33 / 60
何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㉜
しおりを挟む
お父様に確認をしてから、デル兄様に連絡をした。デル兄様はすぐに返信をしてくれた。王族として忙しいだろうに、すぐに返信をくれたことから本当にデル兄様は心が離れかけているとはいえ、お姉様のことを大切に思っているのだなと思う。
デル兄様はちゃんとお姉様を大切にしてた。思ってた。だから、お姉様のことだからこそ、こうしてすぐに返事をくれるのだ。デル兄様は私がやりたいといった催しに対しては、やりすぎではないかと思っているようだ。それでももしお姉様がこのままで、公爵令嬢としても問題な態度を続けるのならばそれも仕方がないことだろうと書かれていた。
ひとまず消極的とはいえ、お姉様への催しのお手伝いをしてくださるということでほっとした。
また、お父様を通じてデル兄様にその攻略対象の方と会えないか、その婚約者も含めてというのを連絡している。もちろん、その場にはウーログも一緒で、話をして仲を深められることが出来たらと思っているのだ。
一対一で男女が会っていれば良からぬ噂をたてられてしまう恐れも十分あるのだから。そのあたりはきちんとやっている。というか、出来たらお姉様が言う攻略対象の方々の婚約者のご令嬢たちと是非とも仲良くなりたい。彼女たちはお姉様と同じ年か一つ下ぐらいなので、学園のお姉様の様子を同性目線で見ることもできるし。
……もし、婚約者の令嬢たちとお姉様が仲良くなる事が出来れば、此処が現実だとお姉様は気づいてくれるだろうか。お姉様には心から親しい友人はいないはずだ。お姉様はその乙女げぇむの登場人物以外に関心を持たないから、攻略対象の婚約者という人達の言葉なら聞くかもしれないとも思ったから。
私はその乙女げぇむの中でほぼ出てこない存在だから、お姉様は私を気にも留めないから。
ああ、お姉様。お姉様は私がデル兄様と仲良く手紙のやり取りをしていても何も気にも留めない。デル兄様のことは攻略対象としか見てなくて、私の事は気に留める必要がない存在だと思っているから。――悪役令嬢の妹いう存在である私が攻略対象と恋仲になるはずがないという思い込みがあるからだと思う。まぁ、私とデル兄様の間にあるのはただの兄妹のような関係でしかないけれど。いっそのこと私が予想外の人とそういう仲になったらお姉様も「あれ?」と思うのだろうか。でも私はウーログが好きだし、婚約者の居る相手に迫るような気はない。本当に、その乙女げぇむの主人公が本当に分からない……。
そんなことを考えながら、私は目の前の人たちを見る。
私とウーログの前には宰相様の次男であるマジェック・ウィングフィールド様と、その婚約者であるヨドア・スーイミ様、デル兄様とお姉様がいる。
流石に前に会った事があるとはいえ、マジェック様とヨドア様とはそんなに交流がないのだから、こんなメンバーでの交流になった。私の目標はヨドア様と仲良くなること。
ヨドア様と仲良くなれれば、お姉様の情報も他の情報も入りたくなるだろう。もちろん、それだけではなくてヨドア様と仲良くなりたいという思いももちろんある。ヨドア様は、朗らかに笑う栗色の髪の女性で、その穏やかな笑みに何だかほっとした気持ちになる。
お姉様とはまた違った雰囲気の美人な女性だ。それにしても本当に綺麗な人だ。この方といい、お姉様といい、乙女げぇむというものの中でお相手の男の人の婚約者は皆こういう美しい人なのだろうか。
「ヨドア様、学園はどのように過ごしていらっしゃいますの?」
「そうですね、学園では――」
学園にまだ入学していない私は、ヨドア様にそういって問いかけた。
お姉様の事が気になるのも本音だけど、学園生活がどういうものなのか気になるのも本当だ。お姉様は私の話を受け流すというか、ちゃんとは聞いてくれないからこうして学園の様子をきちんと聞くことが出来るのは私は嬉しかった。ウーログもマジェック様とデル兄様と仲良く話している。ウーログが仲良くしていることが嬉しいと思う。
