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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㉟
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学園に入学してから、私の世界は広がっている。今まで屋敷でずっと暮らしていた。私の世界は狭くて、知り合いも少なかった。
だけどこの学園にやってきて、私は知り合いが沢山増えた。
親しい友人のような存在も出来た。まぁ、身分さがあるからこそ、距離はあるし、もしかしたら私と同じような気持ちを向こうは返していないかもしれないけれど、まぁ、それはそれよ。ただ、友人とは言え、やっぱり私たちは貴族だから、陥れられることはないように警戒はしている。貴族というのは、評判が大事だから。どこかで評価が落ちてしまえば、それが例え噂だったとしても貴族として生きていくことが難しくなる。
お姉様は学園の中では、高い地位にいる。デル兄様の婚約者であり、成績も優秀で、いつも一歩後ろに控えていて、慎ましくてデル兄様をたてている存在だと噂されている。ああ、でもやっぱりお姉様はデル兄様を見ていない。デル兄様はお姉様に歩み寄ろうといつもしているように見える。同じ学園に通っていれば、有名な二人の噂は沢山入ってくるものなのだ。
デル兄様とお姉様はこの学園の中で仲睦まじい存在と言われている。ああ……でも、デル兄様の事をお姉様が見ていないことなんて、誰も気づいていないのだろう。その心の距離が離れていることにも。
お姉様の人との接し方は、距離が近い人ほど距離を感じる。距離が近いほど、お姉様が私を見ていないことが分かってしまう。……だからこそ、余計にもやもやした気持ちになる。
――ああ、やっぱり私はお姉様のことが大好きで、だけどやっぱり嫌いだ。そんな複雑な気持ちでいっぱいになる。
私はこれから、お姉様をざまぁするための準備をするための足固めをする。もちろん、それだけが目的ではないけど、学園生活を充実させながら、お姉様へのざまぁもしたいなんて私は我儘なのかもしれない。
それでも私はお姉様に私を見てほしいから。
学園の生徒たちとの距離を縮めていく。この学園という小さな社交場の中で、ウーログのおかげもあって私は高い位置にいることが出来ていると思う。今まで令嬢教育をちゃんと頑張っていて良かった。私は見た目がそこまで派手じゃないから、他の所で公爵令嬢らしくあれたらと思っていたからほっとする。
ウーログと私は大変仲睦まじい婚約者として有名らしい。それもウーログが私の傍にいつもいるからだろう。ウーログは私の前だといつもにこにこと笑っている。でもそこまで親しくない相手には少しだけ冷たいらしい。私はそういうウーログを見たことがないからあまり実感は湧かないけれど、嬉しかった。ウーログが私の前でにこにこしているのが。
味方をどんどん増やしていきながら、私はお姉様とその周りの情報を集めていく。
「――そうですね。アクノール様はよく一人でブツブツ何かを言っておられます。学園に入学をしてから徐々に様子がおかしくなっているように思えます。表面上は公爵令嬢として相応しい様子を見せていますが……、いつその仮面がはがれるのか私には分かりかねます」
そう告げるのは、お姉様の傍についている王家からの侍女である。……彼女はお姉様の傍にいるからこそ、余計にお姉様の様子がおかしいのが分かるのだろう。私はお姉様が学園に入学をしてからの、お姉様の様子を詳しく知っているわけではない。年齢の差があるからどうしてもお姉様の傍には入れないから。
……王家の侍女はお姉様の事をなんと思っているのだろうか。王家からの仕事を全うしている彼女たちの本音は分からない。
ちなみにこの報告を聞いているのは、私、ウーログ、デル兄様である。……お姉様が年を重ねるごとに様子がおかしくなっているのは、乙女げぇむの時期が迫っているからなのだろう。そう思えるけれど、ああ、どうしてそんな起こるかも分からない先のことしかお姉様は見ていないのだろうかと悲しい気持ちになった。
……私は、お姉様に今を見てほしい。ちゃんと私の事を目にとめて、私に笑いかけてほしい。
「……力不足で済まないね、イエルノ。私の言葉はアクノールに届いていないのだよ」
「デル兄様、謝らないでくださいませ。お姉様は誰の言葉も聞きません。私ももっとお姉様に話しかけます。それでだめだったら……お姉様に催しをします」
デル兄様に向かって、私ははっきりとそう告げる。
デル兄様の言葉も、私の言葉も、何一つお姉様には届かない。お姉様はいつだって現実ではなく、乙女げぇむという世界を生きている。——その乙女げぇむの時期以外はどうでもいいと思っているのか、その乙女げぇむとしてしかこの世界を見ていない。
だから、私たちはお姉様をざまぁすることを求める。
「デルデ殿下、イエルノ、アクノール様ももしかしたら何かの拍子にアクノール様ももしかしたら現実を見るかもしれない。まずそのきっかけを作ることにしたほうが良いかと思います」
「そうだな……。イエルノ、その催しをするとしたら卒業時だろう。あと三年はある。それまでにもっと働きかけよう」
「デル兄様、私もお姉様にもっと働きかけますわ。催しの準備は進めますが、出来ればそれを行わないで済むのが一番ですもの」
――大好きで、嫌いなお姉様。貴方が私やデル兄様の事をちゃんと見てくれたら、それだけで催しを開催せずにすむのに。
