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アローナ先生から聞いたことだが獣人は月に一度、満月の夜は人間の姿になるらしい。
この世界では十五日が満月と決まっている。
確かに先月の十五日はアデミル様は体調が悪いとか言って夜は見かけなかった。お見舞いも断られた。
そんなことがあったので今月はどうだろうと思っていると午後、お茶の時間に伺うと話があると言われた。
それで、とお茶を飲みながら話を聞くと話は思った通り今夜の満月の話だった。
「きみも習ったとは思うが我々獣人は満月の夜は人の姿になる。先月はまだ夫婦ではなかったから隠したが今は夫婦だ。隠し事はせずに行こうとは思うが……そもそもきみは私の人の姿を見たいと思うか?」
「思いますけど?」
即答すると彼はぐう、と喉を鳴らした。彼自身はあまり見せたくないようだ。
「アデミル様が見せたくないのでしたら無理にとは言いませんが……」
私の言葉にアデミル様はいやその、と言い淀む。
「嫌、というわけではないのだがその、だな」
「はい」
「……人の姿だと老けて見えるから嫌いなのだ」
「はい?」
「いや、実際に私はもう四十五だからそれなりの顔なのだが獣人の時と比べて如実に年が顔に出るというか……きみとの歳の差を思い知らされて良い気はしないというか……」
「気にしなくて良いですよ。どうせ一晩だけのことでしょう?そんな大して重要なことでもないです」
それに、と私は笑う。
「アデミル様ならどんな姿でも好きになる自信ありますし」
私の言葉にアデミル様はふと笑うとなら今夜はきみにも見てもらおう、と言ってくれた。
そして夜になって夕食に呼ばれて食堂に降りていくとアデミル様の席に一人の紳士が座っていた。
少し長めの銀の髪を無造作に後ろへ撫で付け、金の切れ長の瞳で私を見ている。
「アデミル様……?」
私の問いかけにその人はそうだ、と頷いた。眼光は鋭く鷹の目のようだ。唇は薄く色づいていて色っぽさも感じられる。
イケオジ、の一言が私の頭の中で回った。
「アデミル様、凄く格好いいです」
私が席に座りながら褒めると彼はどこか微妙な顔つきでそうか?と小首を傾げた。
口元に薄らと皺があるがそれ以外には目立った皺は見当たらない。
「私の好きなお顔です」
笑ってそう言うと彼はそうか、とやっぱり微妙な顔つきで笑った。
アデミル様は自分の人間の顔が好きではないみたいだからだろう、と見当をつけて私は事あるごとにその顔を褒め称えて少しでもアデミル様が自分の容姿に自信を持ってもらえるように努めたのだった。
アデミル様がなんがか不機嫌そうだな、と気付いたのは晩酌にお付き合いをしている時だった。
私がその姿を褒めれば褒めるほど彼の機嫌は悪くなっていくようだった。
これ以上は褒めない方がいいと判断した私が黙ると彼も黙ってしまって室内には沈黙が落ちる。
いつもは美味しいと思うオレンジ丸絞りのジュースもなんだか味気ない。
彼もいつもは美味い美味いといつまでも褒めてくれる私の生み出したワインを黙って飲んでいる。
「……」
「……」
沈黙に耐えきれなくなった私はグラスをローテーブルの上に置いた。中身はまだだいぶ残っていたがどうにも飲めそうにない。
「私、今日はもう寝ますね」
そそくさと退散しようとした私をアデミル様は呼び止めた。
「シオリ」
「は、はい」
「私のこの姿は好きか」
「はい、もちろん」
迷わず答えた。中身がアデミル様なら外見など気にしないから。
けれどアデミル様は私の答えを受け取るとふっと自嘲気味に笑ってこう言った。
「……この姿になら抱かれてもいいと思うか?」
一瞬なにを言われたか分からなくて、けれど瞬時にその意味の真意を理解してかっとなった。
アデミル様は人間の姿の自分になら私が体を開くと思っているのだ。
私は怒りで目の前が赤く染まるのを感じた。ぶわっと一気に怒りによる涙が込み上げてくる。
「そんな卑屈なことを言うアデミル様とは一生セックスなんてしません!」
私はそう叫んで彼の部屋を飛び出した。
「シオリ!」