お姉様は私とヨドア様の会話に入りはしているけれど、相変わらず心ここにあらずと言った様子だ。お姉様とヨドア様が此処で仲良くならないかなとも思ったのだが、お姉様はヨドア様のことは特別視はしているようだが、そういう目でしか見ていない。
ヨドア様も話しているうちにそれが分かったのかもしれない。というか、お姉様は聞いているようで聞いていなかったり、そういうことがよくある。こうして他の人も含めて話していると余計にお姉様は取り繕ってはいるけれどやはりちゃんと見ていない。
「イエルノ様は――」
「ええ。そうですね」
純粋にヨドア様と会話をすることは楽しいと思った。
ヨドア様は穏やかで、私のことをちゃんと見て、にこやかに笑いかけてくれる様子に昔のお姉様との記憶を思い起こした。お姉様もいつも私に笑いかけてくれていた。お姉様は優しかった。私はそんなお姉様とただのんびりと過ごせれば良かった。すぐに思い浮かべる優しい記憶。
お姉様、私はお姉様にちゃんと私を見てもらうからね。ただ、周りの誰も見ずに、笑っているお姉様にそう思った。
その日、ヨドア様とは親しくなれて私は嬉しかった。
デル兄様はちゃんとお姉様を大切にしてた。思ってた。だから、お姉様のことだからこそ、こうしてすぐに返事をくれるのだ。デル兄様は私がやりたいといった催しに対しては、やりすぎではないかと思っているようだ。それでももしお姉様がこのままで、公爵令嬢としても問題な態度を続けるのならばそれも仕方がないことだろうと書かれていた。
ひとまず消極的とはいえ、お姉様への催しのお手伝いをしてくださるということでほっとした。
また、お父様を通じてデル兄様にその攻略対象の方と会えないか、その婚約者も含めてというのを連絡している。もちろん、その場にはウーログも一緒で、話をして仲を深められることが出来たらと思っているのだ。
一対一で男女が会っていれば良からぬ噂をたてられてしまう恐れも十分あるのだから。そのあたりはきちんとやっている。というか、出来たらお姉様が言う攻略対象の方々の婚約者のご令嬢たちと是非とも仲良くなりたい。彼女たちはお姉様と同じ年か一つ下ぐらいなので、学園のお姉様の様子を同性目線で見ることもできるし。
……もし、婚約者の令嬢たちとお姉様が仲良くなる事が出来れば、此処が現実だとお姉様は気づいてくれるだろうか。お姉様には心から親しい友人はいないはずだ。お姉様はその乙女げぇむの登場人物以外に関心を持たないから、攻略対象の婚約者という人達の言葉なら聞くかもしれないとも思ったから。
私はその乙女げぇむの中でほぼ出てこない存在だから、お姉様は私を気にも留めないから。
ああ、お姉様。お姉様は私がデル兄様と仲良く手紙のやり取りをしていても何も気にも留めない。デル兄様のことは攻略対象としか見てなくて、私の事は気に留める必要がない存在だと思っているから。――悪役令嬢の妹いう存在である私が攻略対象と恋仲になるはずがないという思い込みがあるからだと思う。まぁ、私とデル兄様の間にあるのはただの兄妹のような関係でしかないけれど。いっそのこと私が予想外の人とそういう仲になったらお姉様も「あれ?」と思うのだろうか。でも私はウーログが好きだし、婚約者の居る相手に迫るような気はない。本当に、その乙女げぇむの主人公が本当に分からない……。
そんなことを考えながら、私は目の前の人たちを見る。
私とウーログの前には宰相様の次男であるマジェック・ウィングフィールド様と、その婚約者であるヨドア・スーイミ様、デル兄様とお姉様がいる。
流石に前に会った事があるとはいえ、マジェック様とヨドア様とはそんなに交流がないのだから、こんなメンバーでの交流になった。私の目標はヨドア様と仲良くなること。
ヨドア様と仲良くなれれば、お姉様の情報も他の情報も入りたくなるだろう。もちろん、それだけではなくてヨドア様と仲良くなりたいという思いももちろんある。ヨドア様は、朗らかに笑う栗色の髪の女性で、その穏やかな笑みに何だかほっとした気持ちになる。
