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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㊷
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ヒーナが学園に転入する日がやってきた。
ようやく……というべきか、お姉様の言う乙女げぇむが始まる。高等部に入学してからのお姉様は、前よりもおかしくなった。少しずつ、お姉様は『悪役令嬢』という呪縛にとらわれて、益々自分を見失う。元からお姉様は空想の世界を生きているような人だったけれども――、ヒーナがやってくることを実感したお姉様はおかしくなった。
私が、「お姉様、大丈夫ですか」と問いかけてもお姉様は大丈夫としか言わない。
私が、「お姉様、何かあるなら言ってください」と言ってもお姉様は何も語らない。
お姉様にとって、私という存在はあくまでも脇役でしかない。私の言葉は、やっぱりお姉様には何一つ届かないのだ。
では、メインの登場人物であったデル兄様たちならどうか――と思っても、やっぱりそういう人たちの言葉もお姉様は聞かない。お姉様は自分の見たいものしか見ない。聞きたいことしか聞かない。ああ、とっくの昔にお姉様はおかしくなっていて、お姉様は周りを何一つ見ていないのだ。
デル兄様がその事実を悲しんでいることも、お姉様は理解しない。デル兄様自身を、お姉様は見ていないからこそ、その乙女げぇむの世界のデル兄様だけを信じている。現実ではなく、空想の中のデル兄様を。
……ねぇ、お姉様。
お姉様がそんなだから乙女げぇむの中でただの脇役であった――取るに取らない存在でしかなかった私に足を掬われようとしているんだよ。
私は、お姉様が卒業までに理解をしないようなら――、お姉様をざまぁする。
――ざまぁしたとしても、私の大好きなお姉様は戻ってこないかもしれない。私の事を見ないかもしれない。それでも私は、お姉様に現実を知らしめると決めたのだ。
そのための大きな布石が――、ヒーナである。
乙女げぇむの世界でヒロインであったというヒーナ。太陽のように明るく、周りを照らすヒーナを進んで利用しようとは思っていない。此処がお姉様の言う乙女げぇむの世界だろうとも、本当にヒーナが攻略対象と呼ばれる殿方たちと仲良くなるのかも定かではない。
けれどもしー―本当にヒーナが彼らと仲良くなるのだったら、私はまず穏便に事が進むように尽力を尽くそうと思う。
乙女げぇむの世界ではなぜか根回しもせずに、デル兄様が婚約破棄を行い、お姉様が大変な目にあっていたようだが、現実ではそうはいかない。
そもそもそんなことをしたらデル兄様の立場が悪くなるものである。だからこそ……ヒーナが誰かと恋仲になったのならば、こちらでも動こうと思う。
攻略対象以外と恋仲になったとしても、それはそれで構わない。
ただヒーナという存在が学園に入っただけでもお姉様への働きかけにはなるから。でも例えばヒーナが何もしていなかったとしても……、お姉様はきっと乙女げぇむの枠組みにとらわれてヒーナに何か言うかもしれない。
そう思った私は、先にヒーナに「もしかしたらお姉様が変な接触の仕方をするかもしれない」というのだけはきちんと伝えてある。
ヒーナは何とも言えない表情をしていたけれど、「分かりました」と頷いてくれた。ヒーナは詳しい事情を私に聞かない。私が話すのを待っていてくれていて、聞き上手だ。そういうヒーナだからこそ……、乙女げぇむの世界で主人公という立場になりえたのだろうか。
そんなことを私は考えてしまった。
そして、ヒーナは学園に入学した。
庶子としてヒーナは学園に入学したわけだが、ヒーナの見目のよさと所作の美しさからヒーナは友人が出来たと喜んでいた。
「イエルノ様が教えてくださったからです。ありがとうございます」
ヒーナはにこにこして、私にお礼を言った。
ヒーナが学園に入学した後も、時々私たちはお茶会をした。
お姉様はヒーナが転入してから益々落ち着きがなくなったらしく、少し周りから距離を置かれているらしい。それでもお姉様は周りに関心がなく、いつも通り過ごしているという。
そんなお姉様は、ヒーナと私が接触しているのにもやっぱり気づかない。私がヒーナと接触何てするはずがないと、私の行動を気にも留めていない。
周りの見えないお姉様は、これからどんどん孤立していくのかもしれない。そして孤立していったとしても、乙女げぇむの世界にとらわれているお姉様は全く周りを見ないのだろう。
「ふふ」
「イエルノ様、何か楽しいことがありました?」
「これから楽しい事をするの」
ヒーナの問いかけに、私はそう答える。
やっぱりお姉様は、私というものを見ていない。私に対して警戒はしていない。——デル兄様たちとは仲が良いつもりで、それ以外はどうでもよいと思っていて、私が何の行動をしていても何も気にしない。
――ねぇ、お姉様、本当にこのまま私を……そしてデル兄様たちを見ないのならば、無理やりでもこちらを振り向かせるから。貴方が取るに取らない存在と思っていた他でもない私が、お姉様をざまぁするから。