その背に彼の声がぶつかったが無視をして自室に飛び込み、明日の私の洋服を選んでいたミミアを驚かせた。
「奥様?お早いですね。どうかされましたか?」
ミミアが私の顔色を見て気遣わしげに聞いてくる。
けれど私はそれには答えずベッドに腰掛けて俯いた。
はーっと深いため息をついて目元を拭うとミミアがハンカチを差し出してきた。
「ありがとう」
「旦那様と何かございましたか?」
「それが……」
とんとん、とノックの音が響いた。シオリ、と低い声が扉越しに聞こえてくる。
ミミアが動いて扉を開ける。そこには悄然としたアデミル様が立っていた。
「すまない、きみが余りに今の私を褒めるものだからやはり人の姿の方が良いのかと勘繰ってしまった」
「私、言いましたよね。アデミル様ならどんな姿でも良いって。好きになるって。人間の姿だから褒めたんじゃありません。その姿もアデミル様だから褒めたんです」
彼は私の前に立つと片膝をついて視線を合わせると私の手をそっと取った。いつもとは違う少しカサついた人間の手だった。
「そうだな。そんなこと分かりきっていたのにどうしようもなく今の自分に嫉妬したんだ」
「自分なのに?」
「そう、自分なのに」
私は口元を緩めて苦笑するとばかなひと、と小さく呟いた。
私が笑ったことにほっとしたのかアデミル様も少しだけ表情を和らげて口元には苦笑を浮かべた。
「私と、仲直りしてくれないか」
「アデミル様がもう卑屈なこと言わないなら応じます」
「わかった。努力する。だからシオリ」
「仲直りしてあげないとアデミル様が泣いちゃいそうだから仲直りしてあげます」
私がそう笑うと彼もまた穏やかに笑った。
そして彼はそれで、だが、と少しだけ言い淀んだ。
「提案があるのだが良いだろうか」
「提案?」
「その、一緒に寝てほしい。夫婦なのにいつまでも別のベッド、別の部屋とは、寂しい」
私は湧き上がる愛しさのままに微笑んではい、と頷いた。
「では、今夜からお邪魔しても良いですか?」
ぱあっと表情を明るくした彼はああ!と元気よく頷いたのだった。
(続く)
この世界では十五日が満月と決まっている。
確かに先月の十五日はアデミル様は体調が悪いとか言って夜は見かけなかった。お見舞いも断られた。
そんなことがあったので今月はどうだろうと思っていると午後、お茶の時間に伺うと話があると言われた。
それで、とお茶を飲みながら話を聞くと話は思った通り今夜の満月の話だった。
「きみも習ったとは思うが我々獣人は満月の夜は人の姿になる。先月はまだ夫婦ではなかったから隠したが今は夫婦だ。隠し事はせずに行こうとは思うが……そもそもきみは私の人の姿を見たいと思うか?」
「思いますけど?」
即答すると彼はぐう、と喉を鳴らした。彼自身はあまり見せたくないようだ。
「アデミル様が見せたくないのでしたら無理にとは言いませんが……」
私の言葉にアデミル様はいやその、と言い淀む。
「嫌、というわけではないのだがその、だな」
「はい」
「……人の姿だと老けて見えるから嫌いなのだ」
「はい?」
「いや、実際に私はもう四十五だからそれなりの顔なのだが獣人の時と比べて如実に年が顔に出るというか……きみとの歳の差を思い知らされて良い気はしないというか……」
「気にしなくて良いですよ。どうせ一晩だけのことでしょう?そんな大して重要なことでもないです」
それに、と私は笑う。
「アデミル様ならどんな姿でも好きになる自信ありますし」
私の言葉にアデミル様はふと笑うとなら今夜はきみにも見てもらおう、と言ってくれた。
そして夜になって夕食に呼ばれて食堂に降りていくとアデミル様の席に一人の紳士が座っていた。
少し長めの銀の髪を無造作に後ろへ撫で付け、金の切れ長の瞳で私を見ている。
「アデミル様……?」
私の問いかけにその人はそうだ、と頷いた。眼光は鋭く鷹の目のようだ。唇は薄く色づいていて色っぽさも感じられる。
イケオジ、の一言が私の頭の中で回った。
「アデミル様、凄く格好いいです」
私が席に座りながら褒めると彼はどこか微妙な顔つきでそうか?と小首を傾げた。
