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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㊵
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「イエルノ様、凄いです」
「イエルノ様って、本当に素敵な仕草ですね。私も出来るようになりたい!!」
ヒーナという少女は、とても無邪気で明るくて――それでいて感じの良い少女だった。平民出だというのもあり、ヒーナの礼儀は完璧であるわけではない。貴族として社交界に入るのならば、もっと学ぶことは沢山ある。
私は正直言って、そこまで愛想がよいわけでもない。貴族社会ではともかく、平民育ちの少女であるヒーナから好かれないのではないか……という懸念はあった。私はヒーナに好感が持てているけれど、相手もそういう思いを持ってくれるかは分からなかったから。
だけど、ヒーナは、私の事を慕ってくれた。年下の少女である私から学ぶことに抵抗があるかもしれない――とも思ったけれど、そんなことはなかった。
――ヒーナは私の事を凄いと口にして、私から沢山の事を一生懸命学ぼうとしてくれている。
私もやる気がない人よりも、こうして一生懸命学ぼうとしてくれている人に教える方が当然やる気が出る。人に物事を教えるのはあまりしたことはなかったけれど、こうして本格的にヒーナに教えるという行為をしてそれが楽しいなと思えた。
ウーログの元へ嫁いだ後、令嬢たちに何かを教えるようなこともやってみたいなとそんな風に未来のことへと思いをはせた。
ああ、思えば、学園の先のことまではあまり考えてなかった。私にとって、変わったお姉様と、そのお姉様をざまぁするかもしれない卒業式――それが大きな分岐点になっていて、そのことばかり考えていた。私にとってはお姉様が此処が現実だとちゃんと気づいてくれることが、私が物語の中にいる存在ではなくて、私自身が此処で生きている存在だとちゃんとわかってもらえるように――そんな風に私はずっと考えていた。それ以外のこと中々考えられることなどなく、私は――ただお姉様のことしか考えられなかった。
だけど、そうだ……それに凝り固まってはいけない。私の将来は、その先も続いていく。私はお姉様のことばかり考えていなかったつもりだったし、将来のことも考えているつもりだった。——だけど、やっぱりお姉様のことを考え続けて、そして――その先のことをそこまで考えられていなかった。
そのことに、ヒーナとの出会いで、改めてそのことに気づかされた。
その事実に気づいた時、ヒーナという少女の凄さを思い知った。——ただかわいらしいだけではなく、人に大きな影響を与える存在なのだ。ただ良い影響も、悪い影響も与える存在と言えるだろう。
お姉様のいう乙女げぇむの世界と現実は違うだろう。だけれども、ヒーナがこれだけ、影響力を与えられる存在だからこそ、六人もの殿方に好かれ、学園をかき乱すということが成し遂げえたのではないかとも思えた。
……平民として無邪気なまま、きちんとした教育を受けずに学園に転入したという形なのだろうか? こんなに学ぶ意欲の高い少女だからこそ、皆が惹かれたのだろうか。その乙女げぇむというものを実際に私は知らない。
だからこそ、詳しくは分からない。
けれど、それだけの力がヒーナにはあるのだ。
――私ももっと、視野を広げなければならない。もっと先のことや、もっと周りのことを考えよう。
「イエルノ様、私に沢山の事を教えてくれてありがとうございます。イエルノ様に教えていただけるから私、貴族社会の事がよく分かりました。まだまだ至らないことも多いですけど、イエルノ様がいるんだと思うと学園生活も楽しみです」
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ。私もヒーナと出会えてうれしいわ。ヒーナから気づかされることも多いもの」
「本当ですか? 私から学べること??」
ヒーナは私の言葉に不思議そうな声を出して戸惑ったような表情だ。なるべく表情は顔に出さないようにとはいってあるけれど、身内だけの時は大丈夫と言ってあるので、こうして表情を表に出しているのだろう。
これでも私が合図を出した時は、淑女としての姿を見せている。少しずつ淑女としての姿を見せているヒーナは、将来的に素敵な令嬢になれるだろうなと思う。
まぁ、もちろん、親しい人の前では今までのような姿も見せて問題はないけれど。
「――私、急にお父様がいるって知って不安でした。うれしさもあったけど、不安の方が大きくて……。分からないことも多いから、どうしたらいいのかなって。お父様も、甘やかしてくれるのは嬉しいけれど……ちょっとだけ甘やかしすぎかなとも思っていたから。イエルノ様みたいにちゃんと指導してくれる方がいるって良いことです」
……親であるならば子供を甘やかしてしまうのも当然であると言えるだろう。でもあれね、乙女げぇむでのヒーナはそれなりに甘やかされていたのかもしれない。やっぱり接触して良かった。お姉様のことをどうにかするという打算もあったけれど、私は――ヒーナと仲良くできることが嬉しいと思う。
