざまぁって気がするかな」
そういえば、ウーログは一人称を僕から俺に変えた。私としてみればどちらの一人称のウーログも好きだと思うから問題はないけれど。
それにしても断罪よりもざまぁの方が何だか少しだけ軽いイメージ。私はお姉様に此処が現実だってわかってもらいたい。私には私の意志があるのだと分かってもらいたい。だからこそ、一度げぇむの終わりを導く、私の手で。それは、断罪というより、ざまぁっていうのか。
「お姉様を、私はざまぁする。そのために、準備をするわ。もちろん、その前にお姉様がちゃんと私を見てくれるのならば、私はざまぁなんてしない。でも――お姉様が私をみてくれる気配なんてないもの」
もし、お姉様がもとに戻ってくれるのならばなんて、甘い考えだ。私はお姉様がこの世界を物語の世界だと思い込んでいるなんて周りに知らしめたくない。お姉様がおかしくなっているなんて周りに示したくない。――ざまぁをした後にお姉様が立ち上がれるようにしておきたい。
お姉様のノートに書かれていたような処刑や国外追放にはしたくない。お姉様の人生を終わらせたいわけじゃない。
「――そうだね。アクノール様をざまぁするには、一番は婚約破棄かな。悪役令嬢のバッドエンドは婚約破棄をされてからのはずだから。婚約破棄されて、処刑か国外追放になるみたいだけど。アクノール様は王子殿下ともうまくいっているつもりみたいだし、そのあたりの対策は何かしていなさそうな気がする。多分、アクノール様はこの世界が乙女ゲームの世界だと思い込んでいるからこそ、乙女ゲームの展開を大幅に変えようとはしていないように見える。もしここが現実だって割り切れるならアクノール様はイエルノの事をちゃんと見てくれると思うから」
「……ええ」
お姉様は、処刑や国外追放をされたくないらしい。だから、デル兄様やラス兄様といった攻略対象の前ではにこやかにしている。だけれども、そのげぇむという物語を大幅に変えようともしていない。此処が現実だと割り切りもせず、私の事もデル兄様の事もげぇむの設定で見ている。
矛盾しているように感じるけれど、お姉様は断罪はされたくないけれど、げぇむの展開から大幅に変わる事も恐れている。
それにしても、婚約破棄。通常で考えるなら王命で結ばれた婚約を王子が勝手に破棄するなど許されない。
「デル兄様は、お姉様があまりにもデル兄様を見ないからお姉様への愛情が減ってきている。とはいえ、これは王命で取り決められた正式なものだわ。だから王子とはいえ、デル兄様が勝手に婚約破棄は出来ない。でも――穏便に周りに根回しをすれば、出来ない事はない。よっぽどのことがないと婚約がなくなる事はないけれども、お姉様があれだけデル兄様を見ていないのはよっぽどのことだわ。国王陛下と王妃殿下も、デル兄様を可愛がっていると聞くもの。とはいえ、もちろん、デル兄様がお姉様と婚約をなくすと決めたらだけど。もしデル兄様がお姉様と婚約を無くすことを望まないなら別のざまぁを考えるだけだわ。どちらにせよ、このままじゃ誰も幸せになれない」
婚約を破棄する。それはよっぽどのことだ。でも、根回しをすれば出来ない事はない。
王子の婚約者であるお姉様はともかく、その妹である私はデル兄様以外の王族に謁見する事はまずほとんどない。でも、デル兄様からの話を聞くに、家族仲は良いはずだ。それにあのお姉様と少なからず交流していれば、違和感は国王陛下達も感じているはずだ。
全てはデル兄様の意志を聞いてからになる。
……私が直接デル兄様に手紙を出すのは問題があるので、お父様と少し話をしてみようと思う。もちろん、げぇむという物語の事は口にしないが、ちゃんとお父様は私の話を聞いてくれるはずだ、と信じたい。
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