口元に薄らと皺があるがそれ以外には目立った皺は見当たらない。
「私の好きなお顔です」
笑ってそう言うと彼はそうか、とやっぱり微妙な顔つきで笑った。
アデミル様は自分の人間の顔が好きではないみたいだからだろう、と見当をつけて私は事あるごとにその顔を褒め称えて少しでもアデミル様が自分の容姿に自信を持ってもらえるように努めたのだった。
アデミル様がなんがか不機嫌そうだな、と気付いたのは晩酌にお付き合いをしている時だった。
私がその姿を褒めれば褒めるほど彼の機嫌は悪くなっていくようだった。
これ以上は褒めない方がいいと判断した私が黙ると彼も黙ってしまって室内には沈黙が落ちる。
いつもは美味しいと思うオレンジ丸絞りのジュースもなんだか味気ない。
彼もいつもは美味い美味いといつまでも褒めてくれる私の生み出したワインを黙って飲んでいる。
「……」
「……」
沈黙に耐えきれなくなった私はグラスをローテーブルの上に置いた。中身はまだだいぶ残っていたがどうにも飲めそうにない。
「私、今日はもう寝ますね」
そそくさと退散しようとした私をアデミル様は呼び止めた。
「シオリ」
「は、はい」
「私のこの姿は好きか」
「はい、もちろん」
迷わず答えた。中身がアデミル様なら外見など気にしないから。
けれどアデミル様は私の答えを受け取るとふっと自嘲気味に笑ってこう言った。
「……この姿になら抱かれてもいいと思うか?」
一瞬なにを言われたか分からなくて、けれど瞬時にその意味の真意を理解してかっとなった。
アデミル様は人間の姿の自分になら私が体を開くと思っているのだ。
私は怒りで目の前が赤く染まるのを感じた。ぶわっと一気に怒りによる涙が込み上げてくる。
「そんな卑屈なことを言うアデミル様とは一生セックスなんてしません!」
私はそう叫んで彼の部屋を飛び出した。
「シオリ!」
その背に彼の声がぶつかったが無視をして自室に飛び込み、明日の私の洋服を選んでいたミミアを驚かせた。
「奥様?お早いですね。どうかされましたか?」
ミミアが私の顔色を見て気遣わしげに聞いてくる。
けれど私はそれには答えずベッドに腰掛けて俯いた。
はーっと深いため息をついて目元を拭うとミミアがハンカチを差し出してきた。
「ありがとう」
「旦那様と何かございましたか?」
「それが……」
とんとん、とノックの音が響いた。シオリ、と低い声が扉越しに聞こえてくる。
ミミアが動いて扉を開ける。そこには悄然としたアデミル様が立っていた。
「すまない、きみが余りに今の私を褒めるものだからやはり人の姿の方が良いのかと勘繰ってしまった」
「私、言いましたよね。アデミル様ならどんな姿でも良いって。好きになるって。人間の姿だから褒めたんじゃありません。その姿もアデミル様だから褒めたんです」
彼は私の前に立つと片膝をついて視線を合わせると私の手をそっと取った。いつもとは違う少しカサついた人間の手だった。
「そうだな。そんなこと分かりきっていたのにどうしようもなく今の自分に嫉妬したんだ」
「自分なのに?」
「そう、自分なのに」
私は口元を緩めて苦笑するとばかなひと、と小さく呟いた。
私が笑ったことにほっとしたのかアデミル様も少しだけ表情を和らげて口元には苦笑を浮かべた。
「私と、仲直りしてくれないか」
「アデミル様がもう卑屈なこと言わないなら応じます」
「わかった。努力する。だからシオリ」
「仲直りしてあげないとアデミル様が泣いちゃいそうだから仲直りしてあげます」
私がそう笑うと彼もまた穏やかに笑った。
そして彼はそれで、だが、と少しだけ言い淀んだ。
「提案があるのだが良いだろうか」
「提案?」
「その、一緒に寝てほしい。夫婦なのにいつまでも別のベッド、別の部屋とは、寂しい」
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ぱあっと表情を明るくした彼はああ!と元気よく頷いたのだった。
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