そのための準備は、もう着々と進められている。
ようやく……というべきか、お姉様の言う乙女げぇむが始まる。高等部に入学してからのお姉様は、前よりもおかしくなった。少しずつ、お姉様は『悪役令嬢』という呪縛にとらわれて、益々自分を見失う。元からお姉様は空想の世界を生きているような人だったけれども――、ヒーナがやってくることを実感したお姉様はおかしくなった。
私が、「お姉様、大丈夫ですか」と問いかけてもお姉様は大丈夫としか言わない。
私が、「お姉様、何かあるなら言ってください」と言ってもお姉様は何も語らない。
お姉様にとって、私という存在はあくまでも脇役でしかない。私の言葉は、やっぱりお姉様には何一つ届かないのだ。
では、メインの登場人物であったデル兄様たちならどうか――と思っても、やっぱりそういう人たちの言葉もお姉様は聞かない。お姉様は自分の見たいものしか見ない。聞きたいことしか聞かない。ああ、とっくの昔にお姉様はおかしくなっていて、お姉様は周りを何一つ見ていないのだ。
デル兄様がその事実を悲しんでいることも、お姉様は理解しない。デル兄様自身を、お姉様は見ていないからこそ、その乙女げぇむの世界のデル兄様だけを信じている。現実ではなく、空想の中のデル兄様を。
……ねぇ、お姉様。
お姉様がそんなだから乙女げぇむの中でただの脇役であった――取るに取らない存在でしかなかった私に足を掬われようとしているんだよ。
私は、お姉様が卒業までに理解をしないようなら――、お姉様をざまぁする。
――ざまぁしたとしても、私の大好きなお姉様は戻ってこないかもしれない。私の事を見ないかもしれない。それでも私は、お姉様に現実を知らしめると決めたのだ。
そのための大きな布石が――、ヒーナである。
乙女げぇむの世界でヒロインであったというヒーナ。太陽のように明るく、周りを照らすヒーナを進んで利用しようとは思っていない。此処がお姉様の言う乙女げぇむの世界だろうとも、本当にヒーナが攻略対象と呼ばれる殿方たちと仲良くなるのかも定かではない。
けれどもしー―本当にヒーナが彼らと仲良くなるのだったら、私はまず穏便に事が進むように尽力を尽くそうと思う。
乙女げぇむの世界ではなぜか根回しもせずに、デル兄様が婚約破棄を行い、お姉様が大変な目にあっていたようだが、現実ではそうはいかない。
そもそもそんなことをしたらデル兄様の立場が悪くなるものである。だからこそ……ヒーナが誰かと恋仲になったのならば、こちらでも動こうと思う。
攻略対象以外と恋仲になったとしても、それはそれで構わない。
ただヒーナという存在が学園に入っただけでもお姉様への働きかけにはなるから。でも例えばヒーナが何もしていなかったとしても……、お姉様はきっと乙女げぇむの枠組みにとらわれてヒーナに何か言うかもしれない。
そう思った私は、先にヒーナに「もしかしたらお姉様が変な接触の仕方をするかもしれない」というのだけはきちんと伝えてある。
ヒーナは何とも言えない表情をしていたけれど、「分かりました」と頷いてくれた。ヒーナは詳しい事情を私に聞かない。私が話すのを待っていてくれていて、聞き上手だ。そういうヒーナだからこそ……、乙女げぇむの世界で主人公という立場になりえたのだろうか。
そんなことを私は考えてしまった。
そして、ヒーナは学園に入学した。
庶子としてヒーナは学園に入学したわけだが、ヒーナの見目のよさと所作の美しさからヒーナは友人が出来たと喜んでいた。
「イエルノ様が教えてくださったからです。ありがとうございます」
ヒーナはにこにこして、私にお礼を言った。
ヒーナが学園に入学した後も、時々私たちはお茶会をした。
お姉様はヒーナが転入してから益々落ち着きがなくなったらしく、少し周りから距離を置かれているらしい。それでもお姉様は周りに関心がなく、いつも通り過ごしているという。
そんなお姉様は、ヒーナと私が接触しているのにもやっぱり気づかない。私がヒーナと接触何てするはずがないと、私の行動を気にも留めていない。
周りの見えないお姉様は、これからどんどん孤立していくのかもしれない。そして孤立していったとしても、乙女げぇむの世界にとらわれているお姉様は全く周りを見ないのだろう。
「ふふ」
「イエルノ様、何か楽しいことがありました?」
「これから楽しい事をするの」
ヒーナの問いかけに、私はそう答える。
やっぱりお姉様は、私というものを見ていない。私に対して警戒はしていない。——デル兄様たちとは仲が良いつもりで、それ以外はどうでもよいと思っていて、私が何の行動をしていても何も気にしない。
――ねぇ、お姉様、本当にこのまま私を……そしてデル兄様たちを見ないのならば、無理やりでもこちらを振り向かせるから。貴方が取るに取らない存在と思っていた他でもない私が、お姉様をざまぁするから。
そのための準備は、もう着々と進められている。
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