――そしてお姉様のことを抜きにしてもヒーナにとって良い学園生活になればいいなとそう願うのだった。
「イエルノ様って、本当に素敵な仕草ですね。私も出来るようになりたい!!」
ヒーナという少女は、とても無邪気で明るくて――それでいて感じの良い少女だった。平民出だというのもあり、ヒーナの礼儀は完璧であるわけではない。貴族として社交界に入るのならば、もっと学ぶことは沢山ある。
私は正直言って、そこまで愛想がよいわけでもない。貴族社会ではともかく、平民育ちの少女であるヒーナから好かれないのではないか……という懸念はあった。私はヒーナに好感が持てているけれど、相手もそういう思いを持ってくれるかは分からなかったから。
だけど、ヒーナは、私の事を慕ってくれた。年下の少女である私から学ぶことに抵抗があるかもしれない――とも思ったけれど、そんなことはなかった。
――ヒーナは私の事を凄いと口にして、私から沢山の事を一生懸命学ぼうとしてくれている。
私もやる気がない人よりも、こうして一生懸命学ぼうとしてくれている人に教える方が当然やる気が出る。人に物事を教えるのはあまりしたことはなかったけれど、こうして本格的にヒーナに教えるという行為をしてそれが楽しいなと思えた。
ウーログの元へ嫁いだ後、令嬢たちに何かを教えるようなこともやってみたいなとそんな風に未来のことへと思いをはせた。
ああ、思えば、学園の先のことまではあまり考えてなかった。私にとって、変わったお姉様と、そのお姉様をざまぁするかもしれない卒業式――それが大きな分岐点になっていて、そのことばかり考えていた。私にとってはお姉様が此処が現実だとちゃんと気づいてくれることが、私が物語の中にいる存在ではなくて、私自身が此処で生きている存在だとちゃんとわかってもらえるように――そんな風に私はずっと考えていた。それ以外のこと中々考えられることなどなく、私は――ただお姉様のことしか考えられなかった。
だけど、そうだ……それに凝り固まってはいけない。私の将来は、その先も続いていく。私はお姉様のことばかり考えていなかったつもりだったし、将来のことも考えているつもりだった。——だけど、やっぱりお姉様のことを考え続けて、そして――その先のことをそこまで考えられていなかった。
そのことに、ヒーナとの出会いで、改めてそのことに気づかされた。
その事実に気づいた時、ヒーナという少女の凄さを思い知った。——ただかわいらしいだけではなく、人に大きな影響を与える存在なのだ。ただ良い影響も、悪い影響も与える存在と言えるだろう。
お姉様のいう乙女げぇむの世界と現実は違うだろう。だけれども、ヒーナがこれだけ、影響力を与えられる存在だからこそ、六人もの殿方に好かれ、学園をかき乱すということが成し遂げえたのではないかとも思えた。
……平民として無邪気なまま、きちんとした教育を受けずに学園に転入したという形なのだろうか? こんなに学ぶ意欲の高い少女だからこそ、皆が惹かれたのだろうか。その乙女げぇむというものを実際に私は知らない。
だからこそ、詳しくは分からない。
けれど、それだけの力がヒーナにはあるのだ。
――私ももっと、視野を広げなければならない。もっと先のことや、もっと周りのことを考えよう。
「イエルノ様、私に沢山の事を教えてくれてありがとうございます。イエルノ様に教えていただけるから私、貴族社会の事がよく分かりました。まだまだ至らないことも多いですけど、イエルノ様がいるんだと思うと学園生活も楽しみです」
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ。私もヒーナと出会えてうれしいわ。ヒーナから気づかされることも多いもの」
「本当ですか? 私から学べること??」
ヒーナは私の言葉に不思議そうな声を出して戸惑ったような表情だ。なるべく表情は顔に出さないようにとはいってあるけれど、身内だけの時は大丈夫と言ってあるので、こうして表情を表に出しているのだろう。
これでも私が合図を出した時は、淑女としての姿を見せている。少しずつ淑女としての姿を見せているヒーナは、将来的に素敵な令嬢になれるだろうなと思う。
まぁ、もちろん、親しい人の前では今までのような姿も見せて問題はないけれど。
「――私、急にお父様がいるって知って不安でした。うれしさもあったけど、不安の方が大きくて……。分からないことも多いから、どうしたらいいのかなって。お父様も、甘やかしてくれるのは嬉しいけれど……ちょっとだけ甘やかしすぎかなとも思っていたから。イエルノ様みたいにちゃんと指導してくれる方がいるって良いことです」
……親であるならば子供を甘やかしてしまうのも当然であると言えるだろう。でもあれね、乙女げぇむでのヒーナはそれなりに甘やかされていたのかもしれない。やっぱり接触して良かった。お姉様のことをどうにかするという打算もあったけれど、私は――ヒーナと仲良くできることが嬉しいと思う。
――そしてお姉様のことを抜きにしてもヒーナにとって良い学園生活になればいいなとそう願うのだった。
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