私たちを乙女げぇむの登場人物としか見ていないお姉様は、私たちがこんなことを考えているなんて一切思っていないだろう。お姉様は私たちに関心がない。
だけどこの学園にやってきて、私は知り合いが沢山増えた。
親しい友人のような存在も出来た。まぁ、身分さがあるからこそ、距離はあるし、もしかしたら私と同じような気持ちを向こうは返していないかもしれないけれど、まぁ、それはそれよ。ただ、友人とは言え、やっぱり私たちは貴族だから、陥れられることはないように警戒はしている。貴族というのは、評判が大事だから。どこかで評価が落ちてしまえば、それが例え噂だったとしても貴族として生きていくことが難しくなる。
お姉様は学園の中では、高い地位にいる。デル兄様の婚約者であり、成績も優秀で、いつも一歩後ろに控えていて、慎ましくてデル兄様をたてている存在だと噂されている。ああ、でもやっぱりお姉様はデル兄様を見ていない。デル兄様はお姉様に歩み寄ろうといつもしているように見える。同じ学園に通っていれば、有名な二人の噂は沢山入ってくるものなのだ。
デル兄様とお姉様はこの学園の中で仲睦まじい存在と言われている。ああ……でも、デル兄様の事をお姉様が見ていないことなんて、誰も気づいていないのだろう。その心の距離が離れていることにも。
お姉様の人との接し方は、距離が近い人ほど距離を感じる。距離が近いほど、お姉様が私を見ていないことが分かってしまう。……だからこそ、余計にもやもやした気持ちになる。
――ああ、やっぱり私はお姉様のことが大好きで、だけどやっぱり嫌いだ。そんな複雑な気持ちでいっぱいになる。
私はこれから、お姉様をざまぁするための準備をするための足固めをする。もちろん、それだけが目的ではないけど、学園生活を充実させながら、お姉様へのざまぁもしたいなんて私は我儘なのかもしれない。
それでも私はお姉様に私を見てほしいから。
学園の生徒たちとの距離を縮めていく。この学園という小さな社交場の中で、ウーログのおかげもあって私は高い位置にいることが出来ていると思う。今まで令嬢教育をちゃんと頑張っていて良かった。私は見た目がそこまで派手じゃないから、他の所で公爵令嬢らしくあれたらと思っていたからほっとする。
ウーログと私は大変仲睦まじい婚約者として有名らしい。それもウーログが私の傍にいつもいるからだろう。ウーログは私の前だといつもにこにこと笑っている。でもそこまで親しくない相手には少しだけ冷たいらしい。私はそういうウーログを見たことがないからあまり実感は湧かないけれど、嬉しかった。ウーログが私の前でにこにこしているのが。
味方をどんどん増やしていきながら、私はお姉様とその周りの情報を集めていく。
「――そうですね。アクノール様はよく一人でブツブツ何かを言っておられます。学園に入学をしてから徐々に様子がおかしくなっているように思えます。表面上は公爵令嬢として相応しい様子を見せていますが……、いつその仮面がはがれるのか私には分かりかねます」
そう告げるのは、お姉様の傍についている王家からの侍女である。……彼女はお姉様の傍にいるからこそ、余計にお姉様の様子がおかしいのが分かるのだろう。私はお姉様が学園に入学をしてからの、お姉様の様子を詳しく知っているわけではない。年齢の差があるからどうしてもお姉様の傍には入れないから。
……王家の侍女はお姉様の事をなんと思っているのだろうか。王家からの仕事を全うしている彼女たちの本音は分からない。
ちなみにこの報告を聞いているのは、私、ウーログ、デル兄様である。……お姉様が年を重ねるごとに様子がおかしくなっているのは、乙女げぇむの時期が迫っているからなのだろう。そう思えるけれど、ああ、どうしてそんな起こるかも分からない先のことしかお姉様は見ていないのだろうかと悲しい気持ちになった。
……私は、お姉様に今を見てほしい。ちゃんと私の事を目にとめて、私に笑いかけてほしい。
「……力不足で済まないね、イエルノ。私の言葉はアクノールに届いていないのだよ」
「デル兄様、謝らないでくださいませ。お姉様は誰の言葉も聞きません。私ももっとお姉様に話しかけます。それでだめだったら……お姉様に催しをします」
デル兄様に向かって、私ははっきりとそう告げる。
デル兄様の言葉も、私の言葉も、何一つお姉様には届かない。お姉様はいつだって現実ではなく、乙女げぇむという世界を生きている。——その乙女げぇむの時期以外はどうでもいいと思っているのか、その乙女げぇむとしてしかこの世界を見ていない。
だから、私たちはお姉様をざまぁすることを求める。
「デルデ殿下、イエルノ、アクノール様ももしかしたら何かの拍子にアクノール様ももしかしたら現実を見るかもしれない。まずそのきっかけを作ることにしたほうが良いかと思います」
「そうだな……。イエルノ、その催しをするとしたら卒業時だろう。あと三年はある。それまでにもっと働きかけよう」
「デル兄様、私もお姉様にもっと働きかけますわ。催しの準備は進めますが、出来ればそれを行わないで済むのが一番ですもの」
――大好きで、嫌いなお姉様。貴方が私やデル兄様の事をちゃんと見てくれたら、それだけで催しを開催せずにすむのに。
私たちを乙女げぇむの登場人物としか見ていないお姉様は、私たちがこんなことを考えているなんて一切思っていないだろう。お姉様は私たちに関心がない。
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