お姉様とはまた違った雰囲気の美人な女性だ。それにしても本当に綺麗な人だ。この方といい、お姉様といい、乙女げぇむというものの中でお相手の男の人の婚約者は皆こういう美しい人なのだろうか。
「ヨドア様、学園はどのように過ごしていらっしゃいますの?」
「そうですね、学園では――」
学園にまだ入学していない私は、ヨドア様にそういって問いかけた。
お姉様の事が気になるのも本音だけど、学園生活がどういうものなのか気になるのも本当だ。お姉様は私の話を受け流すというか、ちゃんとは聞いてくれないからこうして学園の様子をきちんと聞くことが出来るのは私は嬉しかった。ウーログもマジェック様とデル兄様と仲良く話している。ウーログが仲良くしていることが嬉しいと思う。
お姉様は私とヨドア様の会話に入りはしているけれど、相変わらず心ここにあらずと言った様子だ。お姉様とヨドア様が此処で仲良くならないかなとも思ったのだが、お姉様はヨドア様のことは特別視はしているようだが、そういう目でしか見ていない。
ヨドア様も話しているうちにそれが分かったのかもしれない。というか、お姉様は聞いているようで聞いていなかったり、そういうことがよくある。こうして他の人も含めて話していると余計にお姉様は取り繕ってはいるけれどやはりちゃんと見ていない。
「イエルノ様は――」
「ええ。そうですね」
純粋にヨドア様と会話をすることは楽しいと思った。
ヨドア様は穏やかで、私のことをちゃんと見て、にこやかに笑いかけてくれる様子に昔のお姉様との記憶を思い起こした。お姉様もいつも私に笑いかけてくれていた。お姉様は優しかった。私はそんなお姉様とただのんびりと過ごせれば良かった。すぐに思い浮かべる優しい記憶。
お姉様、私はお姉様にちゃんと私を見てもらうからね。ただ、周りの誰も見ずに、笑っているお姉様にそう思った。
その日、ヨドア様とは親しくなれて私は嬉しかった。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】前提が間違っています
蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった
【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた
【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた
彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語
※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。
ご注意ください
読んでくださって誠に有難うございます。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
婚約破棄ですか?構いませんわ。ですがその契約、すべて我が家のものです
ふわふわ
恋愛
王太子ユリウスは、王立学園の卒業舞踏会で突然宣言した。
「カリスタ・ヴァレリオンとの婚約を破棄する!」
隣には涙を流す義妹ルミレア。
彼女は「姉に虐げられてきた可哀想な令嬢」を演じ、王太子はそれを信じてしまう。
だが――王太子は知らなかった。
ヴァレリオン公爵家が
王国銀行の資金、港湾会社の株式、商人組合の信用保証――
王国経済の中枢を支える契約のほとんどを握っていたことを。
婚約破棄と同時に、カリスタは静かに言った。
「では契約を終了いたします」
その瞬間、王国の歯車は止まり始める。
港は停止。
銀行は資金不足。
商人は取引停止。
そしてついに――
王宮大広間で王太子の公開断罪が始まる。
「私は悪くない!」
「騙されたんだ!」
見苦しく喚き暴れる王太子は、衛兵に取り押さえられ、床を引きずられるようにして連行されていく。
王太子、義妹、義父母。
すべてが破滅したとき、カリスタはただ静かに告げる。
「契約は終わりました」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる